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スクールランブルIf07【脳内補完】

1 :Classical名無しさん:04/04/18 23:44 ID:Fxxuq7bM
週刊少年マガジンとマガジンSPECIALで連載中の「スクールランブル」は
毎週7ページの週刊少年漫画です。
物足りない、もっとキャラのサイドストーリー・ショートストーリーが見たい人もいる事でしょう。
また、こんな隠されたストーリーがあっても良いのでは?
有り得そうな展開を考察して、こんな話思いついたんだけど…といった方もいるはずです。
このスレッドは、そんな“スクランSSを書きたい”と、思っている人のためのスレッドです。
【要はスクールランブルSSスレッドです】

SS書き限定の心構えとして「叩かれても泣かない」位の気概で。
的確な感想・アドバイスレスをしてくれた人の意見を取り入れ、更なる作品を目指しましょう。

≪執拗な荒らし行為厳禁です≫≪荒らしはスルーしてください。削除依頼を通しやすくするためです≫

SS保管庫
http://www13.ocn.ne.jp/~reason/

【過去スレ】
スクールランブルIf06【脳内補完】
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1078844925/
スクールランブルIf05【脳内補完】
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1076661969/l50
スクールランブルIf04【脳内補完】(スレスト)
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1076127601/
もっともっとスクラン奈良萌えスレッド
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1074117388/l50
もっとスクールランブルの奈良くん萌えスレッド
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1072536035/
スクールランブルの奈良くん萌えスレッド
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1060335566/

2 :Classical名無しさん:04/04/18 23:45 ID:Fxxuq7bM
関連スレ(21歳未満立ち入り禁止)
スクールランブル@エロパロ板2
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077723024/l50

【荒らし行為について】

“完全放置”で
よろしく頼(よろ)んだぜ

■ 削除ガイドライン
http://www.2ch.net/guide/adv.html#saku_guide

3 :Classical名無しさん:04/04/18 23:48 ID:UP3rarDA
おつです。
職人さんも増えてきたことですし、いっそうスレが盛り上がることを期待します。

4 : :04/04/18 23:52 ID:TTtC7q6Q
>>1
乙、でも1から透明あぽーんだ、 _| ̄|○
本スレの関係で某名前をアポーンにしてる人多いと思うから、
次スレのテンプレは某名前は、はじいてくれるとありがたい

5 :Classical名無しさん:04/04/18 23:56 ID:UP3rarDA
>>4
あ、自分もですw

このスレが終わる頃には、NGワードを解除できるようになってるといいですね。

6 :Classical名無しさん:04/04/18 23:56 ID:1vCAWGoM
>>1


でもテンプレの

>毎週7ページの週刊少年漫画です。

9ページに固定されそうだから次スレでは変えなきゃね。


7 :Classical名無しさん:04/04/19 00:02 ID:Ozx2GV5s
>>1
乙!
そして職人さんたちに感謝!(・∀・)

8 :Classical名無しさん:04/04/19 00:16 ID:DSxhjImQ
>1
乙ー。今スレもまったりしっかり進んでいきますように。

9 :more than words:04/04/19 00:34 ID:TF964buY
絃子、笹倉先生、播磨のSSです。
スレ一発目で緊張しますが、久々に投下します。

10 :more than words:04/04/19 00:36 ID:TF964buY
「では、刑部先生、乾杯です」
 ──かちん。
 グラスの音が、ささやかな喧噪がただよう店内に響き渡った。
 刑部絃子と笹倉葉子は、街のとあるところにある、小さな居酒屋にきていた。
 絃子が金曜の仕事を終えた後、しばらく職員室で休んでいたところを、笹倉が誘ったのだ。
絃子自身はあまり気が進まなかったのだが、それを半ば強引に笹倉が誘ったという形になった。
 店内には、絃子と笹倉の他に、数人の客がきていた。皆、一週間分の疲れと鬱憤をはらすかのように、
にぎやかに酒をあおっていた。
 そんな様子を、テーブルの上に肘をついた絃子は、うつろな目で見つめる。
「どうしたんですか?なんだか、元気がないみたいですけど……」
 絃子の様子に気付いたのか、笹倉が心配そうに話しかけてきた。
「いや。なんでもない」
 絃子はそう答えると、酒を一口あおる。そして、小さなため息が、その口から漏れた。
 そんな様子を、笹倉が黙って見つめる。
しばらくの間、二人はお互いにしゃべることもなく、酒だけがすすんでいた。
一時の時間が流れた頃、笹倉が静かに口を開く。
「そういえば、あの新任の保健の先生──姉ヶ崎先生とはお話になりました?」
 姉ヶ崎、その言葉を聞いたとたん、絃子の体がわずかに動く。
 それに気付いてか気付かないでか、笹倉が絃子の返事をまたずに、話を続けた。
「彼女、なんだか、随分、男子生徒に人気あるみたいですね」
「──そうみたいだな」
 絃子はそう言うと、再び酒で唇をしめらせた。
「美人で、良く気が回って、そして物腰も柔らかいですしね」
 笹倉は、「物腰」というところで、意味ありげに絃子のほうを見つめる。
 絃子は、そんな笹倉の視線に対し、一瞬険しい表情を浮かべたが、すぐにいつものポーカーフェイスに戻っていた。
「そうそう、この前の職員会議は大変でしたね……あ、そういえば刑部先生は、出席されなかったんでしたっけ」
 絃子の視線を受け流すかのように、酒を口に含んだ笹倉は、そのまま話を続けた。
「知っていますか?その姉ヶ崎先生を、男子生徒が押し倒したって言う──」
「──知ってるよ」
 絃子は、笹倉の話を遮るかのように言うと、グラスに残る酒を、一気に喉の奥へと流し込んだ。

11 :more than words:04/04/19 00:36 ID:TF964buY
「馬鹿な男さ。彼は──播磨君は──他の不良とは違うと思っていたんだがな」
 ぶっきらぼうにそう言うと、絃子は2杯目の酒を注文した。
 そんな絃子を見た笹倉は、一つ、小さなためいきをつくと、自分も次の酒を注文するのだった。
「『他の不良とは違う』か……まるで、彼のことを良く知っているような言い方ですね」
 そういうと、笹倉は絃子のほうを見つめ、クスリと小さく笑う。
その目の奥には、少しイタズラな光があったのだが、それに気付かない絃子は、
ほんの少しだけ顔を赤く染める。
「ち、違──彼は、拳児クンは、私の、そう、弟みたいなものさ」
 いつの間にか、呼び名が『播磨』から『拳児』に変わっていたのだが、酔いのせいなのか、
絃子はそれに気付かない様子であった。
「弟……ですか?」
「──ああ」
 腑に落ちない表情の笹倉に、絃子は、播磨拳児が自分の従兄弟であることを伝えた。
「なるほど。それで、彼のことを『弟』だと……」
「ああ。拳児クンには、女兄妹はいなかったからね。私が彼の姉代わりだったのさ」
 そう言うと、絃子は、2杯目の酒に口を付ける。
 そして、目の高さにまでグラスを持ってくると、中の氷をかき混ぜるかのように、グラスを回した。
 カラカラと乾いた音が、二人の間に響き渡る。
 しばらくの間、二人はお互いにしゃべることなく、ただ黙々と酒を飲んでいた。
 やがて、笹倉が、ゆっくりと口を開く。
「──刑部先生にとって、播磨君は、本当に『弟』なのですか?」
 少しばかり真剣な口調。だが、その目はどこか優しい光を帯びていた。
 そんな笹倉の視線を、絃子は静かに受け止める。
「──何が言いたい?」
「いえ。ただ、ひょっとしたら、刑部先生は、播磨君のことを、無理矢理『弟』として
 思いこもうとしただけなんじゃないかな……って。ちょっとだけ、そう思ったんです」
 笹倉は、そう言うと、クスリと、いたずらな笑みを浮かべる。
「な、何をバカな──拳児クンは、私にとって『弟』でしかないよ。
 それ以上でも、それ以下でもない」
 ほんの少し頬を赤く染めた絃子は、それを知られまいとしてか、残りの酒を一気に飲み干した。
 そんな様子を、笹倉は、何故か楽しそうに見つめる。

12 :more than words:04/04/19 00:37 ID:TF964buY
「そうだったんですか?」
「ああ。いつも走り回っていて、よく私が迎えに行ったよ。
 遊びに行った先で眠ってしまって、私が何回か、おぶって帰ったこともあったかな」
 淡々と昔のことを、笹倉に伝える絃子。その様子は、一見普段とは変わらぬ姿だったが、
笹倉との間に流れる空気は、非常に優しいものであった。
「元気な子だったんですね」
「──そうだな。よく一緒に遊んだものだよ……少し懐かしいな」
 そう言うと、絃子は、ゆっくりと目を閉じ、昔のことに、思いをはせるのだった。


『絃子ねーちゃん。ほら、カブトムシつかまえたんだぜ!』
『ほう。だが拳児クン、生き物は大切にしなければいけないぞ。逃がしてやったほうが、
 いいとは思わないか?』
『そっか──そうだね。絃子ねーちゃんは優しいなぁ』


『絃子ねーちゃん、これあげるよ!』
『ほう、これは?』
『絃子ねーちゃんと俺の絵だよ』
『そうか──二人が並んで手をつないでいる絵だな。ありがとう、拳児クン』


『絃子ねーちゃん、ほら──』


『絃子ねーちゃん──』


『絃子──』

13 :more than words:04/04/19 00:39 ID:TF964buY
「──絃子?」
 はっとして、絃子は目を覚ます。いつの間にか、辺りは暗かった。
ふと辺りを見回すと、そこは既に居酒屋ではなかった。
「お、気がついたみたいだな」
 ふと声のした方を見ると、そこには、自分が良く知っている後ろ頭。
ベレー帽をかぶった、播磨拳児の後頭部が見えた。
「──あれ?私は一体──」
 頭を軽く横に振る絃子。次第に意識がはっきりしてくると、自分の状況が、少しずつ飲み込めてきた。
辺りは、少し薄暗い通り道。街灯が数メートルおきにあり、その光に何匹かの虫が集まっていた。
そんな中、絃子は、自分が播磨に背負われているのに気付く。
「何故、拳児クンがここに?」
「いや、なんだか、突然電話がかかってきてよ。絃子がつぶれちゃったので、迎えに来て下さいだとさ。
 それだけ言うと、名乗りもせずに切ってしまったけどな」
「──その声は、女の声だったか?」
「周りがやかましかったので、よくわからなかったが……確かそうだったかな?」
「そうか──」
(笹倉先生か)
 わざわざ、播磨拳児を呼び出す辺り、なんとも小憎らしい。
絃子の脳裏に、笹倉のいたずらな笑みが浮かんだ。
「いや、ありがとう、拳児クン。もう大丈夫だ。降ろしてくれていいぞ」
 自分が、播磨拳児の背中に背負われていることに、気付いた絃子は、
少しばかり恥ずかしくなったのが、降ろしてくれるよう頼んだ。
 だが、播磨はそれには応じず、絃子を背負ったまま歩き出す。
「気にすんな。どうせ家まで、後少しだしな」
「だが、こんな姿を、他の生徒に見られたら、面倒なことになるぞ」
「こんな時間だし、大丈夫だろ。それに、もう変なウワサならたっちまってるしな。
 今更もう一つウワサが増えたって……」
 播磨はそこまでいうと、一つ大きなため息をつく。
「変なウワサ?あれは、ウワサなんかではなく、事実だろう?」
「ば、バカ!ちげーよ!あれは──」

14 :more than words:04/04/19 00:43 ID:TF964buY
 そして播磨は、背中にいる絃子に、事の次第を伝える。
 自分は何もしてないこと。自分が放浪の旅に出ていたときに、少し世話になった人であること。
 その人物が、自分が目を覚ましたら、急に抱きついてきたこと。
「──とうわけさ」
「そうだったのか……」
 播磨拳児から、事の顛末を聞いた絃子は、何故か安堵のため息をつく。
自分の背中にいるせいか、播磨拳児からは、絃子の表情は読めない。
 だが、絃子自身、自分が、何故か安心していることに気付いていた。
「では拳児クン、お言葉に甘えて、おぶってもらうことにするよ」
 そう言うと、絃子は、自分の両腕を、播磨拳児の首に回し、ゆっくりと自分の体を預けた。
 いつの間にか、自分よりも大きくなってしまった背中。
 いつかの時よりも、ずっと力強く、大人になってしまった背中。
 いつか、自分が彼を背負ったとき。あの時、まさか自分が背負われる日がくるのが、分かっていただろうか。
「お、おう」
 一方播磨拳児は、いつもとは様子の異なる絃子に、少しばかり驚きを覚えていた。
 自分の首に回された腕。背中ごしに感じられる体の感触。そして、自分の鼻をくすぐる、女性としての香り。
 普段、自分が、自分の従姉からは感じられぬものに対して、多少なりともどぎまぎを隠せないでいた。
「──汗くさいぞ、拳児クン」
 ふと、絃子の鼻を、汗の匂いがくすぐる。
「し、仕方ねーだろ!バイト帰りなんだし!」
「そうだな……だが、この匂い、決して嫌いなわけではない」
 そういうと、絃子は、播磨拳児の首に回した自らの腕に、わずかに力を込める。
「そ、そうか?……な、なんか調子狂うな。いつもの絃子らしくねーぞ」
「──酔っているからな。酔っている女性には、優しくするものだ」
「わ、わーってるよ!」

15 :more than words:04/04/19 00:45 ID:TF964buY
 しばらくの間、二人は会話を交わすことなく、ただ黙って歩いていた。
 空を見上げると、黒い空の中に、くっきりと浮かぶ青い月。その周りには、いつかの氷った星が瞬いていた。
 どこか遠くで響き渡る喧噪の音。だが、二人の周りは静かで、ただ播磨拳児の足音だけが染み渡る。
 やがて、家まで後少しというところで、絃子がゆっくりと口を開く。
「なぁ、拳児クン。私は……」
「うん?どうした?」
「私はな、その……」
 珍しく口ごもる絃子。どこかもどかしく、そしてどこかためらっている、そんな様子だった。
「──絃子?」
「私は、ひょっとしたら──」




 ──キーンコーンカーンコーン。
 昼休みを告げるベルの音が、校舎に響き渡った。
 がやがやという喧噪とともに、生徒達は、昼食を取るために、思い思いの場所へでかける。
 そんな中、播磨拳児は、屋上で、ごろりと横になっていた。
 空は、涼やかな秋晴れ。飄々とした風が、彼の肌を柔らかにかすめる。
 昼食代わりのパンをかじりながら、播磨拳児は、先週のことを、ふと思い出していた。

16 :more than words:04/04/19 00:46 ID:TF964buY
「ふん、酔っぱらいが……」
 あの時、絃子が本気であのような事をいったのか、わからない。
ひょっとしたら、単に酔っていただけなのかもしれない。
 真偽のほどは、確かめることはできなかった。なぜなら、目を覚ましたときの絃子は、
めずらしく、酔っていたときの記憶をなくしており、問いただせなかったからだ。
 いや、もし、仮に記憶があったところで、問いただすことができただろうか?
 播磨拳児の中に、様々な想いが交錯する。
「まったく……酔った勢いで、とんでもないこと言うんじゃねーよ……」
 晴れやかな空。雲のないその空の中に、風にのって、播磨拳児のつぶやきが運ばれていった。




『──ひょっとしたら、キミのことを、好きになってしまったのかもしれない──』



(了)

17 :Classical名無しさん:04/04/19 00:49 ID:TF964buY
以上です。
しかし、コレ、スクランじゃないね…(;´Д`)
いや、ほんとSSは難しいです。

微妙にシチュエーションが、「Love is Blindness 」とかぶってますが、
まぁ酔ってるということで、笑ってやって下さい( ´∀`)

18 :Classical名無しさん:04/04/19 00:56 ID:MIxv/4SE
グッジョブ!
いやホントにイトコ先生最高です
文句なしに萌える(;´Д`)


19 :Classical名無しさん:04/04/19 01:10 ID:1vCAWGoM
>>17
一番乗りお疲れさまッス。

むず痒くなるほど絃子先生展開。
かぶってはいますが、味わいの違いがきちんと出ていて
全然問題ないかと。
あとメル欄の台詞はどのタイミングで言われたんだろう
と妄想をかき立てられます。
ある意味最もSSらしいカップル話。絃子×播磨SS、ごちそうさまでした。

さぁ出だしは好調。職人達よ続けー!


20 :Classical名無しさん:04/04/19 02:31 ID:TF964buY
感想ありがとうございます( ´∀`)

>>18
姉萌え&幼馴染み属性ありまくりの、漏れ的には、
イトコ先生(*´д`*)ハァハァなのです。

>>19
メール欄の台詞は、ラストの台詞と、どちらにしようか迷ったものです。
結婚という単語を使うのに、やや抵抗があったので、こちらになりました。


あと、批判要望でも全然かまいません。
文章読みにくいぞ、(゚Д゚ )ゴルァ!! でも
句読点の位置おかしいよ ( ´,_ゝ`)プッ でも
地の分がすくねえよ! ( ゚д゚)、ペッ でも
文章力ないね (゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ でもなんでもかまいませんので。

感想指摘おかまいなくどうぞ。

21 :Classical名無しさん:04/04/19 02:38 ID:YPk8PEPo
この24時間だけでSS7本も増えてる…
また寝るのが遅くなってしまった…
ということなので感想は省かせてもらいます
職人さんたち乙でしたー。

22 :前スレ710:04/04/19 02:41 ID:WiBE5f36
もう書かないつもりだったが
続き書いてしまった
ネムネム
今回はなんてゆーかほとんどギャグ
沢近さんを入れたらこうなってしまいました

23 :前スレ710:04/04/19 02:42 ID:WiBE5f36
After #73

そんなこんなでHRも終わり、放課後になった。
八雲は玄関口で天満が来るのを待っていた。

「八雲!!お待たせ。さあ播磨くんの家に行こうか」
「え、姉さん。先輩方も?」

見れば天満の後ろに美琴と愛理の姿が見えた。
美琴の様子は普段と変わりないが愛理はどうみても不機嫌そのものだ。

「そう、やっぱり皆で謝らないとね。私が誘ったんだよ」
「私も責任の一端は担ってるからな。一番謝らないといけない奴も連れてく必要があるし」
「………………」

確かに、それはその通りなのだろうけど。愛理の態度は波乱を予感させる。
播磨さんと同様、根は悪い人ではないと八雲は納得することにした。

「それじゃあ早速行ってみようか。八雲は地図持ってるから場所わかるよね?」
「ええ、皆さん付いてきて下さい」

そして一同は播磨の家へと歩き始めた。


24 :前スレ710:04/04/19 02:44 ID:WiBE5f36
暗い部屋の中。
播磨は一人不貞寝していた。

「ライバルどうこうじゃなくて完全に嫌われちまったかな」
 畜生、少しは打たれ強くなったと思ってたのによ

流石の播磨も何事もなかったかのように学校へ行くことはできなかった。
漫画を描いても全くペンは進まない。
播磨の頭の中であの時の天満の声が何度もリフレインしていた。

「信じてたのに、か。今回は流石に効いたよな〜」

何度目かの溜息。同時に生気が抜けていくようだ。

「5時前か、もう動物園にいくような時間でもねーよな。
 ちっ、メンドくせー。カップ麺でも食うか」

何もせずとも腹は減る。朝から何も食べていないことを思い出して播磨はキッチンへ向かった。
やかんに水を入れて火にかける。
その時、ぴんぽ〜〜んとチャイムが鳴る。
この軽い音が今の気分にはそぐわないが、とりあえずカップ麺は中断。
玄関へ向かうことにする。


25 :前スレ710:04/04/19 02:45 ID:WiBE5f36

「はいはい、どちらさんで……」


ドアを開けて………………………閉めた。

 何故ここに?

「播磨くん、ちょっと開けてほしいんだけど」

 いや、天満ちゃん。まずは状況を整理だ。
 最愛の人+αが家を訪ねてきた…………整理終了。

「悪い、ちょっと待ってくれよ!!」

とりあえずボサボサの寝起きの髪をセットする。寝巻きを着替える。顔を洗う。
舞台役者もかくやという早さでいつもの俺に変身完了!!
愛の力だぜ!!

「待たせたな。今開けるぜ」

もう一度ドアを開ける…………閉めた。



26 :前スレ710:04/04/19 02:46 ID:WiBE5f36
「人の顔見てドア閉めるなんて随分なご挨拶ね」

 さっきは気づかなかったぞ、金色の悪魔。

恐る恐るドアを開ける。

「あーあの、何の御用でしょうか?サワチカサン」
「私たち、謝りに来たんです」
「そう、播磨くんにあらぬ疑いをかけちゃったみたいだから居た堪れなくなって」
「私もだ。悪かったな、播磨」
「あのーそれで、サワチカサンはどうして……」
「だから謝るために来たのよ」
「え……いやマジで勘弁してくださいサワチカサン」
「人がせっかく来たってのになによそれは」
「いや……だって今殺めるために来たって……」
「……ふ〜ん、へぇ〜〜。あっそ、あなたが私をどう思っているかよ〜く理解できたわ」
「いや……その……金色の悪魔?」

 ああ、しまった。言わなきゃよかった。とっても素敵な死なス笑み。
 昨日の件で完全にPTSDになっちまった俺には身動きが取れん。
 さようなら天満ちゃん、さようならお姉さん、さようなら動物たち。


27 :前スレ710:04/04/19 02:53 ID:WiBE5f36
「はいストップ。今回は播磨に謝りに来たんだろ。また殴る気か、お前は」
「美琴、私を止めないで。一発蹴飛ばしてやらなきゃ気が済まないみたい」
「仕方ないな。ほら」

そういって周防は背後に回る。マズイ、障害が無くなればすぐにでも飛び掛って、って。

「む、うぅ。私が悪かったわよ。これでいいでしょ」

 ん、いやに素直に引き下がったな。一体どうしたんだ?
 らしくもない。

28 :前スレ710:04/04/19 02:54 ID:WiBE5f36
「いや〜よかったな、播磨。じゃ、これ返す」

そういって周防は俺の頭にぽんと何かを載せた。

 ああ、そうか。帽子だ。俺の禿を隠してた帽子。



 天満ちゃんにモロ見られてんじゃねえかよ。

もう踏んだり蹴ったりつーか。


29 :前スレ710:04/04/19 02:55 ID:WiBE5f36

「じゃ、私ら先に帰るから。塚本姉妹、後頼んだぞ」
「とっとと帰らせてもらうわ」
「うん、また明日学校で!!」
「また明日」

 お前ら二人もう来るな。

30 :前スレ710:04/04/19 03:01 ID:WiBE5f36
播磨の心の声とナレーションの区別がつけにくくなってしまった。
括弧でくくればいいとは思いつつもひとつスペース入れるだけw
最初の構想だと沢近&周防は出なかったんだけど………
Fateの凛と似てるな〜と思ってるうちにこんなことまでさせてしまった。
反省。
つーか播磨も弄り過ぎたw

マジ眠いぞ。
明日に響く
おやすみ

31 :Classical名無しさん:04/04/19 08:18 ID:rJyq1aNE
時事ネタPTSDワロタ

32 :前スレ710:04/04/19 18:30 ID:WiBE5f36
今見直したけど書き方が全然なってないな
一人称なら一人称で割り切るべきなんだが
2回目も出だしだけ過去形だったし……
八雲は喋らないし………どうしたもんか

あ、それとPTSDは偶然です
朝テレビ見て知りました

33 :Classical名無しさん:04/04/19 23:13 ID:6jhLkPTU
おにぎりSS書いたんだが…

今の様子だと需要ないかな?

34 :Classical名無しさん:04/04/19 23:25 ID:Ur5yrgpw
んなことないない。色々あった方が楽し

35 :Classical名無しさん:04/04/19 23:58 ID:EGJuD4X2
むしろ激しく希望
オニギリバンザイ

36 :a chance:04/04/20 00:38 ID:6jhLkPTU
「元気か、ピョートル…。俺のほうは相変わらずだ。」

ここは休日の昼下がりの動物園。キリンのエリアの前で男が一人佇んでいる。
ヒゲにサングラスといったその風貌は、誰が見てもこの場にそぐわないと思うだろう。
事実、子供連れの親が彼のほうに目をやり、不審げな視線を向けている。

だが、その男はそんな周りの目を気にすることなく、寂しげな表情のまま柵の向こうにいるキリンに目をやっている。
「子供達にも人気なんだってな、俺も鼻が高いぜ。」
笑みを漏らすが、憂いの表情は未だに残ったままだ。
彼の名前は播磨拳児、動物に愛される不思議な男―――――


ここにいる動物のうちの何匹かは、元々彼が飼っていた。
しかし、一個人で大型動物を飼育できるわけがなく、やむなくこの動物園に預けられることとなった。
予定という未来を縛ってしまう行為を播磨は嫌っているが、ここには何度も通っている。彼にとっては唯一といっていい習慣だった。
時間が余ってしまったり、私生活で行き詰ったりするようなことがあれば自然にここへ足が向くようになる程に――――――



「あ……播磨さん。」
そんな彼に話しかける女性が一人。
「ん?妹さんか。ここで会うのは久しぶりだな。」
彼女の名前は塚本八雲。かつてこの動物たちを守るために、彼に尽力したメンバーの内の一人だ。
彼女もまた、時々この動物園に訪れては動物たちに会いに来ていた。
「もう…一ヶ月くらい経ちますよね、ここに引き取られてから。」
「そうか……もうそんなになるか。」
夏の終わりに起こった、忘れることのできない小さな戦いに思いを馳せる。



37 :a chance:04/04/20 00:44 ID:6jhLkPTU

播磨がこっそり飼っていた動物たちを守り抜こうとした一日。
新学期が始まる学校では飼えなくなり矢神神社で飼っていたが、隠しきれるはずもなくたちまち地元では噂となった。
他人に動物たちの世話を任せることを拒んだ播磨はなんとかしようと試みる。その気持ちを汲んだ八雲も然り。
地元の催しの劇で使用された着ぐるみを使い、調査に来たレポーター達の目を欺こうとした。
しかし、彼らの他にクラスメイトの高野や弟の修司、八雲の親友のサラも力を貸したものの、結局は保護されることとなってしまった。
「あの…残念でしたね……」
「いや、これで良かったんだよ。どうせ俺一人で面倒見るのには限界があっただろうしな。」
帰り道の途中で播磨と交わした言葉を、八雲は鮮明に記憶していた。
その時の、辛さを必死でこらえる彼の表情と共に。


「今日はもう帰んのか?」
「いえ…、来たばかりですけど……」
お互いに黙ったままの状態を嫌ったのか、唐突に話を振る播磨。
二人は今、ピョートルのスペースから離れ、横に並びながら歩いている。無意識に八雲の歩幅にあわせる播磨。
「そうか…、俺も来たばかりだし、どうせなら一緒に見て回るか?」



38 :a chance:04/04/20 00:48 ID:6jhLkPTU


「え…?」

唐突な播磨の誘いに一瞬動揺する。
これが他の男なら、八雲は困り顔でやんわりと断っただろう。
しかし、この時は何故か、そんな気にならなかった。
誘った相手が播磨だったからか。普段から八雲は、彼の気持ちを読み取ることはできない。
そしてそれは今もだ。
それは播磨が、八雲に対して特別な感情を抱いて話しかけてはいない何よりの証拠だった。
「あ…はい、分かりました。」
播磨の顔を見ながら、ゆっくりとした口調で返事をする。
それを聞いた播磨は、眉尻を下げ、口許に少しだけ笑みをたたえる。
「よし、じゃ行くか!」
「あ…はい」
端的な言葉で意思を疎通させる二人。
隣にいる相手との距離を少しだけ、ほんの少しだけつめた。



「今日はいつもの友達と一緒じゃねえのか?」
「あ…サラなら、後でここに来るはずです。」
なんともぎこちない会話が続く。
播磨が、自分の描いた漫画の評価を聞きたくて校外で会うことは度々あったが、プライベートの場合は初めてだ。
(やべーな、こういう時ゃ何を話せばいいんだ?)
普段の天満へ対する積極さはどこへやら、話題に窮する播磨。自分から誘ったものの、心内で頭を抱える。


39 :a chance:04/04/20 00:51 ID:6jhLkPTU
一方、八雲はそんな播磨を見ながら考えを巡らす。
(どうして…私を誘ったんだろう……?)
キャンプの際に交わした会話で八雲は、播磨が自分の姉である天満を大切に想っていることは知っている。
それなのに何故、自分を誘ったのか?
(何を考えてるのか……やっぱり分からない。)
やはり、ただの善意で誘ったのだろうか?その結論にたどり着いた八雲は、誰にも聞こえない程度に小さく息を吐いた。
その小さなため息にはどんな意味がこめられているのか
そしてそのことに、八雲本人は気付いているのか――――――――――

「……い、おい、どうした妹さん?」
物思いに耽(ふけ)っていた八雲を訝しがったのか、少々焦った声で話しかける播磨。
「え…あ……な、何でもないです…。」
どもりながら返答する八雲。
今、彼女は自分自身に起こっている小さな変化に気付いていた。
(どうしてだろう……私、少しだけ…ドキドキしてる…?)
そっと自分の胸元に手をやる。答えを模索するために。しかし、当然ながら、そんな行動では導き出すことなどできない。
また黙り込んだ八雲を見て、播磨の焦りも次第に加速していく。
(やべーな、妹さん、機嫌が悪いのか?)
誘ったことに、段々と後悔する気持ちが生まれていた。
全く無言のまま、足音だけが二人の耳にひたすら届く。それが互いにほんの少しだけ、苦痛だった。




40 :a chance:04/04/20 00:55 ID:6jhLkPTU
一方、こちらは八雲に遅れて動物園に着くサラ。
「ちょっと遅れちゃったな、八雲はどこにいるんだろ?」
そう呟きながら、彼女に連絡を取るために携帯電話を取り出す。
と、その時。彼女の目に映ったのは二人仲良く並んでいる(ようにサラには見える)八雲と播磨。
「…………」
その光景を見たと同時に、サッと木陰に身を隠すサラ。
八雲に掛けようとした電話を急いで切り、親指を動かし彼女へメールのメッセージを書き込んだ。
そして送信し終わると、パチンと携帯電話を閉じる。
「頑張ってね、八雲。」
フフッと、少し笑みを湛えながらそう一言言い放ち、くるっと身を翻した。


そして、こちらは八雲。
(サラ……遅いな…)
親友の到着を待ちわびる。会話がなくなった現状を、彼女なら打破してくれると信じたからである。
きっと明るい雰囲気にしてくれるに違いない。早く来てくれないだろうか。
そこへ、八雲の携帯のメール着信音が響いた。結局、来たのは彼女ではなく、彼女が送った八雲へのメール。
「友達からか?」
「え…ええ、そうみたいで…す……」
「?」
段々と歯切れが悪くなる八雲の返答にハテナマークを浮かべる播磨。
八雲は携帯の画面を見た状態で固まってしまっている。
(サ、サラったら……そんなんじゃないのに………)
「どうしたんだ?なんか変なことでも書いてあったのか?」
たまらず尋ねる播磨。
「い、いえ、な…なんでもないです。」


41 :a chance:04/04/20 00:58 ID:6jhLkPTU
八雲はそれに返答するが、携帯を持った手で自分の顔を隠す。心なしか、彼女の顔は赤く染まっているように見える。
サラからのメールには、こんなメッセージが書かれていた。

『デートの邪魔みたいだから帰るね。頑張って!八雲!!』

急にしどろもどろになる八雲の様子を知ってか知らずか、播磨は構わず話を続けた。
「確かその友達って、パンダの着ぐるみを着てた子だよな?」
「あ……はい、…それで高野先輩はキリン、修治君はネズミの着ぐるみで、播磨さんはゴリラでしたよね。」
「そうだったっけかな。」
「そうですよ。…播磨さん、ゴリラの着ぐるみ着てたのに、劇の題名を『コ猫物語』って言ったりするから……少し焦りました。」
「それなら、妹さんだってライオンの着ぐるみ着て、小さな声で『ガオ!』って吠えてただろ?」
「あ……あれは…、その……」
サラのメールがきっかけとなったのか、ようやく会話が盛り上がりだす。
八雲は心の中でこっそりと、そのことに感謝した。


それから二人は、播磨が飼っていた動物たちのスペースを回りながらとりとめのない話を続ける。
普段は一匹狼の播磨、そして、サラ以外に友人が特にいない八雲の二人にとっては、その感覚はとても新鮮で、とても楽しいものだった。それこそ時間を忘れるくらい。
周りの人にから見ると、一見、不良と美少女のアンバランスな組み合わせに首をかしげる。
しかし、その二人の表情や雰囲気から顔を綻ばす人も珍しくなかった。
やがて、全ての動物を見終わり、ベンチに腰掛ける二人。
(さて…そろそろ帰るか。)
そろそろ話題も尽きてきた。播磨がその結論に行き着くのも不思議ではないだろう。


42 :a chance:04/04/20 01:00 ID:6jhLkPTU
そろそろ話題も尽きてきた。播磨がその結論に行き着くのも不思議ではないだろう。
しかし――――急に自身の右肩に重みを感じた。
「…くぅ………すぅ…」
「ん……?」
視線を前から右に向ける。そこには自分にもたれかかり、小さく寝息をたてる八雲の姿。
「寝ちまったのか…。」
(あちこち連れまわしすぎて、疲れたみたいだな。悪いことしちまったか)
少々申し訳ない気持ちになる播磨。
厳密に言うと、八雲は疲れて眠ってしまったわけではない。
唐突に眠気に襲われてついつい寝入ってしまうのだった。30分程で目が覚める時もあれば、2時間以上寝てしまうこともある。
それが体質なのか、癖なのかは本人にも分からない。

(マイッたな、無理やり起こすわけにもいかねーし)
自分に寄りかかったまま、安らかな寝顔をしている。そんな様子の彼女を起こして帰ろうとまでは思えなかった。
かといって、ここに彼女一人置いて、自分だけ帰るわけにはいかない。
「仕方ねーな、起きるまで待つか。」
別に急ぎの用事があったわけではない。家に帰れば、テレビを見るか、漫画の原稿を描くくらいしかやることがないのだから。




43 :a chance:04/04/20 01:01 ID:6jhLkPTU
――――――八雲が寝てから40分ほどが経過した。
それでも彼女が起きる様子はない。
空もほんの少しだけ茜色に染まってきていた。
「少し……風が吹いてきたな…」
播磨の髪が風になびく。そして、八雲の髪も。その八雲の髪が、播磨の頬をかすかに撫でた。
その髪を右手にそっと乗せる播磨。
そして親指と人差し指、中指で挟み、スッといじった。
(やっぱ女の子ってーのは綺麗な髪してんなぁ)
そんなことを考える播磨。そのまま視線を自分の手から、彼女の髪を伝い、顔をまじまじと見つめる。
(今まで顔をじっと見ることはなかったが…やっぱこうして見ると、天満ちゃんの妹だな。綺麗な顔してやがる)
ついついそんなことを考えてしまう。
その時、
「ん……」
八雲が体をさらに摺り寄せ、播磨が着ていた制服のすそをキュッと優しく掴んだ。
播磨が髪をいじってた事で、つい寝返りを打ってしまったようだ。
「………」
そんな八雲の様子を見た播磨は、髪を掴んでいた右手を離し、彼女の首の後ろに腕を通して彼女の肩を組んだ。
今、周りには誰もいない。八雲も眠ってしまっている。その行動にどんな意味があるのか、それは播磨にしか分からない――――





44 :a chance:04/04/20 01:03 ID:6jhLkPTU


「ん……あれ……?」
ようやく目を覚ます八雲。
空は一面、夕日に染まっている。黄昏時になっていた。
「お、起きたか。」
「あ……播磨さん…、わ、私…また………」
目を覚まし、もたれていた播磨の体から起き上がる八雲。播磨は彼女に気付かれないよう、組んでいた右手を元の場所に戻した。
「す…すいません、播磨さん……」
「いいって、気にすんな。どうせ今日、他にやることなかったんだしよ。」
「で……でも」
なおも謝ろうとする八雲を制し、連れ立って動物園から出る二人。
そして播磨は、出入り口のそばに停めてあった愛車であるバイクにまたがる。そのままエンジンを入れる。
「今日はその……楽しかったです。」
「ああ、俺もだよ。」
そう言葉を返す播磨。だが、いつまで経っても出発する様子がない。
「……あ…あの」
たまらず尋ねる八雲。
「ん?」
「帰ら…ないんですか?」
「いや、待ってんだけど。」
一瞬、播磨が何を言っているのか理解できない八雲。
――――――何を待ってるんですか?
八雲がそう聞こうとした時だった。



45 :a chance:04/04/20 01:04 ID:6jhLkPTU
「早く乗ってくんねえかな。」
「…え………?」
困惑する八雲に、平然とした播磨。
「家まで送っていくよ。妹さん、こっから家遠いだろ?」
「で、でも……そんな…迷惑ですし…」
「いいって、気にすんなよ。」
そう言いながら、ヘルメットを渡す。それをおずおずと受け取る八雲。
「あ…あの…」
「ん?」
受け取ったヘルメットで口許を隠しながら、少々顔を赤らめている八雲。
「……ありがとう………ございます」
消え入りそうな声で礼を述べた。


普段歩いて通る道や風景も、バイクに乗ってみると、流れていく周りの情景とは思えないほど別の場所に思えた。
播磨同様、バイクにまたがり後ろに座っている八雲。
当然ながら、互いの体が離れていては危ないので播磨の背中に抱きついている状態となっていた。
仕方ないこととはいえ、今までそんな行為をしたことはない。軽い眩暈が起こる。
(…大きな……背中)
しがみつく播磨の後ろ姿に、そんな印象をも覚える。
夕日でオレンジ色に染まりながら、周りに誰も通ってない道を走り、耳にはエンジン音と地を走る音が聞こえてくる現状。
今のこの時間がもっと続いて欲しい、まだ終わってほしくない――――
八雲は強く、そう思った。




46 :a chance:04/04/20 01:05 ID:6jhLkPTU


(着いちゃった……)
「着いたぜ、妹さん」
八雲がそう思ったのと、播磨がそう声をあげたのはほぼ同時。
バイクは塚本宅の玄関前に停車していた。
「…あの………本当に、ありがとうございました…」
ヘルメットをぬぎ、播磨にそれを返す。そしてもう一度礼を述べる。
すると、そこに―――
「八雲ー、おかえり遅かったね…って、あれ?播磨君、なんで八雲と…」
「おおっ!天満ちゃ…塚本!偶然だな!!」
急に想い人が現れて動転したのか、ここが天満に家でもあることをつい忘れる播磨。
ちなみに、八雲と二人でいた時の様子からは、浮かれてしまったのか豹変している。
「どうして播磨君が八雲といるの?」
「ん?それはだな…」
二人が仲良く話してる。
八雲一人が蚊帳の外。
(播磨さん……やっぱり…姉さんのことが……)
そんな様子を見て八雲は、播磨がやはり自分の姉が好きだということを再認識する。
だが、しかし。
八雲は誰にも気付かれないよう顔を曇らせた。それは無意識にだったのかもしれない。



47 :a chance:04/04/20 01:08 ID:6jhLkPTU
「じゃあね!播磨君!」
「オウ、また明日学校でな!!」
そして、彼女が考えに耽っている間に別れを告げ去っていく播磨。
―――もう少し、話をしたかったな…
彼の去っていく姿を瞳に映しながら、フッとそんな思いをめぐらす八雲。
ボーっと立ったままの八雲に、天満はたまらず声をかけた。
「どしたの、八雲?何かあった?」
声をかけてくる姉に、八雲は目を合わせないまま呟いた。
「……………なんでも…ない」
そっけない様子で家に入っていく。
そんなつれない妹の態度に、天満は頭にハテナマークを浮かべた。
「…?…八雲どうしたんだろ…」

(どうしたんだろ…私……)
台所で夕食の準備をしながら、先ほど、天満に対して抱いた感情にとまどう。
播磨と自らの姉が楽しそうに話してるのを見て、チリチリと痛んだ胸。
味わったことのない、どうしようもない辛い気持ちが圧し掛かったあの感覚。
それを一言で言うならば、憎悪でも、不満でもない。―――――――あれは…嫉妬?
(姉さんに対して、あんな気持ちを抱くなんて…)
その対象が大好きな姉であったことに、更に自己嫌悪に陥るのだった。

更に八雲が播磨にたいして抱いた感情、それは――――――――――――――――


―終―


48 :a chance:04/04/20 01:13 ID:6jhLkPTU
需要があったみたいなので投下しましたw
が、41の最後と42の最初の文が被ってしまった…非常にスマソ



以前、自身が書いたSSを元に絵を描いてくれた人がいまして
(確か、過去絵置き場にあったはず)
その人がおにぎり派だったので感激と感謝の気持ちをこめて書いてみました。

八雲が播磨を意識しだすならこんな感じかな?


感想とか指摘をいただければ幸いです

49 :Classical名無しさん:04/04/20 01:22 ID:EGJuD4X2
特に言う事はないな
ただし( *゚∀゚)bグッジョブ!と言う言葉を除いてだが
あと、サラには携帯電話じゃなく、公衆電話を使って欲しかったな
機械に弱いということだから

50 :Classical名無しさん:04/04/20 01:30 ID:t32FN8pA
GJ!最高でした。
嫉妬する八雲って( ´∀`)イイネー
これから嫉妬心もどんどん強まっていくわけですね?
サラも何気にいい味出してるし。これで今夜は安らかに眠れそうでつ



51 :Classical名無しさん:04/04/20 01:44 ID:6jhLkPTU
<<49

あー!しまったーー!!
あんな基本設定忘れてしまうとは………

まだまだだ、俺_| ̄|○

52 :前スレ710:04/04/20 01:58 ID:WiBE5f36
投稿します
あと2、3回で終われると思うが……
学業優先しねーとw

53 :前スレ710:04/04/20 02:00 ID:WiBE5f36
After #73

「なんだってんだよ。全くよ」
 言いたいことだけ言って、ついでに禿頭晒していきやがった。謝罪が足りてねーぞチクショウ。
 にしても天満ちゃんブンブン手ぇ振って、やっぱ可愛いぜ。

「あの……播磨さん」
「おっとこんな所で立ち話ってのも変だな、中入んなよ妹さん。
 て、塚本も中入んな。何か飲みもんだすからよ」
「はい……お邪魔します」
「それじゃ私もお邪魔させてもらうね」
「どーぞどーぞ気兼ねなく。自分の家と思ってくれて構わんぞ。むしろ自分の家だ」」

播磨、誇張0。立場を忘れて絃子に聞かれるとかなりマズイことを口走っている。

「あはは、ありがと。でもそう言ってくれると嬉しいよ」
「まあ座ってくれや」

大き目の座布団を3つ並べる。
と、そこにヤカンの噴く高い音が鳴り響く。


54 :前スレ710:04/04/20 02:01 ID:WiBE5f36

「お、ちょうど湯が沸いたみて―だな。今飲みもん淹れるからな、二人ともお茶でいいか?」
「それじゃ、お茶お願いするね、八雲もそれでいいよね」
「ええ、それはいいけど。播磨さん、お腹空いてるんじゃ……」

八雲が指摘する先を見るとプラスチックの包装を剥がしたカップ麺が割り箸を添えてテーブルの上に置いてある。

「ん、ああ、まあそれは気にしね―でくれ。折角塚本が来たのに茶も出さないわけにはいかねーだろ」

途端に天満の眼差しがきつくなる。少しお姉ちゃんモードが入っている。

「播磨くんちゃんとご飯食べたの?」
「あ〜いや、今夕飯にしようと思っててな」
「お昼は?」
「あ〜寝過ごしちまってな」
「朝ご飯は?」
「あ〜それもちょっと食べる気にならなくてな」
「しっとだうん」

いきなり両肩を掴んで全体重をかける。
空腹で少しフラフラしていた播磨はその場に崩れ落ちる。


55 :前スレ710:04/04/20 02:03 ID:WiBE5f36
「八雲」
「播磨さん、お台所お借りしてもいいですか?」

天満の呼びかけに八雲が答える。
ここまで言われたら八雲も一人では言い出せなくともその気は満々だ。

「え?そりゃーいいけどよ。塚本が何か作ってくれるのか?」
「モチのロン!!任せてよ」
「え……姉さんは座ってても」
「う〜ん、確かジャガイモと人参くらいはあったはずだが。あとキャベツと玉葱に、牛肉か」
「それならカレーが作れるよ!!」
「ね、姉さん……」
「お〜カレーなら俺の好物だ。5,6杯は軽く食えるぜ」
「奇遇だね!!カレーは私の得意料理だよ!!」
「えっ、ちょっ、姉さんのアレは……」
「そうか!!楽しみにさせてもらうぜ」
「望むところだよ!!」
「あ………」


56 :前スレ710:04/04/20 02:04 ID:WiBE5f36
そう宣言して天満はキッチンに突貫した。
火がついた天満を止めることはできない。
既に冷蔵庫を漁り始めているし、なんとか主導権を取り戻すしか道はない。

「その………播磨さんはテレビでも見て待っててください、
 きっとおいしいカレーを作りますから」

天満の料理にご機嫌な播磨の為にも作業の乗っ取りを決意する八雲だった。

57 :前スレ710:04/04/20 02:09 ID:WiBE5f36
ちょっとまずいな
天満が止まらねぇ
八雲に発破かけるだけのはずだったのに暴走してる
これが俗に言うキャラが動き出すってやつか

次は播磨家の食卓 with 塚本姉妹
播磨が倒れませんように

58 :前スレ710:04/04/20 02:18 ID:WiBE5f36
後書き追加
あんまり長々と書いてあると読むのも面倒ってのが自分の考えなんで
初めに比べてどんどん地の分を減らしていってるんですけどとうですかね?
心理描写とかは最低限で後は読み手に任せるのがいいと思ったんですがうまくいっているでしょうか?

59 :Classical名無しさん:04/04/20 08:40 ID:77jlXY6.
>>58
はっきり言わせてもらえば独りよがりの作品になりつつある。

まず連載という形式だが
これが「一見さんお断り」なのは週刊雑誌を読んでいるのだから
分かると思う。
あなたの作品を追尾している人がいるかどうかは定かではないが
初の投稿ならば、残り二、三回分も一度に纏めて一つの作品とした方が
良かったように思える。
過去にも連載作品はあったが、それはテーマだけが固定化されており
様々なSSを見せるという、地味ながらも多くの称賛を受けた作品だった。
別にそれを見習えというわけではないが
最初の投稿から作品の輝きがどんどん色あせていくように感じられる。

文章を読むだけで、影響を受けた作品が分かってしまうのも残念だ。
確かに世には面白い作品が溢れている。
しかしそれを吸収し、そのままはき出すのでは劣化コピーと言わざるを得ない。
あなたは何を書こうとしているのか、何が書きたいのか、もう一度自問することを勧める。

文章力そのものはそれなりの水準に達しているようだが
いかんせん勢いで書いている感がありありと浮かばれる。
人に文章を見せるのだから、推敲はきちんと行った方がいい。
誤字や脱字のことだけではなく、人に文章を読ませることを
意識した方がいい。

最後に私見だが、地の文を減らす事による安易な読みやすさを追い求めるのも結構だが
それをあとがきで言うのは戴けない。
SS職人たるもの作品でそう解釈させるべきだ。


60 :Classical名無しさん:04/04/20 11:41 ID:tFg33Y9I
連載良いじゃん。追って読んでる人だって沢山いるんだし。楽しんで読んでますよ
短編ばっかりだと寂しいし

ただ、勢いにまかせて書いてる気がするっていうのは同意かな。
最初の頃の話の方がもっと繊細さがあったような気がします。
心理描写とかに関してもね

61 :Classical名無しさん:04/04/20 12:26 ID:W3rOnPx.
>>60
ほぼ同意。

62 :change step:04/04/20 15:35 ID:Ji.f0ClU
放課後になり、教室は人がまばらな状態になってきた。沢近愛理がいつもの友人たちの
所へ向かって歩いている途中、ふと何気なしに席に座っている播磨拳児を見た。すると、
彼が八雲にメールを送信しているところを見つけてしまった。
「あなた、なんで天満の妹さんのアドレスを知っているのよ!」
「お嬢、人のメールを見るとは何てやつだ……」
うっ、と苦い表情を浮かべなら沢近は言い訳をしようとする。
「メールの内容までは見てないわよ。送信しているところを見ただけよ!」
播磨はその言葉を聞いて少し安心した。どうやら、原稿のことがばれなくてほっと
しているようだ。そこに突然、委員長の雑務をしていた花井が
「なにっ!貴様なぜ八雲君のメールアドレスを知っている?」
と大声を上げて、
「僕だってまだ知らないのに……。こうしてはおられん!」
と言って、播磨に詰問するのも忘れて廊下に飛び出して行ってしまった。
どうやら八雲のところにメールアドレスを聞きに行くみたいだ。
「ちょっと、花井君。まだ、仕事が終わってないわよ!」
舞の言葉も虚しく花井はすでに教室を出たあとで、もう後の祭りだった。
彼女の手には折れたチョークの残骸が寂しそうにしていた。


63 :Classical名無しさん:04/04/20 15:36 ID:Ji.f0ClU

「驚いたー……。あ、あいつに逃げられた!」
沢近が驚いて花井と舞を見ていた間、播磨はまんまと逃げ出したみたいだ。そこで怒り
の矛先――といっても何で怒っているのか自分でもよく分かっていないが――を天満に
向けた。
「ちょっと、どういうことなの天満?」
「なーに、愛理ちゃん?」
「なんで、あいつがあんたの妹さんのアドレスを知っているのよ?」
「さー、なんか最近、八雲は播磨君と仲がいいみたいだよ」
どこか嬉しそうに言う天満。
「あんたはそれで心配じゃないの!」
「うん、それでね、私も八雲に大丈夫か聞いたんだけど、八雲に心配ない、って
言われちゃったよ」
「八雲は天満と比べるとかなりしっかりしているからね」
晶がかなりの部分を少し強調して言い、それに続いて美琴も同意した。
「確かにそうだな」
「あー、ひどい、晶ちゃん、美琴ちゃん!」
と頬を膨らませて文句を言う天満。

64 :change step:04/04/20 15:37 ID:Ji.f0ClU
それでも、沢近は食ってかかった。
「だからって、ただ見ているわけには行かないでしょ!」
「うん、だからね、私も八雲から播磨君のアドレスを聞いて、仲良くしてね、ってメール
を送ったよ。あの子にしては珍しくの男友達だから、私もやっぱり仲良くしてほしいと
思ってね」
ちなみにそのメールが届いて播磨が大喜びしたのは言うまでもない。
「でも、それだけじゃ……。て、あんたまであいつのアドレスを知っているってこと!
確か、晶も知っていたわよね?」
「ええ、あれ、やっぱり愛理も彼の連絡先知りたいの?」
「そんなわけないでしょ。まさか美琴まで知っているなんてことはないでしょうね?」
そう沢近が尋ねると、美琴が答える前に晶が
「あら、美琴さんも知っているわよ」
と言い、沢近を驚かせた。しかし、本当はその真相を晶は知らなかったりする。


65 :change step:04/04/20 15:38 ID:Ji.f0ClU
ただ単に、今冷静に物事を考えられなくなっている沢近にカマをかけただけである。
そのことに気づいた美琴も晶の調子に合わせた。
「ああ、キャンプに行ったときに教えてもらったよ。その時、晶も一緒に教えて
もらったんだよな」
「ええ、そうよ」
「うそ……」
案の定、沢近は晶のカマに引っかかったみたいだ。
「ということは、播磨君のメールアドレスをこの中で知らないのは愛理だけね」
晶は妖しい笑みを浮かべながらそう言う。
「わーい、愛理ちゃんだけ仲間はずれだー」
嬉しそうに言う天満。沢近は天満にバカにされたのが悔しかったのか
「うるさいわよ、天満。それよりあなた、烏丸君のアドレスは知っているの?」
と反撃し返した。


66 :change step:04/04/20 15:39 ID:Ji.f0ClU
「え……。あー知らないよ、わたし」
と絶句してから大声を上げ、天満はいきおいよく立ち上がって廊下のほうへ走りだして
行ってしまった。どうやら、天満も花井と同じく烏丸にメールアドレスを聞きに行くみたいだ。
「あいかわらず鈍くさいわね……」
「あら、あの子らしいじゃない。さて、私は部活があるからもう行くけど二人はどうする?」
晶は沢近をからかうのを止めてそう言う。
「あー、あたしはもう帰るよ。沢近は?」
「私はちょっと用があるから……」
と言うと、晶と美琴は特に何も追求せずに分かれの挨拶だけ言った。
「そう、じゃー、さよなら」
「じゃーなー」
「ええ」
沢近はどこか気の抜けた返事を返し、二人は教室を出て行った。



67 :change step:04/04/20 15:41 ID:Ji.f0ClU

沢近は帰らずにまだ教室に残っていた。
そして、ずっと先程のことについて考えていた。
自分だけが播磨のアドレスを知らないという事実。
それがなぜか無性に悔しくて、やりきれなくて、苛立ち、悲しかった。
だからと言って天満たちはもちろんのこと、播磨に直接聞くだなんて、
自分のプライドが許さない。なぜもっと素直になれないのだろう。
そんな自分に無性に腹が立っている。
何かきっかけはないだろうか。
そういえば頭のことさえまだ誤っていない。
つくづく頑固で融通が効かないな、と自分をあざ笑ってしまった。
もし、少しの素直さと少しの勇気が私にあったら――。



68 :change step:04/04/20 15:46 ID:Ji.f0ClU

そのようなことを考えていると、教室の扉が開く音がした。
「あれ、お嬢、まだ残っていたのか」
入ってきたのは播磨だった。気がつくと自分以外の生徒はいつのまにかすでに帰って
いたみたいだ。沢近はさっき考えていたことを思い返しながら意を決して聞いてみた。
「ねえ、まだ頭のこと怒っている?」
「ふん、当たり前だろ」
と言うと、沢近の態度が変わったのに気づいたのか
「いえ、本当はもう怒っていません、サワチカサン」
と言い直した。だが、その態度は怒りでなく、落胆であった。
「ごめんなさい」
「え……」
播磨は信じられない台詞を聞いて絶句した。


69 :change step:04/04/20 15:47 ID:Ji.f0ClU
「お詫びになにかさせて……。そうだ!」
何か思いついたらしく、メモ帳を出してさらっと何か書き、それを切り取って播磨に
無理やり渡すと、
「これ私の携帯のアドレス。明日学校休みでしょ。だから、ご飯でもご馳走してあげる。
私はもう帰らなくちゃいけないから、詳しいことはメールでやりとりして決めましょう」
と沢近は顔を赤めながら早口で喋り、言い終えると、教室の出口の方へ駆け出して、
「これは命令だからね。後でちゃんとメールを送りなさいよ」
途中振り返りそう言い残して、教室を出て行ってしまった。
播磨はわけ分からず、口をポカーンと半開きにしたまま、しばらくの間突っ立っていた。
もちろん、この命令に逆らえるはずもない播磨であった。


沢近は廊下を走りながら、どこか少し嬉しそうに、そしてどこか少し恥ずかしそうにしながら
こう考えていた。
『あいつにご馳走する料理はもう決まっている。それはもちろん私の手作りのカレーだ』

――Fin.


70 :前スレ629:04/04/20 15:48 ID:Ji.f0ClU
というわけで2作目です。本当は幽子SSを投下する予定でしたが、最近なぜか幽子SSが
が多かったの、急遽こちらを先に完成させて投下することにしました。にしても、今回
沢近を書くのにすごく苦労しました。

あと、前回皆さんに頂いたアドバイスを元に文体が硬くならないように書いてみたつもり
ですが、なかなか難しかったです……。
なので、またアドバイスを貰えるとうれしいです。

71 :Classical名無しさん:04/04/20 17:17 ID:MIxv/4SE
GJでつ
面白かたったですよ
必死な沢近タソ(;´Д`)ハァハァ

72 :Classical名無しさん:04/04/20 18:04 ID:KlhVAudQ
「あ、あの、播磨さん…」
「ん?何だい妹さん」
「…刑部先生とはどういう関係なんですか?」
「!!!」
「じ、実は昨日、播磨さんと先生が一緒に買い物をしてるところを見てしまったんです…」
「……」
「それに夏休みに播磨さんの動物達の世話を先生が見てたのとか…
お願いです、誰にも話さないから本当のことを話してください播磨さん!」
「……」
「……」
「…ちっ、仕方ねぇなあ。誰にも言わねぇでくれよ?」
「は、はい」
「実はその…ちょっと訳ありで一緒に住んでるんだよ」
「……」
「その…あれだ、要するに俺の従姉妹なんだよ」
「(「俺の絃子」…やっぱりそういうことなんだ)あ、はい、わかりました…」
「…おいどうした妹さん?」
「え?」
「!!!…お、おいおいおいおいちょちょちょちょっと待ってくれ、俺なんか妹さん泣かせるようなことしたか?」
「え、私、泣いて、ますか…?」
「いやいやいやいや、だからその…何かよくわからないがとにかく申し訳ねぇってうぉぉっ!?」

73 :Classical名無しさん:04/04/20 18:05 ID:KlhVAudQ
「…すいません播磨さん、しばらくこのままでいさせて下さい…」
「あーいや、別に俺は構わねぇんだが、その…人に見られるとだなぁ」
「……」
「あーだからその、妹さん?」
「…刑部先生に見られると困るんですか?」
「へ?」
「私に胸を貸しているところを刑部先生に見られたくないんですか?」
「???…まぁ確かにイトコに見られると後でからかわれたりして面倒は面倒だが」
「そうなんですか…私だったらとてもじゃないけどからかうだけじゃ済ませられないです…先生やっぱ大人なんだな…」
「はい?高校生の従兄弟が困ってるのを見てからかう教師の何処が大人なんだい妹さん」
「え?だって先生と播磨さんは…」
「いやだから従姉弟同士でその誼で同居してるんだが」
「えっとその…つまり…その『イトコ』ってのは血縁関係の?」
「あぁ」
「従うに兄弟姉妹って書くやつですか?」
「そうだ」
「親同士が兄弟姉妹って意味のですか?」
「…それがどうかしたのか妹さん」

74 :Classical名無しさん:04/04/20 18:05 ID:KlhVAudQ
「す、すいませんっ!私『俺のイトコ』っての勘違いしてそれで播磨さんと刑部先生が…
その…同棲してるんだと思って思わず取り乱してしまってその…」
「はぁ」
「ほ、本当にすいませんでした播磨さん」
「…あーいや、俺の方こそ紛らわしい言い方して済まなかった」
「じ、じゃあこれでっ!」
「あ、あぁ…また今度な妹さん」

その後。

「どうしよう私取り乱してあんな恥ずかしいことを…今度から播磨さんの前でどんな顔したらいいんだろう…」

「妹さん俺とイトコが同棲してると勘違いして泣いてたな。俺が天満ちゃんを裏切ったと思って
あんな悲しむなんて優しい姉思いのいい娘さんだぜ…さすが天満ちゃんの妹だ。
安心してくれ妹さん、俺は絶対に天満ちゃんを泣かせるようなマネはしねぇぜ!」

…なんだかなぁ。


Fin.

75 :前スレ710:04/04/20 18:16 ID:WiBE5f36
>>59
痛いところ突かれました
確かになにやってるのか自分でもわからなくなってきてまして
最後まで話は考えてあるんですがどうにも迷走してしまって

それと次は全部書いてから投稿することにします
こうやって投稿するのも初めてでルールを知らなかったのもありますが
無知もそれは罪だと思いますから陳謝します

フォローしてくださった方ありがとうございました

76 :前スレ710:04/04/20 18:37 ID:WiBE5f36
ぐあ、言い回しが偉そうだ_| ̄|○
今度から3回見直すことにします

77 :Classical名無しさん:04/04/20 18:54 ID:ZFAzEowU
>>74
良いですね
「絃子は俺のイトコだ!」発言は本編でもきっとあると信じてますよ

>>75
俺は長編の場合は何回かに分けてもが良いと思うんだが
むしろ分けて欲しい。連投規制もあるし

78 :Classical名無しさん:04/04/20 22:12 ID:6jhLkPTU
なんか最近、投下が多いな
SS職人としては、感想が少ないのはちと悲しい

いいことなのは分かってるんだけどw

>>70
旗SSは個人的に一番難しい(つーか、書けない)ので、それだけですごいです
GJ!

>>74 
やべェ、激萌えだw
こんな展開本編でも来てくれないかな・・

ただ、一つだけ言わせていただくと、74の八雲の台詞まわしが、八雲っぽくかんじないですね
いっつも小さい声でしゃべる印象があるので

>>75
一旦、完成したSSを客観的に見るように心がけてみては?
そうすると、直すところがたくさん出てきますから
あと、SS職人ならコテハンはあまり名乗らないほうがいいですよ
叩かれやすくなるんで

79 :Classical名無しさん:04/04/20 22:25 ID:W3rOnPx.
>>70
GJ。メアドとかカレーとかの小道具の使いどころが凄い上手いなーと感心してしまいました。

>>74
「イトコ」ネタ八雲版でつね。
>>78も書いてるけどちょっと台詞回しが八雲っぽくないと思いますた。

80 :74:04/04/20 22:34 ID:KlhVAudQ
あー…確かにこれじゃあヤクモンというより何かイチさんっぽいなぁ
なんつーかこう、取り乱した感じを出したかったんだけど

会話SSSって簡単そうで案外ムズいわ
播磨イトコものの人とかホント尊敬しますよ、いやマジで

81 :Classical名無しさん:04/04/20 23:41 ID:MIxv/4SE
個人的には播磨絃子のSSは究極の萌えだった。(;´Д`)

82 :Classical名無しさん:04/04/21 01:02 ID:TF964buY
>>70
GJ!
旗派はいいですねえ……話の展開にスピード感があってよかったと思います。
次回作も期待してます!


>>74
おにぎり派キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
個人的にキャラを掴むのが難しいと思っている、八雲の特長がよくでていると思います。
しかも会話のみで、表現されているのは、上手い証拠だと思います。
頑張って下さい。

>>81
姉萌えのSSが増えてくれると、個人的に(*´д`*)ハァハァです。

83 :Classical名無しさん:04/04/21 02:18 ID:JZmhiykM
>>70
夜中だっていうのに俺をニヤニヤさすSS書きやがって。家族に見られたら弁解しきれ
ないじゃないかw
人物描写、地の文、そして連続投稿の一つ一つの長さのどれを取っても高いレベ
ルでまとまってるSSだと思う。個人的にはこの後日談的なSSも見たいな。
とにかくお疲れ様です。


84 :前スレ710:04/04/21 02:53 ID:WiBE5f36
書けた
これで終わりです
最後まで書いてから出せばそれなりになったものを・・・・・・

前回の分は恥ずかしすぎて修正したい

85 :前スレ710:04/04/21 02:54 ID:WiBE5f36
After #73

災い転じて福となすか、今播磨家の中には天満と八雲が作ったカレーの匂いが充満している。
今回は八雲の働きの御蔭か、それとも天満の努力の賜物か、小火も出ず料理は無事完成した。
播磨は天満の料理を食べるというこのシチュエーションに浮き足立って、テレビを見ている振りをしながらも意識は完全にキッチンに向かっている。

「できたよ〜、播磨くん。お皿はどれ使えばいいかな?」

播磨の普段使っているエプロンを着けた天満が顔をだす。
ちなみに普段絃子が播磨に家事の大部分を任せていて、エプロンが他に見当たらなかったために八雲は制服の上から播磨のTシャツを被せられていた。

「皿くらい俺が出すからよ、ちょうど飯時だ。
 4、5人分くらいは作ったんだろ。二人とも食べてきな」
「ええ……少し多めに作ったのでそのくらいはありますけど」
「へへ、実はわたしもちょっとお腹空いてきちゃった」

天満がエプロンを外して椅子に座る。
播磨がそれを見て口元を綻ばせながら皿を3枚並べていくので八雲もTシャツを畳んで席につく。
そうこうするうちに配膳は終わった。


86 :前スレ710:04/04/21 02:55 ID:WiBE5f36

「来客を働かせちまってすまなかったな。そんじゃ、食べさせてもらうぜ」
「うん、自信あるから食べてみてよ」
「…………」

播磨は視線を感じつつもカレーを掬い、その一匙を口に含む。

「んぐ、む、こいつは………」
「どうかな?」

緊張する天満と八雲。その顔は真剣そのものだ。
その顔を見て播磨も真剣に批評を返す。

「うん、美味い。思ったよりずっと味がでてるな、作ってすぐとは思えねーくらいだよ」
「フッフ〜ン、見直したでしょ」
「ただちょっと味付けはもうちょっと辛口でもいいんじゃね―か?」
「あ、それは辛口だと姉さんが食べられないのでつい……」

播磨の指摘に八雲がすかさず言葉を返した。

「そっか、塚本は辛いの苦手なんだな」
「む、今ちょっと子供っぽいって思ったでしょ」
「いやそんなことねーって、誰だって苦手なモンくらいあるしな。それより俺一人だけ食ってるのを見られるのは居心地悪いからよ。二人とも食わないのか?」
「あ、それもそだね。それじゃ、いただきます」
「いただきます」


87 :前スレ710:04/04/21 02:56 ID:WiBE5f36

二人が食べ始めるのを見て播磨もスプーンを動かす。
天満も八雲もカレーの味に満足したらしい、黙々と口に運んだ。

「ところでよ、塚本は確かいつも弁当だったが、料理得意なのか?」
「お弁当を作ってるのはいつも八雲で、私はカレーくらいしかレパートリーないんだよ」

その言葉に以前占いをしていたときに出会ったときのことを思い出す。
あまり触れない方がいいと判断してそれとなく話題を逸らすことにした。

「へぇ、それじゃ妹さんは料理が得意なんだな」

何気ない一言に八雲は気恥ずかしくなって隣の姉に視線を移す。

「はっきり言って播磨くん学校で浮いてるよね。八雲が料理得意なのは学校でも結構有名なんだよ」
「そうだったのか」
「もう!仲良しなのかと思ってたのに八雲のこと全然知らないんだね、播磨くん」
「いや、面目ない………って、あのーもしかして妹さん」

播磨の背中を冷や汗が伝う。ラブコメを描いてることがバレたとは思いたくない。


88 :前スレ710:04/04/21 02:57 ID:WiBE5f36

「え、いえ……播磨さんが打ち込んでいることに相談に乗っていることは昨日伝えたんですけど、
 あまり人には言ってほしくないようでしたから詳細までは」
「うんうん、わかってるよ。秘密にしたいことなら詮索しないから安心してよ」

天満は物知り顔で播磨に言うとまたカレーを食べ始める。
その様子に事が露見していないことを察して播磨は嘆息した。

「播磨くん外見ほど怖い人じゃなさそうだし、私は特に何にも言わないから。
 八雲と仲良くしてあげてね、播磨くん」
「姉さん…………」
「オーケー。妹さんには日頃から世話になってるからな。それくらいならお安い御用だ」

そして播磨、ドツボにはまる。

「さーてと、もう一杯食べるとするか」

一足先に食べ終えた播磨は今のやり取りの重要性に気づかない。既に意識は鍋の中身に取られている。
そこに気づかないから勘違いをされるというのにやはりこの男にも責任の一端はあると言えよう。

「よっと、んじゃもう一度、いただきます」

89 :Classical名無しさん:04/04/21 03:22 ID:U8.Oa2E.
【俺専用しおり】







--------------------------------------------------------------------------------------------------------

ここまで読んだ

90 :Classical名無しさん:04/04/21 03:29 ID:lwLIab0k
まだかよ

91 :前スレ710:04/04/21 04:20 ID:WiBE5f36
「へぇ、それで私の分はあるのかな。播磨くん」

背後から声をかけられる。見ると部屋の戸口には刑部絃子そのひとが立っていた。

「先生!!チャイム壊れてたんですか?」
「気配を感じなかった……」

突然の闖入者に驚いたのは塚本姉妹。その質問に絃子は平然と答える。

「ああ、どうやらそうらしいな。何時まで経っても出てこないものだからついね。
 アポイントメントは取ってあったし大した問題でもないだろう?
 それで心配で心配で心配しすぎたらちょっとお腹が空いてね。
 私ももらっていいかな?」
「ええどーぞ、勿論です。こんな時間にわざわざ来ていただいてすいません」

冷や汗を流すのは播磨。その腰はやっぱり低い。
幸いなことに鍋には播磨の分とは別にもう一杯分くらいはありそうだ。



92 :前スレ710:04/04/21 04:22 ID:WiBE5f36
「ふむ、これは君たち二人の作品か。折角来てくれた友人に炊事をさせるとは常識を疑うね」
「あの……先生、それは私たちが申し出たことなので」
「ああ、大丈夫だ。それくらい分かっているよ。君は気立てがいいからな。
 ふむ、どうやら君たちの御蔭で朝方ほど酷い状態ではなさそうだ。明日は学校に来るんだぞ」

そう言うと絃子は播磨の隣に座り、カレーを食べる。

「よく出来てるな、評判通りといったところか。私には少し甘いがね」
「「「…………」」」

余りにも自然な態度の絃子に二人は絶句する。
播磨はボロが出ないように口を開かない。
食事だけが滞りなく進んでいく。

この後塚本姉妹が食べ終わるのと播磨と絃子が食べ終わるのはほぼ同時だった。
コップの水を飲み干して絃子は席を立ち上がる。

「さてと……それじゃ、何の心配も要りそうにない奴は放って置いて、
 私は君たちを送っていくことにするよ。外はそろそろ暗くなってきたしな」
「え……あ、ホントだ。もうこんなに」
「今日ちゃんと先生から伝達されたはずだから君の潔白は証明された。
 学校はサボっちゃいかん。明日は絶対に学校に行かないとな」


93 :前スレ710:04/04/21 04:23 ID:WiBE5f36

そういう絃子の態度は学校の頼れる美人教師そのものだ。
先程感じた違和感は気のせいか。

「それなら俺が二人を送ってくぜ。恩義もあるしな」
「たわけ。君にはこれがある」

それはどこから見ても何の変哲もない原稿用紙のようだが。

「げ……。もしかして………」
「反省文……とも違うか。まあ報告書というべきかな。提出期限は明日だ」
「俺は作文苦手なんだが……」
「生徒側の報告も必要でね、苦手なのは知っている。さっさと書き始めた方がいいだろう?」
「はい……」
「そういうわけだ。君たちも邪魔にならないように行こうか」
「はい、また明日ね、播磨くん」
「……ではまた」

全く、一体何を書けというのか。
当事者ではあるがベッドで寝ていただけの播磨は3人を見送った後原稿用紙を埋めるのに四苦八苦することになった。





94 :前スレ710:04/04/21 04:25 ID:WiBE5f36



そして、道すがら天満は絃子に質問をぶつける。

「先生は八雲のクラスの担任ですよね?それなのになんで播磨くんの家まで来たんですか?
 谷先生が来るんなら分かりますけど?」
「ん、まあ、そうだな。それはその通りなんだが。ま、君たちなら言っても構わんかもな。
 口外無用だってことだけ了承してくれたら教えてもいいが」
「ん〜、だってさ八雲」
「聞かせていただけますか?」

それは八雲も感じていた疑問のようだ。

「ついうっかりってのもなしだぞ。色々面倒だからな。
 ………アイツと私は実は従兄弟同士でね。
 私もあの家に住んでるんだ」
「え、え、え〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
「…………………」

八雲は言葉もない。

「昔から色々と面倒見てきてね、弟みたいなものなんだよ。
 …………だからね、塚本」



95 :前スレ710:04/04/21 04:26 ID:WiBE5f36
そうして絃子は微笑む。播磨には決して見せないその顔は慈愛に満ちていた。

「アイツのことを分かってやってほしい。昔から勘違いされやすくてね。
 捻くれてることは間違いないが、それでもアイツは真っ直ぐな奴だ。
 周りがどういっててもちゃんとアイツを見て、嫌うならそれからにしてやってくれ」

その言葉が、その笑顔が、天満の、八雲の――――心に染みた。
二人がゆっくり頷いて、絃子はまたいつもの表情に戻る。

「ああ、ちなみに私がこんなことを言ったのはアイツには黙っておいてくれよ。
 これはさっきの約束よりも優先される」

今の言葉が恥ずかしかったらしい。絃子は二人を追い抜いて背中を向ける。
珍しい絃子の照れた様子に二人の顔は自然と綻んだ。








96 :前スレ710:04/04/21 04:27 ID:WiBE5f36

「む、確かここだったな。それじゃあ私は家に帰る。また明日学校で会おう」
「はい、気をつけてください」
「先生おやすみ〜〜」

天満は先に家の中に入った。八雲もそれに続いて玄関をくぐる。

「おう、そうだ。塚本」

絃子が八雲を呼び止める。
暗がりの中から絃子のシルエットが浮き上がって見えた。
八雲はその影を見つめて声をかけられるのを待つ。

「まあ、なんだ。色々大変だがお前も頑張れよ」

絃子の言うことは漠然としすぎて意味がわからない。
ただ応援してくれているということ以外は八雲には判断が付かなかった。
だから

「はい、頑張ります」

と、素直にそう答えることにした。
そして影は闇に溶けていく。

影が完全に消えても、絃子が何を言いたかったのかわからない八雲だったが、
そのうち伊織に晩ご飯をあげてないことを思い出して思考を打ち切った。

月のない夜だった。

97 :支援sage:04/04/21 04:29 ID:U8.Oa2E.
支援sage

98 :前スレ710:04/04/21 04:40 ID:WiBE5f36
後書き
これで終わりです
場の描き方を始めに戻しました
完全に3人称
ギャグを間にいれたせいで元に戻りきらずに迷走してしまったようで
描きたいことを思い出させてくれた>59氏の助言に感謝です
流れとしては八雲があの事件におかしいと意見して
それから天満を連れて播磨宅を訪問
絃子先生に信じてやってくれみたいなことを言わせるというのが骨組みだったんですが
蛇足のせいでムカデになりそうですね
あと最初からやりたかったことと言えば安請け合いする播磨です
短くまとめきれずに申し訳ない
次くるときまでに場数踏んどきます

99 :Classical名無しさん:04/04/21 15:34 ID:0yc2kw5k
GJでつ
やっぱり三人称、上手いですね
楽しく読ませていただきました

100 :Classical名無しさん:04/04/21 17:44 ID:PBLO60nY
GJ。いいラストですね。
前回までよりも作品との距離が取れてる感じがしました。

101 :Classical名無しさん:04/04/22 05:18 ID:r45FT5cE
いかん、ひとつのネタで、キャラが3つほど書けそう(あくまで未定)
1、最近数が減ってきた沢近
2、対抗馬としての八雲
3、スレの流れを意識しての絃子
どれを書けばいいと思います?

102 :Classical名無しさん:04/04/22 05:45 ID:vU9R.UnA
全部

103 :Classical名無しさん:04/04/22 07:28 ID:sSGCPuWs
うほっ、なんか神SSがイパーイ

>>change stepの中の人
沢近完全に晶におもちゃにされてますな(w
謝ってたはずなのにいつの間にか「これは命令だからね」になっちゃう沢近ハァハァ

>>会話SSSの人
俺のイトコネタを八雲でやるとこうなるのか〜
個人的にはこっちのが萌えだなぁ

しかしヤクモンにそこまでさせといてそれでも気付かないのか播磨…

>>前スレからの長編連載の人
うまくまとめましたな
つーか天満に思いっきり勘違いされてるぞ!気付け播磨!(w

>>101
漏れも3つのバージョン全部キボンヌ

104 :Classical名無しさん:04/04/22 08:13 ID:2/xo3W9.
サラ分が足りない

105 :Classical名無しさん:04/04/22 10:41 ID:ICoZ2whA
>>101
選べません(*´Д`) ハァハァ

106 :騎馬戦:04/04/22 15:02 ID:6gWpwnUI
騎馬戦は白熱化していた。
力ずくで圧倒するハリー・ララ騎。
もう、10騎以上を倒している。
対して、技の周防・麻生騎。
周防の運動能力と、麻生の判断能力でこちらも順調。
一方、一条・花井騎。
いつのまに?という間もなく、一撃離脱戦法でトップの成績を挙げていた。
そして、沢近・播磨騎。
愛理は苛立っていた。
不良の播磨を恐れ、誰も近づいてこないのだ。
しかし、鉢巻はそこそこ奪っている。
播磨が一言、対戦相手に放つ。
「オウ、ソレよこしな」
「ハ、ハイ どうぞ」
びびった相手が沢近に鉢巻を渡す。
これの繰り返しだった。
「もお、このままじゃ私が活躍できないじゃない!
 アンタ、どうにかしなさいよ!」
播磨のベレー帽をグリグリやる。
むかつきながらも、播磨は言った。
「じゃ、アレいくか。」と顎で指し示す。
その先には…


107 :騎馬戦:04/04/22 15:04 ID:6gWpwnUI
一条とララが争っていた。
両手でガッチリと組み合っている。
あまりの迫力に、周りは近付けないでいた。
「な…アソコに行くの?」
「なんだ、怖いのか?」
「べ…別に怖くないわよ! 行くわよ!」
ダッシュで現場にむかう。
近づいて来た沢近騎に気付くハリーと花田。
「イチさん、メガネ! そのまま組み合ってろ!」と播磨が叫ぶ。
「貴様の指図は受けたくないが…やむをえん!」
「いかん、離れろララ」
しかし、握力100キロの一条に阻まれ、離れられない。
「離せ イチ・ジョー!」
「今です、沢近さん!」
「OK! まかせて!」
ザッ! ララの頭から鉢巻を奪い取る愛理。
「よし!!」 愛理がガッツポーズを決める。
「うわー、愛理ちゃんすごーい」と天満。
「これで、きまったわね」と晶。
愛理は嬉しそうに言う。
「何よ、やればできるじゃないの!」
「ふん、まあな。 よし、次いくぞ!」
新たなターゲットを見つけて、走り始めた。


108 :騎馬戦:04/04/22 15:11 ID:6gWpwnUI
ハリー・ララ組が負けた事によって、D組は弱体化していた。
その状態で尚、孤軍奮戦する騎馬がいた。
D組委員長、東郷である。
ララが鉢巻をとられた場面を目の当たりにした東郷は、怒りに燃えた。
「おのれ、C組。 このままではすまさん!」
近くにいた騎馬に襲い掛かる。
「うわぁ!」「キャー!」潰された騎馬の生徒から悲鳴が上がる。
そして、東郷の視界に天満騎が現れた。
ドカッ! 奈良に体当たりをかます、東郷。
「あ、あ、あ」バランスを崩した天満騎。
「すきあり」と鉢巻に手を伸ばす、モブ女子。
天満、防戦むなしくも、奪われてしまう。
「あー、とられちゃったぁー」
この場面を、播磨が見逃すはずがない。
(む! 天満ちゃんがやられた? 誰が…ヤツか!)
ギラーンと目つき鋭い播磨。
「お嬢! あのマユゲにいくぞ!」
「マユゲ…D組の委員長ね OK,いきましょ!」
東郷騎に向かう播磨騎。そこに一条騎も加わる。
「東郷! これでおしまいだ!」花井が叫ぶ。
「フン やられはせんよ、やられは!」東郷も怒鳴る。
2人がやりあっている所へ播磨、東郷の後ろに回りこむ。
「やれ、お嬢!」
「わかってるわよ!」
バッ 愛理が東郷騎の鉢巻を奪う。
<ピー> 審判・烏丸の笛が響く。 「D組全滅。 よって、勝者・2−C!」
「やったぁー!」C組の生徒たちが一斉に喜ぶ。
だが、東郷と花井は、まだやりあっていた。
「東郷、この勝負 預けといてやる。 次の…」
「次のリレーで勝負だ!」
「さ、三度目も? 三度目もいえなかった…」


109 :騎馬戦:04/04/22 15:13 ID:6gWpwnUI
来週はこんな風かなと思いつつ書きました。

110 :Classical名無しさん:04/04/22 15:16 ID:SxmQGCWY
違う!

「やらせはせん!やらせはせんずぉぉぉぉ〜!!!」だ

111 :Classical名無しさん:04/04/22 15:21 ID:SxmQGCWY
ハッ!
もしかしてまたバレか!?
やられた……orz

112 :Classical名無しさん:04/04/22 15:34 ID:RHV79pbo
いや、バレじゃないから
けどこんな展開になればいいなー

113 :HAPPY BIVOUAC:04/04/22 23:32 ID:bUGHSDN6
「……あん…駄目…ちょっと強すぎ」
「こ…このくらいか?」
「そう…あんまり力は入れなくていいから。丁寧に…ね」
「お、おう」
「そうそう………ふふっ、でもずいぶん巧くなった」
「毎日やってりゃ、嫌でも上達はするだろ…」
「あっ……言ったそばからコレだ……。出しすぎだってば。もう少し絞って…」
「……………………………………………〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「?───どうした?拳児君」

「いちいちいちいちウルセエんだよ!水の出し方にまで文句つけんなら皿洗いくらいテメエでやればいいだろーが!」
「だってソレ君の仕事だし」
「いつからそうなったんだ!?つーか掃除・洗濯・炊事まで全部俺に押し付けやがって!」
「居候には相応の仕事量だと思うが…」
「前も言ったが、家賃・食費・光熱費その他諸々折半で出してるだろ!大体テメエは───」

カキン

───振り向いた瞬間、ソファーに腰掛けた絃子の右手には、撃鉄を起こしたリヴォルバーが冷たく光っていた。

「いいから口より先に手を動かす。それと私を呼ぶ時は『テメエ』じゃなくて『絃子さん』だ」
「…ハイ、かしこまりました絃子サン」
不貞腐れた顔で食器洗いを再開した播磨を見て、絃子は思わず苦笑した。
モデルガンの弾丸が当たった所で大して痛くもないはずだが────
幼少期に培われた力関係というものは、背丈が逆転した今でもどうやら有効であるらしい。
しばらくは黙って洗い物に専念していた播磨だったが、
絃子が手入れをはじめたモデルガンを見て、どうやら反撃を思いついたようだった。

114 :HAPPY BIVOUAC:04/04/22 23:37 ID:bUGHSDN6
「その時は、拳児君に貰ってもらうからイイよ」
「な!?」

思わず洗い途中の茶碗を取り落とす。
十中八、九は後頭部への六連射が来ると信じていただけに、播磨のほうが絶句してしまった。

「どうした?何かおかしなことでも言ったか?」
「わ、ワケわかんねーコト口走ってんじゃねえよ!第一、親戚同士でケッコンできるワケねえだろ!」
「………………………………………拳児君、それマジで言ってる?」
「はあ?何が?」
「親族で婚姻できないのは三親等以内。従姉弟は四親等。私と君とは従姉弟どうし。つまり……」
「………つまり………?」
「私が君と結婚しても、法的には何の問題もない…ってコト」
「──────────────ッ!?」

突然近くなった絃子の声と、肩にかすかな吐息を感じて播磨は大きくのけぞった。
いつのまにかシンクの横に絃子が立っている。
知らずあわせた視線の先には今までに見たこともない、真剣な眼差しを浮かべた絃子の顔があった。
心臓が早鐘を打ち、一瞬で顔が紅潮するのを自覚した。
耳が痛いくらいに熱くなっているのが手にとるようにわかる。

「いいい、イヤその……なんというか………つまりだな………………………」
「───つまり?」
そう尋ねながら、播磨に少しずつ近づく絃子。播磨は気圧されるように後ずさりしていく。
「だだだだだ、だから、その、だな……………………──ッ!?」

どん、と背中がつっかえる。気が付けば台所の端まで追い詰められてしまった。
絃子は歩みを止めず、ゆっくりと播磨に近づいていく。
胸と胸が触れそうな距離。サングラスを占領していく絃子の顔。うるんだ瞳。形のいい鼻。ぬれた唇───

115 :HAPPY BIVOUAC:04/04/22 23:43 ID:bUGHSDN6
「すっすまねえ!!お、俺には──────心に決めたひとが居るんだ!!」
「……………………」
「だ、だからお前とはその……………ケッコンは…」
「………………………………………………………………プッ」
「できな……………へ?」
「アハッ、アハハハハハハハハハハ!」

とうとうこらえきれずに、腹を抱えて笑い出した絃子。
笑い声を聞きながらしばらくポカンと口を開けていた播磨だったが────────

「…………!!テ、テメエ、はめやがったな!?」
「人聞きの悪いことを言うな。君が勝手に勘違いしただけだろう?大体私は引く手数多だしな。君に貰ってもらうほど落ちぶれはせんよ」
「ああ言えばこう言いやがって!そもそも俺には───」
「大好きな塚本君がいるんだろう?ま、この程度でよろめいてるようじゃ先行き不安だな?拳児君」
「よ、よろめいてなんかいねえ!俺はいつでも天満ちゃん一筋で……!」
「わかったわかった。それはいいからとっとと洗い物を済ませるように。私は明日早いからもう寝る」

そう言い捨てて、絃子は寝室に歩いていった。

「ったく、いつもいいようにからかいやがって……あの鉄面冷血女…」
「あ、言い忘れてたけど、明日朝6時きっかりに起こすように」
「ぬお!!!!………………カシコマリマシタ、絃子サン」

悪口を叩き始めた出端で思わぬ奇襲を受け、またもかしこまってしまった播磨。
結局、この日は(も)最後まで軍配は絃子に上がりつづけたのだった。

116 :HAPPY BIVOUAC:04/04/22 23:46 ID:bUGHSDN6
「……わりと本気だったんだけどな……」
枕に顔を埋めて、絃子はそう呟いた。
正直なところ、彼女の播磨に対する感情については不明瞭の極みだった。
物心ついた時から、あたりまえのように傍にいた男。
やんちゃな弟、年下の恋人、気安い男友達、素行不良の生徒、手のかかる被保護者……
どれもが当てはまるようでもあり、そうでもないようでもある。
あらゆる事例 ─人間関係においても─ に常に明晰・明快な回答を欲してきた彼女にとって、
この状態は不愉快なものであるはずだったが───同時に安住できるものであることも確かだった。

「結果を怖がって先延ばしにしている…私も同じか。拳児君を笑えないな」

寝返りをうった絃子の耳に、かすかにまな板を叩く音が聞こえてきた。
播磨が、早朝出勤する自分用の朝食の準備をしているのだろう。
口では何やかやと文句を言っている割には、ここ最近忙しそうにしている絃子に気を遣っている。
自分や近しい人間だけが知っている播磨の優しさが、今は素直に嬉しかった。
もうしばらくは、このままでもいいと思えるほどに。

「明日は大根の味噌汁かな…?」

手馴れた感じの、リズミカルな包丁の音を聞きながら、絃子は静かに眠りに落ちていった。

117 :Classical名無しさん:04/04/22 23:47 ID:YPk8PEPo
何か大事な部分を忘れていませんか

118 :113-116:04/04/22 23:56 ID:bUGHSDN6
雑談スレ>440氏の設定にやられてしまい、
初SSを書いてしまいました…
みなさんお手柔らかに。

>>117
すいません…思いっきり忘れてます。次レスで再度部分うpします。

119 :113-114間:04/04/23 00:01 ID:bUGHSDN6
「…また新しい銃買ったのか。えらく長え拳銃だな」
「ああ、かっこいいだろう?バントライン・スペシャル」
「んなモン振り回してる上に家事も駄目と来ちゃますます嫁の貰い手がなくなるなあ、コリャ」
皮肉っぽく言い放った憎まれ口への反応は──────播磨の予想を180度裏切るものだった。


改行エラーに引っかかったので抜けた部分のみです。
しかも誤爆まで…俺ってやつは…_| ̄|○

120 :Classical名無しさん:04/04/23 00:07 ID:r45FT5cE
……まずい、ネタが被った(;゚□゚)

121 :Classical名無しさん:04/04/23 00:28 ID:0yc2kw5k
>>118
GJ!
絃子さん好きの俺としてはまさに神です。いいなぁホントに

>>120
いやいや、似たシチュでも職人さんによって全然違う雰囲気になるものです
完成したらぜひ読ませて下さい

しかし最近絃子さん大人気だな。姉萌え派にとっては聖地のようだ

122 :Fatal action:04/04/23 01:47 ID:DSxhjImQ
 出会いはいつだって唐突だ、とは誰の言葉だったか。ともあれ、今現在沢近の頭を悩ませているのは
まさしくその言葉。
「お嬢サン――私と付き合ってもらえないカ?」
「……はあ?」
 中身はともかく、というのは冗談めかした美琴による評だが、入学当初から声をかけてくる相手は
数知れず、そのことごとくを断りつづけている、という事実を以ってしてもなお続く者は後を絶たない、
という沢近。
 それでも、唐突に目の前に現れた金髪の男がやたらと芝居がかった仕草で髪をかき上げながら声を
かけてくれば、驚く以前に呆れるというものである。
「いきなり何言ってるの?あなた」
 ともあれ、恋については一家言ある沢近、丁重にお帰り願うべく口を開く。
 ――が。
「初めて会ったときカラ思っていたよ……君ハ私の……」
「初めてって、今さっきじゃない!」
「フッ……」
 会話が噛み合わない、と言うよりそもそもその気がないのでは、と思わせるほどに一方的に会話を
進める男に調子が狂う沢近。
(……そういえばいたわね、あっちにも)
 眉をひそめつつそんなことを思い出す。本人はキザだなんだと思い込んでいるが、どうにも手の付け
られない手合い、というヤツである。
 この手の相手には有無を言わさぬ対応で、と余計なニュアンスの入らない英語に切り替えて――ちなみに、
目の前の男がどう見ても日本人ではない、という判断からである――会話を再開する。

123 :Fatal action:04/04/23 01:47 ID:DSxhjImQ
『ごめんなさい、私今は誰ともお付き合いするつもりはないの』
『――おや、君は英語が出来るのか』
 その言葉にカチンとくる沢近。彼は単なる驚きを表しただけ――というのはこの際問題にならない。要は、
彼女がそれをどう受け取ったか、という話。
『……あら?何か問題でもあるのかしら』
『いや、そんなことはないさ、レディ』
 一度そう取ってしまえば、続く言葉もすべて小馬鹿にしているように聞こえてくるのだから、とかく人の
心とは難しいものである。
『ところで、君は「今」と言ったね。ではこれからそれが変わるということも……』
 ないわね、そう断言した沢近は、あっさりとこの交渉における最後のカードを切る。
『おあいにくさま。誰ともって言ったのわね、私、もうお付き合いしてる人がいるの』
『なっ……!この私より君に相応しい男がいるというのか?』
 その自信がどこから来るのか、という驚き方をしてみせる彼に、ええ、とあっさり答えて勝利を確信する沢近。
 ――そこに大きな落とし穴があるとも気がつかず。
『ではその男に会わせてくれないか?』
『ええ、いいわよ』
(――え?)
 しまった、と思っても後の祭、肝心なところで詰めが甘い沢近である。
「それデハ今週末ニでも」
「あっ!ちょっ、待ちなさいよ!」
 そう言って去っていこうとする背中を呼び止める。対する男は怪訝そうな顔で振り返ってから、すぐに
分かった、という表情をして。
「ソウ、まだ言っていなかった。私の名はハリー。ハリー・マッケンジー」
 きっちり斜め四十五度の角度で言い残し、歩み去る。当然、そうじゃなくて、という沢近の言葉は
誰の耳にも届かないわけで。

124 :Fatal action:04/04/23 01:48 ID:DSxhjImQ
 かくして。
「……どうするのよ」
 目下沢近の頭を散々悩ましている懸案が誕生した、というわけである。
(誰かに相談……なんて出来ないわよね)
 美琴に恋の相談などするわけにはいかないし、晶に言った日にはどうなることか想像も出来ない。天満に
訊いたところで、謝っちゃえ、などと言われるのが関の山、そして沢近の性格上、当然そんな選択肢はない。
 となれば、ダミーでも何でも、恋人をでっち上げるしかないのだが。
「ああもう、ダメよダメ。普通の相手に付き合ってあげる、なんて言ったらつけ上がるだけ」
 加えて、本当に付き合うわけでも何でもない以上、さすがに相手に悪いと思うし、それで妙な噂でも
流れることになってしまえば。
(――また昔みたいに)
 今なら自分の周りには確かに『友達』がいる。でもだからこそ、余計な迷惑はかけられない。
「絶対に勘違いしないような相手……なんて、そんなのいるわけないじゃない」
 そもそもアイツが悪いのよ、何よ、ハリー・マッケンジーって、どっかの誰かみたいな、とそこまで考えて。
「――――――――あ」
 付き合うと言ってもつけ上がることなく。
 たとえ偽装デートでもそんなことを言いふらすはずもなく。
 勘違いなんてしようとしても土台不可能な。
 そんな、ヤツ。
「……いるじゃない、一人」
 それはプライドからしても行動理念からしても、どう見ても外れた選択肢。
 けれど。
「仕方ないじゃない」
 誰に対する言い訳なのか、そう呟いて――

「アンタ、私と付き合いなさい」
「ハァ?何言ってんだテメェ」

125 :Fatal action:04/04/23 01:49 ID:DSxhjImQ
 その結果どうなったのか、は当然ながら。
「さ、行くわよ」
「……」
「何よ、文句あるの?」
 カミソリ事件からこちら、播磨が下手に出なければならないような失態はなく、むしろ沢近の方が謝るべき
はずなのに、結局こうなってしまうのはもはや運命なのか何なのか。播磨拳児、未だに沢近愛理に連敗中である。
「分かってるわね、私の言う通りにしてなさいよ」
「……」
 この期に及んで反論しても無駄と思い、返事なしの播磨。それを見て小言の一つも言おうとした沢近だったが、
今日これからのことを考えてやめておく。どのみち、今日は数え切れないくらいそんなことがあるに違いないのだから。
 そして、待ち合わせ場所では。
「……ホウ」
「……テメェ」
 いつぞやのファーストコンタクトを思い出し、火花を散らす二人。
「知り合いだったの?あなたたち」
 まあいいわ、とそんな様子を気にも留めずにそう言って。
「行きましょ、播磨君」
「なっ!お前、おい!」
 播磨に腕を絡めて沢近は歩き出した。

126 :Fatal action:04/04/23 01:50 ID:DSxhjImQ
「あー、楽しかった」
 丸一日遊園地で遊び倒し、街が夕暮れに染まる中で笑う沢近。
「ね、播磨君も楽しかったでしょ?」
 思い出したくもない一日の出来事を思い出し、これが天満ちゃんだったら、と心で血の涙を流す播磨――何せ、
バカップルと言われても一切反論不可能なことを幾つもこなしたのである。あーん、とか――だったが、お目付役の
ハリーからは見えない角度で睨みつけてくる沢近に、おう、そうだな、と若干引きつった笑顔で答える。
 その態度に、もっとちゃんとしなさいよ、という風に一瞥をくれてから、今度はハリーに向かって言う。
『ほら、もう十分でしょう?大体ここまでする必要なんて……』
『分かったよ、なるほど確かに君は彼のことを好いているようだ』
 君の方はね、と意味深に笑ってから。
「――デハ今一度見せてもらおうか、サムライ。君のその性能とやらヲ!」
 その言い終わるや否や、鋭い一撃を――
「――え?」
 ――沢近に打ち込もうとするハリー。呆けた様な表情をしているその顔に、吸い込まれるように拳が向かって。
「……テメェ」
 パシン、という乾いた音とともに、その拳は播磨の手に受け止められた。続く、何考えてやがる、という言葉に、
フッ、と笑ってからハリーは答える。
「ナニ、プリンセスを護るニハナイトが必要、ということダ」

127 :Fatal action:04/04/23 01:52 ID:DSxhjImQ
 意味が分からない、という顔をしている播磨に、君は合格ということだ、そう言ってから沢近に向き直るハリー。
『確かに私が君の隣りに立つ余地はないようだ。何せ、私が拳を止めると分かっていて彼は君を護ったんだからな』
 やれやれ、と大仰に肩をすくめて背を向ける。
「チッ、いけ好かねェヤロウだぜ」
 そう呟きながらも、どうせやるならサシで、とこの場は見送る播磨。その隣で、まだ呆然としている沢近。
「……おい」
「……え?あ、なに?」
「なんだかよく分からねぇんだが、これで要件は済んだんだな」
 確認するように覗き込んでくる播磨から目をそらし、うん、と小さく頷く。
 そして。
「……今日一日だけなんだから、こんなの」
 ぽつりとそう呟く。
「あのな、ったりめーじゃねぇか、んなこと」
「…………バカ」
 聞こえないように言ったのだからそれで当然なのだが、あん?、と聞き返してくる播磨に無性に腹が立つ沢近。
「なんでもないわよ!もう!」
 いつものペースを取り戻し、ほら、さっさと帰るわよ、そう言って。
「ちょい待て!お前何だその……」
 刺すような夕陽の中、自分が何故そんなことをしているのか分からないまま。
「……だから言ったでしょ。今日一日だけは――」
 しっかりとその手を繋いだ。

128 :Fatal action:04/04/23 01:55 ID:DSxhjImQ
……えー、というわけで。
コンセプト・不評でもいいからやっちゃえ、でした。
これでも暴走しっぱなしのデート部分は切ったのでヌルめ一杯々々です。
ネタ元に関しては、ハリー初登場時の各スレより、ということで。
あー、怒られそうな予感がひしひしと。

129 :出会いの思い出〜まもの使い播磨〜:04/04/23 02:31 ID:066bHFWI
休日、いつものように播磨は動物園を訪れ、動物たちを眺めていた。
播磨の視線の先にはピョートルを初めとした自分の仲間達の姿があった。
動物達も播磨の事に気づいているらしく、とても嬉しそうにしている。
「こんにちは」
「こんにちは、播磨先輩」
「おう、妹さんに、妹さんの友達。また来てくれたのか」
播磨に挨拶をする八雲とサラ。
二人も播磨同じく動物達の様子を見に来たのだ。
「播磨さん・・・みんなの様子は?」
「あぁ。見てのとおり元気さ。妹さん達も来てくれたから喜んでるぜ」
「良かったね八雲」
「・・・うん」
「ところで播磨先輩、ピョートル達とはどうやって出会ったんですか?」
「ん?」
「今まで聞いたことなかったし気になっちゃって。八雲も聞きたいよね?」
「えっと・・・うん」
「あいつらとの出会いか・・・」
八雲達の言葉に返事をしながら播磨は少し空を見上げてピョートル達と出会った時の事を思い出した。


播磨は疲れていた。
体ではない、心がだ。

130 :出会いの思い出〜まもの使い播磨〜:04/04/23 02:32 ID:066bHFWI
今日もお姉さんにもらった千円をパチンコにつぎこんでしまった後、ぶらぶらと歩いていた。
そしてあてもなく歩いているうちに、いつしか山の中に入っていた。
「俺はなにやってんだ・・・」
溜息と共にこぼれる言葉が播磨の心境を表す。
そのまましばらく山の中をうろうろしていると、突然ガサっと物音がした。
「ん・・・なんだ、なんかいんのか?」
物音のしたほうへ視線を向ける播磨。
すると突然木々の影からキリンがあらわれた。
「なっ、山の中にキリンだと!?ふざけんじゃねぇぞ」
キリンは気が立っているらしく播磨に襲いかかってきた。
キリンの攻撃、播磨に20のダメージ。
「ぐはっ、やる気かよっ、それならこっちも容赦しねぇぜ」
普通ならおとなしいはずのキリンにいきなり攻撃されて驚くが、襲ってくるなら話は別と播磨も攻撃をしかける。
播磨の攻撃、キリンに30のダメージ。
播磨の攻撃を喰らったキリン、しかしその攻撃に怒ったのか、さらに激しく播磨に襲いかかっていった。
キリンの攻撃、クリティカルヒット!播磨に50のダメージ。
「ぐあっ、ちっ、キリンのくせにやるじゃねぇか。おもしれぇ、やってやるぜ!」
そう叫ぶと、播磨は猛然とキリンに立ち向かっていった。

その後、播磨とキリンの戦いは死闘と呼ぶに相応しいほどの激闘になった。
そして、ついに決着の時がくる。
「これで終わりだ!くらえっ播拳脚!!」
播磨の播拳脚をくらいついに倒れるキリン。
しかし、勝った播磨自身も多くの傷を負い、肩で息をしているまさに満身創痍といった状態。

131 :出会いの思い出〜まもの使い播磨〜:04/04/23 02:33 ID:066bHFWI
「はぁはぁ。勝ったぜ」
そう呟くと、緊張の糸が切れたのか、膝から一気に力が抜けてガクッと地面に腰を落とした。
しかし、その瞬間倒れたキリンがいきなり立ち上がった。
「くっ、まだやるってのか!?」
播磨は自分も立ち上がろうと体に力を込めるが、思うように力が入らずなかなか立ち上がれない。
焦る播磨、しかし・・・
キリンは起き上がり仲間になりたそうに播磨を見ている。仲間にしますか?
 はい
 いいえ
「え?つーかなんだよ仲間にしますか?ってなんの選択肢だよ!」
キリンは無垢な瞳で仲間になりたそうに播磨をじっと見ている。
「あー・・・わかったよ。はい、仲間にしますよ」
ややヤケ気味に言う播磨。喜ぶキリン。
「まぁいいぜ、拳を交えた仲だしな」
そう言いながら立ち上がると何か考えるようにキリンを見る。
「仲間になったのにキリンってのもアレだな。名前はどうするかな」
アゴに手を当て思案する播磨。そんな播磨を首をかしげながら見つめるキリン。
「そうだな・・・お前の名前はピョートルだ」
キリン、いやピョートルはそれが自分の名前だとわかると、大きく頷いた。
「うし、じゃあ行くか」

132 :出会いの思い出〜まもの使い播磨〜:04/04/23 02:33 ID:066bHFWI
こうして播磨とピョートルは出会った。
その後、他のたくさんの仲間達とも出会ったのだった。


「ねぇ播磨先輩、一体どこで出会ったんですか?」
サラの声にハっと現実に戻ってくる播磨。どうやら思い出の中へと意識を向けていたようだ。
「あー・・・それはだな・・・」
「播磨さん・・・?」
妙に口ごもる播磨に八雲はどうしたのかと首をかしげる。
(まさか山の中で会った上にいきなり殴りあったとは言えねえよな)
「そ、それはだな、秘密だ」
「あ、その言い方気になりますね」
苦し紛れにごまかそうとする播磨、そんな播磨の様子に気づいたサラは余計に興味を掻き立てられる。
八雲も直接口にはださないようだが、やはり気になるようで、じっと播磨を見つめている。
播磨は、そんな興味津々の二人にどうしようかと困り果てている。
そんな休日の微笑ましい光景を動物達は楽しそうに檻の中から見つめていた。

133 :129−132:04/04/23 02:40 ID:066bHFWI
初SSになるので非常に不安もあるのですが、書いてみました。
しかし初めてのネタが播磨&動物ネタとはまさか思いもしませんでした。
楽しんでもらえたなら幸いです。


134 :Classical名無しさん:04/04/23 02:51 ID:SNYWEElM
DQXのやりすぎ

ロビン起きあがらんねーよ  orz

135 :Classical名無しさん:04/04/23 16:03 ID:aW.USfIA
>>128
グッジョブです。
そういえばハリーは全然女キャラにちょっかい出してきませんね。良かったw
けどこんなふうに旗の後押しをしてくれる展開なら望むところですが

136 :Memories:04/04/23 18:48 ID:DSxhjImQ
「おらよ、出来たぞ」
「ん――」
 そう言って読みかけの新聞を畳んだ絃子の前に並べられたのは、ご飯に味噌汁、卵焼きに和え物――いわゆる
典型的な和風の朝食。オーソドックス故に技の見せ所、ではあるのだが、播磨作のそれは可もなし不可もなし、
という出来である。
 もっとも、いつぞやのキャンプのときのカレーを思えば、上出来の部類に入るというもの。そんな播磨が
料理の担当になっているのは、ひとえに絃子の判断によるのだが。
「にしてもよ、絃子もたまにゃあ料理の一つも作ってみろよ」
 ここで暮らすようになってからもう何度目になるか、というグチをこぼす播磨。
「だいたいだな、昔は……」
「……そうかもな」
 ぽつりと呟く絃子。
「……は?」
「たまにはそれもいいかもしれないな」
 どこか心ここにあらず、という様子で答える絃子に、少し気味が悪くなる播磨。熱でもあるんじゃねぇのか、
と恐る恐るその額に手を当てようとして。
「ってぇ!何しやがる!」
「見れば分かるだろう?誰かさんがあまりに失礼なことを言うものだからね」
 そう言った絃子の手には、どこから取りだしたのか鈍い光を放つモデルガン。
「だからって撃たねぇだろ、普通!」
「自業自得だよ。まあいいさ、それで?君は私の手料理が食べたいと、そう言うのかな?」
「……いや、なんか微妙に違わねぇか、それ」
 げんなりした顔の播磨を、些細な違いだよ、と斬って捨てる絃子。
「ではそうだね、近いうちにご馳走してあげるとしようか」
 精々覚悟して待っているといい、そう笑ってから、ではね、と席を立って洗面所に向かう。
 取り残された播磨、とりあえず一言。
「……いや、それメシ喰わせるヤツのセリフじゃねぇだろ」

137 :Memories:04/04/23 18:48 ID:DSxhjImQ
「……というわけで、だ」
 少しばかり練習させてもらえると助かるんだが、と絃子。対する相手は笹倉である。
「何せ、いささか久しぶりだからね。それに、あまり食べてもらう相手の前で練習するのも、ね」
 それを聞いて、私ならいいんですか?、と悪戯っぽく問う笹倉に、君だからだよ、と絃子。
「無理にとは言わないさ。出来れば、だからね」
「いえ、構いませんよ」
 珍しく申し訳なさそうなその様子に、笑顔で承諾してから、それにしても、と言葉を続ける。
「刑部さんが料理って言うと、あれ以来ですね。ほら、確か親戚の男の子が……ん?」
 確かその子って、と何かを思い出しかけた笹倉。
 が。
「ストップ。そこまでだ」
 いいんだよ昔のことは、と溜息一つの絃子。これだから君にはあまり、と言いかけたところに。
「でも刑部さんが私のこと頼りにしてくれて嬉しいです」
「……ん?」
 怪訝そうに聞き返す絃子に、ほら、いつも全部自分でやろうとするじゃないですか、と笑う。
「変わらないですよね、昔からそういうところ。もっと周りの人に頼ってもバチは当たらないと思いますよ」
 笑顔でそう諭す笹倉。それを聞いた絃子は、しばらく考えるような素振りを見せる。
「ふふ、そんなに気にしないで下さい。それじゃ始めましょうか」
 そう言って先にキッチンへと向かう。
 その背中に。
「……ありがとう、葉子」
 小さく囁く。
「何か言いました?」
「いや、なんでもないよ」
 そう返してから、絃子もその後に続いた。

138 :Memories:04/04/23 18:49 ID:DSxhjImQ
 そして当日。播磨の前には所狭しと料理が並べられている……などと言うことはなく、こちらもいたって
シンプルな和食。違いらしい違いといえば、メインの焼き魚が加えられている程度である。
 さて。
「で……どうだ?」
 ずずず、と味噌汁をすする様子を、興味津々といった様子で見つめる絃子。んなことされたら答えにくいじゃ
ねぇか、と思いつつも、素直な感想を口にする播磨。
「いいんじゃねぇの?」
 その感想に、馬鹿者、と絃子。
「世辞は要らんと言っただろうが」
「……あん?なんで俺が絃子にお世辞なんか言わなきゃなんねぇんだよ」
 それにな、と更に続ける播磨。
「テメェで自信のないもん人に食わせようとしてたのか?」
「む、そういうわけじゃないが……」
 正論の播磨に珍しくやり込められる絃子。
「うめぇもんはうめぇし、マズイもんはマズイ。そういうもんだろ」
「……そうか。そうだな」
 ようやく表情を崩した絃子を見て、もう一口味噌汁をすする播磨。
「ま、久々でこれなら上々だろ。にしてもよ、ホント変わってねぇな」
「何のことだ?」
 怪訝そうに聞き返した絃子に、だから味付けだよ、と一言。
「昔食わせてもらってたのと全然変わってねぇ、ってな」
「……覚えて、いたのか」
 ――絃子姉ちゃん。
 そんな言葉が絃子の胸に蘇る。
 記憶の片隅に、でも捨てずにとっておいた遠い日の思い出。
「そりゃそうだろ。嫌いじゃなかったしな」
 視線を外しつつそう答える播磨を軽く小突く絃子。
「そういうときは素直に好きだった、と答えるものだよ、拳児君」
 うるせぇ、と今度は若干赤くなる播磨に。
「まあいいさ、今に君が満足するものを作ってやろう」
 見ているといい、そう言って。
 楽しそうに絃子は笑った。

139 :Memories:04/04/23 18:49 ID:DSxhjImQ
 ――翌朝。
「……あのよ」
「何かな?拳児君」
「んな後ろでじっと見てられるとやりづれぇんだけどな」
「気にしないでくれ。少し参考に……」
 そう言いかけた絃子を、いいんじゃねぇの、そういうの、と止める播磨。
「あれだ、レパートリーっつーのか。それを増やすのはいいんだけどよ、別に味を変えるこたぁねぇだろ」
「……ほう?」
 続きを促す絃子に、あんまり言いたくねぇんだけど、とと思いつつ続ける。
「そいつの味ってのはそいつにしか出せねぇんだよ。だからな、絃子のアレははアレでいいんじゃねぇのか?」
 少なくとも俺は嫌いじゃねぇよ、と小さく付け加える。
「……フン。言ってくれるじゃないか、君も」
 そこで一呼吸置いてから、今度は耳元で。
「――――ありがとう、拳児君」
 そう言ってから、肩越しに軽く頬に口付けをする。
「っ!な、な、な、ななな!」
 思わず鍋を取り落としそうになる播磨に、おやおや、折角の料理が台無しになってしまうよ、と悪戯っぽく笑う絃子。
「……テメェ」
「なに、ちょっとしたご褒美だよ。受け取っておいてくれ」
 さて、と呟いてから居間に戻り、新聞を広げる絃子。やがて、むすっとした表情の播磨がやって来て食器を並べていく。
「ほらよ」
「ん――」
 そんないつものやりとりの後に、絃子はもう一度先ほどの一言を付け加えた。
「――いつもありがとう、拳児君」

140 :Memories:04/04/23 18:51 ID:DSxhjImQ
個人的には絃子は料理上手を主張するんですが、あれだけ語られると書きたくなるわけで。
雑談スレの方々には感謝です、はい。

141 :Classical名無しさん:04/04/23 19:01 ID:ZFAzEowU
グッジョブ!
料理下手絃子さん(゚∀゚)キター!最近大人気のこのカプ、やはり良いね
なにげに百合要素がまた良い(w

142 :Classical名無しさん:04/04/23 20:13 ID:DBnt3Ulk
絃子さん妖艶だ。播磨が手玉に取られてますね
微妙な心理描写とかが凄く繊細で引き込まれました。
GJです

143 :Classical名無しさん:04/04/23 20:58 ID:pT7KBYwo
 「拳児君、少し聞きたいことがあるんだが……」
 平日の真夜中、『さて、寝るか』と言う時間帯にイトコが声をかけてきた。
 イトコと言えば、この間の中華料理店での一件だ。
 あのとき、危うく俺は天満ちゃんに招待がばれるところだった。
 しかし、今思えば天満ちゃんも俺の気持ちに同調してくれたし、もし天満ちゃんと俺が酒を飲んでなかったらこんな展開になってたかもしれない。


 「ええ!? もしかしてあの時って私が寝ぼけてたんですか?」
 「ああ、気にしないで良いぜ。俺は過去にはこだわらない男だからな」
 「そんな! そうだ、播磨君。今度から私お詫びにお弁当作ってくるよ」
 「いや、それは悪いぜ」
 「そんなこと無いよ。だって私、ずっと前から播磨君のことが………」


 悪くない。そうか、こういう展開もありだな。
 「……という話があるんだが、どう思う?」
 しまった。俺としたことが妄想に浸るなんて。話なんてまったく聞いてなかったぜ。
 しかし、だからと言って『聞いてなかった』と言おうものならモデルガンをぶっ放してくるのは長年の付き合いだ、予想できる。
 ここは無難に、
 「ああ、良いんじゃねぇか」
 そう言い返すと、イトコの表情にわずかに影が走ったような気がした。
 もしかして、同意しちゃいけないような話だったのか? ともう一度イトコの顔を見るが、いつもの通りの何を企んでるのかわからない顔だ。
 やっぱり気のせいだったか。
 ふぅ、あせらせるんじゃねぇよ。

144 :Classical名無しさん:04/04/23 20:59 ID:.YJn0uBg
SSにまでガンネタ盛り込む必要性はあるのか

145 :Classical名無しさん:04/04/23 21:00 ID:pT7KBYwo

    二週間後の土曜日

 「では、行って来る」
 いつも通り、居間でごろごろとTVを見ているとイトコが俺に声をかけてきた。
 「あ? どこか行くのか?」
 振り返るとやたら着飾ったイトコが俺を冷ややかな目で見下ろしていた。
 しかし、こいつがオシャレしてるのは久しぶりに見るな。
 「前に言っただろう。見合いだ」
 へ?
 そんなことは俺は一度も聞いた覚えが無いのだが。
 「あの二人も今回は勝負をかけてきたからな。
  今日は遅くなるかもしれん」
 『あの二人』って仮にも親を指す言葉じゃねぇだろう。
 何がなんだかわからねぇが、
 「ああ、わかった。俺はその辺で飯食ってるから」
 軽く手を振ってやる。
 それに『では、行って来る』と答えるとイトコは玄関から消えていった。
 しかし、それにしてもイトコがまさか見合いに行くとは。
 毎回、一も無く二も無く断ってきたって言うのに。
 まぁ、それだけ叔父さんと叔母さんが本気なんだろう。
 イトコもとうとう年貢の納め時か。
 となると俺もいつまでもここに居るわけにはいかないな。
 親に名義を借りて新しく部屋を借りようにも金ないしな。
 ……ま、心配する必要はねぇか。
 イトコだしな。
 見合いに行ったとしても断ってくるだろう。
 あ〜、心配して損した。
 ま、もし成功したとしても心配するなら相手のほうだよな。
 イトコと一生を共にするんだから人生棒に振ったようなモンだ。
 今、一緒に住んでるこの俺が言うんだから間違いねぇ。

146 :Classical名無しさん:04/04/23 21:02 ID:pT7KBYwo
 さて、昼飯でも食いにいくか…って、金がねぇ!
 しまった、今週からは一日二食生活だった。
 しかも肝心の朝飯もイトコが朝っぱらからめかしこんでたせいで食ってねぇし。
 くそ、何かねぇのか!?
 いつもは触らない戸棚の中とか冷蔵庫の中とかを漁り回す。
 冷蔵庫にすら何もねぇとは……ん?
 引き出しの隅の奥のほうにあるクシャクシャに皺のついた紙くずが目に留まった。
 もしかして、見るに見かねて神様が俺に食券を授けてくれたのでは!?
 期待を大にして手に取ったのはただの封筒だった。
 しかし、まだ中身がある。
 もしかすると、中にはソコイチのタダ券があるかもしれない。
 震える手が取り出したのは、何てこと無いただの便箋だった。
 たぶんイトコが内容を見てムカつくなりイラつくなりして丸めて投げ捨てたのを、拾って引き出しに入れたのであろう。
 一度捨ててから引き出しの隅に入れるってことは見てほしくないものってことなんだろうな。
 俺はそれを素直に戻そうとして、手を止めた。
 イトコがイラつくような手紙……気になる。無性に気になる。
 他人の手紙を見るのはプライバシーの侵害だ。などという良心が俺の行動を抑止しようとするが、それも頭の中でこの前の中華料理店でのことを思い出すとあっさり消えた。
 そうなのだ。イトコのせいで危うく俺の正体が天満ちゃんにばれそうになったのだ。
 この前の妄想ではうまくいくかもしれなかったが、それは所詮妄想。現実では完膚なきまでに振られていた恐れがある。
 しかも、あいつは俺の財布の中を勝手に見やがったんだ。考えてみればおあいこじゃねぇか。
 バッと音を立てて便箋を開いて中を見る。

147 :Classical名無しさん:04/04/23 21:03 ID:pT7KBYwo
 それはイトコ宛の叔父さんからの手紙であった。
 内容は大まかに説明するとこんな内容だ。
 『絃子、いい加減に我侭を言わないで家庭を持て。
  今回の相手ならばきっとお前も気に入るはずだ。段取りも既につけてあるし相手方も話が済んでいる。
  勝手だとは思わないでほしい。私も心配なんだ。
  今度ばかりは引っ張ってでも連れて行くからな』
 相手方に話が通ってるって言うことは下手をすれば、本人の意思に関係なく話が決まっちまうんじゃねぇのか?
 と言うことは、何だ? イトコもマジで年貢の納め時ってやつなのか?
 ッてことは俺もここを出て行かねぇといけねぇな。
 ため息が俺の意思に関係なく漏れる。
 お?
 涙?
 何で俺、泣いているんだよ?
 イトコが誰かと結婚するのが悲しいってか?
 冗談じゃねぇ。
 俺の心には天満ちゃんが。
 天満ちゃんが。
 天満ちゃんの顔が浮かばねぇ。
 頭中に浮かぶのはイトコの不敵な笑み、珍しい寝ぼけ顔、呆れ顔、怒っているときの無表情、あの時一瞬浮かべた翳りのある顔。
 くそっ!
 どうかしてるぜ、俺は!
 たぶんイトコの結婚がほぼ確定になってるからだ。
 ほら、よくあるだろ? お姉ちゃんが嫁さんに行って泣いてる弟ってヤツ。それだそれ。
 飯食うことも出来ないことだし、せっかくだから掃除をしよう。
 発つ鳥、後を汚さず(なんか違うような気がするが)って言うしな。

148 :Classical名無しさん:04/04/23 21:04 ID:pT7KBYwo
 って、何で俺はイトコの引き出しを漁ってるんだ?
 しかも手には見合い場所の住所の書いた紙があるし。
 よく考えろ、播磨拳児。
 今からお前がやろうとしていることは取り返しのつかないことなんだぞ。
 お前には天満ちゃんが居るだろう?
 天満ちゃんよりもイトコのほうが大切なのか?
  ………
 俺は走り出した。
 天満ちゃんよりもイトコを選んだ。
 イトコには俺に気なんて無いだろうが、あいつが見合いを嫌がってるのは確かだ。
 イトコが嫌がってるんならそれだけで見合いを潰す動機は十分。
 マンションの玄関を曲がると駐輪場があった。
 そこにあるのは天満ちゃんをチャリ通に誘うために買った自転車。
 俺は迷わず自転車に乗って走り出す。
 料亭は一時間も走ったところにあった。

149 :Classical名無しさん:04/04/23 21:05 ID:pT7KBYwo
 私は何をしているのだろう?
 親同士のくだらない会話。
 愛想笑いを浮かべる男。
 一向に手がついてない高級料理。
 男は父さんの相手先の重役の息子、いわゆる私の嫌いなボンボンという奴だった。
 ここに居るすべての人間の着飾った態度が癇に障った。
 自分たちでは優雅だと思っているのだろうか?
 私としてはよっぽどケンジ君のような何も隠し事の無いあっけらかんとした態度のほうが、裏にドロドロとした物を隠し持っているこいつらの態度より余程すばらしく思える。
 ……私も女々しいな。いまだにケンジ君のことを考えているとは。
 思わずため息が出る。
 「あぁ、私たちばかり話していては若い二人は退屈だろう。刑部さん、どうです? 私たちは別の部屋で話の続きでも」
 「そうですね」
 老人四人が退席する。
 やっと静かになるかと思ったが、次は男が喋りだした。
 今まで皮を被っていたかのような馴れ馴れしい態度。
 優男で遊び人のボンボン。この男に付けるなら、まさしくこの名称がふさわしい。
 その狙ったような仕草がさっきまでの着飾った態度に増して癇に障る。
   バァン!

150 :Classical名無しさん:04/04/23 21:06 ID:pT7KBYwo
 困った。料亭に侵入したのは良いが、イトコが見合いを行っている部屋の場所がわからない。
 そんなこんなでこそこそとはやる気持を抑えつつも彷徨うこと数十分、やっとのことで刑部の叔父さんたちが部屋から出てくるのを発見した。
 「ここか!?」
   バァン!
 襖を思いっきり開けると、そこには優男と……イトコが居た。
 二人とも固まっている。
 よかった、どうやら間に合ったようだ。
 「う」
 先に硬直から抜けたのは優男のほうだった。
 叫ぼうと息を吸おうとしているのが目に取れる。
 やばい。
 さすがの俺でも店員に追われながらイトコを連れて逃げ出すのは骨が折れる。
 とっさに優男の後ろに回りこむと右手で口を封じて左手で相手の動きを固めた。
 沢近のときは喧嘩慣れしてる自分に後悔したが、今はそれに感謝している。
 しかし、沢近相手ならまだしも男相手にこの体勢は長くは持ちそうに無い。
 ま、知り合いじゃねぇし。
   ゴン
 思いっきり頭突きをかましてやった。
 あと二、三発と思ったがあっけなく初弾で気絶したらしい。
 「拳児君!」
 やっとのことで硬直が解けたのか、イトコが椅子から立ち上がる。
 「よ」
 優男を床に捨てる。
 ま、アレだけ強く頭突きしてやったんだ。たぶんもう起きねぇだろう。

151 :Classical名無しさん:04/04/23 21:07 ID:pT7KBYwo
 「何しにやってきたんだ!?」
 「イトコを連れ戻しに来た」
 「ふざけるな!」
 イトコが俺の襟を絞める。
 「何が今更になって『連れ戻しに着た』だ!
  キミにどんな気持ちで自分の部屋にキミを招いたかわかるか!?
  キミになんで『絃子さん』と呼ばせていたかわかるか!?
  キミにキミが塚本さんのことを好きだと知ったときの喪失感がわかるか!?
  キミにキミが見合いに賛成したあの晩、私がどれだけ泣いたかわかるか!?
  キミに………
  キミに……
  キミに…
  キミにどれだけ私がキミのことを想っているかわかるか?」
 イトコが涙を流している。
 それは俺にとって幻かと思わせる姿だった。
 いつものイトコからは想像させない弱々しい姿。
 「ワリィ」
 俺はそう言ってイトコを抱きしめた。
 イトコの体はこの前、抱きしめたときよりも小さく感じた。


 「さて、いつまでも浸っていたい気分だが帰るか」
 そう言ってイトコが体を離した。
 「そ、そうだな」
 改めて考えてみると、俺って目茶苦茶くさいことをやったんじゃねぇのか?
 「ふむ、顔が赤いぞ。拳児君」
 イトコが不敵な笑みを浮かべる。あっという間にいつも通りだな、おい。
 「う、うるせい。さっさと帰るぞ。俺らの家に」
 
    終

152 :Classical名無しさん:04/04/23 21:07 ID:pT7KBYwo
  その後

 「ところで拳児君」
 「あ?」
 「サングラスはどうした?」
 「え?」
 さっきから違和感があったと思ったら、グラサンが無かったのか。
 たぶん部屋で涙を拭いたときにそのまま置いてきてしまったのだろう。
 その後はずっとがむしゃらに行動してたからな。
 「アレならもういらねぇから」
 「そうだな」
 そう言って軽く微笑むとイトコが腕を組んできた。
 「お、おい」
 「良いじゃないか、今日ぐらいは」


 後日、グラサンを取った播磨が思いのほか女子に人気が出てしまったため、絃子がグラサンを再度付けるように要求したのはここだけの話。

153 :Classical名無しさん:04/04/23 21:09 ID:pT7KBYwo
 なんか勢いに任せて書いてしまいました。
 スクランっぽくないような気がしますが投下させていただきます。

 あ、間違えてあげてしまってる(汗)

154 :Classical名無しさん:04/04/23 22:01 ID:nFbtQH3Y
その後がイイ味出してる
こんな風にもろに播磨が好きなイトコさんもまた新鮮ですな

155 :騎馬戦後:04/04/23 22:24 ID:6gWpwnUI
騎馬戦でも決着がつかなかったC組とD組。
保健室では、お姉さんが負傷者の手当てをしていた。
「はい、これで終わりね」
お姉さんが、負傷者の手当てを終える。
その時、播磨が保健室に入ってきた。
「あら? ハリオじゃない。 ケガしたの?」
「いや、そうじゃねえんだ。 原稿、描きたくてな」
お姉さんは、嬉しそうに言った。
「そっか マンガ描き続けていたんだ…よかった」
一緒に住んでいた頃の、優しい表情に播磨はポッとなった。
「そ、そんなワケでさ、ココ使わしてもらいてーんだけどよ?」
「ええ、いいわよ さ、どうぞ」
お姉さんは、場所を空けてくれた。
んじゃと播磨が準備を始めたとき、お姉さんが口を開いた。
「あのね、ハリオ。 話したい事がるの」


156 :騎馬戦後:04/04/23 22:25 ID:6gWpwnUI
「ん? 話って?」
俯きながらお姉さんは話し出す。
「あのね、この前のあたしがハリオに抱きついちゃった時の…」
播磨の脳裏に嫌な記憶がよみがえる。
授業をサボって寝ていたら、お姉さんが抱きついて来たのだ。
何故か、播磨がお姉さんを襲った事になってしまった一件だった。
「ああ…いきなりだったから驚いたけどよ、いいよ、アレは」
「ううん、よくない。 ごめんね、ハリオ」
「もういいって、お姉さん」
今にも泣き出しそうな表情のお姉さん。
(やべえ、ココで泣いたらまた変なウワサが立っちまう)
播磨は何とかしようと明るく言った。
「ほら、俺は学校じゃ不良なんだ。 だから今更ウワサの一つや二つ増えたって、な?」
「ホント? 許してくれるの、ハリオ?」
「許すも何も、おこっちゃいねーよ」
その言葉に、お姉さんに笑顔が戻る。
「よかった…ありがと、ハリオ」
しかし、すぐにお姉さんは真面目な顔になった。
「あのね、もう一つハリオに聞きたい事があるの」


157 :騎馬戦後:04/04/23 22:26 ID:6gWpwnUI
「? 聞きたいこと?」
「うん、ハリオが出て行ってからの話」
「そ、それは…」
「告白してダメだったら、退学するって言ってたよね? まだココにいるって事は、うまくいったんでしょ?」
「あ、いや あの、その」
しどろもどろになる播磨。
(言えねえ…間違えて担任に告白したなんて)
播磨が返答に窮しているとき、この会話を聞いている人物がいた。
播磨に告白された、沢近愛理その人である。
(やっぱりアイツ、あたしの事が… でも、返事してないし…どうしよう)
真っ赤になって廊下に佇む愛理だった。
 
誤解を生じさせつつ、体育祭は終盤に向かっていく。


158 :騎馬戦後:04/04/23 22:28 ID:6gWpwnUI
分校のお絵描きの所にこんなシチュの絵がありまして、SSしてみました。
絵の作者さま、すみません。


159 :Classical名無しさん:04/04/24 00:02 ID:aW.USfIA
GJ!
いいですよねこういう展開。特にお姉さん
お姉さんの魅力は強烈なアプローチにあると思うんですよ
それに播磨のお姉さん押し倒し事件を沢近はどう思ったのか、
マンガでもその辺をはっきり描いて欲しいですね

160 :Classical名無しさん:04/04/24 00:32 ID:gu2YkRkg
最近このスレでは播磨×色んなお姉さんSSが猛威を振るっていうようだな。
喜ばしい!!

161 :Classical名無しさん:04/04/24 01:59 ID:GeppD7Zw
お姉さん強化週間ってことか!
・・・(;´Д`)ハァハァ

162 :Classical名無しさん:04/04/24 15:20 ID:jrv0mCSw
今こそ、お色気祭りだぁぁぁぁぁっっっ!!!!

163 :Classical名無しさん:04/04/24 15:22 ID:jrv0mCSw
sage忘れスマン!

164 :Classical名無しさん:04/04/24 19:20 ID:Fxxuq7bM
もうみんな護身に入ったのかな?

165 :Classical名無しさん:04/04/25 00:54 ID:J1zHr78w
>>164
正直前スレ792みたいなことを書かれたら…ねえ(;´Д`)

166 :Classical名無しさん:04/04/25 00:59 ID:jrv0mCSw
ドンドン書き込んじゃっていんじゃない?
次待ちの目安は2分位?

167 :Classical名無しさん:04/04/25 01:16 ID:KDWRTYGs
縦笛が最近ないな
誰か書いてくれないかな〜

168 :Classical名無しさん:04/04/25 01:34 ID:6t.lQJGU
ただ今縦笛かいております。
もう何日かお待ちを

169 :Classical名無しさん:04/04/25 03:00 ID:FcDXQDBs
>>168
期待しておりますー


170 :独白:04/04/25 13:31 ID:6gWpwnUI
ぼく、ナポレオン。
ちょっと前まで、野良ブタだった。
でも、あの夏の日、播磨さんに出会った。
播磨さんは、ぼくの気持ちが解かる、唯一の人だった。
他の動物達も、播磨さんを慕って集まってきた。
播磨さんは、みんな受け止めてくれた。
楽しい生活だった。
そう、あの日が来るまでは。

171 :独白:04/04/25 13:47 ID:6gWpwnUI
ある日、播磨さんが皆に言った。
ここでは一緒にいられなくなったと。
2学期になったから、他の生徒たちにバレルからと神社に移動した。
でも、そこの生活も長くは続かなかった。
ライオンくんや、ピョートルくんが目撃されて、ここにもいられなくなった。
播磨さんは、仲間と一緒に機ぐるみを着て、お芝居をしてくれた。
動物達は、実は自分たちが劇の稽古をしていたんだと。
ぼくたちは、嬉しかった。
TVの人たちが来た時、播磨さんは鉄砲の前に立ちはだかった。
そして、ぼくたちに逃げろといった。
でも、僕たちは逃げようとはしなかった。
芸をして、自分たちは安全だと、危害は加えないとアピールした。
播磨さんに迷惑は掛けたくなかったから…
播磨さんはおまえたち…と泣いてくれた。
そして、ぼくたちは動物園に移った。

172 :独白:04/04/25 14:13 ID:6gWpwnUI
播磨さんは、ぼくたちに逢いに来てくれた。
播磨さんが来ると、僕たちは嬉しくなった。
播磨さんは、みんなに話し掛けてくれた。
みんな、播磨さんが来るのを楽しみにしていた。
でも、最近播磨さんが来てくれなくなった。
ピョートルくん始め、みんな落ち着かなくなった。
(どうして逢いに来てくれないんだろう…)
ある日、みんなで話し合った。
そして、誰かが播磨さんに逢いに行こうと決まった。
僕が行くと皆に言った。
夜になって、錆び付いていた檻を、体当たりで壊した。
みんなの期待を背に、ぼくは逃げ出した。
播磨さんを探すのは、大変だった。
昼間は目立って人間に追いかけられた。
夜になって、覚えのある森に辿り着いた。
播磨さんとお別れした場所だった。
播磨さんが泣いてくれた思い出が蘇った。
そして思い出した。 学校の場所を。
翌朝、ぼくは学校にいた。
播磨さんのにおいをたどって行く。
いた! 播磨さんだ!
ぼくは嬉しくなった。
(みんなに逢いに来てって、動物園に来てって言おう)
僕は駆け出していった。
 
大切なご主人のもとに…

173 :独白:04/04/25 14:17 ID:6gWpwnUI
マガスペと4巻を基に、非人物のSSです。
尻切れな終わり方ですみません。

174 :Classical名無しさん:04/04/25 14:39 ID:jrv0mCSw
ナポレオンかあいい
ノラブタって・・・みてみてえ

175 :Classical名無しさん:04/04/25 15:13 ID:PZHt3Xuo
なんかワロタよ。おもしろい

176 :Classical名無しさん:04/04/25 23:15 ID:4fxx/pco
俺、六商健一。世の中でも有数の2ちゃんねらーである。そして削除依頼
マニアでもある。今では削除依頼を出すのが楽しくて仕方がないくらいだ。
こんな俺の日常の顔はとある高専へ通っている17歳の男子である。
高専では女子からもモテモテ、男子からも好かれているエリートだ。成績も
クラスでトップで、先生からも褒められてばかり。でも天狗になってはいけな
いと思う。驕れる者久しからずというからな。人間、死ぬまで努力が大事だ
と思う。
学校からの帰りには必ず、レンタルビデオ店へ立ち寄り、アニメを探してい
る。そう、俺は実はアニヲタなのだ。こんなこと、学校の女子には言えたもの
じゃないんだけどな。そして、更に言えない秘密が・・・。
これはスクランスレ住人にも内緒にしているけど、実は俺、奈良マニア&サ
ンデー信者なんだ。おっと、ここでついにカミングアウトしちまった。最近、
スクランスレで奈良厨の荒らしがウザいから、あえて外には出さなかったけ
ど、俺も「奈良、サイコー!」と心の中で叫んでいる。マガジンに奈良が出る
たびに自分のイチモツが元気になってくるのを抑えることが出来ない。
寝る前にコミック3巻を見て奈良にうっとりしているなんて親にも妹にも知ら
れたくねえ。この上、サンデーも愛読していて「こわしや我聞」が好きなんて
言ったら確実にスクランスレ住人から瞬殺されちゃいそうだ・・・。あー恐い。
でも、最後に言っておく。俺は荒らしなんかやってねえ。これは真実だ。
俺は純粋に奈良と「こわしや我聞」を愛しているただのファンなのだ。

177 :Classical名無しさん:04/04/25 23:27 ID:ZZBJ3Xrg
GJ!
変わった話でいいよ
ただしクランキャラをもっと使うともっと面白い作品に仕上がると思います


178 :Classical名無しさん:04/04/26 00:16 ID:ZZBJ3Xrg
俺、播磨拳児。近所でも有数の不良である。そして天満ちゃん命でもある。
こんな俺の日常の顔はとある高校へ通っている17歳の男子である。
高校では女子からも怖がられ、男子からも怖がられているエリートだ。
成績も下からトップで、先生からもけなされてばかり。でもぐれてはいけないと思う。
天満ちゃんに会えなくなるからな。人間、死ぬまで我慢が大事だと思う。
学校からの帰りには必ず、保健室へ立ち寄り、漫画を書いている。
そう、俺は実は漫画家なのだ。こんなこと、学校の女子には言えたものじゃないんだけどな。
そして、更に言えない秘密が・・・。
これは誰にも内緒にしているけど、実は俺、天満ちゃんが大好きなんだ。
おっと、ここでついにカミングアウトしちまった。
不良で天満ちゃんが好きなんてハズいから、あえて外には出さなかったけど、俺は「天満ちゃん、サイコー!」と心の中で叫んでいる。
学校で天満ちゃんを見るたびに自分が元気になってくるのを抑えることが出来ない。
寝る前に天満ちゃんの写真を見てうっとりしているなんて絃子にも妹さんにも知られたくねえ。
この上、漫画も書いて「天満ちゃんがヒロイン」なんて言ったら軽蔑されちゃいそうだ・・・。あー恐い。
でも、最後に言っておく。俺は沢近に告白なんかやってねえ。これは真実だ。
俺は純粋に天満ちゃんを愛しているただの不良なのだ。

179 :Classical名無しさん:04/04/26 00:22 ID:ZZBJ3Xrg
すいません勝手に変えました

180 :Instant Music:04/04/26 01:14 ID:60tmw4iM
(校内新聞より抜粋)

時、あたかも読書の秋!
そーいうワケで今回の『突撃!ランダムエンカウントインタビュー』では皆さんオススメの本をズバリ聞いてみましたっ!
トップバッターは、校内一の不良と恐れられ…もとい畏敬されているK・Hさんです!

───と、というコトでお答え願いたいんですが…(ビクビク)

「ああ?オススメの本だあ?…そうだな、最近読んだ中じゃ『罪と罰』なんか面白かったな」

───それはまた意外なセレクトですね。どんな所が良かったですか?

「独り善がりな妄想から愚かな行為に突っ走る主人公、そいつの行動がなかなか読ませるトコだな。
 まあ俺とはまったくと言っていいほど違うタイプの男だが、妙に感情移入できちまうんだよな」

───…誰でも自分の事はよく見えない、という好例でしょうか。続いては”クール・ビューティ”A・Tさんです。

181 :Instant Music:04/04/26 01:15 ID:60tmw4iM
「マンガ」

───……は?い、いえマンガでももちろん結構なんですが、せめて作品名を…

「だから『マンガ』というタイトルの本。これは『あの肉』にも匹敵する伝説のアイテムで…」

───はいありがとうございました!これ以上聞いてると何か別の世界に引き込まれてしまいそうなので…
     それでは次の方、T・Tさんどうぞ!

「う〜ん、私もマンガ読むことが多いからなあ……そうだ!アレアレ!『兵法』って本が良かったよ!」

───へ、兵法ですか!?…最近はインタビュアーの意表を突くのが流行っているんでしょうか……
     ちなみにどんな所が良かったんでしょうか。

「恋愛テクニック満載のエッセイだよ!コレ書いた孫子さんて人はホンットに女心がわかってるよね!
 コレのおかげで私も烏丸くんと……エヘヘ」

───あ、頭が……そんこさんって……孫呉でなくて……ハッ!申し訳ありません、少々混乱してしまいました。
     気を取り直して最後の方は、1年女子では1番人気のY・Tさんです! この人ならイメージ通りの…

「…えっと…『池波正太郎・鬼平料理帳』…です。趣味と実益を兼ねたお得な一冊…
 みなさんもこの本を読んで『五鉄』の軍鶏鍋を作ってみてはいかかでしょうか……?あの……もしもし…なんで突っ伏してるんですか…?」 

───イ、イメージが…………

182 :Instant Music:04/04/26 01:18 ID:60tmw4iM
#24で八雲が鬼平読んでたのを見て思いついた小ネタです。
我ながら疑問なんですが、これが果たしてSS(SSS)と呼べるのか…?「ストーリー」じゃないしなあ。

183 :(*゚∀゚*) ◆UROQ9XJs :04/04/26 01:32 ID:CDvVKzoo
(*゚∀゚*)ホイニャ〜!!

184 :独白:04/04/26 09:53 ID:6gWpwnUI
感想有り難うございました。
最初は播磨を探しに来たナポレオンと伊織の会話SSの予定でしたが、
うまく纏まらなかった為、台詞なしのこんな形になりました。
今度は直接入力ではなく、ワードで書いてから投下しようと思います。


185 :Classical名無しさん:04/04/26 19:56 ID:rWVVUx4k
>182
よくわかってるね。池波先生の料理にかける描写は時代小説家屈指。
ちゃんとSSになっているので心配しなくてもいいと思いますよ。

186 :168:04/04/27 00:42 ID:6t.lQJGU
縦笛SSを書いていると言った者ですが

書いてたら予想以上に長くなってしまい(ワード15ページ越えしてるのに、まだまだ終わりそうにない…_| ̄|○)
加えてこれから身の回りが忙しくなり、パソコンに触れない日もでてくるので
何回かに分けて投下することにしました。

ほんとに申し訳ないです…m(__)m



187 :Cross Sky :04/04/27 00:46 ID:6t.lQJGU
どんなに楽しい時期も、いつかは終わりの時が来る。
時間は誰にでも平等に流れ、過ぎ去っていくものなのだから。
高校生活での三年間は、人生の中で最も思い出に残るという人も多いだろう。

そう、今日は卒業式。七分咲きとなった桜の花が、卒業生達を優しく祝福していた。

式を終え、全員がそれぞれ、思い思いの行動を取っている。
友達と泣き崩れる者、後に遊ぶ約束を交わして早々に帰る者、感慨深げに校舎を見つめる者など様々だ。
そんな中、人ごみから外れた桜道に一組の男女が立ったまま向かい合っている。
その二人とは、花井春樹と塚本八雲―――――
花井の八雲に対する気持ちは周知の事実だ。二人の会話の内容もおおよそ見当がつく。


「…気持ちは……嬉しいです……、でも…」
「……」
「…………ごめん…なさい。」
「そうか……いや、ありがとう。この気持ちを君に打ち明けることができただけでも良かった。」
「……花井先輩」
「それじゃあ…元気で、八雲君」
「あ……はい、花井先輩も・・・お元気で…」
申し訳なさそうに、その場を離れていく八雲。花井はその場に佇んだままだ。
結果はやはり、玉砕。
「ふう……」
予想していたのか、それとも平静を装っているだけなのか。花井は大きくため息を一つつく。
と、その時、自分の背後に気配を感じ、花井は振り返った。
「周防…」
そこにいたのは、幼馴染であり、最も心を許している異性でもある、周防美琴。


188 :Cross Sky:04/04/27 00:50 ID:6t.lQJGU
「あ…あのよ、残念…だったな……」
少々バツの悪そうな顔をしながら花井を慰める美琴。
一瞬、表情をかげらせた花井だったが、すぐにいつもの様子に戻る。
「いつからそこにいたんだ?」
「妹さんが去ろうとしてるあたり…かな。でも、話も…聞こえてた」
「そうか…」
再び、顔をかげらせる花井。そんな様子を見た美琴は、やはり彼が傷ついているのだ、と察していたたまれなくなる。
「悪い……、聞くつもりはなかったんだけど」
「いや、別に気にすることはない。遅かれ早かれ、分かることだ」
寂しく微笑み、美琴に気を使わせないようとこころがける花井。
しかし、彼女にはそれが余計に悲痛に見えた。
「これで……思い残すことも無くなったわけだしな」
花井は受験で都内の有名大学に進学が決定していた。そうなると、当然親元を離れ、一人暮らしをしなければならない。
つまりは…生まれてから、ずっと慣れ親しんでいたこの町を離れるということだ。
そのことは、もちろん美琴も知っていた。
彼女のほうも、地元の大学に進学が決まっている。
小学生の頃から、ずっと道場や学校で一緒だった二人。だがその二人にも、別れの時期が近づいていた。

横並びになりながら桜道をゆっくりと歩く花井と美琴。春先特有の、少々強い風が二人の髪をなびかせている。
「いつ、ここを発つんだっけか?」
もうすぐ、花井との別れがおとずれてしまうことを思い出した美琴は花井に問いかけた。
「10日後だ。早めに行って、向こうがどんな場所か詳しく知っておきたいからな。」
「そっ…か、意外と早いんだな……」
少しだけ、顔をうなだれる美琴。
「見送りの必要はないぞ。」
「行きたくても行けねえよ。その頃にはあたしも、大学への準備をしてるだろうからな。」
言葉はきついが、声に彼女のいつもの元気はない。


189 :Cross Sky:04/04/27 00:52 ID:6t.lQJGU
「お前のことだ。別に僕がいなくても、困ることなどないだろう?」
「お前がいないほうが気が楽になることは確かだな。………ただ」
そこで一旦言葉を切る美琴。そんな彼女を不思議に思い、顔を覗き込みながら問いかける花井。
「ただ…なんだ?」
そこで顔をあげ、花井と目を合わせながら美琴は言葉を返す。
「ただ………少し、寂しくなるかな…って。お前とは…昔っから、ずっと一緒にいたからな。」
口許は笑みをたたえながらも、もの悲しげな表情でそういう美琴。
「周防……」
予想外だった。
彼女なら、笑いながら「当たり前だろ!」と即座に言い返してくるものだと思っていた。
だが、180度違った答えに面食らう花井。
言葉に窮する。

「なんでそんなビックリした顔してんだよっ」
そんな彼の様子に不満を持ったのか、急にいつもの調子に戻る。
「いや……、お前がそんな事を言うとは思わなかったんでな。少々驚いた。」
「なんだよ、失礼な奴だなー」
そう言いながら軽く花井の体をボスっと殴る。
しかし、また寂しげな顔になり、そのまま言葉を続けた。
「もう…お前とこうする事も、できなくなるんだな」
「ああ……そうだな。だが、もう会えなくなるわけではないだろう。たまには帰ってくるさ。」
「帰ってきたら、ちゃんと道場にも顔出せよ?」
「分かってるさ。むしろ顔を出さなければ、父さんに叱られる。」
「それもそうか。」
ハハハッ、と笑う美琴。
と、その時、今までにない強い風がビュウッと吹き荒れた。
周りの桜の花びらが舞い上がり、二人を包み込むように、音もなく地面に落ちてくる。
その様を見た花井は、思わずポツリと洩らした。
「桜吹雪…か、今のは忘れられない光景になりそうだ。」
「?」

 

190 :Cross Sky:04/04/27 00:55 ID:6t.lQJGU
花井の真意を掴みそこね、小首をかしげる美琴。
意味を聞こうとした瞬間、花井が急に立ち止まった。いつの間にか校門の所まで来ていたようだ。
「では周防、元気でな。」
「え?」
「この後、塚本君や沢近君と遊ぶ約束をしてるんだろう?」
「あ、ああ。よく分かったな。」
「分かるも何も、皆お前を待っているようだぞ。」
花井の向けた視線のほうを辿ると、天満に沢近、晶が校門を出たところで待っている。
「美琴ちゃーん、遅いよー!」
「あ、わりぃ塚本。待たせちまってすまねえ。」
そう言いながら、天満達の傍に走ってかけ寄る美琴。
花井はそれを見届けると、逆方向にある自分の家に帰るため、静かに背を向けた。
そんな様子を見て、美琴は彼の背中に大きな声で言い放つ。
「花井ーーー!向こうに行っても頑張れよーーーーーー!!」
美琴の激励に、花井は振り返ることなく、卒業証書の入った筒を持った手を大きく振って返答する。
そんな彼の返答に、ほんの少しだけ切ない表情を見せる美琴。
今まで、ずっと一緒にいた二人。だが、遂におとずれた別れ。
春風が、二人を慰めるように再び音を立てて吹いた。


そしてそれから二年後、一度は止まった、二人の物語が再び動き出す―――――――――




191 :168:04/04/27 00:59 ID:6t.lQJGU
今日はここまでです。
プロローグに当たる部分を投下しました。

続きを投下するのはいつになるか分かりませんが、
気長にお待ちいただけたら幸いです

しかし、本当に申し訳ない…

192 :Classical名無しさん:04/04/27 01:03 ID:K.evg23g
縦笛長編キタ━━━( □∀□)□ω・□) □Д□)□∀□)□∀□)□ー□)□_ゝ□)□_)□∋□)□Д□)□ー□)━━━!!!!
待ちます待ちます何年でも待ちます(オイ

193 :Classical名無しさん:04/04/27 01:09 ID:JZmhiykM
やべぇ・・・縦笛云々っていうより卒業式SSにこんなにも悶え苦しむとは。
他のキャラも見たいとこだけど続編投下待ちしております。

194 :Classical名無しさん:04/04/27 01:12 ID:sSGCPuWs
これはまたかなり本編が期待できそうなプロローグでつね
二年後って事は成人式とか?

>>192
キターが全部花井になってるのワロタ

195 :Classical名無しさん:04/04/27 01:35 ID:DSxhjImQ
……ああ、もう自分は卒業式は書けないだろうな、と思ってしまいました。
でも悔しい以上に嬉しいの度合いが圧倒的に大きいので問題なし。
待ちますよ、ええそりゃもう。期待期待。

196 :Classical名無しさん:04/04/27 07:29 ID:j.1GEg1w
待ちます待ちます期待します!
縦笛は何故こんなにいいのだろう?

197 :Classical名無しさん:04/04/27 07:45 ID:IDI4SsY6
縦笛キター!うおおおおおお!幼馴染!卒業式!
お互いを気遣いながらも、本当に言いたい事が言えてないあたりが…!
続きお待ちしてます。

198 :Once and forever:04/04/27 15:54 ID:jrv0mCSw

ココに一枚の写真がある
そこに写る少女は美しいというよりかわいい
屈託の無い笑顔とはこうゆうものを指すのだろう
私にこんな笑みは出来ない
そう、まるで私と――――――――
「私と正反対だな」

199 :Once and forever:04/04/27 15:55 ID:jrv0mCSw

播磨拳児は空を見上げていた
いい空だ
透き通ってて碧い
播磨はは学校でも恐れられる不良だ
それなりにケンカも強い
しかし彼は今、傷まみれで地面に伏していた
「さすがに、6人ががりはキツイ・・・」
ビル街の裏路地には誰も居ない
ヒトも、動物も
自分だけ世界に取り残されたのではないかと疑いたくなるくらいに
「でもま、4人位はしばらく学校これねぇだろ」
そういやこんなに俺をこんな傷だらけしたのは最近じゃ、メガネに天王寺に近沢に・・・

イトコ

イトコ・・・そういや初めてケンカをしたのもイトコがらみだったな?
あの日もこんな空してたっけ
あれは

中学に上がるよりもずっと前の話だ

200 :Once and forever:04/04/27 15:56 ID:jrv0mCSw
「おーいイトコねーちゃん!」
「おやっ、拳児君、今日は学校はいいのかね?」
「今日は創立記念日なんだ!ねーちゃん遊ぼうぜ!」
「私は学校だ・・・」
イトコが困ったのを察してか、拳児は少しかなしそうな顔をした
「だが、私も今日は午前で終わる、ハンドンって奴だ、それからならどうかね?」
彼の表情は一転して輝きを放った
「うんっ!」
「それでは12時半頃に校門にきてくれたまえ、修治クンも連れてくるといい、
いくらかあげるからそれで時間をつぶしててくれるかな?」
「お金はいいよ、ココくる途中おもしろそうなところをみつけたんだ!じゃ、あとでね!」
小走りで道を走り抜けていく拳児、それを見届けるイトコ
「ふう、元気なコだ」

拳児と修治が刑部家に世話になり初めてからもう2ヵ月がたつ
拳児の母親が入院してしまい、父親は仕事が忙しく世話ができないので一時的に
従兄弟関係である刑部家で引き取る事になった
イトコに拳児はよくなついていたし、修治はよく将棋やらオセロで挑んでいる所
をよく見かける
実に平和だった
実に平和だ
少なくとも拳児はそう思っていた


201 :Once and forever:04/04/27 15:56 ID:jrv0mCSw
(イトコねーちゃんは美人だ、いつも笑顔でやさしくしてくれる
俺はそんなねーちゃんが大好きだ、
だから今日は俺がやさしくするんだ!
・・・でもどうすればいいんだ?ねーちゃんが喜びそうなことってなんだろう?)
そんなことを考えながらも足取り軽く、来るとき見かけた小高い丘へとたどり着いた

そこには先客がいた
拳児と同じ、もしくはそれより上の年令の子供達
「ちぇ、人かいりゃあ、ねーちゃんとココにくる予定なんだけどな」
辿り着いた結論は子供らしいと言えば子供らしい、しかしなかなかセンスいいものだった
(早くどっかいってくんないかな)
そんなことを考えているときにふと、声が聞こえた
「この間兄ちゃんが言ってたんだけど、オカサベイトコっていんじゃん」
「ああ、あの美人の?」
(イトコねーちゃん?まぁねーちゃんは美人だしあいつらが知っててもおかしくないか)
「そう、そのオカサベイトコが―――」

少年の口からでた言葉の連続

その言葉を聞いたとき普通なら驚いたり悲しんだりするだろう
拳児もそうだった
しかしその次の瞬間には殴りかかっていた
拳児が
年上の少年に

202 :Once and forever:04/04/27 15:58 ID:jrv0mCSw

「遅すぎる」

現在時刻14:21
もしや忘れてる?
いや、あれだけ楽しみにしていた拳児に限って考えづらい
修治君を呼びに帰って遅くなったのかと思い、家に電話もしてみた
しかし、朝出てまだ帰ってきていないらしい
「彼はいったいドコでナニをしてるんだ?」
イトコは少し心配になって少し町で拳児を捜索してみたがそれらしい人は見つからない
(拳児君はお金を持っていなかった、いる場所は限られている)
拳児はおもしろそうなところを見つけたといった
家から学校までのルートで目につく場所
一つ心当たりがあった
「丘・・・」

そこに拳児はいた
泥まみれで
傷だらけで



203 :Once and forever:04/04/27 15:58 ID:jrv0mCSw
「ねーちゃん・・・?」
「ナニをしていたんだ!!?こんなに傷だらけになって!!?心配したんだぞ!!」
「ご、ごめんなさい」
だれだって怒る、ヒトに心配かけて、みつかったと思えば傷だらけで、
しかし怒られている本人は不思議そうな顔をしていた
「いったいナニをしていたんだ?」
「・・・ケンカ」
「ナゼ?」
少し・・・間があった様にも思えた

「アイツラ、ねーちゃんの悪口言ってたんだ」
「・・・私の?」


拳児は話した、
イトコと別れてから、
少年の言葉、
殴りかかるまでを




その次に口を開いたのは帰り道だった

204 :Once and forever:04/04/27 15:59 ID:jrv0mCSw
「家に着いたらすぐに傷口を洗うのだよ」
「うん」
拳児は悔しそうな顔をしていた
とても悔しそうだった

「イトコは、俺が守るんだ・・・」
今の自分にそれが無理なことは判っていた
だけど、口に出さずにいれなかった
イトコは微笑んでいた

「拳児君、君はいい男になるよ」
「いい男ってどんなの?」
「そうだな、信じられる男の事・・・かな?」



あの日イトコは言った
それは真実だと
10歳そこそこの少年には重すぎる真実だった
そして拳児は自分の幼さを、愛するヒトを守れない苦しみを知った

しばらくしないうちに、父親の仕事にも一段落つき拳児は本来の暮らしへと戻った
その暮らしにはイトコがいなかった
月日が経つにつれイトコのことを想うこともなくなっていった
少女は変わった
少年も変わった
苦しいこともあった
15の冬には出会いもあった
そしてまた
「イトコ、勉強おしえろ」

「君は・・・拳児君?」

205 :Once and forever:04/04/27 15:59 ID:jrv0mCSw
「んあ?いちち、こんなとこ天満ちゃんに見られたら一貫の終わりだぜ」
さっさと帰るか


「拳児君」
突然の声
「うおっ、おどろかすな・・・イトコ」
「壁にノックでもすればよかったかな?」
「ケッ、いつから見てたんだ?」
「人聞きの悪い、たった今だよ」
お前の言うことはいまいち信用できん、と言おうとした口を押さえ込む
「私を襲おうと企てていた痴れ者を退治してくれたそうじゃないか」
「あん?何の話だ?ただあいつらがムカついたからぶっ飛ばしただけだ、ってかなんでここに?」
クスリと小悪魔的な笑みを浮かべるイトコ
「いや、ただの偶然だ」
「ふーん」
ポケットには電子機具らしきものが入ってるが
「なにをぼけーっとしてるのだね?」
「ん、あ・・・」

あ、

ああ、そうか

天満ちゃんはあの頃のイトコに似てるんだ

だから・・・

206 :Once and forever:04/04/27 16:00 ID:jrv0mCSw
・・・ま、だからどうにかなるって訳でもねーがな

「さっきまで・・・」
「あん?」
「さっきまで・・・夢を見ていたんだ、いい夢をね」
「へえ・・・世界征服でもする夢か?」
「・・・今日の所は一つ借りだ、帰るとしよう、
そんな姿を塚本君の見られたくないだろう」
じぶんのナリをみてうなずく播磨
「歩けるのか?」
「当たり前だ、お前が俺の心配をするなんて、珍しいこともあったもんだ」
「いつだってしんぱいさ・・・」
「なんかいったか?」
「なんでもないよ」
「ケッ、まあいい」

また、あの日のように



ありがとう、拳児君―――――――


       誰かに呟いてみた


207 :Once and forever:04/04/27 16:02 ID:jrv0mCSw
初めて書く側をやってみました
もうやばいです、身の程知らずで
ちょっと富士の樹海に行ってきます・・・

208 :Classical名無しさん:04/04/27 16:13 ID:EVhTBLro
>>207
ちょっと待てやー!w

いや、なかなか良かったでし。おれも幼少時のハリマは、
絃子のためにカラダ張ってたんじゃないかと妄想していただけに、
待ってました!と思わんばかりでし。
「イトコは、俺が守るんだ・・・」のトコも萌え!

今後の投稿にも期待しまつ。

209 :step by step:04/04/27 16:24 ID:Ji.f0ClU
―――私の在る場所は夢か現実か、それともその狭間なのか。
自分でも良く分からない。私の存在はとてもあやふやだからである。
私は幼い姿のままこの世界に在り続けている。
そのせいか、誰かを好きになるという概念がよく分からなかった。
だから世界をさまよい、それを問い続けてきた。
この問いの答えを得ようとしてもいつも私の手を通り抜けてしまう。
まるでメビウスの輪のように、答えを得たと思ったらやっぱり答えを得ていない。
その繰り返しだ。私の存在と同じように、それはとてもあやふやなものである。
今日もまたこの問いを問いかけてみようと思う。
最近、八雲と仲が良い彼に―――


210 :step by step:04/04/27 16:24 ID:Ji.f0ClU
今は放課後。空は青と白の美しいコントラストに光り輝く太陽。
風はちょうど気持ち良いぐらいの強さ。
だが、夏が忘れていった暑さのせいか今日は少し暑かった。
それでも、この暑さにちょうど良いくらいの涼しい風が吹いていたため、
その暑さはさほど気にならなかった。
播磨拳児は八雲に今日も屋上で漫画の原稿を見てもらいたいというメールを送ったら、
HRが長引きそうなので少し待ってもらいたいという謝罪のメールが帰ってきた。
そこで、来るまで待っているというメールを返信した。そして、屋上で寝転がりながら
八雲が来るのを待っていると、気持ちのよい風のせいか眠くなってきてうとうとしてしまった。
そんなとき――

「こんにちは」
突然そのような挨拶が聞こえたので、拳児は眠たそうに目を開けて起き上がると誰かがいた。
「……ん、妹さん?いや、天満ちゃん……」
だがよく見てみると八雲と天満に似ているが、そのどちらでもなかった。
二人に比べると随分小さい少女であり、また天満ならまだしも八雲よりも表情がなく、
それはどこか冷たい表情だった。
そして、制服ではなくてなぜか病人が着るような服を着ている

211 :step by step:04/04/27 16:25 ID:Ji.f0ClU
「残念ながら私は天満でも八雲でもないわ。私は長い間、世界をさまよい続ける者。
いわいる幽霊ってやつね。そのせいか私はずっと幼いまま」
少女は無慈悲な笑みを浮かべてそう言い、抑揚のない声で言葉の続きを紡いだ。
「今日はあなたに用があって会いにきたの。あなたはとても単純すぎる。
それ故あなたは動物たちと意思疎通をすることができる。それ故あなたは
天満を一途に愛することができること。ねえ、誰かが誰かを好きになるという
ことはどういうことなの?私は長い間ずっとこのままの姿で成長しないせいか、
この概念が良く分からない。単純で純粋すぎる魂を持ち、また彼女が興味を持つ
あなたの答えに私はすごく興味があるの」
拳児は驚いて答えを返すことができなかった。それは塚本姉妹に似た少女の
いきなりの分けわからない問いや意味が理解できない言葉、加えて自分が天満を
好きなこと、動物と意思疎通をすることができるということを知っていたからである。
しばらく答えを返さない拳児に少女は再び無表情のまま同じ質問を繰り返した。
「ねえ、なぜあなたは塚本天満のことが好きなの?」
(そうだ、これは夢だ。それなら俺が天満ちゃんを好きなことや、動物と意思疎通を
 できることを知っていてもおかしくねー)
そのように結論付ける単純な拳児は
「ふ、それは簡単なことだ。それは俺が天満ちゃんを愛しているからだ。それ以外に
理由なんかない!」
とまるで答えになっていない答えを、拳児は天満に告白しているかのように決めた。


212 :step by step:04/04/27 16:26 ID:Ji.f0ClU
そして、少女の表情は無表情なままだが、どこか少し困ったように言った。
「いや、それじゃ分からないんだけど……」
「なに、俺の熱い気持ちが分からないのか。うーん……。そうだ、それならお前も
誰かを好きになってみたらどうだ?それなら俺の熱いこの気持ちが理解できるはずだ!」
少女は驚いたような、困ったようなそんな表情をした。それは今まで拳児が見た中で
初めて人間みたいな感情のある表情でもあった。
「私は人間じゃないから……」
「そんなの関係ないだろ。どこかにお前みたいな存在がいるかもしれない。それに、
こうして俺と普通に話して、自分の気持ちを伝えている。つまり、人間と話せるし、
感情もあるってことだろ。それなら誰かを好きになることだってできるだろ」
少女は少しの間黙り、その後かすかな笑みを浮かべて、
「そうね、そういうこともあるかもしれないわね。どうせ私は長い間世界を
さまよって来たのだから、そろそろ誰かを好きになってもいいかもね……」
と初めて感情のある――それは少しだけだが――まるで生きている人間のように話した。
そのかすかな笑みと少しだけ感情が入る話し方はどこか八雲に似ていると拳児は思った。
「そろそろ時間ね。また、会いましょう。その時は……」
最後のほうは声が小さかったせいか何を言っているのか拳児には聞こえなかった。


213 :step by step:04/04/27 16:26 ID:Ji.f0ClU
「……さん。こんにちは。……」
拳児が目を開けるとそこには八雲がいた。
「……妹さん……。あれ、今ここに小さな女の子がいなかったか」
「いいえ、誰もいませんでしたが……」
「そうか……。いや、それならいいんだ。やっぱり夢だったのか……」
だが、今改めて考えてみると夢にしては、はっきりとその詳細を覚えているし、
どうもリアルな気がする。その一方で先程の夢は風やまわりの音などがなかった気がした。
「あの……」
八雲は何か言いたそう顔をして拳児に話しかけたが、拳児がそれを問うと、
「いえ、何でもありません……」
と考え直したらしく、それ以上は何も言わなかった。
「そうか。それじゃー、さっそくで悪いがこの原稿を見てほしいんだが……」
拳児はそう言いながら原稿を出して、その内容をざっともう一度を確認していると、
主人公の相談役に登場させた新キャラの女の子が自分で描いた時、なかなか思った通りに
笑顔を描けなかったのに、今見てみると気のせいか自分が描きたかった笑顔になっている
気がした。


214 :step by step:04/04/27 16:27 ID:Ji.f0ClU
―――私は誰かを好きになるという概念がよく分からなかった。
いや本当は分かろうとしていなかったのかもしれない。
もし私が誰かを好きになるという概念がどういうものかを理解してしまったら。
もし私が誰かを好きになってしまったら。
私の存在はどうなってしまうのだろう。
このまま在り続けるのだろうか。それとも消えてしまうのだろうか。
そのような疑問が私をずっと縛ってきたのだろう。
しかし、今日彼に教えられた。
どうするかはすべて自分しだいであると。
だから、私は一歩を踏み出してみようと思う。
その一歩によって例えどのような結果になろうとしても。
一歩を踏み出さなければ何も変わらないのだから―――

――Fin.


215 :step by step:04/04/27 16:28 ID:Ji.f0ClU
本編で幽子がなかなか出でこないので、再登場を期待して幽子SSを書きました。
播磨の性格ちょっと違う気もしますが、あまり気にしないでもらえると嬉しいです。


216 :Classical名無しさん:04/04/27 17:00 ID:e5b0IMwA
>>198-207
GJです!
絃子さんSS待ってました。二人の間の雰囲気がすごくいい感じです
何より読みやすい!文章力のある人は本当に凄いと思います。
なおかつ萌えるし(*´Д`)

>>208-215
こちらもGJ
ホントに本編で幽子の再登場はあるんでしょうかね。心配になってきた・・・
八雲の恋を後押しするのにぴったりの役どころだと思うんですが。

217 :Classical名無しさん:04/04/27 17:01 ID:e5b0IMwA
レス番間違えた
>>208-215>>209-215


218 :Classical名無しさん:04/04/27 18:26 ID:nKtAeQEM
>>207
GJ!でも近沢じゃなくて沢近。

219 :Once and forever:04/04/27 18:40 ID:jrv0mCSw
う、見返せばたくさんまちがえてる

220 :Classical名無しさん:04/04/27 19:36 ID:17IfhYw2
>>219
いやいや、凄くイイSSでしたよ。表現力抜群でしたし
できればまた絃子さんをお願いしたい(*´Д`)ハァハァ

221 :Brand new day:04/04/28 15:23 ID:DSxhjImQ
「やれやれ、だな」
 小さく溜息をついて、校庭の片隅にある桜の木にもたれかかる谷。その両手には大きな花束、
そして抱えきれないほどの食玩のフィギュア。
 小振りながらも精巧な出来、さらに手頃な価格、ということで、彼の受け持ったクラスにしては
――例によって例の如く、『そういう生徒』が集められていたとか――よくよく考えられたプレゼント
だったのかも、などと思う谷。
「あいつらが卒業、か」
 呟いて見渡す校庭にはもう生徒の姿はまばら、まだまだ名残を惜しむように写真を撮り合う幾人か
を除けば、ただ桜が舞うだけ。校舎の入り口では歓談を交わしている教師陣の姿も見えるが、どうにも
そりの合わない相手がいることもあり、一人ここに避難してきた、というところである。
「……」
 なんとはなしに見上げた空は、いささか大袈裟に言うならば、今日を祝うように青く澄んでいる。
 そこに。
「お疲れさまです、谷先生」
「お一人で花見、ですか?」
「あ、こりゃどうも……っとと」
 笹倉先生に刑部先生、とぺこりと頭を下げる谷。てっきりこんなところに来るのは自分一人と
思っていたため、慌てて腕の中のそれを取り落としそうになったところを。
「大丈夫ですか?」
「あ、いえ、はい」
 絃子に支えられ、思わずどぎまぎしてしまう。そんな反応を見て微笑みつつ、口を開く笹倉。
「クラスの子たちからのプレゼントですか?」
「ええ、そうです――あ」
 答えてから、『そういう趣味』というヤツはあまり自慢できたものじゃないよな、とまたしても
ちょっと赤くなる谷。とは言っても、普段からしまい忘れたそれが机の上に出してあったりして、
職員室内ではそれなりに有名になっていたりもするのだが。

222 :Brand new day:04/04/28 15:24 ID:DSxhjImQ
「はは、あれですね、いい年してこういうのは」
「そんなことありませんよ」
 可愛いじゃないですか、と笑う笹倉に三度赤くなる。それこそ高校生のような、そんな様子に
小さく肩をすくめつつ、しかし、と口を開く絃子。
「やはりああいう堅苦しいのは我々には合いませんね。ここでこうしている方がよほどいい」
 桜を見上げてふっと笑う。視線の先で、青空を背にして白い花がゆらゆらと舞う。
「堅苦しいと言うより、どうも私と相性があまりよくない先生がいまして……」
「ああ、分かりますよ」
 そう言ってから、あえて固有名詞は出さずに話を続ける。
「去年の体育祭、あれは結構なものでした」
「ふふ、そうでしたね。あの谷先生が、なんて話題になってましたよ」
 二人の言葉に、あーいや、と困ったように笑う谷。いろいろあったんです、と言いかけたそこに。
「……ん?播磨か?」
 結局卒業まで取ることはなかったサングラスに、髪は生え揃ってもトレードマークになってしまった
その帽子――向こうから歩いてくるのは紛れもなく播磨拳児その人である。
「……うっす」
「どうした、何かあったのか?」
「いや、そうじゃなくてだな……」
 谷の言葉に決まり悪そうに視線を泳がせる播磨。
「――どうやら私かな、その様子だと」
 それを見て、やれやれ、といった感じの絃子に、やはりばつが悪そうに頷く。
「分かったよ。すみません、それでは少し外させてもらいます」
 さて行こうか、と歩き出すその後ろに大人しく着いていく播磨。
「……笹倉先生、あの二人ってどういう関係なんです?」
 今まで播磨のそんな様子など見たことがなかった谷が尋ねる。
「――それはですね」

223 :Brand new day:04/04/28 15:24 ID:DSxhjImQ
「この辺まで来れば十分、か」
 そう言って絃子が足を止めたのは後者の裏手。もともと人通りの少ないその場所は、卒業式後という
こともあり、人影はどこにも見えない。
「さて、何のようかな」
 あそこで声をかけるくらいだから、重要な話なんだろうね、そう言った絃子に。
「……」
 播磨は黙って頭を下げた。いつもならそこで茶化す絃子も、今日ばかりは静かにそれを見つめる。
「今まで世話になった」
 やがて頭を上げた播磨はそう言った。結局一番世話になったのは絃子だからな、と、いつもとは違って
視線をそらすことなく、まっすぐにその目を見て。その様子に、やれば出来るじゃないか、などと思いつつ、
今度は絃子の方が口を開く。
「君の面倒を見ると決めたのは私だろう、そんなことは当然じゃないか」
 しかし、とそこで軽く瞳を閉じる。
「ついに出ていく、か。――なんだ、その驚いた顔は。あのな、分かるに決まっているだろう、そんなこと。
 あれだけ部屋でごそごそされて気がつかない方がどうかしている」
 止めはしないさ、と。
「君が決めたことだからね、私が何か言うことじゃない。……ただ」
 少し寂しくなるが、そう言って小さく笑う。
「……絃子」
「おいおい、そんな顔しないでくれないか。それじゃあ私が困る」
 冗談めかして言う絃子に合わせるように、けっ、といつも通りの反応見せてから、鞄から包みを取り出す。
「ほらよ」
「君から何かもらう日が来るとはね……」
 フン、と笑いながら開けたそれは。

224 :Brand new day:04/04/28 15:25 ID:DSxhjImQ
「――口紅」
「……てめぇのことだからな、化粧の一つもすりゃ男なんて山ほど寄ってくるだろ」
 さすがにこれは視線を外して言う播磨。そんな様子に、くっくっく、と忍び笑いをもらしてから。
「そうか、それはそれは。……で、誰の入れ知恵かな?」
「なっ!?」
「今のそのヘタクソな台詞は君のものとして、だ。こんなプレゼントを選ぶセンスが君にあるとは思え……」
 ないよ、と言おうとして、なるほど、と気がつく。
「そうか、君にもようやく春が来たのか」
「な、な、何言ってやがんだテメェ!」
 図星だ、と自爆しているその態度に、まだまだだな、と心の中で苦笑する。
「安心しろ、誰とは聞かないさ。まあともかく、だ。これはちゃんともらっておくよ」
 ありがとう、そう優しく笑う。
「……お、おう」
 またしても視線をそらしてしまうその様子に、やれやれ、と思いながらも、それじゃあ、と歩き出して。
「――ああ、そうだ」
 その播磨の横を二、三歩通り過ぎてから。
「一つ言い忘れていたよ」
 振り返らずに。
「おめでとう、拳児君」
 絃子はそれだけを言って、片手を上げてひらひらと振った。

225 :Brand new day:04/04/28 15:26 ID:DSxhjImQ
「どうも、お待たせしました」
 そう言って戻ってきた絃子を出迎えたのは。
「あ、お帰りなさい」
 微笑む笹倉と。
「……あ、ど、どうも」
 何故か動揺している谷。
「……」
 その様子にすぐピンとくる絃子。
「谷先生、彼女から何を聞きました?」
「え。あ、いや、その、いろいろと」
 予想通りの返事に、はあ、と溜息一つ。
「変に誤解されるより、と思ったんですけど……」
 ダメでした?、と小首をかしげる笹倉に、それはね、と疲れた様子で答える絃子。
「まあ、谷先生なら誰かに言いふらすようなこともないでしょうしね」
 ただ問題は、と。やるせない表情で続ける。
「君がどこまであることないこと話したか、ということだよ、葉子」
 言うだけ無駄だけどね、ともう一つ盛大に溜息。
「まあ、それは後で話すことにしようか。――ということで、谷先生もご一緒しませんか、この後」
「え?いいんですか、私なんかで」
「もちろんですよ。それに」
 そこでにやりと意地の悪い笑み。

226 :Brand new day:04/04/28 15:26 ID:DSxhjImQ
「姉ヶ崎先生もいらっしゃいますよ」
「――行きます」
 分かりやすいと言えばこれ以上ないくらい分かりやすいその反応に、どこかの誰かに似てる、と少し
おかしくなる絃子。
「あれ?でもそんな話をするのに姉ヶ崎先生がいてもいいんですか?」
 そんな谷の疑問に、彼女ともいろいろありまして、と返す。
「まあ、機会があればお話しますよ。それよりも」
 そう言って取り出したのは、缶ビール三本。
「あちらからちょっと拝借してきましてね」
 我々だけ何もなしというのも、と言いつつ二人に手渡す。ありがとうございます、と受け取る笹倉と、
ごめんな、と言ってプレゼントを下に置いてから受け取る谷。
「――さて、それでは」
 何を祝おうか、と少し考えてから、結局無難な言葉を選ぶ絃子。
「三年生一同の卒業を祝して――」
 青空の下、桜の花が舞う中で。
 乾杯、という三人の声が響いた。

227 :Brand new day:04/04/28 15:29 ID:DSxhjImQ
>195で卒業式書けない、とか言っておいて卒業式です。
自分でもどうしたものか、と思いますが、恋愛じゃない攻め方、ということで……
そしてどうにもこの後谷先生が喰われてしまいそうです。南無参。

228 :Classical名無しさん:04/04/28 16:45 ID:jrv0mCSw
GJです!いい雰囲気で、好きです
うまうまです!!
それじゃあ後で私は入学式でも

229 :Classical名無しさん:04/04/28 17:23 ID:7W1G5c7c
お疲れ様です。シリアス播磨、いいですね。
谷先生もいい味出してます。
一番最後が蛇足気味なのは…ま、ご愛嬌でしょ。
ともあれGJ!

230 :Classical名無しさん:04/04/28 18:42 ID:6t.lQJGU
喰われるってなんだw
たまには恋愛じゃないSSも良いなぁ

播磨が誰と付き合うようになったのか分からないのがいい感じです

231 :Classical名無しさん:04/04/28 18:48 ID:VYocZ.72
谷先生が喰われるとかそういうのは勘弁

232 : :04/04/28 18:50 ID:ySWZZZxw
播磨がどう説明したのかはわからんが、
口紅をプレゼントに薦める彼女、そして薦められるままにプレゼントする播磨

天然の人が彼女ならともかく後が怖いぞ((;゚Д゚)ガクガクブルブル

233 :Classical名無しさん:04/04/28 19:00 ID:ndwaBcT.
凄く雰囲気が良いですね。文章もとても読みやすくてGJです

けど後書きで一気に萎えた。何故わざわざ・・・

234 :Once and forever:04/04/28 20:00 ID:jrv0mCSw
「おい、イトコ、ちょっと来てくれ」
「なんだね?私は忙しいのだ・・・が・・・」
そこにいるのは変質者、もとい播磨拳児
「どうだ?」
「いや、私は高校デビューというものに反対してるわけではない、
むしろ賛成する側の人間だ、しかしだな・・・」
播磨の姿は学ラン、ヒゲ、サングラス、ポマードで後ろに送られた髪
普通の人間なら避けて通りたくなる身なりをしている
「俺だって分かるか?」
「最初は強盗かと思ったよ」
その言葉に誇張はないらしく、彼女の左手にはエアガンが握られている
「そうか、それならいいんだ、そのためにこのヒゲも伸ばしたんだしな」
「言ってる意味がわからないが、そのサングラス、私のだろう」
「ああ、使えそうだから借りた」
(勝手に・・・)
「私はもう行かなければならない、
今の内に言っておくが学校では、私と君の関係は教師と生徒だ
間違ってもイトコなどと呼ぶんじゃないぞ」
「へいへい分かってます、イトコ先生」
「うむ、よろしい、君も入学式に遅れないように」

そう、今日は矢神高校の入学式
オレは昨日あまり眠れなかった

235 :Once and forever:04/04/28 20:01 ID:jrv0mCSw
塚本天満、あの日出合った時に見た、弱さ、優しさ、強さ
それらがオレを動かした
イトコのスパルタ教育(イトコ曰く練習らしいが)にも堪え
ヒゲも伸ばした
準備は万端だ

場所は掲示板前
だからオレは塚本天満と同じクラスになる!!
「確かオレは1−Dだってイトコが言ってたっけ」
播磨は1−Dの欄をあいうえお順に見ていった
「麻生、今鳥、一条、塚本はもっと後ろだな・・・高野、
ここら辺だ・・・次、来る、オレには分かる

  『来いっ塚本天満ぁぁぁ!!!』

      『天王寺 昇』


236 :Once and forever:04/04/28 20:02 ID:jrv0mCSw
天王寺?、あれ?次は砺波?と、な、み?東郷?」
一気に体中から血の気が抜けていくのを感じた

「『つ』、は?」

「ああ〜〜〜〜〜!!」
(なんだっ!?今の声はオレじゃないぞ!)
「姉さん・・・残念だったね」
「うう〜〜烏丸く〜ん・・・」

(ぬおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
塚本天満ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!)

彼女を見たのは制服手がかりに学校まで出向き
追い出されたものの矢神高校が第一希望と知った時以来だった

「こうなったら、八雲!写真バシバシ撮ってね!」
「え?そのつもりだけど・・・なんで?」
「そしてこの辛さを思い出に変えるの!!
この辛さは来年の幸せを引き立てるためにあるの!!!」
(おお、流石だ、来年の幸せを引き立てるためか・・・イイ

237 :Once and forever:04/04/28 20:02 ID:jrv0mCSw
(おお、流石だ、来年の幸せを引き立てるためか・・・イイこと言うゼ)

人々の願いは叶わずも、時は流れる
「それでは最初のHRを始める、担任の谷だ、これからよろしく」
(ケッ、オレは高校なんてどこでも良かったんだ、
塚本天満がいない高校生活なんてこれほど、どうでもいいものはない
「それでは軽く自己紹介でもするか?趣味、特技、出身中学とか言ってもらおう」
(ああ?)
「麻生広義だ、特技は一応料理かな」
(自己紹介だぁ?)
「一条かれんです、アマプロが好きです」
(何を)
 「今鳥きょ〜すけ、独身〜彼女募集中♪D組♪D組♪っていうかD〜」
(紹介すれば)
「高野晶、趣味、ガンプラ」
(いいんだ?)
「天王寺昇、夢は新世紀覇王」
(って、こいつホントに高校生か?)
んなことをしている内に播磨の番
「播磨拳児、趣味・・・ってほどでもないが絵を描くのが好きだ、
特技・・・家事全般」
(播磨君て、実は家庭的?)無論、隣の子の心の声


238 :Once and forever:04/04/28 20:04 ID:jrv0mCSw

  で、

「ったく、たりかった〜周りからは変な目で見られるし、
天王寺とか言う馬鹿が、いきなり喧嘩売ってくるからだ」
入学式も終えた帰り道
播磨は道路に猫を見た
その猫は道路のど真ん中で止まっている
「アブねー猫だな・・・なに道路で止まってんだ?」
ここは車が通る事は少ないが制限速度が高いため危険な所なのだ
「怪我して動けないのか・・・?ッたく世話の焼ける」
ゆるいカーブの向こうから車が来るのが分かった、急いだほうがいい
バッグを放り駆けつける播磨、これなら間に合う
しかし
反対車線からヒト、塚本天満
しかも・・・コケた
「だあ、なにやってんだ!?」
「え?あ、猫は?」
いいから逃げろ、いや、立ってたら間に合わない
「立つなっ!!」
「え?でも・・・」
目の前にはもう車がせまっていた
「ウオラァぁぁぁぁ!!!」

239 :Once and forever:04/04/28 20:04 ID:jrv0mCSw
播磨は右に猫、左に天満を抱え走った
「あ、うああああぁぁぁ」
「ニャー」
「オラ!!うおおおぉぉぉっし!!」
セーフ、間一髪、1秒遅かったらまずかった
「あの、ありがとう・・ございます」
「ッたく、無茶するぜ」
ホッと胸を撫で下ろす
「ねえさん!」
「あ、やくも〜猫は無事だよ〜」
「あ、あ・・・」
おろおろしているだけの八雲
「この猫、額から血がでてる、目に入ってたんだろ
この怪我、傷は残るかもな」
ワイシャツの袖で猫の目を拭きながら言う
「あ、ほんとだ・・・」
「あの・・・家で治療します」
おろおろモードから復帰した八雲の第一声
「そうか頼むわ、じゃ、オレ行くから」
バッグを拾い立ち去る播磨
ポマードで固めた髪も乱れきっていた、慣れないサングラスもズリ落ちてた
「名前、聞くの忘れたね・・・姉さん?」
「え、なに?」
「今の人知ってる?」
「ん〜見たことはあるような気もするんだけど」

次に八雲が播磨と関係を持つのは1年後の事である

「あれ?猫は?」
「逃げちゃっ・・・た?」

240 :Once and forever:04/04/28 20:05 ID:jrv0mCSw
『ホッとした』

播磨拳児は安心感に包まれていた

それは轢かれる所だったっというのもあるが、それ以上に
塚本天満の行動に
『塚本天満、いや、天満ちゃんは』

自分の中の理想としての天満
『思った通りの人だった』

5ヶ月以上もの間で捏造、自分が作り出した天満
播磨は何よりそれを恐れていた

『オレが好きになっただけはある』
先ほどの天満の行動を見て確信した


『天満ちゃんを好きになって良かった』



これから1年後に彼らの物語は始まる
いや、もう始まっていたのかもしれない

そんなおはなし

241 :THE TIME MACHINE 2:04/04/28 20:08 ID:jrv0mCSw
あ、タイトルを間違えてしまった・・・
本来ならTHE TIME MACHINE 2になるはずでした
2回目の投下です
ああ、今度はミスらないようにしたのに・・・

242 :Classical名無しさん:04/04/28 20:16 ID:uEHLkSGA
GJ!
二作目(゚∀゚)キター
何と播磨、二年連続で隣子の隣だったのか。うらやましい!


243 :Classical名無しさん:04/04/28 21:57 ID:3yvliuwY
(・∀・)GJ!

>>242
隣子の方が主軸になってるぞ(w
播磨の隣であることが隣子のアイデンティティなのに

244 :Classical名無しさん:04/04/28 22:26 ID:ucYHwYvE
アマプロって何だよって気もするけどグッジョブです、いやマジで

ちなみに1-Dに「砺波」って生徒がいて隣子もいるってことは
ひょっとして隣子=砺波順子説でつか?(w

245 :Classical名無しさん:04/04/28 22:40 ID:jrv0mCSw
あ、迷ったんですがイチさんは
プロレスとアマレスの違いを認識してると踏んだのでアマで行きました

246 :Classical名無しさん:04/04/28 22:42 ID:jrv0mCSw
って話食い違ってルーー!
すみません迷ってたら間違えたみたいです!!

247 :Classical名無しさん:04/04/28 22:53 ID:vsYsIQDE
>>242
一作目、二作目と同時に読ませてもらいました。

いささか漫画的な手法が目立ちますね。
やりたいこと、いわんとすることは分かりますが、句点がなかったり
段落を下げてなかったり、感嘆符の多用と読みにくさが目立ちます。

ですが荒削りながらも、その勢いは十分に伝わってきました。
これからは先達のSSなどから表現技法を学び、作品の昇華へと繋げていって欲しいです。





248 :Classical名無しさん:04/04/28 23:03 ID:jrv0mCSw
>>247
ビシッと言ってくれて、ありがとうございます
これから努力していきます!


249 :168:04/04/28 23:28 ID:6t.lQJGU
ちょっと時間が出来たんで続きを投下します



250 :168:04/04/28 23:30 ID:6t.lQJGU
―――――二年後
時が経てば、人は外見が変わるとまではいかなくても、性格、価値観などは当然変化していく。
もちろん、いなくなってしまった相手に対しての印象や気持ちも。
美琴は大学生活を自適に送り、単位も順調に取得していた。
楽しかった高校生活が終わり、自らの将来を見据えなければならない大学生となってから二度目の春休み。
厳しい冬を耐え抜いた桜の木が、文字通り桜色の花を芽吹かせようとする季節がまたやって来た―――――

「美琴ちゃーん、ここにあるアルバム見せてもらってもいいよねー?」
美琴の部屋から響く、相変わらずの天真爛漫な声。
「何ィ!?」
台所で友人達に出すジュースを用意していた美琴は、突如聞こえてきた声に慌てふためいて自分の部屋に向かう。
そしてドアを開けながら大声を上げる。
「おい!勝手に見んな…」
「うっわー!美琴ちゃん、かわいいーーー!!」
美琴の言葉もむなしく、彼女のアルバムを開けて楽しんでいるのは、この一月に成人式を終えたとは思えない雰囲気をもつ塚本天満。
「へぇ〜、なかなかじゃない。もっとも、この頃から女らしくはなさそうね。」
「ほっとけ!」
昔の美琴を見て、褒めた後に余計な一言を放っているのは、見事な金髪をツインテールにしている沢近愛理。
「ふうん……」
「な、何だよ。なんか文句でもあんのか?」
目線を動かし、アルバムの写真を二人の後ろから覗き込むのは、高校時代よりも後ろ髪が伸びた高野晶。
三人は今、美琴の部屋にいる。
普段四人が集まる時は、外で遊ぶときか、もしくは天満の家だ。
だが、たまには違う場所で、という沢近の提案に美琴の家が選ばれたのだった。


251 :Cross Sky :04/04/28 23:32 ID:6t.lQJGU
「あー、もう!勝手に見んなって!!」
そう言いながらアルバムをひったくろうとする美琴を、晶が制する。
「いいじゃない。この四人で会うのは久しぶりなんだから、それ位いいでしょ?」
「そ、そりゃそうだけどよ…」
そう、高校を卒業し、四人は少々違った進路を進んでいる。
美琴は前述した通り大学生となっていた。
沢近も美琴と同じ大学に進学したが、志望学科が違ったためにそれほど会うことはできず、たまに昼食を一緒にとったり、教室移動の際、時々すれ違う程度。
天満と晶は金銭事情で進学をあきらめ、(もっとも、天満は学力の面もあるが)天満は専門学校に進学し、晶はバイト三昧の毎日を送っている。
一ヶ月に一回程度には会って親睦を深めてはいたものの、やはり高校生の頃よりは疎遠になっていた。

「あれ、この男の子どこかで見たことない?」
天満がそう言いながら、ひ弱そうな眼鏡をかけた少年を指差す。美琴が小学校二年生頃の写真らしい。
「ん?ああ、花井じゃねーか。それがどうかしたか?」
「ええ!これがあの花井君!?」
「ちょっとにわかには信じがたいわね…」
「………」
仰天、疑い、沈黙。三人が、三人らしい反応を示す。
「昔はもっと大人しい奴でな。高校の時みたいに委員長をしたりとか、この頃じゃ考えられなかったよ。」
「ふ〜ん、そうだったんだ…」
美琴の言葉に、心底意外な声を出す天満。
「じゃあ、どうしてあんな感じになったの?」
「それは……」
どもる美琴。そう言われてみれば、花井があそこまで変わった原因は何だったのだろう?
ついつい考え込む。


252 :Cross Sky:04/04/28 23:34 ID:6t.lQJGU
「あら?これ……」
その時、晶の視線がある写真で止まる。
「どうしたの晶。」
皆もその写真に目をやる。
そこには、写真に写っている幼い美琴と花井。しかし、何故か美琴は顔を染め、花井は目に涙を溜めている。
「なんだか変な写真ね。これ、どういう状況で撮ったの?」
「え……っと、確か…」
思い出そうと、頭の中を探る。が、いまいち思い出せない。
とその時、沢近が美琴の疑問を解消する一言を言い放った。
「ねえ、二人ともこれ笛持ってるけど……花井君、以前美琴の誕生日に縦笛吹いてたわよね?何か関係あるんじゃない?」
「あ……!」
沢近の言葉に、忘れていた記憶が戻る。花井が変わった理由も。その写真の意味も。
だが、表情は冴えない。
それもその筈、美琴は忘れておきたかったからだ。
その写真は、縦笛の授業があった日に帰る途中に撮られたもの。
当時、花井をいじめていた三人が、美琴に追い払われた仕返しをしてきたのだ。

それは、縦笛の発表がある日の朝のことだった。
「おーい、みんなー、周防がよ、なんとあの花井と組むんだってよー」
「男子と女子で組むのって恥ずかしいよなー!」
「この二人、デキてるって思わねえ?」
クラス全員がいる前で、三人組は美琴と花井に恥をかかせようと再びからかってきたのだ。
「なんだよ。お前らには関係ないだろ!」
「うわ、周防顔真っ赤だぜ。やっぱり恥ずかしいんだろー!」
「は、恥ずかしくなんかない!」
「キスはしたのかなー?」
「ヒューヒュー、お似合いだね」
必死に言い返す美琴だが、三対一ではかなわない。
かといって、この前みたいに殴ろうと思っても、ここは学校だしクラスの皆もいる。そう思うと我慢するしかなかった。


253 :Cross Sky:04/04/28 23:35 ID:6t.lQJGU
と、その時。
「………………な。」
今まで黙っていた花井が、ボソっと呟いた。
「あ?何だって花井?聞こえねー…」

「ミコちゃんをいじめるなぁ!!」

叫びながら、その三人に飛びかかる花井。
それは美琴にとって信じられない光景だった。あんなにおとなしかった、しかもつい最近まで不登校だったあの花井が。今まで彼をいじめてきたその三人に殴りかかったのだから。
しかも、その原因は自分である。
「お、おい。やめろって!」
しばし呆然としていた美琴だったが、急いで止めさせようとする。
そのころには、逆に花井が殴られていたからだ。
結局、クラスの一人が近くにいた先生を呼び、その場は収まった。だが、そのことを逆恨みした三人は、その後何度もからかってきた。
しかし、美琴がクラスで人気者だったこと、そしてそれまで大人しかった花井が初めて怒りを爆発させたこともあって、三人は逆にクラスから浮いた存在となっていった。
やがて、クラスメイトもその事を忘れていく。
だが、縦笛の授業が終わってからの帰路で、花井は泣きながら、何度も美琴に謝ってきた。
「ミコちゃん、ごめんね…僕のせいで」
「気にすんなって。んな事より泣くな!男だろ!!」
からかわれてた時のことを思い出し、ついつい赤くなる美琴。
そんな瞬間を、生活の何気ない情景を収めようと、たまたまカメラを持っていた近所のおじさんに撮られ、それが、あとから美琴の家に送られてきたのだった。
もちろん、そのおじさんは善意でやったことだったのだが、美琴にとっては一刻も早く忘れたいこと。
できれば捨てたかったのだが、他所から善意でもらったものを捨ててはいけない、と、母親に止められていたのだった。
そしてアルバムにその写真は残ったものの…美琴の頭の中で、その出来事は色褪せていったのである。


254 :Cross Sky:04/04/28 23:38 ID:6t.lQJGU


――――思い出しちまったな
美琴の誕生日に縦笛を吹いていた花井。あの時どんな気持ちで、どんな思いをこめて吹いていたのだろうか?

「思い出したの、美琴ちゃん?だったら教えて!」
「ごめん塚本、…それは………言いたくない」
「えぇ〜〜〜、どうして?」
なおも聞きたがる天満。だが、それを晶が制した。
「天満、言いたくないって本人が言ってるんだから聞かないの。」
「で、でも…」
「誰にだって語りたくない過去はあるものよ?」
「…そうだね。ごめんね、美琴ちゃん。」
「あたしこそ…悪いな」
美琴の沈んだ様子に、辛い出来事だったんだな、と察する三人。おそらく、それにはここに写っているもう一人も関係しているのだろうということも。
急に静かになってしまう美琴の部屋。
それを打開しようと、今度は沢近が口を開く。
「ねえ、そういえば花井君、今回も帰ってこないの?」

実は花井は、都内の大学に進学してから、まだ一度しか帰ってきていない。それも大学一年の時の、年末年始のみ。
向こうでの生活が、忙しいのか楽しいのかは分からないのだが。前に帰ってきてから、もう一年以上帰ってきていないのだ。
「え?さ、さあ…どうなのかな?」
花井の名を出した途端、急に焦った表情をみせる美琴。
三人共、ここが突っ込み所だと即座に察知し、一斉に畳み掛ける。
「あ〜、美琴の愛しの彼はまた帰ってこないのねぇ」
「は!?」
「残念だねー、美琴ちゃん」
「な、何い!?」
「そろそろ、会いたいとは思わないの?」
「な、何で急にそんな話になるんだよ!?」
恋愛に耐性のない美琴は、やはりあっけなくやり込められてしまう。


255 :Cross Sky:04/04/28 23:40 ID:6t.lQJGU
「し、知るか!あいつが帰って来ようが来なかろうが、あたしには関係ねえよ!」
顔を赤くしながら無関係を装う美琴。そのまま手をつけてなかったジュースに口をつける。
だが、一枚も二枚も上手な相手がいることを忘れていたようだ。
「おかしいわね、私の仕入れた情報によると…」
おもむろに話し出したのは晶。
「花井君が三日後に帰ってくることを、あなたは知ってるはずだけど?」
ブーーーーーーーーーーッ
思いがけない一言に、口に含んでいたジュースを噴き出す美琴。
「ちょ、ちょっと美琴!」
「大丈夫!?美琴ちゃん!」
そんな彼女の様子を心配する二人。本人はというと、まだゲホッゲホッとむせている。
「どうしたの?美琴さん?」
しれっとした態度をとる晶に、美琴はつい感情的になる。
「な…なんでお前がそんな事知ってるんだよ?」
が、その一言が墓穴を掘ったことには気付かなかった様子。
「なぁ〜んだ、帰ってくるのね。彼」
「良かったね!美琴ちゃん!」
「あ……」
してやったりの顔の晶と、してやられた顔の美琴。
そしてとどめの一言。
「今度こそしっかりね、美琴サン」
晶の顔は普段通りだが、口調は明らかにからかっている。
そんな三人の反応に、とうとう美琴は爆発した。


256 :Cross Sky:04/04/28 23:40 ID:6t.lQJGU
「だああぁぁぁ!うるせぇーーーーーーーーーー!!」
そのまま、「いい加減にしやがれ!」と三人に食って掛かる美琴。
だが、顔が赤いままだ。そんな様子に天満達は沸きあがる悪戯心を抑えることができない。
つい口許がにやける。
「なにが可笑しいんだよっ!」
また吼える美琴。
つい先ほどまでは静かだったのに、今度は騒ぎまわっている。
会う機会は減ってしまったものの、四人の関係は変わっていない。
四人の絆はいつまで経っても変わることはないようだ。



257 :Cross Sky:04/04/28 23:46 ID:6t.lQJGU
今日はここまでです。

本編から二年後という世界観を広めたかったので
天満、沢近、晶を登場させてみたんですが…

縦笛なのに花井が出てない_| ̄|○




258 :Classical名無しさん:04/04/29 00:09 ID:jrv0mCSw
グジョブです!
2年後の播磨、出してください_| ̄|○


259 :Classical名無しさん:04/04/29 00:19 ID:fjGCxdoI
>>168

GJです\(≧▽≦)/

続き読ませてもらいました〜
この続きも期待してお待ちしていますので


260 :Classical名無しさん:04/04/29 00:46 ID:3RfrfBHg
>168
GJです。
卒業しても皆変わってないですねw
次回はいよいよ花井登場ですか?楽しみにしてます。

261 :Classical名無しさん:04/04/29 01:21 ID:3yvliuwY
>>168
GJ!!・∀・)!!!
すげぇ、もうなんか花井も出てきてないというのに
幸せ一杯です。縦笛ワッショイ、超ワッショイ

262 :Classical名無しさん:04/04/29 01:24 ID:wYR4Lyg2
>>257
激!GJです!
・゚・(つヮ□)・゚・ 美琴が縦笛思い出しましたかぁ。
二年経った花井の登場、心待ちにしております。

263 :GIRL, INTERRUPTED:04/04/29 15:12 ID:jrv0mCSw
屋上に男二人
風、強い日に

「俺って今まで人を好きになったことが無いんだ
いや、あるのかもしれない、でも、それが恋だってんなら
オレは恋なんかしないほうがいい気がするんだ」

「あのさ……」

「何だ?」

「何でオレなんだ?お前の相談なら他の奴がいくらでも乗るだろ?」

「お前、本気で恋してんだろ」

「なっ!!?」

「塚本には言ってない、お前を見てりゃ嫌でもわかる」

「それと、何の関係があるんだよ……?」

「本気になれることなのか?恋って、それが聞きたい」

「……」

「俺は勝負事は好きだが、女に同じ感情は持てない
そんなんで俺は、俺を好きだって言ってくれる子に答えていいのか?」

「……」

264 :GIRL, INTERRUPTED:04/04/29 15:12 ID:jrv0mCSw
「俺はその子を嫌いじゃないんだ、異性として見た事もある
だから余計に……」

「……」

「……いきなりこんな話して悪かったな、忘れてくれ」

「……」

「じゃ、俺いくわ」

「オレに言えたことじゃないが」

「……?」

「理屈じゃないんじゃないか?」

「もういいんだ」

「独り言だ、聞くも聞かぬもよし」

「……」

「オレは、昔馬鹿ばっかしてた」

「今もだろ?」

「うるせぇ、黙って聞いてろ、んで、そんな時ある少女に出会ったんだ」

「……」

265 :GIRL, INTERRUPTED:04/04/29 15:12 ID:jrv0mCSw
「好きなことして、好きなこと言って、人の話聞かずにどっか行っちまった」

「大分わがままな奴なんだな」

「ちげえねえ、でも、ま、惚れたんで追っかけてみた」

「……」

「そしたら、追っかけてるうちに5倍も10倍も好きになってた」

「……」

「いまだに追っかけてる、いまでも好きになっていってる、振り向いてくんねえがな」

「そうか」

「俺に言えるのはこん位だ、後はお前の好きなようにしろ」

「播磨」

「あん?」

「サンキューな」

「ったく、独り言だっつたんだろ」

266 :GIRL, INTERRUPTED:04/04/29 15:13 ID:jrv0mCSw
数ヶ月後、
俺は町で、麻生とサラちゃんが歩いてるのを見かけた
二人とも学校で見るより幸せそうだった
羨ましかった

「さて、次は俺の番かな?」

少しして、
播磨は走り出した


267 :GIRL, INTERRUPTED:04/04/29 15:15 ID:jrv0mCSw
麻生支援SSです
そう遠くない未来を書いてみました
セリフ進行です
気に障ったかたすみません

268 :Classical名無しさん:04/04/29 15:22 ID:ucYHwYvE
麻生支援と見せかけて今週のマガジンの展開に焦りを覚えた縦笛派のような気がしないでもないが(w
とにかく乙

269 :Classical名無しさん:04/04/29 15:34 ID:xvBQ9CvE
>>267
手法としてはアリだけどさすがに読みづらい。
俺も良い方法思いつかんけど、もうちょっとなんとかならんかなあ。

270 :Classical名無しさん:04/04/29 16:19 ID:jrv0mCSw
やっぱり次からは普通にやろうと思います

271 :Classical名無しさん:04/04/29 21:49 ID:Lt1VQc3Y
あのさあ、今になってなんだけど、天満と八雲の両親はどうなってんの?
どういう設定なんだろう?


272 :Liar_liar:04/04/30 00:03 ID:0.WctZvE




  ―――――ちょっと待ってくれ



 矢神高校茶道部室。
 春先の昼下がり。冬の寒さをゆっくりとほぐして行くかの様な陽射しが
差込み、床からぼんやりと浮き上がる明るさの中、グラサン侍播磨拳児は
変な汗をかきながら固まっていた。

 目の前には薄黄色の愛らしいデザインの弁当箱。これ自体に何も珍しい事
はない。
 ここ最近。播磨は後輩の女子に弁当を作ってもらってきている。学生で
生活力に乏しい彼にとっては朝晩拝んでも足りないほどの果報であろう。
 唐揚げ、ほうれん草の御浸し、卵焼き、ひじき和え。いわゆる実用重視の
おかず類は人一倍量を食う彼の好むところだ。
 桜でんぶ。味の組み合わせに気を使うが、野暮ったくなりがちな弁当に色を
添えるにはいいだろう。春であることだし。


273 :Liar_liar:04/04/30 00:04 ID:0.WctZvE

 ただ、それが白米の上にハートマークを描いていやがるのは一体どういう理屈に
よるものなのか。

 ぎぎぎ。顔を上げる。同居人と同級生と後輩二人の視線が突き刺さる。
 もとい、後輩は一人ぶんだ。弁当の作り主の塚本八雲は頬を染めて俯いている。
なおさら気まずい。どうしろと言うのか。
 いや。何をすべきかは判りきっている。目の前の弁当を食うだけだ。
飯粒一つ残さずに平らげて、両手を合わせて御馳走様とでも言えば良い。それだけだ。
 がしかし、それをするにはニヤついた三人の視線があまりに痛いし、なにより
このまま食ってしまったら、世間的には何かとんでもないものを甘受した事に
なってしまう予感がして思い切れない。考えが纏まらないまま声に出す。
「その、だな」
 びくっ
 八雲の肩が震える。膝の上でまとめられた両手がぎゅう、と握られるのが見えた。
 何か許されない悪行を働いているような気分に追い込まれつつ続ける。
「えーと、この、なんていうか、その、これは一体?」
 弁当を指差す。正確にはそのなかのハートマークを。どこぞの漫画で見るような
好意の表明。この上なくあからさまな告白。
 八雲は、大きく深呼吸をしてから少しだけ顔を上げて播磨を見た。
 羞恥のあまり顔中を赤く染め、目尻に涙まで浮かべて、しかし強い決意を込めた
小さな声で答えた。

274 :Liar_liar:04/04/30 00:04 ID:0.WctZvE

「私の……気持ちです」
 それだけを言うとさらに顔を赤くしてまた俯く。
追い詰められたのは播磨だ。元から追い詰まっていたのだが今の台詞で完全に
進退窮まった。聞かなきゃ良かった。
(ああなんてこったつまりそれはあれなのか遠まわしな告白と言う奴で言ってる割に
判り易くてなんかいいな今度漫画で使ってみよっかなって今はそれどころじゃなくて
妹さんが俺のことを好きという事でああこれが天満ちゃんだったらどんなにか……
って寝ぼけんじゃねぇ播磨拳児ぃっ!」
 途中から声に出してしまい八雲がまたびくりと肩を震わせるがそれにも気付かず
奥歯をきしらせて唸る。
(弁当を作ってくれたのは妹さんだ。気持ちを伝えてくれたのは妹さんだ。
天満ちゃんは関係ない。失礼にも程がある。履き違えるなよこの間抜けめ)
 腹を括る。ゆっくりと顔を上げると八雲を正面から見つめた。
 恐らくは、彼女とはこれまでどうりの関係ではいられなくなるだろう。距離を
置くことになるか、それともきっぱり縁が切れるか。そんな予感を酷く辛く
感じている自分に気付きながら口を開く。
「本気、なんだな?」
 八雲は少し顔を上げ、やはりまた俯いて、もう一度顔を上げて、目を逸らしながら、

275 :Liar_liar:04/04/30 00:05 ID:0.WctZvE

「……いいえ」
「そうか。やっぱりな……いやちょっと待ってくれもう一遍言ってくれるか今の?」
「だから、なんていうか、嘘なんです」
「うそ?」
「はい。その……今日は四月一日ですから」
 八雲が放った言葉の意味がわからないまま尻ポケットから携帯電話を取り出す。
休眠状態を解除し日付を確認する。

     ――――― 4/1_12:28 ―――――

 エイプリルフール。四月バカ。嘘を吐いても許される日。
「……やられた」
 播磨はしばらく固まっていたが、やがて脱力してぐったりと椅子に寄りかかる。
八雲が申し訳なさげに
「ごめんなさい。播磨さん。こんな真似をして」
 八雲の謝罪にため息で答えてから、弾みをつけて体を起こし横を睨みやる。
「弦子。テメェだろこれ」
 いきなり話を振られた弦子はおや、とわざとらしく眉を跳ね上げ、
「よく判ったな」
「判らいでかっ! 毎年毎年飽きもせずくだらねぇ事しやがって!」

276 :Liar_liar:04/04/30 00:06 ID:0.WctZvE

「そして君はまた飽きもせず毎年毎年騙される訳だが」
「妹さんまで巻き込むなんて思うかっ! 年々手の込んだ仕込みしやがって性懲りねぇ!
そんな真似して楽しいのかよ!?」
「ああ君を引っ掛けるのは実に実に楽しいな」
「性質悪ぃなテメェはっ! 無理やり巻き込んで妹さんに迷惑だとか思えよ!」
「それに関しては塚本さんの同意を得ての事だよ。それに今年は騙す事が第一義では
なくてね。いわゆる『予行演習』をしておかないか? ということさ」
「予行演習っておまえ来年の四月バカも巻き込むつもりかよ」
「ふうやれやれ」
「なにため息ついてんだよ」
 顔をしかめてため息つくのはオメェじゃねえだろが、とうめく播磨にそれまで黙って
成り行きを見ていた高野とサラが話し掛けた。
「君がまるで判ってないからよ」
「先輩ももう少し察しがいいといろいろ幸せになれると思いますよ?」
「ああ悪かったな間が抜けてて。来年はきっちり見破ってやるともよ」
「ふうやれやれ」(×3)
「だからなんでため息つくんだよ」
「だからだな……」
「……どうしてそういう」
「……あのですね先輩……」

 いきなり3人に説教を始められ混乱する播磨を見て、八雲は聞こえないように
小さくため息をついた。



      おわりー


277 :Liar_liarの中の人:04/04/30 00:12 ID:0.WctZvE
 ども、お久しぶりです。元friendshipの中の人です。
 次回云々言ってたくせにfateにどハマってすっかり忘れてました。反省。

 書こう書こうと思いつつ時機を逸したエイプリルフール物を
リハビリを兼ねて書いてみました。どうも調子が戻りませんが。
 しかし小ネタを仕込まず書いたのは久しぶりかも。

 
 ではまた次回。今度こそは。

278 :Classical名無しさん:04/04/30 00:36 ID:mo1v.Obo
GJです!
茶道部の面々キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
何かおにぎりSSが久々なような気がします。
播磨の思考が面白かったです。
それにしてもやっぱいいな、このメンバーは(*´д`*)
絃子さんもいるしね

279 :Classical名無しさん:04/04/30 00:47 ID:w0Bdqwto
GJです。去年までのエイプリルフールも気になりますな。



280 :Classical名無しさん:04/04/30 00:48 ID:xvBQ9CvE
一瞬よくありがちな作者の自己満足妄想SSかと思ってげんなりしかけたが、こう来たか!
原作の縛りを無視しない範囲での四月バカを利用した巧妙な逸脱、上手いねー。

281 :Classical名無しさん:04/04/30 01:13 ID:17IfhYw2
グッジョブ!
俺的にはエイプリルフールじゃなくても良かったんだがな!
やっぱ茶道部は和みますね、そして萌える
それにしてもこれでリハビリですか、流石です。
またの投下期待してます

282 :Classical名無しさん:04/04/30 01:39 ID:Lt1VQc3Y
むちゃくちゃ面白かった


283 :Classical名無しさん :04/04/30 11:53 ID:6gWpwnUI
GJです。
自分はIF06で連続投稿にひっかかってしまいました 鬱だ…

284 :Classical名無しさん:04/04/30 13:45 ID:YxXecKGo
えと・・・普通高校生だと4月1日というのは春休みでは・・・・・・グフッ

285 :Classical名無しさん:04/04/30 14:00 ID:w0Bdqwto
雉も鳴かねば撃たれまいに・・・。

286 :Classical名無しさん:04/04/30 16:36 ID:QYM9SUFo
モツカレ。
すまん、誰か俺に276のオチを教えてくれ。

287 :Classical名無しさん :04/04/30 17:59 ID:6gWpwnUI
前スレに投下したら、ココに投下しろとレスか付いたんですが、どうしたもんでしょうか?
投下するか否か、皆さんの判断を仰ぎたいと思います。

288 :Classical名無しさん:04/04/30 18:19 ID:1ie.FWTY
自分は良いと思います。SS保管庫管理人さんもその方が保管しやすいでしょうし。

289 :Classical名無しさん:04/04/30 19:04 ID:uEHLkSGA
ぜひ投下してください(・∀・)ワクワク

290 :Classical名無しさん:04/04/30 20:20 ID:YLPiRWFc
>>286
オチってなにさ。

291 :バイト先にて:04/04/30 21:30 ID:6gWpwnUI
街中で播磨さんが、花井先輩たちと揉めていた日の夜、
播磨さんからメールが来た。
『今日は巻き込んじまってすまねえ。 今度はバイト先に持っていくからよ』と。
播磨さんの気遣いが嬉しかった。
『今度の日曜日、お待ちしています。』
メールの返事をして、眠りについた。
播磨さんとの会話を思い浮かべながら…


292 :バイト先にて:04/04/30 21:30 ID:6gWpwnUI
そして、日曜日。
播磨さんから再びメールが来た。
『バイトが終わる頃に行くぜ』
初めて原稿を見た日、バイトを中断させたのが気になっているようだ。
気にしなくてもいいのにと思いつつも、
『わかりました。 おいしいコーヒー用意しておきます』
そう返事をして、バイト先に向かった。


293 :バイト先にて:04/04/30 21:30 ID:6gWpwnUI
そして、日曜日。
播磨さんから再びメールが来た。
『バイトが終わる頃に行くぜ』
初めて原稿を見た日、バイトを中断させたのが気になっているようだ。
気にしなくてもいいのにと思いつつも、
『わかりました。 おいしいコーヒー用意しておきます』
そう返事をして、バイト先に向かった。
 
夕方5時を過ぎた頃、播磨さんがやってきた。
「よ、待たせちまったかな?」
「いえ、大丈夫です」
コーヒーを一口すすり、播磨さんは原稿を取り出した。
「じゃ、見てくれ。 新キャラを加えてみたんだ」
「…はい、それじゃ」
前回怖がらせたせいか、播磨さんは後ろを向いている。
原稿を目にして、思わずつぶやいた。
「え? これは…」


294 :バイト先にて:04/04/30 21:31 ID:6gWpwnUI
前回と登場人物は変わらなかった。
一人の見慣れない女の子の除いて。
悩んでいる主人公にアドバイスをする女の子。
悩みが解決した主人公は、再びヒロインにに対して思いを強くする。
そんなストーリーだった。
以外に感じたのは、アドバイスした女の子の表情だった。


295 :バイト先にて:04/04/30 21:31 ID:6gWpwnUI
拳児君、がんばれ=@女の子は主人公にニコッと笑っていた。
どう見ても、自分がモデルになっている。
でも、自分はこんな表情は出せない。
戸惑っていると「妹さん」と呼ばれた。
顔を上げると、面白い顔をした播磨さんがいた。
思わずブッと吹き出し、笑い出す。
「な、なにやってるんですか、播磨さん」
「ほら、その顔だよ」
「…え?」
「そんな笑顔も出来るじゃねえか。 自分じゃ気付いてねえだけなんだよ。
 悩んでる時や、落ち込んだ時は、ニッコリ笑って貰えると元気が出るんだぜ」
意外だった。 自分にも、笑顔が出来るんだ。
「だからよ、すこしづつでも笑っていこうや、この女の子みたく。な?」
播磨さんは、真っ赤になって俯いてしまった。
私にも、見ててくれた人が居たんだ…そう思うと嬉しかった。


296 :バイト先にて:04/04/30 21:32 ID:6gWpwnUI
原稿を見て、感想を述べた後、雑談になった。
「いつもワリイな。 なんか礼がしたいんだけど…」
「いえ、そんな」
断りつつ、はっとする。 そして、播磨さんをじっと見つめて言った。
「…ひとつだけ、お願いを聞いてください」
「オウ、なによ?」
「わ、わたしを『妹さん』じゃなくて、『八雲』って呼んで下さい…」
「なっ? そ、それは…」
「わたし、もっと笑えるようになりますから…お願いです、名前で呼んで下さい!」
「わ、わかったぜ。 や、八雲…ちゃん」
「…はい!」
 
 
播磨さんの前では、笑顔でいられるようにしよう。
そう思った八雲だった…


297 :バイト先にて:04/04/30 21:34 ID:6gWpwnUI
こちらに投下してみました
さて、どうでしょうか?
>>288,289さん、どうもでした。


298 :バイト先にて:04/04/30 21:38 ID:6gWpwnUI
あ、誤爆がある…投下した後って修正ききませんよね?

299 :Classical名無しさん:04/04/30 21:47 ID:gu2YkRkg
>>277
これはもうGJとしかいいようがない作品ですね。長さ的にも読みやすいし。
この光景を誰が見てしまっていたかで色んなアナザーSSが生まれそうだ。
今んとこ考えられるのは花井(そのまま縦笛ルートへ)、沢地価、天満、お姉
さんか…

300 :Classical名無しさん:04/04/30 22:04 ID:Fxxuq7bM
上手い、滅茶苦茶上手かった。
GJ!!

301 :Classical名無しさん:04/04/30 22:05 ID:Fxxuq7bM
ちなみに>>277にです

302 :Classical名無しさん:04/04/30 22:22 ID:VYocZ.72
>>297
GJ!
八雲(・∀・)イイ
もっと発展して欲しい二人ですな

303 :Classical名無しさん:04/04/30 22:47 ID:9JzQ69yQ
え……と、投下します。 >287さんとは別人です。


304 :UMBRELLA:04/04/30 22:48 ID:9JzQ69yQ


―――私は、いつの間にか彼の事を忘れているのが……怖かった―――



 ある日の昼休み、天満達は屋上で食事をしていた。
 天満の弁当は八雲が作った物なので、非常に出来が良い。
 美琴と沢近は購買で買ったパン。
 晶はジュースしか飲んでいない。
「っはー、気持ちいいねぇー」
 天満は空を見上げ言う。
 空は雲一つ無く、眩い光が降り注いでいる。
 
 時期は3月の上旬。
 まだ肌寒いのである。
 それにも関わらず、屋上で食事するのは若さゆえと言うことである。
 そして、この時期は、卒業生にとって大事な時期なのだ。


305 :UMBRELLA:04/04/30 22:49 ID:9JzQ69yQ
 沢近がコッペパンを取り出した。
「カレーパンにすれば良かったわ」
「仕方ねーよ、売り切れていたんだし」
 
(カレー……)
 この単語が連想させる物、いや……者は。
「か……烏丸くん……」
 おそらく今年の卒業生よりも、この時期が大事であろう塚本天満。
 彼女は一番大事な事を忘れていたのだ。

306 :UMBRELLA:04/04/30 22:49 ID:9JzQ69yQ
 約一年前。
 四月の頃、彼女は烏丸大路に自分の思いをつづった物を渡した。
 それは彼女の烏丸に対する心が、事細かに記されていた。
 本来なら、その時点で転校してしまうはずだった烏丸だが、この最後の文で彼は思いとどまった。

―――行かないで下さい、お願いします―――

(私、引き止めておいて何もしていない……?)
 迷惑を掛けているだけでは無いのか。
 自分の事なんて眼中になかったのではないか。
 彼女の頭にはその事だけがぐるぐる廻っている。

「どーした塚本?」
 美琴は、次々と表情を変えていく天満を見て、妙に思った。
 その表情は、いつもの冗談めいた表情では無く、真剣に悩んでいる表情であった。
「え……? あ、何でもないの。ハハハ……」
 言葉とは裏腹に哀しい眼をする天満。

307 :UMBRELLA:04/04/30 22:50 ID:9JzQ69yQ
 その時であった。
 ガチャリという音と共に、二人の男女が屋上に来た。
 播磨拳児と塚本八雲。
 この二人の、漫画を描く、そして相談――の関係は、まだ続いていた。
 しかし、天満達に目撃されたのはこれが始めて。
「おい、塚本。あれ……」
「あ、八雲と播磨くん……?」
「ふん、ヒゲ……播磨くんも結構、女たらしね」
 美琴が、いいのか? と天満に聞く。
「そうだよ……ね、八雲まで……―――あ」
 
(他人の色恋沙汰に首を突っ込んでいる場合じゃないのに……)

―――私、何やってんだろう―――


 天満はいきなり立ち上がり、その場から逃げ出した。
「おい、塚本!」
 美琴の声は天満には届かなかった。


308 :UMBRELLA:04/04/30 22:52 ID:9JzQ69yQ
 天満はとにかく我武者羅に走った。
 校舎を飛び出し、学校を飛び出した。
 周りの景色はもう見えない。
 走る。
 息が切れる、足が重くなる。
 もう、訳がわからなくなってきた。

「――っハア、ハア……」
 膝に手をつき、息を整える。
 先程までの晴れ渡った天気はどこへやら。
 雲が流れてきた。

 ふと顔を上げる。
 最初に目に入った物はバス停だった。
 「矢神坂上」の文字。
 あの、雨の日が思い出される。


 やあ、君も雨宿り?
 
 これ……塚本さんに貸してあげるよ

 ……塚本さんを置いて行ってしまうワケには行かない


「烏丸……くん」

309 :UMBRELLA:04/04/30 22:52 ID:9JzQ69yQ
 涙が溢れてくる。
 止まらない。
 次々と、着実に、顔を濡らしていく。
 そして、それに追い討ちをかけるかの様に―――雨が降って来た。
 もう、涙で濡れているのか、雨で濡れているのか分からない程になった。

「私……この一年間、何やってたんだろう」
 涙と共に溢れるのは、後悔と自分に対する怒り。
 何もしてこなかったという後悔。
 何も出来なかった自分に対する怒り。


 早かった。
 あまりにも早すぎた一年。
 それは、天満にとってこの一年間が非常に楽しかったという証拠。
 つまり、烏丸の事を忘れていても、楽しかった事に気づいてしまった。
 
 ペタ……ペタ……

「……え?」
 天満が耳にした音、それは紛れも無くあの音であった。
 ペタ……

「塚本さん、そんなんでは風邪を引いてしまうよ」


310 :UMBRELLA:04/04/30 22:53 ID:9JzQ69yQ
 屋上で原稿について話合っていた播磨と八雲。
 雨が降って来たため、続きは茶道部室で、という事になった。
 数十分程して、話し合いが終わった。
「今日もありがとな、妹さん」
「いえ」
 播磨はそのまま部室を後にした。
(俺も茶道部に入部しちまおうかな……)
 原稿の話し合いの事を考えると、その方がいいのだろう。
 その様な考えをしながら、播磨は教室に入った。

 教室内では美琴と沢近、晶が話し合っている。
 美琴が口を開く。
「塚本の奴……何があったんだろ……」
「見当もつかないわ。天満には天満なりの考えがあったのかもしれないし」
 
(天満ちゃんに何かあったのか……?)
 播磨がそう思った直後、教室がざわめいた。


311 :UMBRELLA:04/04/30 22:54 ID:9JzQ69yQ
「塚本! どこ行ってたんだよ」
 教室の入り口に立つ、グショグショになった天満。
 服から水が滴る。
「ハハ……ただいま」
 美琴がハンカチを取り出し天満の体を拭き始める。
「塚本? 泣いているのか?」
「……嬉し泣きだよ、美琴ちゃん」




「明日、転校するよ」
 バス停のベンチに座り、話を始める烏丸。
 天満も続き、ベンチに座る。
「明日……」
「うん」
 コクリと頷く烏丸。
 そして烏丸はポケットからハンカチを取り出した。
 木綿のハンカチであった。
「風邪を引いてしまう、これで拭くといい」
 天満は黙って受け取る。

312 :UMBRELLA:04/04/30 22:55 ID:9JzQ69yQ




「美琴ちゃん、私……後悔はしてないよ」
「え?」
「この一年間は―――無駄じゃなかったの」




「烏丸くん、私、私」
「一年前……」
 天満の口の前に手を突き出した。
 静止のポーズをする。
「一年前の巻物……塚本さんでしょ?」
「――な、なんでその事」
「昨日、読み返してみたんだ。そしたら、塚本さんの字によく似ていた」
 彼は解っていた。
 何もかも解っていた。
「塚本さんが引き止めてくれたおかげで、もう一年分矢上高校の思い出が出来た。」
「烏丸く……」
「ありがとう」
「烏丸くん……!」




「幸せだった……」
「……塚本、過去形にするのは良くないよ」
 そうだね、と呟く天満。

313 :UMBRELLA:04/04/30 22:55 ID:9JzQ69yQ
―――その後、烏丸の転校がクラスに知らされた。

 中には烏丸の事をよく覚えていない者もいた。
 しかし、クラスメートが一人いなくなるという事実を目の当たりにして、動揺が隠せない2―Cだった。
 その中に一人目を閉じ、涙でこの一年を思い返す塚本天満の姿。
 播磨は教室にいなかった。
 茶道部の部室で八雲が淹れた紅茶を飲んでいた。
(しばらく……我慢だな……)

 放課後、まだ雨が降る中……生徒達が下校を始めた。
「ん、塚本……それ」
「これ? 烏丸君に貰ったの……」
 天満の手には、木綿のハンカチと大きな葉っぱを模った傘が握られていた。

END

314 :UMBRELLAを書いた人:04/04/30 23:00 ID:9JzQ69yQ
終わりです。 前スレで  Marathon を書いた者です。
烏丸が出ないのは何かの複線だと騒がれる今日この頃。
まさか最終回まで引っ張ったりしないだろうか……。
そんな気持ちで書きました。 落ちが弱いと指摘されましたので、
ちょっと変えてみました。 感想、批判、指摘……ヨロシクお願いします

315 :Classical名無しさん:04/04/30 23:08 ID:9JzQ69yQ
>>303での発言は、何故か287さんのSSが自分の所では表示されて
いなかったからです。 すいません

316 :Classical名無しさん:04/04/30 23:30 ID:ndwaBcT.
GJです!いやー、良い烏丸は久しぶりですねw
…それに比べて播磨…播磨こそ天満のことを忘れている気が…

317 :Classical名無しさん:04/04/30 23:32 ID:17IfhYw2
スゴく上手くなってると思います。話の構成も良くできてると思うし

偉そうなこと言ってすみません。次回作楽しみにしてます

318 :Classical名無しさん:04/04/30 23:32 ID:ZNzTzS4c
GJです!いやー、良い烏丸は久しぶりですねw
…それに比べて播磨…播磨の方こそ天満のことを忘れている気が…(天満に気がつかないし、気づいていたとしても追いかけようともしないし…茶飲んでるし…)

319 :Classical名無しさん:04/04/30 23:39 ID:yX3CYNL6
途中まではGJ!だったんですが・・・・・・中盤以降の播磨に存在意義が見出せなかった。
ストーリーに絡まないのであれば、出番は天満に「恋愛」を意識させた序盤だけで良かったのでは。
烏丸がいい味だしてただけに、惜しい感じです。

320 :UMBRELLAを書いた人:04/05/01 00:34 ID:9JzQ69yQ
感想、批判ありがとうございます m(__ __)m
播磨を登場させたのは失敗だったですね。
もっと精進します。 もうちょっと播磨を掘り下げて書けばよかったと後悔しています。

次も頑張りますんで、よろしくお願いします

321 :Classical名無しさん:04/05/01 00:41 ID:jrv0mCSw
頑張ってください、応援しますゆえ

322 :Classical名無しさん:04/05/01 16:15 ID:Dz./ZIqg
天満のシリアスな話、新鮮でした。ぐっじょぶです。
播磨もそれくらいでいいと思いますよ。

323 :バイト先にて 播磨サイド:04/05/01 18:17 ID:6gWpwnUI
街中で、メガネたちと揉めていた日の夜、
妹さんにメールを送った。
(今日の事もあるし、他のヤツに見られたくねえしな)
『今日は巻き込んじまってすまねえ。 今度はバイト先に持っていくからよ』と送った。
やがて妹さんから返事が来た。
『今度の日曜日、お待ちしています。』
(どうやら、怒ってはいないみてーだな)
ほっとしつつ、原稿の執筆にかかった。


324 :バイト先にて 播磨サイド:04/05/01 18:17 ID:6gWpwnUI
そして、日曜日。
(そういや、この前はバイト中に見てもらったんだよな)
『バイトが終わる頃に行くぜ』とメールしておく。
すぐに返事が来た。
『わかりました。 おいしいコーヒー用意しておきます』
(いい子だよな、妹さん…)
そんな事を思いつつ、妹さんの元に向かった。


325 :バイト先にて 播磨サイド:04/05/01 18:17 ID:6gWpwnUI
夕方5時を過ぎた頃、妹さんのバイト先に着いた。
妹さんは、メイド姿で待っていてくれた。
「よ、待たせちまったかな?」
「いえ、大丈夫です」
妹さんが淹れてくれたコーヒーを一口すすり、原稿を取り出した。
「じゃ、見てくれ。 新キャラを加えてみたんだ」
「…はい、それじゃ」
(前回怖がらせたからな、後ろ向いておくか)
妹さんが、原稿に目を通していく。
やがて、妹さんが呟いた。
「え? これは…」


326 :バイト先にて 播磨サイド:04/05/01 18:18 ID:6gWpwnUI
前回、妹さんに「友達が必要なのでは?」と言われた。
そこで、主人公にアドバイス役の女の子を登場させた。
どんな顔にしようと悩んだが、せっかくだからと妹さんの顔にした。
悩んだ主人公の話を聞く女の子。
アドバイスを受けて、ヒロインに対して思いを強くする主人公。
そんなストーリーだった。
(この前の出来事そのまんまなんだけどな)
執筆中、妹さんキャラの表情を変えてみた。
(この方が自分や主人公は元気が出るよな)と思いつつ…


327 :バイト先にて 播磨サイド:04/05/01 18:18 ID:6gWpwnUI
拳児君、がんばれ=@妹さん顔の女の子は主人公にニコッと笑いかけた。
妹さんのこんな表情は見た事がない。
むしろ、姉の天満がよくする表情である。
案の定、妹さんも戸惑っている。
(どうすれば笑顔が…そうだ!)
「妹さん」と呼びつつ、考え付く限りの面白い顔をする。
妹さんは顔を上げ、ブッと吹き出し、笑い出す。
「な、なにやってるんですか、播磨さん」
(なんだ、天満ちゃんに負けない、いい笑顔じゃねえか)
「ほら、その顔だよ」
「…え?」
「そんな笑顔も出来るじゃねえか。 自分じゃ気付いてねえだけなんだよ。
 悩んでる時や、落ち込んだ時は、ニッコリ笑って貰えると元気が出るんだぜ」
自分の希望も入れつつ、妹さんに話し掛ける。
「だからよ、すこしづつでも笑っていこうや、この女の子みたく。な?」
(俺、なに言ってるんだろ…)
真っ赤になって俯いてしまった。


328 :バイト先にて 播磨サイド:04/05/01 18:19 ID:6gWpwnUI
原稿を見てもらって、感想を聞いた後、雑談になった。
「いつもワリイな。 なんか礼がしたいんだけど…」
「いえ、そんな」
妹さんは断りつつ、はっとする。 そして、じっと見つめて言った。
「…ひとつだけ、お願いを聞いてください」
「オウ、なによ?」
妹さんは、真っ赤になりながら搾り出すように言った。
「わ、わたしを『妹さん』じゃなくて、『八雲』って呼んで下さい…」
「なっ? そ、それは…」
意外だった。 戸惑うところに妹さんは更に言った。
「わたし、もっと笑えるようになりますから…お願いです、名前で呼んで下さい!」
切なそうな願いだった。 この笑顔をもっと見たい。 俺は決断した。
「わ、わかったぜ。 や、八雲…ちゃん」
どもりつつ返事をすると、妹さんは嬉しそうに言った。
「…はい!」
 
(ま、いいか。 あんな顔して頼まれちゃな…)
そう思った播磨だった…


329 :バイト先にて 播磨サイド:04/05/01 18:22 ID:6gWpwnUI
「バイト先にて」を播磨の視点から見たSSです
フロントミッションではありませんが、別の方の見方もありかなと

330 :Classical名無しさん:04/05/01 18:52 ID:9r4ovQgQ
イイ!

視点を変えると、同じSSでもまた楽しめますな


331 :168:04/05/01 21:31 ID:9r4ovQgQ
縦笛SS、続きを投下します。

332 :168:04/05/01 21:32 ID:9r4ovQgQ



「ふぅ〜〜〜、やっと帰ったか…」
時刻は黄昏時。成人を迎えた彼女たちにとって、別れるにしては早すぎる時間だが、三人ともこの後に用事があるという事なので、早々に帰ってしまった。
もっとも、今の美琴にとっては胸をなでおろすべき事ではあったが。
あれからも美琴は、三人に(正確には天満と沢近に)花井との関係を根掘り葉掘り聞かれる羽目になった。
必死に否定しても信用されず、嘘をついても晶がいてはすぐにばれるだけだった。
もちろん、心底それが嫌だったわけではないのだが。
「ったく、見たんだったらちゃんと片付けていけよ。」
文句を言いながら、アルバムを元の位置に片付ける美琴。

その時だった。アルバムを保管していた場所の奥が一箇所、キラリと光ったのに美琴は気付く。
「ん…?」
それに気付き、そこへ手を伸ばす。
やがて手に何か当たり、それを掴んで近くで手を開いた。
「これは…」
それは、銀のコーティングを施したオモチャの指輪。
「へぇ、随分懐かしいな……」
それが何なのか、美琴はすぐに思い当たったようだ。どうやら、昔の思い出の品らしい。
「この指輪……そういや昔…花井と約束とかしたっけな……なつかし…」



333 :Cross Sky :04/05/01 21:35 ID:9r4ovQgQ

あれは小学校四年の頃だったか。地元の縁日に、花井の家族と行ったときのことだ。
最初は両親たちと一緒に見て回っていた美琴と花井。
だが、こういう場所は子供同士だけでかたまって遊んだほうが面白い。
当然、美琴と花井もそのことは知っている。
そこで二人は親に頼みこみ、あまり遠くに行かない、門限を守る、この二つを守ることを条件に子供だけの行動を許してもらった。
「おーい、花井。早く行こうぜ!」
「でも、ミコちゃん。せっかくだから出店見ながらでもよくない?」
「お、それもそうだな。冷やかしながら行くか。」
小学生なので、懐にあるのは千円程度だ。これでは二、三店しか、楽しむことができない。
二人は何を買うか楽しむか迷いながら、出店の傍を歩いていく。
その時、豪快な声が急に響いた。
「お、かわいいカップルだな。どうでえ、一回?」
そう言ってきたのは射撃の出店のおじさんだった。その言葉に敏感に反応する美琴。
「ちょ、ちょっと待てよ。こいつとはそんな関係じゃねえよっ」
「そうなのか?まあいい、三発打てて百円だぜ。撃ち落したヤツは持って帰っていいから、どうでえ?」
「射撃か。やったことねえし面白そうだな、よーしオッチャン、やらせてもらうぜ。」
意気揚々と言いながら、百円玉を渡す美琴。
「お、毎度」
硬貨を受け取り、換わりに銃を渡すおじさん。
「で、どれを狙うんだ?」
「そうだな……よし、あれにする!」
そう言いながら美琴が指差したのは、何の細工もない、銀のコーティングを施しただけの指輪が入った箱。
隣にはガラスとはいえ、宝石のついた豪華な指輪もあるのだが。質素な方を選んだのが、いかにも美琴らしい。


334 :Cross Sky:04/05/01 21:36 ID:9r4ovQgQ
「えー、指輪なんて女の子っぽいの、ミコちゃんらしくな……」

ゴッ!

「何か言ったか?」
「な、なんでもない…」
余計な一言を言う花井にゲンコツをかます美琴。花井もこの頃には、今の性格が構築されつつあったようだ。
「よぉーし、行くぜ!」
改めて指輪に照準を合わせ、ゴム銃を撃つ美琴。
しかし、一発、二発と打っても、なかなか当たらない。結局、最後の一発が掠めただけで、指輪を落とすことはできなかった。
「残念だったな、嬢ちゃん。」
「くそー、あと少しだったのに!」
地団駄を踏んで悔しがる美琴。
そんな美琴を見て、今度は花井が動いた。
「おじさん、僕も一回やらせて。」
「お、リベンジかい。ほら、頑張りな」
銃を受け取る花井。そして、美琴に話しかけた。
「僕が取ってあげるよ。」
「え?」
言うが否や、ゴム銃を構え、焦点を合わせる花井。そしてパンッ、と弾代わりのゴムを撃つ。
そのゴムは正確に目標物に向かい、美琴の欲しがっていた指輪の箱を見事に落とした。
「お!ボウズ、やるなぁ!!」
感嘆の声をあげながら、おじさんは箱を拾い花井に渡す。


335 :Cross Sky:04/05/01 21:39 ID:9r4ovQgQ
感嘆の声をあげながら、おじさんは箱を拾い花井に渡す。
「ほらよ、おめでとう。」
「ありがとう。…はい、ミコちゃん。」
「へ?」
素っ頓狂な声を上げる美琴。
「欲しかったんでしょ?この指輪。」
「そうだけど…いいよ、落としたのはお前だし。」
物欲しそうな顔をしながら、一応は断る美琴。
しかし、花井は首を横に振り、笑顔のままでこう言い放った。
「いいんだよ、ミコちゃんにつけてもらいたくて取ったんだから。」
本人は特に意識もせずに言ったのだろう。だが、花井のその言葉に美琴は軽く頬を染める。
「あ、ありがと…」
照れながら礼を言う美琴。そして少々うつむき、手の甲を上にして花井のほうに左手を差し出した。
花井は美琴の真意をはかりそこね、疑問顔になる。
そこへ、助け舟を出したのは店のおじさん。二人の微笑ましい様子に、ニヤニヤしながら口を開いた。
「ボウズ、嬢ちゃんはお前に指輪をはめて欲しいんだよ」
「あ…そういう事か。じゃあミコちゃん、はい、プレゼント」
そういいながら花井は、美琴の腕を取り、指輪をはめた。彼女の薬指に―――――

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
その途端、声にならない声を上げ、顔を真っ赤にする美琴。
「?どうしたの、ミコちゃん。」
「だっはっはっは!良かったなぁ嬢ちゃん!」
豪快に笑い出すおじさん。花井一人がまた疑問顔になる。
「ボウズ、薬指に指輪をはめるっていい行為はな、その相手と結婚するって事なんだよ。」
「え?そうなの?」


336 :Cross Sky:04/05/01 21:42 ID:9r4ovQgQ
呆けた答えを返す花井。その時、

ゴンッ!!

さっきより数倍痛そうなゲンコツが花井の頭に振り落とされた。
殴ったのはもちろん、美琴。
「痛ったー、急に何するん…」
「恥ずかしい真似すんなっ、取り消せ!」
顔が赤いまま花井を怒鳴りつける。
「わ、分かったよ。でも、そんなに怒ること―――」
怒ることないじゃないか、と言おうとした花井だったが、美琴の剣幕に言葉を飲み込む。
「ほら、さっさと行くぞ。門限があるんだからな!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
指輪を薬指にはめたまま走り出す美琴。
(ったく、一瞬でもこんなヤツをかっこいいと思ったあたしがバカだった!)
どうやら美琴は、花井が自身の代わりに指輪を撃ち落してくれた時、彼に見惚れていたらしい。
後に聞いた話だと、花井は父親の弥三郎と一緒に、縁日や祭りで射撃をよくやっていたんだとか。
と、美琴は急に花井に手を引っ張られ、動きを止める。
「……なんだよ。」
ジロリ、と彼に不機嫌な視線を向ける美琴。しかし花井は意に介することなく口を開く。
「ねえ、ミコちゃん。さっきのことは取り消すけど…一つ約束してもらえないかな?」
さっきのこととは、言わずもがな。
「あたしが聞ける範囲ならなっ」
フンッ、と顔を横に向けながら言い返す美琴。ポニーテールにした髪が揺れる。手は腰の位置。
「これからも…ずっと一緒にいて、ずっと仲良くしようね!」
白い歯を見せ、無邪気な笑顔を見せながら、花井はそう言葉を発する。
そんな花井に美琴は、一瞬、チラと彼のほうを見た後、ぶっきらぼうに答えた。
「………好きにしろっ」
その美琴の言葉に花井は笑みを深める。


337 :Cross Sky:04/05/01 21:43 ID:9r4ovQgQ
「うん!」
「それじゃあ行くぞっ。ちゃんとついてこないと、置いていくからな!」
再び、人ごみの間を縫うように走っていく美琴と、それを追いかける花井。
二人にとってそれはいつものこと。
そんな昔の一コマがこの指輪にこめられているのだ――――


「アイツ…この指輪のこと、覚えてるのかな……」
部屋の片づけを終えた美琴は、ベッドに横になり、手の上でその指輪をいじり続けている。
やがて、その指輪をはめようとする。だが―――
「やっぱ…入んねえな」
薬指にはめようとしたが、関節が邪魔をして指の根元まで通すことができない。
あれからもう10年経つ。成長した美琴の指に、その指輪は少々サイズが小さかったようだ。
ゆっくりと外し、今度は親指と人差し指で掴んで、輪の中から、向かいにある窓を見つめる。
「ずっと一緒にいようとか言いだしておいて…テメエが破ってどうするんだよ……」
いじっていた指輪を、その言葉と共にギュッと握り締めた。
その手を額のところに持っていき、ゴロッと体を動かして仰向けになり天井を見つめた。
「帰って…来るんだよな」
以前、似た気持ちが去来したことがある。五年前、高校生になったばかりの頃、家庭教師をしてくれていた先輩に抱いた気持ちと同じ―――

恋心―――

「あー、もう!」
その言葉が頭に浮かんだ瞬間、いたたまれなくなったのか、ガバッと起き上がり、自分の頭をくしゃくしゃにする。
そして、そのままの体勢で、ありったけの声で叫んだ。
「花井のヤツ…、帰ってくるんだったら、早く帰ってきやがれっ!」



338 :Classical名無しさん:04/05/01 21:52 ID:MEeVVd3Q
(□ヮ□)連続投稿支援

339 :Cross Sky:04/05/01 21:55 ID:9r4ovQgQ
今日はここまでで。
縦笛なのに、まだ花井(ry
250-256の文は要らなかったかなぁ…


それと、分校のお絵かき掲示板で
縦笛絵師の交差天氏がこのSSの挿絵を描いてたのを発見
ビックリしたり、感激したり。

実はこのSS、その交差天氏の絵が書くきっかけになりました
(題名を直訳していただければお分かりでしょうけど)

続きも頑張って書きますんで、完成までもうしばらくお待ちください




340 :Classical名無しさん:04/05/01 22:12 ID:MEeVVd3Q
自分も読んでいて、真っ先に交差天さんの絵を思い出しましたw
GJですー。美琴の心理描写がとても良かったです。特に、花井への恋心を美琴が自覚しつつあるシーンに身が悶えました。
…次回が、スクラン本誌以上に気になります。

341 :Classical名無しさん:04/05/01 22:35 ID:Fxxuq7bM
さて、最近数が少なくなってきた旗SSを投下します。
NGワードは、bonnetです。

342 :Eary summer rain:04/05/01 22:36 ID:Fxxuq7bM
 雨が降っていた。天へと昇った水の霞が、その身を地へと落とされて。
 雨が降っていた。一人の少女の悲しい涙を、その身でただの雫とするため。

 少女は雨に感謝していた。みっともない自分の姿を誰にも見せずに済むのだから。
 しかし、いつもの聡明な彼女なら気がついていただろう。雨に打たれているその姿こそが
彼女が忌避しているみっともない姿そのものであることを。
 ただ、それでもなお、彼女は美しかった。二つに結わえられた金の髪は、
雨の中にあっても輝きを忘れず自己主張し、その体を象る肉付きは、濡れた制服が
より一層扇情的なものへと変貌させていた。ただ、俯かれた顔の表情だけはようとして知れず、
まるでその姿はサモトラケのニケのように人々の目を引いていた。
 顔の欠けた女神像――その欠片を、芸術など介さない一人の不良が打ち壊そうとしていた。

「そこまでだったら送ってやるぜ」

 そう言いながら、その不良は、自身の体が雨に打たれながらも傘を彼女へと差し出していた。
 そんな姿を少女、沢近愛理は呆然と見上げ、沈黙をもってしか応えることができなかった。

343 :Eary summer rain:04/05/01 22:37 ID:Fxxuq7bM
「おら、早く行くぞ、でねーと風邪引いちまう」

 お前じゃなくて、俺がな――そう言いつつも、傘を引く気配はまるでない。
 そんな不器用なクラスメートの様子を見て、凍りついた沢近の表情を溶かすように
微笑が浮かび、それとともに自然と吐息が漏れた。

「播磨君、もう少し女性のエスコートの仕方を習った方が良いわよ」

 小声でありがとうと付け加えながら……少し、ほんの少しだけ彼女は普段の自分の調子が
戻るのを感じいてた。ほんのそこまで――彼はそう言っている。
 ならば、そのほんの少しの間だけでも良い。この沈んだ気分をいくらかでも紛らわせてもらおうか。
 そんな気持ちで、沢近は播磨の持つ傘へと身を寄せる。それを確認した播磨は、彼女の体が
これ以上濡れないようにと傘を少しだけ横へとずらす……自身の肩が雨に打たれるのも厭わずに。
 そうして肩を濡らしながら、播磨は彼女の歩調に合わせてゆっくりと歩き出していった。

344 :Eary summer rain:04/05/01 22:37 ID:Fxxuq7bM
 そこまで思い出して、シャワーを浴びながら、沢近はお湯で温まった頬をさらに朱に染めた。
 全くなんということだろう。男に弱みを見せるなどとは……流れた泡の残り香を深く吸い込み、
その息をいっせいにして吐き出す。
 普段から男に対して優位にたつことが常である彼女にとって、今日は非常に不本意な一日だった。
 今日はいるはずの父が、急な仕事で時間が取れなくなったのもそれに拍車をかけている。
 そこでふと、彼女は自分が本末転倒な考えをしていることに気がついた。
 そもそも落ち込んでいた理由は父との時間がなくなっていたからだ。そこから始まっていたのに
播磨との道中が思考の主になっている。
 全く、あの男はタチの悪いドラッグか何かじゃなかろうか――そう思いながら、
バスルームから上がり、用意されていたタオルで乱雑に髪を拭く。
 異性から気を使われることには慣れていた。外見からくる同年代のそれ、それに加えて
家の都合上からくる、成年や、年配の紳士からも。
 だが、播磨のそれは今まで彼女が接したことのある男性達とは趣を大きく異にしていた。
 純粋に優しいというわけではなかろうに下心は見えないし、何か気を使ったかと思えば粗野な
言動でそれを台無しにする。そんな人間――たとえ異性だろうと――は、沢近の埒を大きく外れていた。
 そんな男だったからこそ、こうして父のいない今でも、そう気を落とさずにいられるのかもしれない。
 頭の片隅でそんなことを思いながら、体を拭き終える。続けて下着を着けながら、彼女はさらに自問する。
 彼に借りを返す――断じて恩やお礼などではない――のに何が一番良いだろうかということを。
 何か料理でも食べさせてあげればいいのだろうか――そんな思考を沢近は自分で嘲笑う。
 そもそも彼女は料理など得手としていないし、何より父より先に他の男性に手製の料理を馳走する気など毛頭ない。

345 :Eary summer rain:04/05/01 22:38 ID:Fxxuq7bM
「やっぱり、借りは借りで返さないとね」

 そう言いつつ、服装を整える手は休めない。

「そうと決まれば、早めに中村に用意してもらわなくちゃ」

 名案が浮かんだとばかりに唇の端を釣りあがらせ、鏡を見ながら最後の身だしなみとして
濡れた髪を乾かそうと沢近はドライヤーへと手を伸ばしていった。


 同時刻、播磨のほうといえば、濡れた自分の体をシャワーで
温めるなどといったことは思いつきもせず、ただただ自分の頭の良さを自画自賛をしていた。

「今度雨が降ったときに天満ちゃんが傘を忘れたら――」

 そこまで言って、頬がにやけるのを彼は止めることができなかった。今日の出来事を
金髪のクラスメートから天満へと移し変えると、なんと自分のした行動の格好いいことか。
 にやけが深まるのを感じながら、播磨は聞き逃せない単語がテレビからもれてきたのを耳に入れた。

「くぅううう!! 今度は俺も天満ちゃんも濡れねーよう、もっとでっかい傘を買わねーとな。
 ……今度? いや、今度といわず、善は急げだ、今すぐ買いに行こう!!
 うわははは、この程度の雨じゃ、俺のこの胸に宿る愛の炎を消すことなどできないのだ!!」

 そう高笑いを響かせながら、播磨は傘を買いにと急いで家を出て行く。
 あまりに急いでいたので、テレビもつけっぱなしだ。そのつけっぱなしのテレビからは、
誰も見ていないのにもかかわらず、その役割を果たそうとして明日の天気予報が映し出されている。

「明日の○○の天気です。ご覧の通り、昼頃から所により、
 一時、強い雨が降るでしょう――」

346 :Eary summer rain:04/05/01 22:39 ID:Fxxuq7bM
 果てして、予報通りに雨は降った。そして、思いもよらぬ
伏兵も登場していた。風が、傘を壊せそうなほどの強い風という伏兵が。

「ぬおおおおおお!!」

 その吹きすさぶ豪風の中、学校の昇降口で野太い男の悲鳴が響き渡った。
 その声に気づいたものは、何が起こったのかと目をやりながらも、我関せずとばかりに足早にすぎていく。
 これを冷淡と言いあげるにはいささか無理があるだろう。
 悲鳴をあげているのは、この学校の多くが恐れている、播磨拳児その人だからだ。
 彼の手には、所々に銀を露出させ、かつての役割を虚しく
自己主張している黒いぼろきれが握られている。
 彼はその手の中のぼろきれ――大きいために風の影響を受けて壊れてしまった傘の残骸――
を覗き込みながら、悲鳴の余韻として低い唸り声を上げていた。

「天満ちゃん、畜生、天満ちゃん、畜生、天満ちゃん、畜生……」

 厚い雲で覆われているために辺りは暗く、風にカチューシャで止めた長髪がたなびき、
ぶつぶつと独り言を呟く様は幽鬼さながらだ。
 そんな姿を遠目で見ていた沢近の額に、冷たい汗が一滴流れる。

「ちょっと……私だって、もうちょっと元気というか、あそこまでにはならないわよ」

 昨日の自分の姿を彼に重ねながら、あまりの彼の悲壮さに、自分も他の生徒たちの
ように何も見なかったことにして回れ右をしたい心境になる。
 だが、鞄の中の存在が、そして何よりも彼女自身のプライドがそれを許そうとしない。
 カバンを強く握り締め、意を決して沢近は颯爽と播磨へと近づいていく。

347 :Classical名無しさん:04/05/01 22:40 ID:ZR0g3.3w
Earlyじゃ?

348 :Early summer rain:04/05/01 22:41 ID:Fxxuq7bM
「播磨君、何をやっているの」

 嘆息を交えながら、揺らぎそうになる声を抑えて沢近が問い掛ける。
 その声に播磨は、まるで昨日とは立場が入れ替わったかのように呆然としている。
 そんな姿に、昨日の自分の無様さを実感しながら、彼女は鞄へと手を差し向ける。

「傘が壊れたみたいね。
 仕方が無いから、私の予備の折り畳み傘を貸してあげるわ」

 そう言いながら、真新しい様子の黒い折り畳み傘を播磨へと手渡す。

「おい――」

「心配しないで、私は今日ちゃんと普通の傘を持ってきてるから。
 これで昨日の借りはお返しできたわよね」

 それじゃあね、といまだ状況を理解できていない播磨に
にこやかに告げて、多くの生徒を脅かした悪魔を払い落とした
女神は威風堂々と下校していく。
 そんな姿をわけがわからないといった様子で見送りながら、
播磨は手元の折り畳み傘へと意識をやる。どうしても、訝ることしかできない。
 彼女がお嬢様ということを鑑みて、これが到底相応しいものだとは流石の播磨でも思わない。 

「予備って……なんで男物をあいつが持ってんだ」

 その播磨の問いは、誰にも答えられることもなく、風の中に飲み込まれてかき消されていった。

349 :Early summer rain:04/05/01 22:42 ID:Fxxuq7bM
と、ここまでが、初めに考えてた部分。
某所にて添削してもらったのが別バージョンであります。
>>347
ありがとうOTL

350 :Early summer rain:04/05/01 22:43 ID:Fxxuq7bM
「播磨君、何をやっているの」

 嘆息を交えながら、揺らぎそうになる声を抑えて沢近が問い掛ける。
 その声に播磨は、まるで昨日とは立場が入れ替わったかのように呆然としている。
 そんな姿に、昨日の自分の無様さを実感しながら、彼女は鞄へと手を差し向ける。

「傘が壊れたみたいね。
 仕方が無いから、私の予備の折り畳み傘を貸してあげるわ」

 そう言いながら、真新しい様子の黒い折り畳み傘を播磨へと手渡す。

「おい――」

「心配しないで、私は今日ちゃんと普通の傘を持ってきてるから。
 これで昨日の借りはお返しできたわよね」
 
 それじゃあね、といまだ状況を理解できていない播磨に
にこやかに告げて、多くの生徒を脅かした悪魔を払い落とした
女神は傘を広げ威風堂々と下校していく……はずだった。
 それじゃあね、といまだ状況を理解できていない播磨に
にこやかに告げて、多くの生徒を脅かした悪魔を払い落とした
女神は傘を広げ威風堂々と下校していく……はずだった。

351 :Early summer rain:04/05/01 22:44 ID:Fxxuq7bM
「きゅあっ」

 一瞬の豪風の後、短い悲鳴を残して、金糸が播磨の視界一杯に広がった。それに続き、
体を襲う謎の衝撃。それに耐えようと播磨は踏ん張るが、思ったよりも勢いが強く
多少たたらを踏んでしまう。

「あ、ありがとう……」

 ばつが悪いのか、沢近は多少顔を赤らめながら、支えてもらっていた
播磨から身を離す。その朱が差した頬を隠すように、顔を俯かせた視界に
彼女は、自分が倒れこんだ理由を知った。自分が持っていた傘の骨組みが、
まるで前衛芸術とでも呼べそうなぐらい変形しているのを見て取ってだ。

「……この傘、返すか?」

「い、いいわよ、あんたはその傘で帰りな――」

 傘、いや、元傘を気まずそうに見ていた彼女に、居たたまれなくなったのか
播磨が声をかける。そんなみっともないことが出来るわけないと反論しようと
した面を上げた沢近だが、知らぬ間に途中で口ごもる。

「あん? どうしたんだよ、いきなり黙り込んで」

352 :Early summer rain:04/05/01 22:45 ID:Fxxuq7bM
 そんな様子を不審に思った彼は、訝しげに問い掛ける。だが、彼女はその彼の顔を
まるで幽霊でも見たかのように呆けて眺めていた。
 自分の顔が見られている、いくら鈍い播磨でも、ここまで露骨に反応されればその
程度の事はわかる。そこで、彼は普段と見えている景色が違うことにようやく気が付いた。

「げ、サングラス!!」

 先程ぶつかった際にどこかに落としたのだろう。慌てて播磨は自分の周りを探そうとする。
 が、それがまずかった。足元に微妙な感触、それに続き、軽い音が耳に届いた。
 考えたくなかった。気づきたくなかった。今踏み出した足元に何があるのかを。
 そのまま固まった播磨に、ようやく現実へと意識を戻した沢近が、何か悲痛なものに触れる
かのように声をかける。

「あの……大丈夫?」

 何が、というわけではない。ただの意味のない、反応すら期待していない問い掛け。だが、
それが、播磨をどうにか彼岸から此岸へと引きずり戻す。
 誰かに――特に女性に、弱点を見せること嫌う播磨は、どうにか体面を取り繕おうと
何もなかったかのように振舞う。いや、振舞おうとする。

353 :Early summer rain:04/05/01 22:45 ID:Fxxuq7bM
「お、俺のことはどうでもいいから、さっさとこの傘で帰れ」

 気の弱い人なら脅されていると感じるほどの低い声で告げながら、播磨は彼女へと
傘を差し出す。だが、その腕は声同様に震えており、先程の間が抜けた情景もあいまって、
どうにも沢近は頬が緩むのを抑えることは出来なかった。

「な、何笑ってんだ!!」

 普段なら、誰もが――多少の例外を除いてだが――すくみ上がるような
播磨の怒声が響き渡る。だが、その声の持ち主はと言うと、その整った顔を
どうしようもないぐらいに赤面させ、どこか滑稽な空気を醸し出していた。
 もうこらえきれないとばかりに、沢近の口から息が漏れ、続いて笑い声が飛び出した。

「おいっ! って、もういいや……」

 それを見て、播磨は思わず掴み掛かって殴りたい気持ちになるが、その彼女の
あまりの楽しそうな表情に、毒気を抜かれて肩を落として嘆息する。

「もういいですから、この傘を返すので早く帰ってください」

 肩を落とした彼の様子に、さらに笑いを強くしていた彼女だが、その言葉の
内容に、より一層つぼを刺激される。しかも敬語だ。せっかくの播磨のお願いも
気まぐれな女神様の御心を静めることは出来ず、それから彼女の笑いが収まるまでの
数分間、播磨はただ立ち尽くしていることしか出来なかった。周りの注視を集めながら。

354 :Early summer rain:04/05/01 22:49 ID:Fxxuq7bM
「ふぅ、笑ったわ」

「へーへーそうですか」

 たった少しの時間がたっただけだが、大分雨脚は弱まっていた。風も幾分凪いで
来ている。そんな中、すっきりしたといった感じで告げる沢近に、播磨は半眼でぼやくことで応える。
 その様子は、多くの生徒に恐れられる不良といった雰囲気はほとんどなく、拗ねた
子供を連想させた。
 サングラスがないせいかしら――あまりの普段とのギャップに、沢近は今の
彼の纏っている空気の柔らかさの理由を考えずにはいられない。

「ねえ――」

「そんだけ笑えんのなら、もう大丈夫か。
 もう雨も弱くなってるから、俺は走ってでも帰る。お前はこの傘を使え」

「――え?」

 彼女の言葉を遮って、播磨が何度目かの傘の返却を申し出た。ただ今までと
違っていたのは、「大丈夫」という言葉が含まれていた点だろう。その言葉の意味を
理解できずに、彼女の表情が怪訝なものへと移り変わる。

「しまった!」

 そんな沢近の反応を見て取ったのだろう、播磨は己の失言を悟り、
悔恨を呟きを発した。だが、それもまた同様に失言だった。頭の回転の良い
彼女は、目の前の不良が零した二つの言葉から、彼の不器用な優しさを
察していた。
 だが、それを教えてやるつもりは沢近にはない。馬鹿な男の意地、というもの
を、理解はしてないにしても、それを汲み取ってあげるのがいい女の条件だと
彼女は信じていたから。

355 :Early summer rain:04/05/01 22:59 ID:Fxxuq7bM
「どうしたの、播磨君」

 そうしたすべての気持ちを胸へと仕舞い込み、いまだ狼狽している播磨へと
優しく彼女は問い掛けた。

「いいいいいや、なんでもないんだ。そう、なんでもない」

 そんな沢近の内心を知らずに播磨は、相手が気づいていないと思い込み、
どもりながらも安心した様子で応える。
 ――変な薬か何かかと思ったけど……――そんな彼の反応を見て、
沢近はその考えを撤回する。要は、こいつは子供なのよ、と心の中で
考えを新たにする。その新しい評価をかみ締めながら、その子供を
からかうような心境で彼女はすっと播磨へと手を差し出した。

「あん?」

 そんな彼女の行動が理解できずに、播磨は眉をひそめる。

「傘、返してくれるんでしょう?」

「ん、ああ」

 ようやく自分の言葉が通じてくれた。さっさと自分の醜態を晒した
彼女から逃げ出したい播磨は、そんな思いを胸に、急いで折り畳み傘を手渡す。

356 :Early summer rain:04/05/01 23:01 ID:Fxxuq7bM
「ありがとう」

 そう言った彼女の笑顔は、有体に言って、美しかった。天満にしか興味のない
播磨をもってしても、一瞬見とれてしまうほどに。そんな自分を恥じ入るかのように
頭を振って、先程までの自分を追い払う。

「何をしているの?」

「いや、なんでもねー 雨が邪魔だっただけだ」

「そう……」

 そんな播磨の返答に、納得していないといった様子の沢近だったが、追及しようとは
せずに、先に折り畳み傘を開いていく。その姿を尻目に、さっさと帰ろうと雨の中に
その身を投げ出し、今にも走らんとする播磨の背に、思いもよらぬ言葉が投げかけられた。

「そこまでだったら送ってあげるわよ」
 
 驚いて播磨が振り返ると、その声の主は、チェシャ猫のような笑みを浮かべながら、
ほんのそこまでね、とまで付け加えていた。その言葉に、昨日の自分と全く同じ
台詞に、播磨は動きを止めずにはいられなかった。
 ぽつり、ぽつりと、もうずいぶんと弱々しくなった雨が、播磨の引き締まった肉体を
露わにしようと、少しずつゆっくりと濡らし、透明な水の色にと染め上げていく。
 その濡れた体を、もう傘を壊すほどの力強さを失った、それでもまだ幾分その残滓を
感じさせる風が、寒さを知らしめんとばかりに吹き付ける。

「へっくしょい!!」

 ようやくその寒さに気づいたのか、播磨の口からくしゃみが飛び出す。それでもようとして
動かない播磨に業を煮やし、沢近のほうから播磨の方へと進みより、その手の傘を、
身長差を無視して無理やりに彼に掲げようとする。それ、まるで子供が大人に
取り上げられたおもちゃを取り返そうとしているようで、どこか間の抜けた光景だった。

357 :Early summer rain:04/05/01 23:02 ID:Fxxuq7bM
「ほら、早くしなさい。
 でないと風邪を引いちゃうわよ――あなたじゃなくて私がね」

 その滑稽さに気づきながらも、沢近は昨日渡された台本通りに演技を続ける。
 羞恥に頬を染めながらも、引き様子を見せない彼女の様子に、思わず播磨は破顔する。

「な、何よ……」

 彼女はまだ気づかないのだろうか、身長以外の、今、最もこの光景の滑稽さを際立たせている
要因が何なのかを。播磨ですら気がつくほどの、致命的なミステイク。

「その傘は俺が持つよ――」

 表情を崩したまま、播磨はそっと彼女が握る傘へと手を伸ばしながら言葉を続ける。
 
「男モンの真っ黒な傘を、お金持ちのお嬢様が持ってちゃ役不足だからな」

 彼女はその言葉を聞くと同時に、その顔を今まで見せた中で最も赤く染め上げる。
 その理由は、自分の思いもしない手抜かりなのか。
 それとも……自分の手に触れた、大きな彼の手の存在なのか――
 もう傘を差さなくても良いほどに弱まった雨の中、昨日と同じように
 傘を差して歩いているにもかかわらず、播磨の肩がほとんど濡れていない二人の距離が
 控えめにその答えを示してた。
                              ――END――

358 :Classical名無しさん:04/05/01 23:08 ID:Fxxuq7bM
以上、今回はだいぶ人に添削してもらいました。
こっぱずかしいのをごまかすために、実験的な感覚で書いたから、
他の人にみてもらわなきゃどうにもならなかったわけですよ。
次は、おにぎりか超姉SSを書いてみたいなぁ……望まれればですがw

359 :Classical名無しさん:04/05/01 23:12 ID:EGJuD4X2
おにぎりをお願いします
マジデ

360 :Classical名無しさん:04/05/01 23:24 ID:9u9mt3js
>>358
GJです!
うまいですね。これだけ正統派な旗ってのも久々に見た気がします
その王道さがまた( ´∀`)イイネー
表現力も抜群ですな。読みやすい

>次は、おにぎりか超姉SSを書いてみたいなぁ……

是非!是非お願いします。もちろん両方で←
けどどちらかと言えばやっぱり超姉SSが読みたいかな
超姉萌派なもので(*´Д`)ハァハァ


361 :Classical名無しさん:04/05/02 00:08 ID:ZNzTzS4c
おお、GJ!
旗良いですね。二人のやりとりがツボでした。
沢近と播磨のキャラをしっかり掴んでないとこれは書けないですね、流石です

次回は是非超姉萌えSSお願いします!ガチで
おにぎりも好きだけどね(・∀・)

362 :Classical名無しさん:04/05/02 01:55 ID:oQgVc1zw
GJ!!
おにぎりもの、できればお子様ランチ展開で頼みます!

ところで、表現が回りくどいというか、隠喩を多用している印象を受けました。
もう少しシンプルでラフなかんじだったらもっと良かったかも。

あ〜自分もなんか書いてみよっかなぁ〜…

363 :Classical名無しさん:04/05/02 02:05 ID:9r4ovQgQ
そうかな、俺は逆にそこが良いと思ったけど
シンプルでラフな方が読みやすくて、スクランに合ってるだろうけど

たまにはこんな感じの文体も良いと思った

364 :Classical名無しさん:04/05/02 10:14 ID:KnUk4RFc
>>168
グッジョブ!
過去話と、ラストの美琴がイイッ
あとハナイが微妙にのび太にだぶった(w 射撃とか。

>>358
こっちもGJ! 傘壊れた時のハリマワラタ

365 :Classical名無しさん:04/05/02 11:00 ID:ZNzTzS4c
俺もラフな文よりこういう感じの方が本格的な小説っぽくて好きだな
書き手の技量によると思うけど
あと絃子さんキボン(;´Д`)ハァハァ

366 :Classical名無しさん:04/05/02 15:02 ID:xvBQ9CvE
>>339
花井が指輪落としたあとに残りの二発打ってないのが気になる俺は貧乏性でしょうか?

367 :Classical名無しさん:04/05/02 16:46 ID:Fxxuq7bM
|Д`) ダレモイナイ・・レススルノナラ イマノウチ
感想ありがとうございます。
今回は、上にも書いてある通り実験的なSSなんで、ちょっと
表現の幅を増やしてみようと、意図的に書き方を変えていました。
というわけで、うざったく思うのも当然w
しかし、今書いている最中でも文体が不安定になってしまった罠OTL
もうちょい、本格的な感じで書けるように技量、文章力上げてきます(´・ω・`)ノシ

368 :Classical名無しさん:04/05/03 05:15 ID:KbqZ0zuU
|Д`)ダレモイナイ・・・今のうちに投下だー

369 :Shopping of a holiday:04/05/03 05:15 ID:KbqZ0zuU
「こんにちは、先輩。待たせちゃいましたか?」
休日の駅前、サラは待ち合わせ場所で自分を待っていた麻生へと聞いた。
「いや、時間丁度だろ、気にすることない」
おそらく待ち合わせ時間よりも早く来て、待っていたのだろうが、それを表に出さずに気にするなと言ってくれる姿に、サラは自然と笑顔になっていた。
「先輩、行きましょうか」
「・・・ああ」
しかし、サラが何故笑顔なのか解っていない麻生は、その笑顔に少しとまどいながらもうなずき返し、二人は歩き出した。
二人がこうして待ち合わせをして出かける事になったのは、アルバイトの給料が入ったのでサラが「買い物に付き合ってください」と麻生に頼んだからだった。
麻生としても、給料が入って少なからず気分が良かったのだろう。断る理由が特になかったため、こうして待ち合わせをして買い物に付き合うことになった。
「ところで、何を買いに来たんだ?」
駅前にあるデパートに入ってからしばらくして、麻生はサラに尋ねてみた。
「服が欲しいんですけど、こういう所にくると色々目移りしちゃって」
周りの店の色々な物に目を奪われながらサラは麻生の質問に答えていると、何かいい事を思いついたのか突然麻生の方へと向き直った。
麻生はそんなサラの顔を見た瞬間、なにか自分にとって良くない事が起こる予感がした。
「先輩、私の服選んでください」
「な、何いってんだ、女物の服なんて俺にわかるわけないだろ」
サラの言葉に焦る麻生、大方買い物に付き合うといっても荷物持ちをするくらいだと思っていたのだろう。
「先輩の好みで言ってくれればいいですから」
「お、おいちょっと待てって」
麻生の腕を取りどんどん進んでいくサラ。
腕を引かれながら講義の声をあげるも、笑顔のサラには届かなかった。

370 :Shopping of a holiday:04/05/03 05:16 ID:KbqZ0zuU
「先輩、これなんかどうですか?」
婦人服売り場に着くと、サラは気に入った服を見つけては麻生に感想を求めて見せに来た。
しかし、麻生はというと、周りが女性ばかりの雰囲気に耐えかねてかねてか、元々多くは無い口数がさらに少なくなっていた。
「・・・先輩?」
「あ、ああ・・・いいんじゃないか」
「先輩、やっぱり迷惑でしたか?」
「え・・・?」
サラはそんな麻生の態度から自分が迷惑をかけてしまったのかと思い、そう尋ねていた。
麻生は少し悲しそうな表情のサラを見て、悪いことをしてしまったと思った。
「悪い、そんなんじゃないんだ。ちゃんと選ぶよ」
そう言うと、麻生は選び始め、しばらくしてから一着の服を手にサラの元へ戻ってきた。
「お前には派手なのよりも、清楚で明るいな感じの服が似合うと思う」
そう言うと手に持っていた、うすいピンクのワンピースをサラへと渡した。
「きれいなピンク、桜みたい」
サラはそうとう気に入ったらしく、すぐさま試着室へと入っていった。
(ここで知り合いに遭遇なんてことにはならないでくれよな・・・)
試着室の前でサラを待ちながら、そんなことを考えていた麻生、しかし・・・
「あれ、もしかして麻生?」
願いは一瞬で砕かれたのだった。
「す、周防か」
「こんな所で何してんだ、もしかしてデート?」
「ちげえよ、これは・・・」
「先輩、着てみましたけどどうですか?」
麻生が続きの言葉を言いかけた瞬間、サラが試着室のドアを開けて出てきた。
「あれ、周防先輩?」
「あ・・・たしか塚本の妹の友達の」
「サラです、先輩も買い物ですか?」
「ああ、ってなるほどね・・・」
そこまで言うと、美琴はサラと麻生を交互に見てニヤニヤしていた。
麻生はというと、うなだれたまま一人無言だった。

371 :Shopping of a holiday:04/05/03 05:16 ID:KbqZ0zuU
その後、サラは麻生に選んでもらった服を買い、美琴と共に3人でデパート内にある喫茶店へと入った。
「周防先輩と麻生先輩って親しいんですか?」
「そこまで親しいってんじゃないけどさ、なんか麻生ってクールというか無愛想というかぶっきらぼうな感じだろ、だからちょっとからかってみたくなるというか」
「あ、わかりますそれ」
「だろ?なんかちょっと困らせたり笑わせたりしてみたくなるんだよね」
「そういうのは本人の目の前で言わないでくれ・・・」
笑顔で話すサラと美琴に対して麻生はどこかげんなりした様子でつぶやく。
「でも、無愛想でぶっきらぼうだけど優しいんですよね」
「・・・そんなんじゃない」
サラの言葉に答える麻生。その麻生の様を見てサラはまた微笑む。
「周防先輩、この後って時間あったら一緒に周りませんか?」
「時間ならあるけど、あたし邪魔じゃない?」
「そんなことありませんよ、一緒に行きましょう」
「じゃあ一緒に行かせてもらおうかな」
しばらくして、そろそろ清算して行こうかとなったところで、美琴が伝票を取ろうすると麻生が伝票を取り
「いいよ、俺がはらっとく」
そう言うとレジへと向かい3人分の代金を払った。
「ね、やっぱり優しいでしょう?」
「そうだな」
そんな麻生の姿を見たサラは、美琴と共に微笑んでいた。

372 :Shopping of a holiday:04/05/03 05:17 ID:KbqZ0zuU
それから、サラと美琴は色々な店を見て周り、時々麻生に意見を求めたりした。
2時間ほど見て周った後、サラがもう一店だけ見に行きたい店があるというので、最後にそこに向かうことになった。
その時いやにサラと美琴が笑顔だったのが麻生は少し気になったが、深くは追求しなかった。
連れて行かれた先がランジェリーショップだったと気づくまでは。
「先輩、これとかどうですか?」
「ちょっと派手すぎじゃないかな、麻生はどう思う?」
店の中で下着を手ににこやかに意見を求めてくる二人に対して麻生は
「頼む・・・こっちにふらないでくれ」
ついにギブアップ宣言だった。

デパートを出ると3人は駅前に戻りそこで解散となった。
「先輩、今日はありがとうございました」
「あたしも楽しかったよ」
「ああ、ただもう最後みたいなのは勘弁してくれ」
その言葉にさぁどうでしょうと少し意地の悪い顔を浮かべるサラ。美琴も笑うだけで何も言わなかった。
それじゃあと言って分かれる3人、その顔には自然と笑顔がうかんでいた。
特に、選んでもらった服が入った紙袋を胸に抱き帰るサラの足取りは、妙に軽かった。

373 :Classical名無しさん:04/05/03 05:22 ID:KbqZ0zuU
以上です。
なんか流れとは全く違うSSになってしまったなといまさらながらに思ってしまう。
思いつきでなんとなく書いていったんですがなんかキャラの性格とか大丈夫かとか不安なってきた
がんばって技術みがいてうならせるようなSSかけるようになりたいな(;´Д`)

374 :Classical名無しさん:04/05/03 12:03 ID:xvBQ9CvE
>>373
個人的には美琴の言動に少々違和感が(二人に同行したり下着を麻生に見せたり)。
あと、麻生の

「お前には派手なのよりも、清楚で明るいな感じの服が似合うと思う」

というセリフ。
こういう時って、本人前にして「清楚」とか使わない気がする。
すっきりしたとかシンプルなとか、そんな感じで言わない?

375 :Classical名無しさん:04/05/03 17:22 ID:Fxxuq7bM
一応、ちょっとした暇つぶしの方の超姉SSができました。
暇つぶしなので短いのは勘弁。NGワードはTrustです。

376 :To hide her embarrassement:04/05/03 17:24 ID:Fxxuq7bM
「刑部先生は職員会議に出なくてもいいんですか?」

 美術室でキャンバスに向かい筆をとっている同僚に、葉子はその身を
案じずにはいられなかった。その気使いを察しながらも、その同僚、刑
部絃子は肩を竦めただけで、答えるそぶりをまるで見せずにいる。

「もう、ちゃんと答えて下さいよぉ」

 何でサボっちゃったりしたんですか――こちらを振り向きもしない彼女
の背に、葉子は恋人に甘えるような口調で声問い掛ける。しばらくはその
声を無視していた絃子だが、そのあまりのしつこさに閉口する。

「何、わざわざ出る意味がないということだよ」

 顔を前に向けたままそれだけを言って、もうこの件について語ることは
何もないと言わんばかりに絃子は筆を荒々しくキャンパスへと塗りつける。

「……もしかして、怒ってます?」

 彼女の頑なな態度に、葉子はそう考えずにはいられない。それも当然か
もしれない。何しろ、彼女の被保護者で同居人で従弟の播磨拳児が保健室
の養護教諭を押し倒したということが今回の議題なのだから。だが女の、
否、親友の感というものだろうか。いつもと違う絃子の怒りを。そして
それとは違う別種の何かを葉子は感じ取っていた。

「出る必要がないって、どういうことなんです?」

 何か聞いてばかりいるな――心の中で苦笑を浮かべながら、葉子は親友
へと何度目かの問いを口にする。やれやれと言わんばかりのため息を大き
くついてから、絃子はようやく葉子へと体を向けた。
「何、言葉通りの意味さ。時間の無駄となるのがわかっていてあの退屈な
 会議に耐えられるほど、私は忍耐強くないからね」

377 :To hide her embarrassement:04/05/03 17:25 ID:Fxxuq7bM
 顔を前に向けたままそれだけを言って、もうこの件について語ることは
何もないと言わんばかりに絃子は筆を荒々しくキャンパスへと塗りつける。

「……もしかして、怒ってます?」

 彼女の硬い態度に、葉子はそう考えずにはいられない。それも当然かも
しれない。何しろ、彼女の被保護者で同居人で従弟の播磨拳児が保健室の
養護教諭を押し倒したということが今回の議題なのだから。だが女の、否、
親友の感というものだろうか。いつもと違う絃子の怒りを。そして、それ
とは違う別種の何かを葉子は感じ取っていた。

「出る意味がないって、どういうことなんです?」

 何か聞いてばかりいるな――心の中で苦笑を浮かべながら、葉子は親友
へと何度目かの問いを口にする。やれやれと言わんばかりのため息を大き
くついてから、絃子はようやく葉子へと体を向けた。

「何、言葉通りの意味さ。時間の無駄となるのがわかっていてあの退屈な
 会議に耐えられるほど、私は忍耐強くないからね」

「……無駄?」

「そう、無駄」

 この話はこれで終わりだ、と今度は態度ではなく口で示してから、再び
絃子は葉子へと背を向けた。その背に、そして、わずかに赤くなっている
彼女の耳に、ようやく葉子は先程から感じていた違和感の正体をようやく
見つけ出すことに成功する。

378 :To hide her embarrassement:04/05/03 17:27 ID:Fxxuq7bM

「ふふん、つまり刑部先生は――」

 そう言って、葉子はそこでわざと言葉を切った。

「……何だ」

 あまりの意味深な口調に、これ以上は反応しないと決めていた絃子が思わ
ず続きの言葉を促してしまう。

「播磨君のことをよほど信頼しているんですね」

 葉子のその言葉に、絃子は彼女の予想以上の狼狽振りを披露してくれた。

「な、なななな何を言ってるんです、笹倉先生!!」

「だって……刑部先生は怒ってたじゃないですか。
 ――彼が信じられていないことを怒るぐらいに」

 普段見せない絃子の様子に気を良くしていた葉子は、ここぞとばかりに
彼女を煽り上げようと追撃の手を緩めずに攻め立てる。

379 :To hide her embarrassement:04/05/03 17:37 ID:Fxxuq7bM
「そ、それは自業自得だ。
 あいつは不良なんだ。普段の行動が褒められたものじゃないくせに都合の
 良い時だけ信じてもらおうと思うこと自体が間違いなんだ!!」

「きゃっ、顔を赤くして『あいつ』ですって。ずいぶんと親密なんですねぇ」

「顔を赤くさせているのはお前だろうが!!」
 
 普段冷静な絃子の取り乱した様を見ながら、葉子は詰め将棋をやっているよ
うな感覚を覚えた……無論、彼女は詰め将棋などやらないし、いつもの絃子な
らばこのように手玉に取ることもできないが。そんな思考を抑えて、葉子は詰
みの一手、止めの言葉を投げかける。

「もう、播磨君を信じてることをそんなに照れなくったっていいじゃないですか」

「―――――――――っ!!」

 そう告げながら浮かべた葉子のその笑顔に、喉で準備されていた言葉が胸の
奥へと押し込まれる。だが、その言葉を発しようとしていた口だけは、動きを止め
ることはできず、絃子はまるで金魚のように息をすることしかできなかった。

「あら、どうしたんです、刑部先生?」

 絃子を黙らせた笑顔を浮かべたまま、こちらへとにじり寄ってく葉子の姿を視界に
納めながら、こうなるのなら、退屈でもなんでもいいから、職員会議にきちんと出て
おくべきだったと絃子は軽い後悔を覚え始めていた。
                        ――END――

380 :Classical名無しさん:04/05/03 17:42 ID:Fxxuq7bM
と、こんな具合です。
いろいろと被ったネタとか、次回に持越ししたりしたネタとかを削ったから
だいぶ話の展開が急になってますね。
お遊び感覚で書いたものですが、こんな下手糞見せんな(゚Д゚)ゴルァ
ってな人は、どこが悪いか指摘してくれると小躍りして喜びます。

381 :Classical名無しさん:04/05/03 18:04 ID:KbqZ0zuU
>>374
意見ありがとうございます。
書いた時はサラ麻生に誰かからませたくて、晶と美琴どっちにしようと思ったけど結局
美琴にして書いたんですが、自分で読み返してみると確かに美琴の言動にちょっと違和感が_| ̄|○
イメージ的にはサラと共謀して二人で麻生をいじりまくるといった感じだったんですが
イメージを文章にするのはなかなか難しいものですね。

サラに対する麻生の台詞は、指摘されたとおりまさしくそれだっΣ(゚Д゚)
という感じです。
めげずにがんばって精進します('▽')ゞ

382 :Classical名無しさん:04/05/03 18:15 ID:VYocZ.72
>>380
GJ!
絃子さん(・∀・)カワイイ
それにしても笹倉先生も黒いですねw

383 :Classical名無しさん:04/05/03 18:44 ID:9JzQ69yQ
投下します。
縦笛SSです。 m(__ __)mよろしくお願いします

384 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:45 ID:9JzQ69yQ

「花井、美コちんって好きな奴いんの?」
 花井が教科書をカバンから取り出し、机にしまっている所に、今鳥が話しかけてきた。
 朝の挨拶も何も無しに、いきなりこれである。
 花井は呆気に取られた。
「何故、僕に周防の好きな奴を聞くんだ」
 今鳥は、ハァ? といった表情だ。
「花井は幼馴染みだろ、美コちんと」
 
 花井と周防。
 もうほとんどの人が、この二人は幼馴染みだと知っている。
 かたや質実剛健、努力家。
 かたやさっぱりした性格、クラス一の人望がある。
 傍から見れば、完璧な二人だ。
 同じ道場で小さい頃から修練を重ね、一緒に育ってきた二人。
 普通なら浮いた噂の一つ位ありそうな物だが、それは無い。
 何故かと言うと。

385 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:45 ID:9JzQ69yQ
「僕は塚本君以外の女性には興味は無いからなー」
 
 これだ。
 この男は塚本天満の妹、塚本八雲に恋焦がれている。
 一方的に。
 よって、一番身近にいる、一番自分を理解してくれる女性に気づいてないのだ。

「急にどうした今鳥。周防の好きな奴なんて」
「海に行った時聞いたんだよー。好きな人がいるって」
「ほう」
「あーあ、無駄足だったなぁ……」
 そう言いながら、今鳥は自分の席へ戻った。

386 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:46 ID:9JzQ69yQ
 

(周防の好きな奴か……)
 知らず知らずの内に、幼馴染みの事を考えている花井。
 この男、考え出すと止まらない。
 他の事が手につかなくなる。
「……ら、花井。」
「……」
「……こら、聞いてんの?」
「…………」

 ドカッ

 上段回し蹴りが花井の顔に直撃した。
 放ったのは周防美琴。
「〜〜〜!!! 何をする周防!」
「練習中にぼけーっとすんな」
「……ああ、そういえば練習中だったな、すまん」
 美琴は花井の顔を覗き込む。
 どこか上の空。
「お前、学校いる時からずーっとそうだったな」
 更に続ける。
「なんか考え事?」
 花井は、うーむ……と一言。
 つかつかと道場の端に座り、自分の真横の床を指でチョンチョンと叩いた。
 座れ という意思表示だろう。

387 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:47 ID:9JzQ69yQ
 美琴はちょうど向かい合わせに座った。
 汗をタオルで拭いながら、花井の顔をじっと見る。
「周防」
「ん……?」

「好きな奴はいるか?」

「な、な、な……!!!」
 
 美琴は驚いた事だろう。
 なにせこの男は、一日中幼馴染みの好きな人について悩んでいたのである。
 この男の事だ、周辺にいる男を一人一人当てはめていったに違いない。

388 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:48 ID:9JzQ69yQ
「まあ、僕も色々考えてみたんだがな……」
 もう美琴は、どうすればいいのかわからない。
 花井は美琴の動揺に気づく事なく、話を続ける。
「まず、今鳥は無いだろう。態度見てれば分かる」
「う、うるさいな……」
 なんだかんだ話を聞く美琴。
「播磨……は、絶対ありえん、有り得ては駄目だ」
「なあ、何で播磨だけそう目の敵にするんだ?」
 花井は……知らんでいい、と言ったきり次の話に移った。
「麻生……は」
「なんで麻生が出てくるの」
「そ、そうか」
 
 そんな小学生みたいなやりとりが五分程続いた。
 傍から見てればいちゃついたカップルなのだが。

389 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:52 ID:9JzQ69yQ
 あらかた男の名前を言い尽くした花井。
 もう思い当たる男はいない。
 美琴はどれも違うという。
 さて、どうした物か。

 実は花井、二人の男の名前をまだ言ってない。
 一人は自分自身。
 これを言ったらどんな反応をするか楽しみではある。
 花井は試しに言って見た。

「僕か」
 
「……まあ、あんたはそれなりに……好きだけど」

「……そうか……は?」

「い、いや、だから……その……幼馴染みとして……ね」


390 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:56 ID:9JzQ69yQ
 花井、まさかこんな反応をするとは思っても見なかった。
 かなり赤面している。
 勿論美琴もだ。
 早いところ話を切り替えて、この気まずい雰囲気を打開せねばと思う花井。
 しかし、まだ一人。
 ただ一人だけ、残っていた。

 
―――神津正弘―――

 言うべきか、やめるべきか。
 この男は一番最初に一瞬だけ、頭に浮かんだ。
 一瞬にも関わらず、深く残った。
 中学時代、美琴は神津の事をただの家庭教師と、花井に言っていた。
 しかし、花井にしても他の人からしても、美琴にとって『ただの』家庭教師ではないと言うのはのは分かっていた。
 それは恋というより、憧れ。
 しかし、少し前に先輩がこっちに帰ってきていた。
 その時、知り合いの人に聞いたのだが、先輩は彼女をつくっていた。
 もしも……もしも、周防の好きな人が先輩だったら。
 花井はその事でも悩んでいた。
 あえて言うのを避けていた。

391 :THOUGHTFULNESS:04/05/03 18:57 ID:9JzQ69yQ
 一方、美琴。
 花井が神津の名前を出さないので、少しホッとしていた。
(花井は覚えちゃいないだろうし)
 
「周防、最後に一人……」
 一瞬にして美琴は青ざめた。
 まさか、あの人の名前が出るのか?

「……いや、なんでもない」
「……」
 花井は立ち上がった。
 外していた眼鏡をかけ、美琴に立つ様促した。
「鍋パーティーの時間だ。行くか」
「あいよ」
 花井は歩いていく。
 ゆっくりと歩いていく。

「花井」
「なんだ?」
「いまでも塚本が好きか」

「……当然だろ?」
「……それで良し」
「なんの事だ」
「深い意味はないよ」

392 :THOUGHTFULNESSwo:04/05/03 18:59 ID:9JzQ69yQ
:UMBRELLA

393 :THOUGHTFULNESSを書いた人:04/05/03 19:01 ID:9JzQ69yQ
>>392のは投稿ミスです。 すいませんでした。

すこし上でUMBRELLA (天満×烏丸)を書いた者です。
縦笛展開という事で、こんな形で終わりました。

批判、意見、指摘。 よろしくお願いします

394 :Classical名無しさん:04/05/03 20:38 ID:le2e0RGc
>>383
GJ!
ただ美琴さんが煮え切らなすぎかと
全ての可能性を残してる面ではありだけど
縦笛展開である以上もっとやんちゃしてもいいかなと
私はこれぐらい甘くても好きですが!

>>375
GJ!
原作にこだわって
イトコさんが「めんどくさそうだったからな」から入り
笹倉先生が「反論したくなるからですか?」
みたいなてんかいにもっていってもよかったのでは?

えらそうにごめんなさい、聞き流されても結構です

395 :ガッツ名無し尊 ◆p5/i0e2. :04/05/03 20:39 ID:xXRJoKaQ
age

396 :Classical名無しさん:04/05/03 21:49 ID:oQgVc1zw
>Early summer rain
>>367 頑張ってください!
こういう硬い文章は強調したいシチュでピンポイントに使えると効果的と思います。

>Shopping of a holiday
GJ!!サラ×麻生に加え美琴の絡みもヨカターヨ・゚・(ノД`)・゚・!
個人的にかなりツボですた。

>To hide her embarrassement
黒い笹倉先生にニヤリ(・∀・)ニヤニヤ
ただイトコさんがここまで取り乱すかな、というのは少々気になりました。

>THOUGHTFULNESS
イイネイイネー 縦笛はそれほど好きじゃないけど、すらっと読めました。
話の運びが自然でいいですね。
ただ終わり方というか、落とし方がちょっとしっくりこないです。

長文レスすみませぬ(-人-;)(;-人-)
聞き流していただいて結構です。

397 :Classical名無しさん:04/05/03 22:09 ID:Fxxuq7bM
>>394
ごめんなさい、もう資源ごみに出してその号のマガジンが手元になかったんですOTL
播磨を身内として信用している絃子という点だけでも感じてくれたら幸いです。
>>396
話に違和感を持ったことを言ってもらえると、作品を見直す機会が持てるので
バンバン言ってくだちい。違和感のない話作りはキャラを借りている二次創作
では必須スキルなもので。

しかし、笹倉先生は黒いのかぁ……ものすごく微笑ましく描写したつもりが
まるで別方面になっちまったw

398 :Classical名無しさん:04/05/03 22:42 ID:UgAIDS4Y
確かに絃子先生取り乱しすぎかな、とは思った。

399 :Classical名無しさん:04/05/03 23:17 ID:ezICyu5E
おにぎりみたい

400 :Classical名無しさん:04/05/04 00:15 ID:R8KQtcVs
取り乱す絃子さんも(*´Д`)ハァハァ ですよ

401 :Classical名無しさん:04/05/04 03:19 ID:fjGCxdoI
>>168

続き読ませてもらいました〜
いや〜こんな展開でくるとは・・・予想してませんでした。
過去話いいですね〜
続き期待しています。

私も縦笛SS支援の為に、1つ書いてみました。(まだ未完成ですが(^^;)



402 :騎馬戦:04/05/04 03:20 ID:fjGCxdoI
騎馬戦が始まって約10分後
全体の約3分の1が脱落していた・・・
特に、D組のララ・ハリー騎はまったく相手を寄せ付けない強さを見せていた。
その状況を遠くから見ていた美琴・麻生騎は・・・

「ふぇ〜、アイツらむちゃくちゃだな・・・」
ララ・ハリー騎が通った後に、やられた他の騎馬たちの残骸が並んでいる・・・
その状況を見ていた美琴が麻生に相談する
「どうする?早めに潰しとくか?」
「いや、数を減らしてからじゃないと、こっちが周りに足下をすくわれる」
「わかった」
「さすがに状況判断が早いな・・・」
「いや、俺たちは花井の作戦通りにやってるだけさ・・・」
「えっ?」
「それに、騎馬の編成も花井が考えて決めたみたいだしな・・・まぁ、人によっては文句言ってたヤツもいるみたいだが・・・」

どうやら、この騎馬戦での作戦は花井が考えたらしい・・・それほど勝ちにこだわっているのだろう。
D組のハリーたちに勝つには、最強の騎馬を1騎作るよりも、バランスのとれた騎馬を数騎作って数で攻めようというのが花井の考えらしい

「そうだったのか・・・まぁアイツらしいといえば、アイツらしいけど・・・」
「まぁ、仮にクラス最強の騎馬を1騎作るなら、俺・花井・播磨で下を固め、上は周防・・・っていうのが1番ベストだと花井が言ってたよ」
「えっ、アタシ?・・・一条とか沢近とかいるのに?」
「よくわからんが、花井のヤツは周防をかなりかってたからな〜」
「でも、そこまでかってる周防を何で自分の騎馬に入れなかったんだ?・・・アイツの騎馬には一条が乗ってるんだろ?」
「さぁ?・・・でもアイツにはアイツなりの考えってのがあるみたいだから、アタシはどうこう言うつもりはないけどね」
「さすが、長い付き合いだけあってお互いのことがよくわかってるみたいだな」
「ふふっ、そういう事にしといてやるか」
美琴は少し照れた顔をしながら、ハチマキを奪いに他の騎馬に向かっていく


403 :騎馬戦:04/05/04 03:21 ID:fjGCxdoI
一方、一条・花井騎は・・・

「うむ・・・みんな順調みたいだな」
「そうですね・・・私たちも負けていられませんね」
現在の状況を見て花井が言う。そういう一条・花井騎も着々と戦果を上げていく・・・ただいま七騎撃墜
「この僕が編成したんだ・・・間違いはないはずだ」
この編成を組んだ花井が少し自慢げに言う。
「やはり、僕と一条くんのとこと、周防と麻生のとこが予想通りの戦果を上げているからな」
「そうですね。・・・でも、花井さんは周防さんと組まなかったんですか?」
「え?なんだい、いきなり」
一条の不意な質問に花井が少し驚く。
「塚本さんに聞いたんですけど、花井さんと周防さんは、昔からの幼馴染なんですよね?」
「あぁ・・・そうだが?」
「・・・だったら、私と組むより周防さんと組んだ方がよかったんじゃないんですか?」
「その方がもっと効率よくいけているはずなのに・・・」
確かに、一条の言うとおりである。
花井と美琴は、昔からの幼馴染であり、お互いの事は誰よりもわかっているはずだからである。
なのに、なぜ自分と組んだのか・・・ずっと不思議に思っていたのだ。
「たしかに・・・一条くんの言う事も確かだ・・・」


404 :騎馬戦:04/05/04 03:21 ID:fjGCxdoI
花井と一条が話し込んでる間にも、美琴・麻生騎がハチマキをドンドン相手から奪っていく。
B組の達磨3兄弟の騎馬が出てきた時も、美琴の指示のもと麻生たちが相手の足元を崩し見事撃墜。
驚くことに、美琴と麻生のコンビネーションは花井の予想以上に息が合っている。まさに向かうとこ敵なし状態である。
それに、美琴もうれしいのか麻生に抱きついて喜んでいる。

「すごいですね・・・あの2人・・・息もピッタリで・・・」
「あぁ・・・そうだな・・・」
「(まさか・・・ここまでやるとは・・・僕の予想以上だ・・・)」
「周防さんって、結構大胆ですね・・・麻生さん・・・というか男性にいきなり抱きつくなんて」
「アイツ・・・まだ競技中なのに、何考えてるんだ・・・まったく・・・」
「花井さん?」
「(・・・それに何を、気にしているんだ僕は・・・僕には八雲くんという想い人がいるじゃないか・・・)」
「(・・・でも・・・なんだ・・・このモヤモヤした感じは・・・)」
美琴と麻生の息のよさを関心しつつも、なぜかどこかやるせない気持ちを感じる花井であった・・・

「花井さん、どうかしたんですか?」
「いやっ、なんでもないちょっと考え事をしてただけだ」
「よし!僕たちも、周防たちに負けないようにハチマキを奪いにいくぞ」
「はい!」


405 :騎馬戦:04/05/04 03:22 ID:fjGCxdoI
再び気合を入れた一条・花井騎は、いつの間に組んだのか・・・それ以前にルール的に問題ないのか・・・
目の前に組まれたA組のピラミッド騎馬に向かっていく・・・
そして・・・一条がピラミッド騎馬を駆け上りあっという間にA組のハチマキを全部奪い取って、飛び降りてくる・・・
その飛び降りてきた一条を、絶妙のタイミングで花井たちの騎馬が受け止める・・・
こちらも、なかなかのコンビネーションのようだ
一方、その様子を見ていた美琴たちは・・・

「花井と一条も結構やるな〜」
「あぁ・・・見事なコンビネーションだ」
「花井がうまく一条をサポートしているな・・・それに一条も花井の指示通りに動いているみたいだし」
「なぁ、あの2人そんなに親しかったのか?」
「さぁね。アタシに聞かれても困るよ」
「(・・・ったく、花井のヤロー・・・アタシと組んでればもっと効率よくいけてるはずなのに・・・・・・なんで、一条と組んだんだ)」
「(・・・いやいや・・・待て待て・・・なんでアタシがそんな事、気にしなくちゃいけないんだ)」
「(それに、アイツが決めたことだし・・・)」

口では気にしてない素振りをしているものの、内心、花井と一条の様子が気になるのか、2人の息のよさに何処となくやるせない気持ちになる
その事に気づいたのか、麻生が美琴に語りかける

「ん・・・どうした?花井たちが気になるのか?」
「なっ、そんなんじゃねぇよ!!」
「何ムキになってるんだ?」
「だぁぁぁぁ〜うるさい!・・・もう次行くぞ次!!」


406 :騎馬戦:04/05/04 03:22 ID:fjGCxdoI
美琴と麻生が色々と言い合っていた頃、花井は一条を受けて止め、次の行動を相談していた

「よくやったな一条くん!」
「いえ・・・花井さんも絶妙なタイミングで受け止めていただき・・・」
「これでA組は全滅だ!」
「だいぶ、数が減ってきてますね。」
「うむ。ここから先は、本当に強いヤツしか残っていないだろうから。慎重にいかないとな・・・」
「さて、他の連中はどうなっているんだ」

花井が周りの状況を確認する。
一条・花井騎と美琴・麻生騎の活躍もあり、敵の残りも数騎だけになっていた。
ちなみに、C組で残っているのは、一条・花井騎、美琴・麻生騎、沢近・播磨騎、天満・奈良騎・・・そして・・・舞・今鳥騎、とまだ結構残っている

「うむ・・・まぁ、だいたい予想通りの連中が残ってるな・・・これなら」


その状況を少し離れた所から見ていたララ・ハリー騎と東郷騎は・・・

「さすがダナ・・・イチ・ジョー・・・ミコチン・・・」
「アァ・・・なかなかやってくれる・・・」

ララ・ハリー騎・・・今大会最強と呼び声高い騎馬・・・当然こちらも、ハチマキを奪い・・・いや、相手をつかみ振り落としていき戦果を上げている・・・

「どうする・・・?ハリー・・・C組のやつらまだ結構残ってるぞ」
「ウム・・・そろそろ頃合いか・・・」
「・・・まず、あの2騎の内の1騎を潰しに行く・・・C組で脅威なのはあの2騎だからな」
「ソウダナ・・・さすがに、アノ2騎を同時に相手にするのは骨ダカラナ・・・」
東郷とハリーがなにやら相談している。
どうやら、美琴・麻生騎と一条・花井騎のどちらかを先に潰す作戦のようだ

407 :騎馬戦:04/05/04 03:24 ID:fjGCxdoI
そして、騎馬戦も終盤になり、残っているのは10騎を以下になっていた


「よしっ、だいぶ数が減ってきたな・・・そろそろヤツらに仕掛けるか?」
「そうだな・・・この数なら、他のヤツらに邪魔されることもないだろう」
「あぁ、それに残りの数ではアタシらの組が勝っているしな」
「よし。そうと決まったら行くか」

美琴と麻生が相談している間にララ・ハリー騎が美琴・麻生騎に向かって近づいてきていた

「どうやら、向こうもこっちが狙いみたいだな」
「そりゃ、好都合・・・こっちも一気に行くぞ!!」

美琴・麻生騎とララ・ハリー騎の交戦が行われている場所から少し離れた場所では、一条・花井騎と東郷騎が交戦していた・・・

「今日こそ。決着をつけるぞ!!」
「それは、こっちのセリフだ!!」
「あの?」
「毎回毎回。僕のセリフを取りやがって!!」
「あの〜」
「どうした、一条くん?」
「えっと・・・もう相手のハチマキ取っちゃいましたけど・・・」
「「へっ?」」
2人は、あっけに取られたような顔をして一条を見る・・・
どうやら、花井と東郷が口論している間に一条が相手のハチマキを奪っていたようだ・・・
そして、我に戻った花井が東郷に言う

408 :騎馬戦:04/05/04 03:26 ID:fjGCxdoI
「ふっ、どうやら僕の勝ちのようだな・・・」
「くっ、今回は俺の負けを認めよう・・・だが!!・・・最後のリレーでは・・・」
「僕たちが勝つ!!」
「なっ、先に言われた・・・」
「ふふふふ・・・やっと言えたぞ。」
勝ち誇った顔をした花井が東郷に向かって言い放つ

東郷を倒した一条・花井騎が、美琴・麻生騎とララ・ハリー騎が交戦しているのを見つける
「さて、これで残りはヤツだけだ。一条くん、行くぞ」
「あっ、待ってください。周防さんたちがララたちと・・・」
「ん・・・どうやら周防たちは、苦戦しているようだな・・・」
「そうみたいですね・・・早く、周防さんたちの援護に行かないと」
「よし。周防たちと協力してヤツらを倒すぞ!ヤツらがいなくなればD組は倒したようなものだ」
美琴・麻生騎の援護に向かう一条・花井騎


その頃、ララ・ハリー騎と交戦中の美琴・麻生騎は・・・

「周防、大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫。まだまだ、これからさ」
押され気味の美琴を心配する麻生。美琴は麻生に心配かけさせないために、無理に強がってみせる


409 :騎馬戦:04/05/04 03:27 ID:fjGCxdoI
「くっ・・・(コイツ・・・思ってたより強い・・・このままじゃ、やられる)」
「どうした?ミコチン・・・もうおしまいか?」
ララに圧倒される美琴。しかし、このままではやられるのは時間の問題だ。
「周防!!」
「周防さん!!」
一条・花井騎がララ・ハリー騎に向かってくる!!
「イチ・ジョー!!」
「花井!!」
「ララ・・・イマダ」
美琴の一瞬の隙をついてララが美琴の腕をガッチリとつかむ
「しっ、しま・・・」
「もらった!!」
ララが、腕をつかんだ美琴を力任せに一条たちに向かって投げつけてくる。
一条・花井騎に投げられた飛ばされた美琴が近づいてくる。
「あぶない!!」
「くっ(どうする・・・)」

次の瞬間、一同が目にした光景は・・・

410 :騎馬戦:04/05/04 03:29 ID:fjGCxdoI
「ん・・・」
美琴が目を開けると・・・
「はっ、花井!!」
一条と美琴がぶつかる瞬間、花井はとっさに騎馬を崩し美琴を受け止めていたのである。
そして、花井と一条が美琴に話かける。
「周防、大丈夫か?」
「えっ、あっ、あぁ・・・大丈夫だけど・・・」
まだ、何が起こったのか状況が把握できていない様子で美琴が言う
「よかった。」
「たしか・・・アタシは・・・一条たちの方に投げ飛ばされたはずだよな?」
「そうです。ぶつかる寸前、花井さんが周防さんを受け止めたんですよ。」
「しかし・・・間一髪だったな・・・よくあのタイミングで受け止めれたもんだ」
麻生が驚いた顔で言う。
確かに、あの状況では、受け止めるかよけるしかなかった・・・それも、一条でなく花井が受け止めたのである。

「まったく・・・世話のやけるヤツだ・・・」
「うっ、うるさい!!・・・ッテテ・・・」
「どうした?どこか痛めたのか?」
「いやっ、大丈夫・・・たいしたことないって・・・」
少し強がって見せて心配させないように、振舞う
どうやら、腕を痛めたようだ
その様子を見て一条が、花井に美琴を保健室に連れて行くように言う


411 :騎馬戦:04/05/04 03:30 ID:fjGCxdoI
「あっ、花井さん、周防さんを保健室に連れて行ってあげてもらえますか?」
「ん・・・あぁ・・・かまわないが」
「えっ、いいって・・・アタシは大丈夫だから」
「ダメですよ。たいしたことないって思ってても、一応は診てもらわないと・・・」
「・・・でもよ・・・」
「それに、保健室くらい1人で行けるって・・・」
「なんだ・・・僕が一緒だと恥ずかしいのか?」
「・・・なっ、何言ってるんだそんな訳ないだろ!!」
「ったく・・・わかった・・・わかったよ・・・行けばいいんだろ」
図星を言われたのか、頬を赤く染める美琴
結局、花井と一条に言いくるめられる感じで、保健室に連れていかれる事になった・・・
そして、保健室に着くまでの間、美琴は終始無言だった・・・



412 :Classical名無しさん:04/05/04 03:41 ID:fjGCxdoI
どうも、今回初めて書かせてもらいました。

原作の、騎馬戦の今後を縦笛展開に持っていってみたく書いてみました。(途中までですが(^^;)
まだまだ、勉強不足な所もあり申し訳ないですが、これからがんばって文章力等を上げていきたいと思ってますので
どうぞみなさんよろしくお願いします。

これの続きは、次のマガジンが発売されるまでには完成させて書き込む予定です。

413 :Classical名無しさん:04/05/04 09:49 ID:KnUk4RFc
>>412
´∀`)b” GJ!

俺も実は美琴がララ、もしくは天王寺に吹き飛ばされた時、
花井は思わず助けちゃうんじゃないかなぁと妄想しとりました。
そういう訳で、お前は俺かと小一時間(ry

414 :Tomorrow never knows_1:04/05/04 15:18 ID:JJUpa486
「ありがとうございました♪」
いつも笑ってる何でもそつなくこなす奴――麻生広義にとってサラ・アディエマスという少女はそのように見ている人物であった。
バイト先の中華料理屋での同僚として数ヶ月、見た目も可愛らしく人当たりの良いサラはバイト先での人気者である。
元来世話焼きなのだろうか、客に対してのサービスも行き届いているし、何より笑顔を絶やさぬ対応は相手に好印象を持たせるのに
十分過ぎるだけの効果を持っていた。
―――あの愛想の良さってのは天分の物なのかね――― 麻生は皿洗いをしながら軽くサラに目をやった。
麻生は愛想が良いとは言い難い――自分でも判っているのだが性格というものは中々簡単に変えられるものでは無い。
客の入りもピークを終え、賑やかだった店内が少し落ち着きを取り戻している中、残された大量の食器や調理器具を
手馴れた手付きで――実家が中華料理屋でずっと手伝わされていたのだから手馴れて当然だ――洗っていく姿は様になっている
 「あ、手伝いましょうか?」
ホールから調理場に戻ってきたサラは大量の食器と格闘している麻生を見るとこちらに向かってくる。既に手伝う気満々らしい
 「良いからお前は座って休んでろ」
自分でも愛想の無い受け答えだとは思うが、食器の束を片付けながら答える
 「でも沢山あるんだし一緒にやったほうが早いですよ。ちょうど今お客さんの方も落ち着いてきましたし」
しかしサラは手伝う気が変わらないらしい。だがここで引く訳にはいかない
 「この程度なら俺一人で十分なんだよ。お前は少し休んでろ」
 「でも、悪いですよ」
 「さっきまでずっと働き詰めだったろ。無理されても困るんだよ、だから休んでろ」
サラ・アディエマスは人気者である。だから常に客の相手に追われる事になる。それに対しても全力で対応するのだからかなりの疲労があるはずだ
しかしサラはそれを表には出さない。無理をしてでもやろうとする――
ほっとけねぇ奴だ――麻生はサラを椅子に座らせ休ませるとペースを上げる。サラが気を使わずに済むように、無理をしないで済むように
つまり、麻生広義という少年はそういう人物なのだ――

415 :Tomorrow never knows_2:04/05/04 15:21 ID:JJUpa486
 「さっきまでずっと働き詰めだったろ。無理されても困るんだよ、だから休んでろ」
何処と無くぶっきらぼうな言い方でサラは座らされ、休憩しながらさっきの言葉の主の背中を見ていた
サラ・アディエマスという少女は実際は無理な事はしない。自分の力量を見極め、出来る範囲で出来る事をする少女である
しかし、座って休憩してみるとかなり疲れている事を自覚する
――やっぱり見ていてくれたんだ――仄かな嬉しさが胸をよぎる
不器用な人――サラ・アディエマスにとって麻生広義と言う人物はこの一言に尽きると言っても良いだろう
流れるような手付きで食器の山を片付けていく姿を見ながらサラは優しげな笑顔を浮かべていた
 「ねえ、先輩」
 「なんだ?」
 「ありがとうございます」
 「ああ」
素っ気無い返答。優しい人なのにその優しさはいつも判り難い。相手が気がつかないような優しさで支えようとして、それを伝えようともしない
あの時だってそうだった――マスターの出産騒動 あの時は結局間違いだったのだが――
自分でも出来るとは思わなかった――実際に無理そうだと思ったのは客が増えてからの事だが――が最後まで出来たのはこの人の御蔭なのは間違いない
あの時初めて実家が中華料理屋だと言う事を聞いた時には驚いたし、何よりマスターより美味しい料理を作ってしまうのには驚いた
・・・そんなことマスターには言えないけど
自分でも料理はそこそこ出来る自信はあったが、あれだけの量の中華料理を作るのには予想以上に体力が必要なのだとは知らなかった
あの時反対していたのはきっとその事を知っていたからなんだと今思えば判るのだが、何とかなるって思っていた自分が甘かった
初めに団体客が入ってきたが最後までやってみれば特に客の入りが多かった訳でもないのだが、2人でやるのは予想以上に大変だった
でも言い出した以上はやるしかない――そう思って頑張っていたのだが、結局頼りっぱなしの形になってしまった
あの人の優しさに気がついたのはあの時からだろうか――振り返ってみれば色々支えてもらっていたり助けてもらっていたのだ

416 :Tomorrow never knows_3:04/05/04 15:22 ID:JJUpa486
それを誇ることも恩に着せるでも無く何も無かったようにしてる麻生広義という人物はやはり不器用と言えるであろう
もうちょっと表に出せば良いのに――とサラが思うのも不思議ではない
整った顔立ちをしているし、学業も運動もトップクラスの割には女子から騒がれる事無く陰の実力者として甘んじて居るのも
その不器用さの所為でもあり無愛想の所為であるとも言える。本人的には今のポジションで満足しているのだが――
サラは勿体無いと思いながらも誰も知らない一面を知っているという事実に嬉しさも感じながら麻生を眺めていた――

 「それじゃあお疲れ様ネ」
 「お疲れ様でした」
 「お疲れ様」
店も閉店時間を過ぎ、後片付けや明日の仕込みも終えて仕事が終わり、着替え――チャイナドレスが仕事着なのだ――
を終えたサラと共に挨拶を終えると麻生は
 「行くぞ」
とサラに声をかけると歩き始める
 「先輩、ちょっと待ってくださいよー」
サラが少し早足で追いかけてくる
少し速度を緩めてサラに合わせながら麻生はサラと共に歩き始める。麻生は共に終わりが遅くなった時は出来るだけサラを送るようにしていた
日が落ちるのが遅いとは言え閉店を超えたら既にもう真っ暗なのは変わりないし、何よりサラは美人である
柔らかな金髪に物腰の落ち着いた雰囲気と優しさが表に出たような顔立ちは良くも悪くも人目を引く
この町にそういう奴が居るとは思いたくも無いが先日実際変質者が現れ逮捕されたという事もある。
仮にそういう目にあったとしたら周防ならともかくサラには対処出来るとは思えなかったし、何より――気に入らない――
と言う事もあり、サラも――何かあったら怖い――と言うのはごく普通の女の子として思っていたので送ってもらう事にしていた
帰り道での会話はサラが話しかけ、麻生が答える――と言う形が殆どだし、それほど会話頻度がある訳でもないのだが
その姿はどう見ても恋人同士の様に見える。本人達に聞けば否定する所が意識せずとも似合っている。という所だろうか

417 :Tomorrow never knows_4:04/05/04 15:24 ID:JJUpa486
 「先輩、今度教会の方にも来てくれませんか?皆も会いたがっているんですよ」
 「・・・子供の相手は苦手なんだよ」
 「そんな事言わないで、この前の時だって皆楽しんでましたよ」
 「俺は振り回されてただけだ」
 「好かれてる証拠ですよ」
 「好かれてるってのはお前の事だろ」
 「先輩も好かれてますよ、本当ですって」
 「んで、今度は何を手伝う事になるんだ?」
 「皆と一緒に遊んでほしいんですよ」
 「それだけじゃ無いだろ。力仕事か何かがあるんじゃねぇのか」
 「・・・花壇の土の入れ替えとベットの修理が」
 「やっぱりな」
 「駄目ですか?」
麻生の顔を見上げるサラの顔は残念そうで悲しそうな表情を浮かべていて、それを見てしまった麻生は顔を逸らしながらも
 「・・・今度の休みで良いならな」
と答えるとサラは嬉しそうな顔をして
 「じゃあ、その時は高野先輩から教えてもらった紅茶とお菓子を用意してますね」
と答えるのだった。

418 :Tomorrow never knows_5:04/05/04 15:25 ID:JJUpa486
そして2人がサラの家の前に着き、送り終えた麻生が自分の家へと引き返そうとした時に
 「先輩、サラって呼んでください」
唐突にサラが言った
 「な、なんでだ・・・?」
疑問を隠せない麻生に対してサラは何処か悪戯っぽい表情で
 「いつも私のことお前とかって呼んでるじゃないですか。サラって名前があるんだから名前で呼んでください」
と平然と返す
 「あのな・・・」
 「サラって呼んでください」
 「・・・」
 「サラです」
麻生はサラを顔を見ると溜息をついた。表情を見る限り引く気は無いらしい
 「わかった。じゃあな、サラ」
 「おやすみなさい、麻生先輩」
サラは何時もよりもずっと嬉しそうな笑顔を浮かべると麻生は照れた表情を隠すように振り返り自分の家の向かって歩き始めた
その後姿を見ながらサラは
 「おやすみなさい。麻生先輩」
小さな声でもう1度呟いたのであった

419 :Classical名無しさん:04/05/04 15:30 ID:JJUpa486
以上で駄文終了です
実は幾つかネタを考えていたのですが結局出せないまま終了
やる気が持続すれはネタを使いつつ教会編→夏休み編→運動会編と書けていければ良いです
タイトルはMr.childrenの有名な曲から丸パクリです。ミスチルの人とかファンの人とかごめんなさい
あと感想を戴けると喜びの踊りを踊ります。効果はMP吸収っぽいですが詳しくは秘密です。それでは

420 :Classical名無しさん:04/05/04 17:14 ID:ZNinp0So
↑乙です。麻生大好きっこの私には蝶最高でした!!
本編ではミコトと旗がたちつつありますが、おいしい関係の続編がみたいとこですね〜。
作者さまの続編も期待しています!!


421 :Dear Jessie:04/05/04 17:55 ID:DSxhjImQ
「やれやれ、だ」
 そうぼやいた絃子がいるのは、シンとした空気が支配する早朝の美術室。時計の針が示す時刻はまだ六時台、
普通に考えれば学校に来るような時刻ではない。実際、校舎の中にも人の気配は他になく、静寂を遮るのは
時折聞こえる鳥の鳴き声程度のものである。
 さて、そんな時間から彼女がこの場所にいる理由はといえば――
「……まったく、仕様がないね」
 恨むよ拳児君、呟く表情は自嘲めいたそれ。
 ――そう、事の発端は『播磨拳児による保健教諭押し倒し事件』である。
 無論絃子としては、そんなことがあるはずもない、という確信にも近い思いはある。そもそもそんな甲斐性が
あるとはとてもではないが思えるわけもなく、なにより今の播磨が見ているのは塚本天満ただ一人。所詮は噂に
尾ヒレが――しかも面白おかしく、泳ぐ魚より遙かに大きなそれが付いた、そんなところだろう、というのが
目下のところ彼女の見解になっている。
 ……とは言ったものの。
 人の心というものはそんなロジックだけで割り切れるものではなく、昨夜は昨夜でふらりと夜の街を飲み歩いて
顔を合わせることのない時間にひっそりと帰宅、今朝も今朝で顔を合わせないよう早くから、という有様。もっとも、
この場所を選んだのは厄介な――別段、彼女自身が言及されることなどありはしないのだが――職員会議をボイコット
する、というもう一つの目的もある。
「これじゃあ居場所も何もあったものじゃ……ん?」
 誰にともなくぼやいてみせた彼女の目に留まったのは、イーゼルに立てかけられた一枚のキャンバス。生徒の
作品を放り出しておく、ということはあまり考えられないところから、同僚にして友人たる笹倉のものだろう、
とあたりをつけてから、もう一度じっくりとその絵を見つめる。

422 :Dear Jessie:04/05/04 17:56 ID:DSxhjImQ
 キュビズムを始め、どちらかといえば抽象画を得意とする笹倉にしては珍しく、そこにあるのは印象派――
それもどこかゴッホを彷彿とさせるようなタッチで描かれた、一軒の家と太陽の姿。大きく空いた左隅の空間、
そしてその荒々しささえ感じさせる筆遣いから、未完成の習作、といった様子を示している。
 しばらく黙ってその絵を眺めていた絃子だったが、やがて思いついたように絵筆とパレットを手に取り、その
前に腰を下ろす。他人の作品に手を加える、というのはどう考えたところで褒められた行為ではないのだが、
長年の付き合いから、少なくともこの絵に関してはそう厄介なことにはなるまい、という判断で筆を走らせ始める。
 ……もっとも、どこかもやもやとした自分の気持ちであるとか、それ以外の理由もなかったといえば嘘になって
しまう、というところではあるのだけれども。
「……」
 黙ったまま、いつになく真剣な表情で、けれど迷うことなく筆を動かしていく。やがて空白を埋めるようにして
キャンバスの上に現れたのは、二つの人影。未だ描き込まれていないその姿からは、それが二人の人間である、と
いうこと以上の情報を読み取ることは出来ない。
 ――と。
「ん……?」
 ふと覚えた奇妙な感覚に絵筆を止める絃子。
 人の気配は感じない、けれど確かに感じられる視線。
 言葉にしてしまえば首を捻るしかないその状況に、違和感と同時に訪れる既視感。
 自分はこの感覚を知っている――
「……ふむ」
 そう小さく呟いて、どこか懐かしいその感覚に、さてなんだったか、と思いを巡らせ記憶を遡る。初めて教壇に
立ったときのこと、播磨が居候することになったときのこと、そんな幾つかのターニングポイントを経て、学生時代
にまで巻き戻った記憶の中で。
「――ああ、そうか」
 ようやくその正体に思い当たり、成程、と呟いてから振り返る。
「まだここにいたのか。随分と久しぶりだ」
 部室ならお茶の一つも出すところなんだが、と肩をすくめて見せた絃子に。
「結構よ。どうせ飲めるわけでもないわ」
 久しぶり、と。
 中空に浮かぶ少女は、相も変わらぬ無表情でそう言った。

423 :Dear Jessie:04/05/04 17:56 ID:DSxhjImQ
「さて、今日は何の用かな。君のことだからただ挨拶に、なんていうわけでもないんだろう?」
「もしそれだけだと言ったら?」
 仏頂面のそんな答が返ってきたことに軽い驚きを覚える絃子。少なくとも彼女の記憶の中のでは、こういった類の
軽口はあっさりと切って捨てるタイプだった。実際のところは、彼女と初めて出会った当時の絃子自身もそういった
タイプだったために、それこそ真剣で渡り合うような会話が繰り広げられたのではあるが。
「……何かしら、その表情は」
 そんな絃子に対してわずかに半眼になる少女。その様子さえ、絃子から見れば微笑ましいとさえ思えるようなもの
だったが、折角なのだから、とあえて口にはせず首を振って見せる。
「いや、私も歳をとったと思ってね」
 光陰矢のごとし、だ――そう笑って見せた絃子に、そうね、と少女は一言。
「……参った、降参だよ。以前の君とはまるで違う、一体何があったのかな?」
「さあ、何かしらね。ただ、私にも時間が流れている……それだけのこと」
 両手を上げておどけて見せた態度にもさらりとした受け答え。それを聞いてこれは確実に何かがあった、との思い
を強くする絃子。世界の全てを敵に回して、それでもなおそこに向かって手を差し伸べていた、そんな少女の姿は
もうどこにもない。
「どうやらあのときの問には答を得たようだね」
 そう言って、先刻手をかけた記憶の扉を開け放つ。
『――友達ってどういうこと?』
 それが当時絃子に向かって投げかけられた問だった。
 何故その質問をよりにもよって友達のいない自分にしてきたのか――今ならば、だからこそ自分が選ばれたのだと
絃子は思う――分からなかった彼女は、
『自分で考えなさい』
 あっさりと切って捨てて見せた。おかげで最後まで二人の会話は剣呑極まりない雰囲気のままであり、しかしどこか
好敵手とも言えるような、そんな印象を持ったままで別れることとなった。要は似たもの同士だった――そういうこと
なのだろう。

424 :Dear Jessie:04/05/04 17:57 ID:DSxhjImQ
 結局その後彼女と再び会うことのなかった絃子は、けれど笹倉葉子という『友人』と出会い、彼女との日々の中で
問に対する答――言葉にしろと言われたならば、いささか難しいと言う他ないものの――を得ていくことになった。
「君も誰かに出会った、ということかな」
 漫然と時を過ごしているだけでは解けるはずもない問題。彼女のその変貌ぶり、そして自分の前に再び現れたことから
そんな推測を立てる絃子。
 けれど。
「半分正解、というところかしら」
 彼女にしては珍しく、視線を外した少女からははぐらかすような答が返ってくる。そうか、と返事をしながらも心の
中で首を捻る絃子。とは言え、こういった場合の追求は藪蛇になりかねない、とひとまず状況を保留する。
「……それで、だ。本題の方は何なのかな?」
 絃子の言葉に逸らしていた視線をまっすぐに絃子の瞳に据える少女。
 その口から紡がれたのは、あの日と同じように、一つの問いかけ。
「――人を好きになるってどういうことなのかしら」
「……」
 普段とは違う真剣な表情で、その視線を正面から受け止める絃子。
 粘性を帯びたような、そんなどこか重苦しい空気が場を流れ、そして――
「答が分かっていることを人に訊くのはあまりお勧め出来ないな」
「……イトコ」
 やがて口を開いた絃子は、フン、と表情を崩して小さく笑う。
「これでも昔と違って一応教師でね、生徒には自分で考えてもらいたいと思ってるんだ」
 それに君の様子を見てるとな、もう答は得ているか、さもなきゃそのすぐそばにいる、そうとしか見えないよ、と結ぶ。
根拠も何もない、直感から出したような考えだったが、彼女には不思議とそれしかない、という自信があった。

425 :Dear Jessie:04/05/04 17:57 ID:DSxhjImQ
「そうね……そうかもしれない」
 応えるように、少女の返事も肯定。あの子ならそれを見せてくれるかもしれない、と歌うように呟く。それを聞いて、
いい友人を見つけたようだ、と微笑む絃子。
「ええ、確かに彼女はとても面白いわ」
 でもね、と思わせぶりに少女の言葉はさらに続く。
「私にその『友人』というものがどういうものなのかを教えてくれた人も同じくらい面白いわ」
「ふむ、君が面白いと言うとはね。それは会ってみたいものだな」
 心なしか早口になった少女の様子に不審を抱きつつも話に乗って見せる絃子に、あら、そんなの簡単よ、とわずかに
表情を動かす少女。
「簡単……?それは私が知っている相手、ということかな」
「知ってるも何もないわ。私が言ってるのはね――イトコ、あなたとヨウコのことよ」
「……何?」
 予想外の展開にあっけにとられた、という様子の絃子を見て、あなたのその顔が見たかったの、それが本題、と大きく
表情を動かして、してやったりの様相を見せる少女。さらに、我に返った絃子が口を開く前に一気に別れを告げる。
「それじゃ縁があったらまた会いましょう」
 どこか得意気な口振り、そして――
「     、イトコ」
 ――初めて見せる笑顔とともに彼女は消えた。
「……」
 一方、完全に主導権を握られたまま取り残された絃子は、つい今しがたまで少女がいた空間を黙って見つめる。一分ほど
そうしていたか、ふう、と一つ溜息をついてから再び絵筆を手に取り、キャンバスに向き直る。
「……参ったな」
 やがて、心底やられた、というように呟く絃子。よもや彼女がそんな言葉を口にするとは思いもよらず、ましてそれが
自分に向けられた、という事実に驚きを禁じ得ない。完全に不意打ちだぞ――出てくる言葉は悪態にも似たものだが、
その表情はいつにもまして明るいもの。
「まったく――」
 噛み締めるように、そして嬉しそうに、絃子はその言葉を呟く。
「――ありがとう、か」

426 :Dear Jessie:04/05/04 17:57 ID:DSxhjImQ
「あら?何してるんです刑部先生?」
 やがて今度は美術室の本来の主である笹倉がやってくる。勝手に入って、と言いながらもその声に咎めるような響きはなく、
友人の時折見せる突飛な行動には慣れている、という様子である。対する絃子も、いや、ちょっと絵を、ね、と何でもない
ように言葉を返す。
 普段ならそれまで、という場面なのだが、いえそうじゃなくて、とさらにそれを返す笹倉。ついで、今日がいつもと異なる
理由にして、まさしく絃子がここにいる理由でもある職員会議について尋ねる。
「今朝は職員会議でしょう?」
「そ。緊急のね――だから緊急避難してきた」
 あっさりとそう答えて絵筆を走らせつつ、あまつさえ、よく描けるなこれ、などとぼやいて見せる。そんな様子に、それ
私の絵、と呟きつつも、はあ、と小さく溜息をつくだけの笹倉。そんな彼女に向けてかどうなのか、遠くを見るような視線で
絃子はぽつりと呟いた。
「……イヤ。なんかメンド臭そうなんでね」
「何か言いました?」
 聞き返した笹倉に、いや、と今度は肩をすくめて見せる絃子。聞かせるつもりがあったのかなかったのか、本人でも分からない
言葉、それをどうということはないかのように流してしまう、そんな返事。
 その空気を察し、会話の方向を変えようとして口を開く笹倉。
「あの、刑部先生」
 私の勘違いかもしれないんですけど、と自信なさそうに前置きをしてから続ける。
「――他に誰かここにいませんでした?」
「どうしてそんなことを?」
 ある意味で核心をついてきたともいえる質問を、やはりなんでもない、というように返す絃子。ただし、その返事は否定も
肯定もしていない。一方笹倉はといえば、それこそ勘に近いような、そんなわずかな違和感による問いかけであったために、
いえ、なんとなくです、と答えるのみ。
 けれど、そんな答こそが絃子にとっては愉快なものに感じられて囁いてみる。
「君も焼きが回ったな、しっかり気づかれてるじゃないか」
「……刑部さん?」
 怪訝そうな顔の笹倉に、いやなんでも、と絃子が答えようとしたその瞬間に。

427 :Dear Jessie:04/05/04 18:00 ID:DSxhjImQ
『――余計なお世話よ、イトコ』
 どこからともなくそんな声がする。
「ふふ、なかなかシャイな子でね、人に見られないように隠れるのが得意なんだ」
 え、とさらに困惑の色を強くした笹倉に、こんなものかな、と絵筆を置いてから、冗談とも本気ともつかないよう
な口調でおかしそうに言う絃子。
 キャンバスの上に描き上げられたのは、少女と小さな男の子の姿。二人の手はしっかりと繋がれていて、その表情
までははっきりとは見えないものの、ただ笑顔であることは一目で見て取れる。
「……もしかして、からかってます?」
「いやいや、そんなことはないさ」
 ちょっと肩をすくめてからもう一度その絵を見直し、別に出てもよかったかな、職員会議、とどこか楽しそうに
呟く絃子。少なくとも、心の何処かにあったわだかまりは既になく、今そこにあるのはキャンバスに描かれたような、
そんな郷愁めいた風景のみ。
「……?」
「あー、悪い。今のはこっちの話だ」
 少し照れたような笑みを浮かべてから、しかし、と話題を元に戻す。
「そうだな、どう説明したものか難しいんだが……」
 仮にストレートに幽霊、と説明しても、彼女ならばそれに対して自分なりの解釈を見つけて納得するだろう、と
思う絃子。笹倉葉子、というのは彼女にとってそういう人物である。しかし、それではあまり面白くはないし、
何より少女自身がまだこの場にいる以上、もう少し気の利いた言い方はないものかと考える。
「あの、そんなに無理に説明してくれなくてもいいですよ」
「いや、そういうわけにはいかないさ。なんたって、この私の――」
 申し訳なさそうな笹倉の言葉に返事をする途中で、ああ、と悟る絃子。これならば何の問題もなければ、先ほどの
不意打ちへのお返しにもなる。そんな十全にも近いような答を胸に口を開く。
「――私の古い友人さ」
 笹倉、そして名も知らない少女に向けてそう言って。
 絃子は柔らかく微笑んだ。

428 :Dear Jessie:04/05/04 18:01 ID:DSxhjImQ
……とりあえず。
ネ タ が か ぶ っ た _| ̄|〇
申し訳ない次第です。

429 :Classical名無しさん:04/05/04 18:18 ID:BZHrVop2
もう、なんだ?全員GJ!!!

430 :Classical名無しさん:04/05/04 19:00 ID:dzZv1el2
>>421-428
GJ!
いや、いつもながら読み応えのある文章を書かれますね。
幽子がずっとこの学校にいるのなら、
確かに絃子先生とも出会っているかもしれませんね。
笹倉先生とのやりとりも実に面白い、というか絃子先生らしくて良いと思います。


431 :Classical名無しさん:04/05/04 19:50 ID:ndwaBcT.
>>428
GJ!
本当にしっとりした話を書くのが上手いですね
読み入ってしまいました

432 :Classical名無しさん:04/05/04 21:01 ID:xvBQ9CvE
>>419
サラ良いねー。
人当たりが良くて押しが強いと最強だというのがよくわかる。
続編キボンヌ。

>>428
絃子みたいな泰然自若型のキャラは動かし辛いもんですが、幽子使って
上手く動かしてますね。

個人的には設定が少ない上に絃子以上の動じない謎キャラである晶のSSを
誰か書いてくれんかなーと思ってるんですが。
おそらくメインキャラでもっとも弄りにくいキャラだから大変だとは思うんだけどねー。

433 :Classical名無しさん:04/05/04 21:38 ID:Fxxuq7bM
>>418
某秋田に近い感じを受けました。
展開については背中がむずがゆくなるほど青春でしたねw
私には絶対かけないタイプなのでうらやましいです。

>>428
いつもパク――参考にしています。
そんなわけなんですが……叩き潰されましたOTL
だって俺よりも文章も展開も比較にならないほどうまいんだもの(ノд`)・゚・
教師としての一面も見れて、新鮮な作品でした。そんなわけでGJ!!w

434 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:18 ID:BZHrVop2
その教室にいる、3人
教師、刑部絃子
常連、播磨拳児 
そして、塚本八雲
「姉ならともかく、妹の方が来るとは、正直意外だな」
「あの……テストの途中、寝てしまって……」
うつむく八雲
「妹さん、たかが追試だ。気にすることねえ」
「拳児君、君の場合は気にしたほうがいいぞ。このまま行くと……留年だ」
播磨は一瞬ビクッとしたが、それ以上に八雲の方が驚いていた
「前回は、私の影の努力があって、特例で進級出来たことを忘れたのかね?」
播磨としては、塚本姉、すなわち天満と同じ空間にいるために、わざわざ点数を落としていた
しかし、肝心の天満は、高得点をはじき出し、補習なんぞ必要ないのだった
付け足せば、学校全体が好調で、赤点をとる者は少なく、1年の八雲、2年の播磨が同時に追試を行う事となった
「播磨さん……」
その瞳はとても心配そうに、播磨を見つめている
「大丈夫……わざとだからな」
「え……?」
「……小学生か、キミは」
八雲もイトコも良く分からない、といった顔をしている
「まあいい、今日は2−Cの打ち上げがあると聞いたぞ、早く始めた方がいいのではないかね」
「そうだった!おい、イトコ……先生、早く始めよーぜ!」
「うむ、目標は40点だ、早ければ3時間ほどで終わる。頑張ってくれたまえ」
「あ、はい」
もう播磨は、紙に何かを書き込んでいる

435 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:20 ID:BZHrVop2

(先週、彼には練習プリントを渡してある。真面目にやってれば40点は行くはずだ。
それすらやらないのであれば、拳児君は学校に向いてないのかもしれない)

(播磨さん、大丈夫なのかな……?)

「拳児君、君しだいでは、八雲君とクラスメイトも夢ではないぞ」
「だぁっ!今やってんだろ、少し黙ってろ!」
「播磨さんがクラスメイト……」
今の播磨に、イトコの皮肉が不安の表れである事に気づけと言うのは、少し酷だった
それと同時に、隣で何か呟きながら赤くなってる八雲にも気づけない播磨であった
イトコは白衣を脱ぎ、いすに座った
そして播磨の方をじっと見つめている


懐かしいな

2年前の冬



436 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:20 ID:BZHrVop2

「はい、そこまでだ」
「……はいよ」
赤いペンがスラスラと小気味いいリズムをたてる
また、そのリズムの一つ一つが播磨を咎めているようにも聞こえる
イトコはそのリズムを止めた
「拳児君、君の学力で矢神に入ろうなど……正気の沙汰ではないぞ」
「百も承知だ」
「矢神は中学の成績と入試の点数が4:6、ただでさえ君の成績はいいとは言えない、最悪の部類に入るものだ」
「……分かってる」
「矢神はなかなかレベルの高い高校だ、そんな所に君が入ろうとするなんて土台無理な話なのだ、諦めた方がいいのではないかね?」
「……俺は、やる」
はぁ、とため息が漏れた

「辛いぞ?」
「望む所だ」
「平均87だぞ?」
「とってみせるさ」
「死ぬかもな」
「何度でも蘇るさ」

――――――きみにはまいったよ
「OK、後からナシは聞かないぞ?」
播磨の口元がつりあがる
「上等だ」

437 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:21 ID:BZHrVop2

「はい、違う」
パンッ!
「いだぁ!」
「当たり前だ、コンストリクターの8mm弾だぞ」
「イトコ!間違える度にエアガンぶっぱなすのは止めろ!」
「まだ自分の立場が分かってないのかね、それと……イトコさんだ」
パララララララララ……!
「いだだだだだ!、わかった、わかりましたからイトコさん!!」
「それでは、次にいってみようか、因数分解の問2だ」
「ちくしょう、合格したら覚えてやがれ」
パンッ!
「いだぁ!」


かの周防美琴にも家庭教師が居たと聞くが、とあるマンションの一室にも家庭教師がいた。
近所の人が怪しむ位の銃声と悲鳴を連日連夜発し、身体の本能に記憶力を高める指示を出していた
要するにスパルタ

この特訓が終わる頃になると、もう播磨の風貌は変わり切っていた


438 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:22 ID:BZHrVop2
「さて、いよいよ今日は入試の日だ。ココまでよく頑張ったな、拳児君」
「長かった……」
「拳児君?まだ終わってないのだよ、むしろこれからだ」
「わかってる」
「よし、それでは私のバイクで矢神高校まで送ってあげよう」
「ああ、悪いな」
「それでは、しっかりつかまってくれたまえ」

唸るようなエンジン音、ちょっとした背徳感、風が気持ちいい

「いいバイクだな」
「そうだな、合格したら君にあげよう」
「マジかっ!?」
「ああ、君の頑張り次第だ」
おお、これが俺のものに?などと気の早いことを呟いている
「なあ、拳児君?」
冷たい風が頬を突く
「なんだ、イトコ?」
「そのかわり最後に聞かしてくれ」
「答えられる事ならな」
「何が、君をそこまでさせたのだね」

439 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:24 ID:BZHrVop2
播磨は少しあっけに取られていたようだが、こう答えてくれた

「恋の力ってやつかな?」

「……コドモが、生意気だな」

「なんとでもいいやがれ」
心なしか、イトコは笑ってる様にも見えた


――――おい、イトコ

「ああ?どうかしたのかね」
「どうしたのかねじゃねえ、終わったんだよ」
ふと時計を見ると2時間ほどたっていた
「すこし、早すぎではないか?」
「急いでやったんだ、早いのは当然だろ?」
「ちょっと待っていたまえ、今、採点する」
赤ペンを探すが見当たらない
「俺は急いでんだ、行くからな」
「あ、待ちた・・・」
足早に教室を後にする播磨
「播磨さん、もう終わったんですか?」
「そうらしい、今、赤ペンを・・・あった」
机においてあった白衣の胸ポケットから赤ペンを取り出す
「これは……」
「……?」
「そうだ、妹さん!」
そこにいるのは播磨

440 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:24 ID:BZHrVop2
「播磨さん……? 行ったんじゃなかったんですか?」
「妹さんも行くだろ?」
「え……?」
「行かないのか?」
「……行きます」
赤くなりつつも自分の意思を口にした
「見たところ、彼女もすぐ終わる。用意しているといい」
「じゃあ、駐輪所で待ってる」
そう言い残し、さっさと行ってしまった

「どうだね?」
「え……?」
「あれが、彼のいいところだとは思わんかね?」
そういいながら丸付けをしている
「……はい、私もそう思います」
「あと、もう一つあるな」
どうやら採点の方が終わったらしい
「彼は、馬鹿だ」
「そんなに悪かったんですか?」
「見てみるかい?」
そういって播磨の解答用紙を見せた

441 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:25 ID:BZHrVop2
「……先生は播磨さんの事、よく分かってるんですね」
「そうでもないさ……」
それでも八雲は少し悔しそうな顔をした

とあるマンションの一室に、汚い部屋がある
そこの机には、練り消しで傾いたインクビン、インクだらけのトイレットペーパー、消しゴムのカス、数十枚のプリント
そのプリントには何度も消して書き込んだ跡がある

イトコはそんな彼の解答用紙に100と書き込んだ


442 :Le Huitieme Jour:04/05/04 22:28 ID:BZHrVop2
おそらく、誤字脱字、ミス、なんだこれ?
ってのはいくつかあると思います
……正直スミマセン

443 :Classical名無しさん:04/05/04 23:33 ID:MEeVVd3Q
GJ!
おにぎり&超姉とは・・・素晴らしいです(*´Д`)
実は頭良いけどわざと赤点をとる播磨、格好いいような悪いようなw
面白かったです

444 :Classical名無しさん:04/05/04 23:53 ID:r45FT5cE
播磨は馬鹿であってほしかったり……

445 :Classical名無しさん:04/05/04 23:56 ID:AnIuSpFk
GJ!
ただ播磨が本当に天才とは英語のテストを考えると無いかと
播磨が高校に合格したのは私的には地域の高校がそこしかなかったと考えております
話の作りは素晴らしいと思います

偉そうにごめんなさい!!聞き流して

446 :Le Huitieme Jour:04/05/05 00:15 ID:BZHrVop2
播磨は努力の人みたいな感じでやりたくて
天才とはまた違うようにしたかったんです
神奈川あたりっぽかったので神奈川の公立とおなじ採用?法なんですが・・・
播磨は今回だけ猛勉強したみたいな・・・だめか

447 :Le Huitieme Jour:04/05/05 00:22 ID:BZHrVop2
あと、追試ですから答えがわかってる(赤点取ったテストの使いまわし)のと
簡単なプリントみたいなのと、どちらでもありえるので勘弁です

448 :Classical名無しさん:04/05/05 00:32 ID:oQgVc1zw
            こ れ は イ イ  !!
(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ

いやもうほんとにこれはスバラスィ。作者様の才覚と情熱が伺えます。絶賛!

449 :Classical名無しさん:04/05/05 00:37 ID:tZhEwmU6
絃子さんのためにも猛勉強したってことでしょう?
ちゃんと読みとれますよ。あまり不自然には感じなかった
面白かったです

450 :Classical名無しさん:04/05/05 03:03 ID:6Hj8HQFk
>419
「サラです」が光ってますね〜。
自分の中のサラのキャラにかなり近く、自然に読めました。

>428
絃子さんを最初から最後までクールなままで動かしていくのは大変だったと思いますが、
それが完全に良い方に動いて、とっても良い作品になってます!GJ!

>439
「コドモが生意気だな」に痺れました。
後、受験懐かしい・・・
俺もあの高校は俺もいってた公立高校と雰囲気似てるように思います。
播磨の受験話は俺も気になってました。
bあたりでやってくれないかな。

451 :168:04/05/05 11:28 ID:zoBnYnik

お待たせいたしました、縦笛SS、続きを投下します

452 :Cross Sky:04/05/05 11:29 ID:zoBnYnik


それから四日後、美琴は道場に顔を出していた。
予定通りならば、花井は昨日のうちに帰ってきているはずだ。だが、まだ顔を合わせてはいない。
出迎えたり、わざわざ会いに行くような行為は、自分らしくないと感じたからだ。
だが、ここに来ていれば自然と彼に会うことができる。道着に身を包み、彼が現れるのを待つ美琴。
あと、10分程で稽古が始まる。
と、その時だった。

ガラッ

奥にあった扉が音を立てて開く。
そしてそこに立っていたのは、美琴にとって、今やただの幼なじみではなくなった―――
(花井……!)
外見も、雰囲気も、何も変わってない。もう、あれから一年以上も経つというのに。
そのことに美琴は安心し、ホッと胸をなでおろす。もし彼が変わっていたらどうしよう、それが不安だったから。
花井が姿を現した途端、周りの門下生が彼の許に集まっていく。
「ハナイー、元気だったかぁ?」
「もっと頻繁に帰って来いよ!」
「言ってやるな、一人暮らしが楽しくて仕方ねえんだ。そうだろ?春坊」
彼に久々に会うのは美琴だけではない。
道場に通う彼らもまた、久々の再会を心待ちにしていたのだ。
そんな彼らと楽しそうに談笑する花井。
(話をするのは、稽古が終わってからでいいか)
本当は今すぐ傍に寄って、話をしたい。
向こうでどんな事があったのか聞きたい、自分の周りで何があったのか言いたい。
だが、美琴はそんな気持ちを必死で押し殺し、平静を装う。
やがて、先ほど花井が出てきた扉から、今度は師範が姿を現した。
それが合図になるかのように、全員が整列し、稽古が始まった。




453 :Cross Sky:04/05/05 11:31 ID:zoBnYnik


「礼!」
「「「押忍!ありがとうございました!!」」」
道場に響き渡るかけ声で、今日の稽古が終わりを告げた。
皆、列を崩して座り込み、輪を作って話を始めだす。話の中心はやはり花井。
「向こうの生活はどうなんだ?」
「久しぶりに稽古やると、やっぱりキツいだろ?」
「成人になったんだから、これで何の問題もなく酒が飲めるな!」
笑い声が絶えることなく、話が続く。
皆から質問攻めに遭う花井だが、笑みをこぼしながら応答を繰り返す。
美琴はそんな様子をじっと見つめながら、稽古前と同じことを思っていた。
(やっぱり、全然変わってねえな…。話し方も…雰囲気も)
そう、花井は何も変わっていない。だが、何故だろう?
自分から彼に話しかけることができない。以前なら、何の気兼ねもなかったのに。そもそも、こんな事で悩むことさえ無かった。
答えは分かっている。変わったのは彼ではなく、自分だから。正確に言うと、変化したのは自分の彼に対する気持ち。
それが災いしてか、積極的に話しかけることができない。それどころか、まだ彼と何も話していない。

―――――――勇気が出ない

あんなに会いたかったのに、話したいこともいっぱいあるのに。本人が前にいると、何もできない自分に苛立つ美琴。
その時、談笑してたうちの一人が、そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、こんな質問を彼にぶつけた。
「そういやお前、彼女とかはできたのか?」
―――――――――!!
その言葉に息が詰まった。鼓動が速くなる。視界も狭くなる。


454 :Cross Sky:04/05/05 11:32 ID:zoBnYnik
「どうなんだよ?」
問い詰める周りの連中。だが、彼はやんわりと首を横に振った。
「おいおい、本当か〜?」
声が沸きあがる。「嘘つくなよ!」「東京には綺麗な子もいっぱいいるんだろ?」周りが茶化すが、花井は動じない。
(良かった…)
そんな様子に、美琴はフッと安堵のため息をつく。
彼が嘘をつくような人ではないということは、彼女自身が誰よりも理解している。
もっとも、周りの連中はそんな花井の言葉を信用してないようだが。

話に夢中になり、その内容が楽しいものであれば、平時より、時が過ぎるのは早く感じてしまうものだ。
名残惜しさを皆が感じながら、解散する時刻となってしまった。
(…何も話せなかった)
沈んだ表情を見せる美琴。無論、誰にも悟られないように。
結局、最後まで花井と言葉を交わすことができなかったようだ。
着替えを済ませ、家に帰る準備をして、道場を後にしようとする。
その時、


「周防」


背後から名前を呼ばれる。今のは誰の声だったか、逡巡した挙句その声の主は―――
バッ、と勢い良く振り返る。そこに立っていたのは…
「は、花井!」
「何をそんなに驚いている?」
さっきまで、話しかけようとしてそれができなかった相手が立っていた。


455 :Cross Sky:04/05/05 11:34 ID:zoBnYnik
「な、なんだよ。」
動揺してないように見せかけるか、思わずつれない態度をとってしまう美琴。
「他の皆とは話をしたが、お前とだけは話してないからな。一緒に帰らないか?」
「……別にいいけど」
顔を逸らしながら答える。それは当然、嬉しさの照れ隠しだったのだが、花井にはそうは見えなかったようだ。
「なんでそんな不機嫌なんだ?嫌なら良いんだが…」
頭を掻きながら言う花井。
「別に不機嫌になってないよ。じゃあ帰ろうぜ。」
そう言いながら、一足先に歩き出す美琴。
そんな彼女の様子に釈然としない表情を浮かべながら、後を追うように花井も帰路についた。

二人っきりの帰り道。
さっきは話しかけることが出来なかったが、この状況で黙り込むわけにはいかない。
勇気を振り絞った。
「…どうして、今までほとんど帰ってこなかったんだ?」
そして、花井に最も聞きたかったことを尋ねる美琴。
「あぁ、バイトが忙しくてな。」
予想に反して、返ってきたのは単純明快な答え。
「バイトで?そんなに働いて、何か欲しいものでもあるのか?」
「何を言っている周防。生活費を稼がなければ生活できんだろう。」
さも当然と言わんばかりに、胸を張る花井。
しばしの沈黙。
「あ、あのよー、花井。一つ訊きたいんだけど……お前、仕送りとかしてもらってないのか?」
「当たり前だろう。親に扶養してもらうようでは、一人暮らしをしても意味がないからな。」
「…………相変わらずだな、お前」
呆れ口調になりながら答える美琴。彼らしいといえば彼らしいのだが、極端な思考回路は健在な様子。


456 :Cross Sky:04/05/05 11:35 ID:zoBnYnik
「だからって…成人式の時くらいは帰ってきたって良いだろ?」
少し拗ねた表情をしながら不満を漏らす。
「スマンな。今年は年末年始もバイト三昧で、すっかり忘れていた。」
身も蓋もない返答。思わずガックリと頭をうなだれる美琴。そんな彼女の反応に花井は口を開く。
「しかし、お前は僕の携帯の番号もアドレスも知っているだろう?気になったのなら何故連絡してこなかったんだ?」
「…うるさい」
小声で言い返す。「勇気がなかった」という本音を言うことなど、できるはずがない。
と、彼女のそんな様子に疑問を持ったのか、花井が問いかけた。
「周防、お前どうかしたのか?さっきから様子が変だぞ?」
「何…言ってんだよ。あたしのどこが変なのさ」
即座に否定する美琴。「いつも通りだよっ」と言いながら、白い歯を見せて無理やり笑顔を作る。
「そうか、お前がそう言うのならかまわんが…」
言葉を呑みこむ花井。
その言葉を最後に、唐突にそこで話題が止まってしまった。
今までの二人なら話題が尽きる、なんて事は無かったのだが。
二年間という時間がそうさせるのか、それとも、変化してしまった相手への気持ちがそうさせるのか。
互いによそよそしさを感じてしまっていた。

結局無言のまま、二人は美琴の家の前に着いてしまった。
「それじゃ、お疲れ。」
それだけ言って、家に入ろうとする美琴。この現状から一刻でも早く逃げようとしてるかのように。
「周防!」
その時だった。突如、大きな声で花井に名前を呼ばれる。
「なんだ?花井」
振り向きざまにそう答える。その表情には緊張しているように見えた。おそらく、呼び止められるとは思ってなかったのだろう。
「あのな、その…」
自分で呼び止めた花井だが、またしばらく黙り込む。
口は動いているものの、言葉が出てこない。何か言い出しにくいことを言おうとしているようだ。


457 :Cross Sky:04/05/05 11:37 ID:zoBnYnik
そんな彼の様子に首をかしげる美琴。
彼は自分に何を言おうとしているのか。考えを巡らすが分からない。
その時、意を決したように花井が口を開く。
「その…暇だったら、明日、二人でどこかに行かないか?」
「え?」
自分の耳を疑ってしまう美琴。
今彼は、自分に何と言ったのか。脳がそれを認識するのに少々時間を要した。
「あ、あの…さ、花井、今のって…もしかして…その…」
顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。
「早く答えてくれないか?」
目を逸らしながら口を開く花井。否定する様子がないところを見ると、美琴が言おうとしていることは正解らしい。
ついつい、うつむいて黙り込んでしまう。
そして今度は美琴が意を決して答えた。
「あ、あたしは別にいいけど…」
あくまで、仕方なしに、といった感じな口調。
本当はとても嬉しかったのだが。それを隠してしまうのは恋した相手が幼なじみだからなのだろうか。
「じゃあ、ちょうど稽古も無いことだし、10時位でいいか?」
「あ、…うん。で、待ち合わせ場所はどうするんだ?」
「心配することはない、僕が迎えに行く。」
即座に応答する花井。だが、目はまだ逸らしたまま。どうやらこちらも照れが混じっている模様。
「分かった。じゃ、じゃあ、あたしは準備して待ってるから…その、おやすみ。」
「あ、ああ、それじゃまた明日な。」
玄関の扉を開けて家に入っていく美琴。扉が閉じる直前に小さく花井に手を振った。
パタンッと扉が閉まり、それを見届けると、花井は顔がほころぶのを必死で抑えながらながら帰路についた。


458 :Cross Sky:04/05/05 11:38 ID:zoBnYnik
一方、美琴は玄関の扉を背にうずくまる。しばらくそのまま動かない。
(……………)
この気持ちをどう表現すれば良いのか、どう感じれば良いのかは分からない。
だが、一つだけ分かっていることがある。
(嬉しい…)
静かに喜びを噛み締める。
まさか、花井からあんな事を言われるとは思ってもなかった。
場の空気は読まないし、デリカシーにも欠ける。女心を理解してるとは到底思えない。
それでも…そんな奴でも、自分が彼に想いを寄せてる事は確かであり、その人物からデートに誘われたのだ。
嬉しくないはずがない。
(明日、何着ていこう…?)
既に、気持ちは飛んでいる様子。
明日が待ち遠しい、そんな気持ちになるのは何時ぶりだろうか。
早く日が変わってくれないだろうか、そう思う美琴だった。


翌朝。
時計の針は午前6時を刻んだばかりだ。
ベッドのシーツがもぞもぞと動き出す。寝ていた人物が目を覚ましたようだ。
少し寝癖のついた髪を掻き分け、頭をポリポリと掻く。
時計を見て、時刻を認識するとフッと軽く溜め息をついた。
寝起きなのに、顔も洗ってないのにもう目が冴えてしまっていた。
(なかなか寝付けなかったのにな…)
日が変わるか、変わらないか位の時間にベットに横たわったのだが、寝付けたのはそれから2時間程経ってからだったと思う。
なのに、早朝に目が覚めてしまったということは…
(自分で思ってる以上に楽しみにしてるってことか)
アイツが迎えに来るまで、まだ4時間もある。何をして時間を潰そうか?





459 :Cross Sky:04/05/05 11:40 ID:zoBnYnik
アイツが迎えに来るまで、まだ4時間もある。何をして時間を潰そうか?
とりあえず、朝風呂に入って髪を梳かして…続きはそれから考えればいい。
ベットから身体を起こし、立ち上がる。
そして、まだ寝ているであろう家族に気を使って、音を立てないようにドアを開けた。
その人物とは―――当然、美琴。


家族全員で朝食を済ませた後、美琴は自分の部屋に戻り、出かける準備をしていた。
服装は悩んだ挙句、いつも通りの、自分がよく着る服にした。
相手は花井なのだ。変に着飾れば、そっちの方が違和感があるだろうと考えた結果だ。
必要最低限の物だけ、手さげバッグにしまいこむ。
これで、大体準備は終わった。約束の時間まであとどの位だろうか、時計を見る。
――――8時20分
まだ2時間弱ある。風呂上りに梳いた髪をいじったり、自分の顔を鏡に映し、おかしな所がないか確認する。
だが、時計の針はなかなか進まない。一分とは、こんなに長かっただろうか。
手持ち無沙汰になってしまった美琴は、何気なく家を見回す。
その時、朝食の後片付けをしている母親の姿が目に入った。
「あ…」
それを見た美琴は何か思いついたようだ。
腰を上げ、台所に向かった。


「っし、出来た!」
台所で声を上げる美琴。
彼女の前には、弁当箱が二つ。おそらく、いや、間違いなくそれは自分のと―――
好きな人のためなら頑張れる。晶がかつてそう言っていたのを、なんとなく思い出していた。
手を洗った後、箱のふたを閉め、手早くハンカチでそれを包み込んだ。


460 :Cross Sky:04/05/05 11:42 ID:zoBnYnik
時計をみると、あと15分程で10時を指す。
だが、花井のことだ。きっと待ち合わせの時間より10分位は早く来るに違いない。
(グズグズしてらんねぇ)
作ったばかりの弁当箱を、急いで手さげバッグの中に詰め込む。
洗面所の鏡で、再び自分の身だしなみを確認する。おかしな所は見当たらない。
(よし!)
これで準備は整った。
その時、

ピンポーーーン

来客を告げるインターホーンの音が家中に響き、それが美琴の耳にも届いた。
玄関を開ける。
そこにいたのはもちろん、昨日自分を誘った幼なじみの姿。
「迎えに来たぞ、周防。」
「ああ、待ってたよ。」
4時間も、と心の中で付け加える美琴。「行ってきまーす!」と家の中に言い放つと、花井の傍に駆け寄る。
「よく寝れたか?」
「まあね。」
言葉を濁す。だが、花井はそれを肯定と取ったようだ。
「そうか、なら良かった。」
そのまま、おもむろに歩き出す花井。美琴は、横に並んでついていく。
「で、どこに連れてってくれるんだ?」
「僕もお前も、あまり行ったことがない所だ。」


461 :Cross Sky:04/05/05 11:44 ID:zoBnYnik
それ以上は着いてからのお楽しみだ、と付け加える花井。
だが、この男の思考パターンは充分理解しているつもりだ。それに気の利いた場所を知ってるとは思えない。
大方、デートでお決まりの場所なのだろう。
加えて、自分たちがあまり縁のない場所と言われれば、大体想像はついた。
このまま、分からないフリを続けてもいいのだが、それだと面白みに欠ける。
そう考えた美琴は、口を開いた。
「へぇ〜、どこなんだろうな。まさか、映画館とか遊園地とかありきたりな所じゃねえよな?」
悪戯っぽい笑みを浮かべながら、そう問いかける。
そんな美琴の言葉に、花井の表情が固まった。どうやら図星らしい。
「…………」
黙り込む花井を満足そうに見届けてから、一応フォローを入れる。
「そんな顔するなって。別に嫌いじゃないよ、映画も遊園地も。ほら、早く行こうぜ!」
そう言いながら、花井の手を引っ張り走り出す美琴。
「お、おい周防、急に引っ張るな!」
「いいじゃねえか、早く着いたほうがたくさん遊べるだろ?」
手に持つカバンを落としそうになりながら、花井も彼女とともに走り出した。




462 :Cross Sky:04/05/05 11:47 ID:zoBnYnik
今日はここまでです。

花井の一言目に重みを持たせようと最初は敢えて喋らせなかったんですが
逆に存在感が無くなってしまってるような


それにしても、また投下失敗してるよ俺_| ̄|○

463 :Classical名無しさん:04/05/05 12:44 ID:xvBQ9CvE
>>442
良い・・・んだけど、八雲の出てくるSSって個人的に常に違和感があるんだよな。
本編ではほとんど表情が変わらないし(赤くなることなんてほぼない)、まだ恋愛的な
認識がないのに、SSでは顔赤くなりまくり&恋愛意識しまくり。
まあおにぎり派のSSでそれは仕方ないんだけど、本編以上の感情表現をしないという
意識的な縛りの中でどれだけ萌えさせるかという難題にも挑戦して欲しいな、と思う。

>>462
・・・自分はずっとおにぎり派だと思っていたのだが、この一連のシリーズで悶絶している
ことから考えるに、どうも隠れ縦笛派だったらしい。
美琴ってほんとイイ女だよねえ。

464 :Classical名無しさん:04/05/05 14:27 ID:yP0yDfn2
>>462
つ∀`) もうだめ、悶え死ぬ。
美琴の心理や行動が、なんかもう…すごく自然で、物凄く萌えた。
花井も良い感じです。GJとしか言えない。

465 :Classical名無しさん:04/05/05 15:24 ID:QGBthYhg
美琴が惚れるのが突然過ぎると思いました。
いないと気になってしょうがない・・・ぐらいだと自然だと思います。

466 :Classical名無しさん:04/05/05 16:15 ID:ndwaBcT.
そりゃあ、二年立てば感情も変わるでしょう いわば、空白の時間がキッカケになっているわけだし…描写も指輪の件で充分キッカケになっているし、突然でもない気が… GJです。続きが激しく期待!この機会に、シリーズ全部読み返そう。

467 :Baby Face:04/05/05 22:03 ID:Ji.f0ClU
『ヤクモーン、今行くぞー』
今日もまたいつものように花井の心の声が聞こえてきた。
カラーンと鳴りながら扉が開き、花井が入ってくる。
「いらっしゃいませ」
八雲は少し困った表情を浮かべならも花井を迎え入れた。
「おー、今日は巫女さんか。すばらしい」
花井は感嘆しながらそう言う。
さて、なぜ八雲が巫女服を着ているのかというと、彼女は今バイト中だからである。
それでは、なぜ花井がここにいるのか?
それは先日のバイトに休憩中、八雲が播磨の原稿を見せてもらう時に、
偶然にも花井がそこに居合わせたからである。
その時、八雲がここの喫茶店でバイトをしていることを花井にばれてしまい、
それ以来ずっと、花井はこの喫茶店に通い詰めているというわけである。

468 :Baby Face:04/05/05 22:04 ID:Ji.f0ClU
「花井先輩、そんなに騒がないで下さい。他のお客さんの迷惑ですよ」
「これはサラ君ではないか。奇遇だな」
いつの間にかサラが花井の横に立っていた。
サラは花井が来る前からすでにこの店にいたらしく、彼が八雲に見惚れている間にそばへ
来たみたいだ。
「君も八雲君が美しいと思わないか?」
「ですよねー。八雲、似合いすぎ……」
花井にそう言われ、サラも思わずうっとり見惚れてしまった。
「えっと、サラ……」
八雲はおろおろしながらサラに話しかけた。
「あっ、そうだった。花井先輩、とりあえず座りましょう」

テーブルにはアイスコーヒーが3杯、席にはサラ、花井、八雲の3人が座っている。
ちなみに、八雲は今休憩中である。
「さて、これから茶道部の臨時部会を始めます」
「何だいきなり?」
「今日のお題は先輩についてです」
実は八雲は困っていた。花井は毎回いろいろと注文をしてくれる良いお客さんである。
ただ八雲を見て騒ぎ、他のお客さんに迷惑をかけなければであるが。
そのため店側も困っていた。だが、無下に来ないでくれと言う訳にも行かない。
そこで、八雲はサラに相談し、花井の説得を頼んだのである。

469 :Baby Face:04/05/05 22:05 ID:Ji.f0ClU
「先輩は毎回、八雲を見るためにこのお店に来ていますね」
「うむ、そうだが。それがどうした?」
「ずるいです」
サラはいきなり論点からはずれたことを言う。
「えっと……」
そのため八雲が困ってしまった。しかし、サラはいたって真剣な表情である。
「ずるいとはなぜ?」
「私だっていろいろな衣装を着ている八雲が見たいです」
「あの、えっと……」
と困惑しながら八雲は話しかけるが、二人は八雲を無視して話を進める。
「それなら、君も八雲君がいる時に毎回来ればいいじゃないか」
「それができるのならばそうしています。しかし、私は先輩ほど暇ではありません」
そう、サラには部活やバイトや教会でのボランティア活動などがあり忙しいのである。
「失敬な、僕だってそうそう暇というわけではないぞ」
「ええ、それで少し調べさせてもらいました」
そこでサラはアイスコーヒーを一口飲み、不敵に微笑んだ。

470 :Baby Face:04/05/05 22:06 ID:Ji.f0ClU
「どうやら、先輩。ここに来るために委員長の仕事をサボったり、道場を遅刻して
行ったりしているみたいじゃないですか」
「なぜ、そのことを……」
「ふふっ、秘密です」
無論これはサラが調べたわけではない。
八雲がサラに相談した時、そこに晶がいたのである。
そして、面白そうだからと言い、晶がいろいろ調べてくれたというわけである。
「というわけで、このことを周防先輩に話そうかと思います」
サラはずる賢い笑みを浮かべながら、楽しそうに言う。
ちなみにこれも晶の入れ知恵である。
「なにっ、それだけは勘弁してくれ。もし、周防に稽古を遅れている理由を知られたら殺される……」
花井はこの世の終わりかのような表情をして頼んだ。
「えー、どうしようかなー」
一方、サラの方は面白そうに勿体つける。
「この通りだ、頼む」
花井は両手をテーブルにつけ頭を下げた。

471 :Baby Face:04/05/05 22:06 ID:Ji.f0ClU
「しょうがありませんね。それじゃー、ここに通うのは一週間に一回までにしましょう」
サラはニコニコしながら言う。
「うっ、それは少し少ないんじゃないか……」
「じゃー、周防先輩に言います」
あくまでも笑顔をたやさぬまま、強気でサラは言う。
「わかった、君の言う通りにしよう……」
花井は顔を苦渋に歪ませながら言った。
「本当ですか?」
「本当だ。男花井、この言葉に二言は無い」
「じゃー、約束ですよ。えーと、何でしたっけ、日本では確か約束を破ったら針千本を
飲むんですよね?それじゃ、指切りをしましょう」
「よく、知っているな……」
花井はもう諦めたらしくそう言った。
「いろいろ勉強しましたから。じゃー、針千本飲むのを楽しみにしていますからね、先輩」
と真面目なのか冗談なのか、そのようなことを言いながら指切りをするサラは無邪気な笑顔で、
花井は疲れ切った顔をしていた。八雲はというと、ずっとおろおろしていた。

472 :Baby Face:04/05/05 22:10 ID:Ji.f0ClU
その後、花井はなんだか疲れたからと言ってすぐに帰ってしまった。
残された二人はまだ席に座ったまま休んでいた。
「あの、サラ、ありがとう」
「いいえ、どういたしまして。これで、ここでも播磨先輩と会えるね」
サラは意地悪そうな笑みを浮かべてそう言った。
「えっ……。なんでそのことを……」
「やっぱり、高野先輩の情報通りか」
どうやら晶でも正確な情報がつかめなかったらしく、サラはカマをかけたみたいだ。
「じゃー、これからゆっくりと詳しいことを聞こうかな」
「……」
そう言われてしまい八雲は戸惑うことしかできなかった。
「ふふ、うそ、うそ。八雲ったらかわいいんだから」
サラは八雲を見て笑いながら、
「八雲が話したいと思った時に話してくれればいいからね」
なぜか自分のことのように嬉しそうにして喋った。
「……えーと、うん、ありがとう」
八雲がそう言うと、二人は可笑しそうに微笑みあった。

――Fin.


473 :おまけ:04/05/05 22:11 ID:Ji.f0ClU
「晶に聞いたぞ、花井。最近、委員長の仕事が忙しいから稽古を遅れるとか言ってたくせに、
本当は天満の妹にちょっかいを出してたそうだな……」
「私も聞いたわよ、花井君。何が大会が近いから早く帰って稽古をしたいよ。本当はナンパ
しに行っていたなんて最低よ!」
「ちょっと待て、落ち着くんだ、周防、舞君。話せば分かる」
「「問答無用」」
「ぐわーーーー」

おわり。

474 :あとがき:04/05/05 22:12 ID:Ji.f0ClU
サラを書いているうちにどんどん黒くなってしまいました、白サラ好きの人すいませんorz


475 :Classical名無しさん:04/05/05 22:44 ID:ndwaBcT.
GJ!
黒サラ(゚∀゚)イイ!
おまけも面白かったです

476 :Power of alcohol?:04/05/06 01:04 ID:KbqZ0zuU
「それでは、乾杯」
その声を合図にカチンとあわされる3つのグラス。
そして刑部絃子と笹倉葉子、姉ヶ崎妙は一口グラスに口をつけた。
「体育祭も無事になんとか終わりましたね」
「無事と言うには随分と怪我人がでたような気もしないではないが」
「でも、そんなすごい怪我の人がいなかったので良かったです」
「いえいえ、姉ヶ崎先生の手当てのたまものですよ」
「そんな、私なんてまだまだですよ」
実際、今日の体育祭では大量の怪我人がでた。
特に2−Cと2−Dの対立はすさまじく、お互いのクラスだけではなく他のクラスをも
巻き込むという事態さえあった。
怪我人の内の何割かは、妙のお世話になりたくてわざと怪我をした奴だったのだが、
実際妙は良く働き、怪我をした生徒の治療を行っていた。
そんな妙を葉子は褒め、妙は葉子の言葉に照れながら謙遜していた。
「けど、良かったんですか?私もご一緒でしてしまって」
「ああ。堅苦しい教員全員での打ち上げよりもいいだろう?」
「たまには女同士でゆっくり語り合いたい事もありますしね」
妙の言葉に絃子と葉子が答える。
「それに、一時期拳児君がお世話になっていたそうだしな」
「刑部先生はハリオの従姉弟なんですよね?」
「ええ、同居人兼保護者みたいなかな」
「あら、刑部先生、姉ヶ崎先生には言ってたんですね」
「拳児君がお世話になった方だからね、同居人としてお礼を兼ねて事情を少しね」
なるほど、と葉子は絃子の説明に納得した。
「お酒でも飲みながらその時の事でもを聞かせてもらえないかな?」

477 :Power of alcohol?:04/05/06 01:04 ID:KbqZ0zuU
「ええ、私も刑部先生にハリオの事聞いてみたいですし」
どうやら、酒のつまみは播磨の話題に決定したようだった。

「でだ、俺に説明はないのか?」
「おや、いたのか拳児君」
「お邪魔してます播磨君」
「こんばんわハリオ」
いつのまにか部屋がから出てきた播磨がなんだこの状況は、という雰囲気で絃子に説明を求める。
「いたのか、じゃねえよ絃子。飲むのはいいけどなんで場所が家なんだよ!」
「"さん"をつけろといつも言っているだろう拳児君。それに半分は君のためなんだぞ」
「どういうことだよ?」
絃子の説明の意味がわからずさらなる説明を求める播磨。
「どうせ君のことだ、クラスの打ち上げに馴染めず家に帰っていると思ってね」
その言葉に思わずうっ、となる播磨。
確かに彼はクラスの打ち上げの雰囲気にうまく馴染めず早めに切り上げ家に帰っていたのだった。
当初の予定では、打ち上げの雰囲気に乗じ天満と仲良くなる作戦だったのだが、先に自分が参ってしまったのだった。
「そんな君が1人寂しく家にいるんじゃないかと思って家でということになったんだよ」
そんな説明をされては播磨にはもう何も言えなくなってしまう。
「わーったよ、そんかわり俺もまぜろよ」
播磨は文句を言うのをあきらめ自分も参加することにした。
「教師の前でそんなことが許されると思っているのか?と言いたい所だが今日は特別だ」
「それじゃ、飲みましょうか」
「ハリオも座って座って」
こうして播磨も参加し、女性3人+播磨の打ち上げは再開された。

478 :Power of alcohol?:04/05/06 01:04 ID:KbqZ0zuU

「そうだな、あの時の拳児君は可愛かったものだ」
「へー播磨君にもそんな時があったんですね」
「ハリオったら可愛かったのね」
播磨の話題で盛り上がっていく3人、一方
(会話に入れねぇ…)
播磨は全く会話に入れずにいた。
本当はごまかしたりしたいところなのだが、そんなことをすればさらに色々な事が言われるのは今までの
経験上でわかっているためジッと耐えていた。
「それより、姉ヶ崎先生、播磨君に押し倒されたという件は本当なんですか?」
「いえ、あれは私が久しぶりにハリオに会えたのが嬉しくって、つい抱きついちゃってそれで…」
葉子の質問に対して答える妙、播磨は一瞬ビクッと反応したものの何も言わなかった。
「まぁ私は拳児君の事だから、そんなことはありえないと思っていたがね」
その絃子の言葉に顔を上げ、つい絃子の顔を見てしまう播磨。
「なんだ拳児君、そのさも以外だと言う顔は。全く、私が何年君と付き合ってきたと思っているんだ。
君がどういう人物かくらいはわかっているつもりだ」
「そういう割りには随分と気にかけていたようですけどね」
ふふ、と笑みを浮かべながら言う葉子。
播磨はというと、絃子がそこまで自分を思っていてくれたことに驚きつつ心の中で感謝していた。
いつしか自然と場は柔らかい雰囲気になっていた。

しかし………
「でも、私はハリオだったら別によかったんだけどな」
その一言により場は一瞬にして凍りついた。
「な、何を言っているんですか姉ヶ崎先生」

479 :Power of alcohol?:04/05/06 01:05 ID:KbqZ0zuU
「だって私はハリオの事好きですし」
ややうろたえながら言う葉子に対し妙はさらに言い放った。
「でも、ハリオには好きな子がいるんだったよね、学校に行ってるということは告白したんでしょ?」
「そうなのか拳児君、いつのまに塚本君に告白したんだ?」
「ハリオの好きな子って塚本さんって言うのね、うまくいってるの?」
いきなり話を振られて焦る播磨、しかもまさか間違って退学届けを渡したとなどとは言えない。
「いや………」
なんとかしぼりだし一言だけ口にする播磨。
「そうだったの、ごめんねハリオ」
播磨の答えをフラれたととった妙は、播磨の手を取り慰めるように優しく言った。
「姉ヶ崎先生、私の前でそういうのは困るのですがね」
「あら、どうしてですか刑部先生?」
播磨の手を取る妙を止める弦子、そしてそれに対して聞く妙。
「保護者としてそういうのは困るということです」
「あら、本当に保護者としてだけですか刑部先生?」
あくまで表情を変えずに言う絃子に対して横から葉子の言葉が飛ぶ。
「どういう事ですか、笹倉先生?」
「従姉弟である播磨君が姉ヶ崎先生に取られそうで妬いてるんじゃないですか?」
問い返す絃子に対しする言葉を投げかける葉子。
「とにかく、困ります姉ヶ崎先生!」
絃子は葉子の質問に答えず、少し声を大きくして妙に言い放つ。
「好きな人を慰めるのは女の役目です」
「拳児君は保護者である私が慰めるから必要ない」
そういうと2人は向かいあったままお互いをけん制しあっていた。
その光景を呆然と眺めていた播磨は2人が少し様子がおかしいのを感じていた。
播磨はふと見ると2人の手元に中身のないワインのボトルや缶ビールが大量にあることに気づいた。

480 :Power of alcohol?:04/05/06 01:05 ID:KbqZ0zuU
なんのことはない、播磨は今まで気まずさから周りを見る余裕が無かったため気づかなかったが、すでに
2人は大量の酒を飲んでいたため酔っていたのだった。
(しかし、絃子が酔うなんて珍しいな。というか初めてじゃないか?)
普段酔わない弦子がなぜ酔ってしまったのかは播磨にわからなかったが、
とにかく2人は酔っているようだった。
しかし、気づいたところで事態が好転するわけもなく、
睨み合うように向かい合う2人を見て溜息を吐くだけだった。
すると、突然葉子が播磨の腕を取り播磨に言う
「お2人とも酔ってしまわれたようですし、ここは少し離れましょう播磨君」
葉子の居た場所にも大量の酒があるが、葉子の様子を見る限りでは酔っているかどうかの判別がわからない。
播磨が思わず「ああ」とうなずきかけたところで背後から言葉が投げかけられる。
「拳児君をどこに連れて行くつもりかな、笹倉先生?」
「そうですよ、ハリオは私と一緒にいるべきなんです」
絃子と妙に睨まれて「見つかっちゃいましたか」と言う葉子。
「だいたい、笹倉先生は関係ないでしょう」
「あまりにもお2人が播磨君の事ばっかり言うから感化されちゃったんですよ」
サラリと答える葉子に唖然とする播磨。
「拳児君」
「ハリオ」
「播磨君」
お互いの声がハモリその瞬間また睨み合い状態になる3人。
播磨は酔ったこの3人の相手をしないといけないかと思うと、胃が痛んだ。


翌日……
昨日の事が無かった事のように記憶から消えていた絃子と妙。
葉子は「覚えてない」とは言っていたがそれが本当のことかどうかは態度からは窺い知れなかった。

ちなみに、播磨は疲労困憊でその日寝込んだという。

481 :Classical名無しさん:04/05/06 01:15 ID:KbqZ0zuU
ということでお姉さんズ+播磨の話を書いてみました。
体育祭とか終わったらやっぱり打ち上げとかあるのかなーとかから思いついて
書いてみましたがいかがだったでしょうか?
絃子さんは酔わないイメージがあるんですが雰囲気に酔わされたって事で(いいのか?

これで3作目になるけども、自分がLvアップしてるかわかんねー(;´Д`)

482 :Classical名無しさん:04/05/06 01:18 ID:VYocZ.72
まさにGJ!
お姉さんズ勢ぞろいとは・・・
反則でしょう(*´Д`)ハァハァ
けど個人的にはもっとヤバイ所まで修羅場を発展させて欲しかったですがw
とにかく神でした。ぜひ次回もこのキャラで

483 :Classical名無しさん:04/05/06 01:30 ID:ndwaBcT.
ゴールデンウィークの締めにこんな素晴らしいSSを読めるとは(´∀`)
明日への活力になりますな
それにしてもカットされている部分(あれから朝まで)が気になります

484 :Classical名無しさん:04/05/06 01:34 ID:KmbJQayk
肉じゃがSS読んでみたい・・・

485 :Classical名無しさん:04/05/06 01:38 ID:VYocZ.72
やっぱりお姉さんズは萌えるなぁ

486 : :04/05/06 02:23 ID:VjvtVC7s
うろたえる葉子さんハァハァ
それ違っ
でも(*´д`*)ハァハァ

487 :Classical名無しさん:04/05/06 02:45 ID:JZmhiykM
最近SS投稿の量がいやに多くないか?
みんなどういう風にして読みわけしてんだろ。


488 :花井とラグーン:04/05/06 11:56 ID:AnIuSpFk
このSSは縦笛の方はご遠慮願います
周防ファンの方は特に
それでも見たい方だけどうぞ
SS名は花井とラグーンです
では投下します↓

489 :花井とラグーン:04/05/06 11:57 ID:AnIuSpFk
私は花井春樹
今、4年前にした約束をけりつけんがため列車に乗っている

〜4年前〜
「周防」
「何だ」
「4年だ4年で帰ってくる、帰ってきたら結婚してくれ」
「・・・いい男になったらな」
「ははは、これ以上いい男がどこにいるというのだ」
「ばか・・・」

〜そういって東京に旅立ったのが昨日のようだ

「***駅!***駅!」
おっとどうやら着いたようだ


490 :花井とラグーン:04/05/06 11:58 ID:AnIuSpFk
「花井〜、お帰り」
その声はかすれがかっていた
どうやら周防が迎えに来てくれたようだ
周防が息を切らしているなんて、よほど僕に会いたかったのだろう
そこで僕は最高の顔でこう言ってやった
「ただいま」と、
「おっ おう」と、周防はいい少し赤くなったのがわかる
楽しみは後に取っておくとして
「さあ道場で飲み会をするようだから行くとしよう」
「花井、変わってないな」
「周防も・・・だろ」
「・・・き・・・今日の飲み会は2−Cの時のメンバー全員がきてるんだよ」
「それは大変だ!!僕がいなければ盛り上がらんではないか!」
話しをそらされた気もするがまあいいか!それは楽しみだなあ

491 :花井とラグーン:04/05/06 11:58 ID:AnIuSpFk
〜道場〜
「花井君お帰り!!先飲んでるよ〜!」
みんなの第一声!!
やれやれと思いながら僕と周防は道場へ入っていった
3時間くらいたっただろうか、ドンちゃん騒ぎもだいぶ終わりかけている
僕は、4年前の約束にけりをつけるために周防を道場の裏に呼び出した


492 :花井とラグーン:04/05/06 11:59 ID:AnIuSpFk
〜道場裏〜
「どうした花井?」
「周防4年前の約束覚えているか?」
「・・・」
「どうした周防?」
「・・・ごめん!!」
「はっ?」
「・・・実は今、麻生と付き合っているんだ」
「へっ!」
「花井のことは今でも好きだ!!結婚してもいいと思うが、
 麻生のほうが今は好きなんだ!!ごめん!!」
「・・・」
「お互い4年は離れすぎたんだよ・・・」
ぼくは全身の力が抜けるのが分かった
しかし周防が選んだ事、潔く引こう
「ははは、そんな事気にする必要はない
周防の思ったようにすればいい」
「ごめん!!麻生が呼んでる、もういくよ・・・」


493 :おまけ:04/05/06 12:00 ID:AnIuSpFk
「あっそうそう、道場の掃除よろしく」
その夜、何かを悟った顔をした男が道場の掃除を黙々としており
周防と呼ばれる女の部屋からは苦しむような声がしたという



494 :あとがき:04/05/06 12:00 ID:AnIuSpFk
初めて書きました、批判、問題点、誤字、脱字指摘よろ
そうあの話ですSFCの・・・
あの話大好きなんで・・・
ものすごくダークでそれでいてリアリズム
あんまりうまく書けませんでした
ダークSSがあんまり無いようなんで
あまりにひどい話なので
詳しく書く勇気がありませんでしたことをお許しください


495 :Let's display fireworks.:04/05/06 14:46 ID:qWTM3Kjg

 梅津茂雄 現在高校二年生、彼は今、悩みに悩んでいた。
 では、一体その悩みとはなにか。

 曰く、不治の病
 曰く、冷めない熱病
 曰く、ひと時の迷い
 イラク、危ない(アレ?)

 そう、全国数百万人の男子高校生の5割強が悩み、もだえ、泣き叫ぶ、まさに阿鼻叫喚な悩み。
 そしてそのほとんどが解決できないシリアスプログレム。
 それは、いわゆる一つの恋の悩みであった。

496 :Let's display fireworks.:04/05/06 14:47 ID:qWTM3Kjg

 恋の悩みといえば、もちろんついて回るのは意中のあの娘
 彼の場合は、同じ部活の同じクラスの女の子、城戸円嬢である。

 現在の二人の関係は、部活中にトーク、たまに一緒に帰る、ごくまれに帰り道で軽い食事を食べる
 漫画的に言えば『友達以上、恋人未満』
 まあ、お互いが一番仲のよい異性と言って差し支えないだろう。
 なかなかいい関係である。

 だがしかし、ここに大きな落とし穴がある。
 『友達以上、恋人未満』とは、ぶっちゃけるとただの仲のよい友達でしかないのだ。

 あくまでも、お互いが一番仲の良い異性の 友達 である。

 この関係と、いわゆる恋人関係とでは、限りなく近く、果てしなく遠い。
 仲のよい異性 と 恋人同士 とは、隣同士の関係のようで、
 その実、はるか彼方のイス○ンダルよりも遠いのだ。

497 :Let's display fireworks.:04/05/06 14:48 ID:qWTM3Kjg

 あと、ついでに統計的に言わせてもらえば、女の子にとって男友達はフツーだが
 ごくごく普通の野郎にとっては「アイツとは女友達だけど…もしかして俺に気がある?」
 などと勘違いブッチギリなこともよくある。
 男はそれはもう盛大に馬鹿なのだ。
 ちょっとしたことで『オイオイ、もしかしてあの娘は俺のこと…』などと思うアホである。
 だから、今の世は女性のストーカーよりも、男性のストーカーのほうが圧倒的に多いのだ。
 男とは、そういう生き物なので、女性の方は注意されたし。

 閑話休題

 梅津としては、もう少しこのままでいいかな、とも思ってはいた。
 とはいえ、好きを好きだと意識した瞬間に、今までどおりの行動が出来ない不器用な男なのだ。
 なにぶん会話や行動する機会や多い二人である、ドキリとする瞬間もよくある。
 そのたびに、言葉がおかしくなり、変な行動に出てしまう。
 このままでは梅津=ちょっと変な人? というイヤな方程式が成立してしまうかもしれない。

 とゆうか、偶然にも二人きりになったりすると、なんというか
 いろいろと止まらないというか、辛抱貯まらんというか…
 まあ、決して変な意味ではないのだが、一人で盛り上がってしまうのだ。
 つまり、もはや精神的に最終防衛ラインを突破しそうなのである。

498 :Let's display fireworks.:04/05/06 14:49 ID:qWTM3Kjg

 と、そういうワケで彼は一念発起して、いわゆる
 『愛の告白』をしようと考えていたりする。
 やや思想や行動が一段飛ばしの感も否めないが、それは多分、まあ夏の魔力のせいであろう。
 ただし、単にせっぱつまって思考がややおかしいだけという可能性も否定はできない。

 ともかく、せっかくの練習の休みの日、彼は自室で汗だくになりながら、いろいろと
 シュミレーションを繰り返しては悩んでいるのだ、こんな↓感じで


「さて、どうやって告白するか、だ…」

 まずパターンとして

 1・直接的手法・つまり彼女の目の前で愛の告白
 2・間接的手法・つまり、なにかの媒介を通して愛の告白

「それじゃあ…まずは比較的気楽な間接的手法で考えてみよう」

(―――まず考えられるのは、携帯電話だ。とするとメールか? あっちのアドレスは問題ない、
しっかり聞いて、交換したからな、電話帳にしっかり入っている)

 ちなみに要らんコトだが、彼は城戸円を陸上部にもクラスメイトのグル−プにも入れてない
 ささいなこと、と笑うかもしれないが男とはそんなものである。

499 :Let's display fireworks.:04/05/06 14:50 ID:qWTM3Kjg

(確かにこれなら楽だ、文章をうって送信するだけ…うむ、悪くない…)

(いやまて、それでいいのか!?)

(それだと、なんというか本気に聞えないというか、真剣さ足りないというか…それじゃあ駄目
なんじゃないか?)

(ならば…電話で伝えるのはどうだ? これなら直接会うわけじゃないけど、声は直だ…)

(…よし、これだッ!)

 思い立っては即行動、恋する野郎は急に止められない。

 携帯の電話帳から、城戸円の電話番号を選ぶ、深呼吸をした後確定ボタンをプッシュ!

『……trrrrrr trrrrrr trrrrrr…』

 5秒経過

『……trrrrrr trrrrrr trrrrrr…』

 10秒経過

『ガチャ、はい、もしもし』
「あ、もしもし? 円か? オレだけど…」 
『茂雄? 何?』
「あ、え〜と、そのー…」

500 :Let's display fireworks.:04/05/06 14:50 ID:qWTM3Kjg

 言え、言うんだ俺! と自分を励ましながらも、その後に現実の言葉が伴わない
 出てくるのはあ〜とか、え〜と…といった曖昧な単語のみ。

『…?』

 ヤバイ! 向こうが変だと感じはじめた! いち早く察知する梅津少年
 今のこの場はとりあえず何か話題を振らなくては!

「あ、あのさ! 今度の練習は加瀬の競技場だったよな!」
『そうだっけ? それは来週でじゃなかった? 次の練習は普通に緑地だったと思うけど…』
「え、マジで…危ね〜間違って行くところだったぜ ハッハッハッハ」
『アハハ、意外なところで茂雄ってドジだよね』
「そ、そうか? でも…」

 ―以下部活で起こった笑い話をつらつらと―

『……それじゃあね、次の練習は緑地だから、間違って加瀬に行かないように』
「分かったって」
『じゃあ、競技場でね』
「おう、またな」

 ガチャ、ツー…ツー…ツー…

 _| ̄|○

501 :Let's display fireworks:04/05/06 14:59 ID:qWTM3Kjg

 電話はそれなりに盛り上がり、楽しい時間は過ごせた
 しかし、結局目的である告白は出来ず仕舞い
 憎い、自分の根性なしが憎い、ハンカチをかみ締める勢いでひとしきり自己嫌悪に陥る
 そして、またしても思考がループ・ザ・ループに突入する。

 だがしかし、天は彼を見放そうとしたが、彼が天にしがみついて離れようとしなかったので
 一発逆転サヨナラ満塁ホームランを狙える方法を発見したのだッ!
 
 そう、つまりは
 ラピュタは滅びん、何度でも蘇るさ!
 といった某ムスカな感じ。
 彼は一発逆転を狙えるソレを見つけたのだ。

 花 火 大 会

 回覧板の中に挟まれた用紙に大きく書かれた漢字四文字
 その下には、出店もあり、彼氏や彼女とひと夏の思い出に、と併記されている

502 :Let's display fireworks:04/05/06 15:00 ID:qWTM3Kjg

 こ れ し か ね え !

 夏の夜のお祭り! 浴衣姿の女の子! 盛り上がる二人! 夏の魔力で恋の魔法!
 浴衣姿がまぶしすぎて〜♪ お祭りの夜は〜胸が騒いだよ〜♪
 そんな歌を思い出す、夏の中盤、もっとも盛り上がるイベントである。
 シュチュエーションは万全だ、告白するならここしかねえ!
 意気揚々と自分を鼓舞する梅津、そのやる気はゴゴゴゴゴと荒木チックな擬音が出るほどだ。
 とにもかくにも、彼の今後の行動は決まった、あとは実行するだけである。
 彼は笑いながら一階へと駆け下りていく。

 ちなみに、計画はたてても実行する度胸がない、という自分の致命的な欠点を本人は忘れている。
 さらに追記すれば、あの歌の最後は
 キミがいた夏は〜遠い夢のなか〜♪ 空に消えてった〜打ち上げ花火〜♪
 …である。梅津、果たして彼の運命やいかに?

503 :Let's display fireworks:04/05/06 15:01 ID:qWTM3Kjg

 デロリアンで時間をすっ飛ばしたように、気づけば花火大会その日の夕方。
 …別に途中の描写がメンドイとか、そういった手抜きでは(ry
 ゲフン、ちなみに梅津は矢神神社の階段を昇っている最中
 隣にいるのは…驚くべきことに、城戸円である
 そして、他に部活の友人たちは見当たらない。
 つまりは二人っきりである。

 そう、今日この日、彼自分に課した困難なミッションをトム・クルーズばりに見事成功させたのだ。
 では、如何にして彼は円嬢を誘ったのか?
 それはとっても簡単―――

 何もしなかったのだ。

 エ゛――――(;゚Д゚)(;゚Д゚)―――――――ッ!?

 という声が異空間のどこかから聞こえてきそうだが、ちょっと待った。
 諸君、まずはその事情を見てみやうではないか。

504 :Let's display fireworks:04/05/06 15:02 ID:qWTM3Kjg

 時の流れを遡り、花火大会の当日の部活終了後。
 誘う、誘うぞ、誘うとき、誘えば、誘え! と五段階活用な独り言をする梅津少年。
 ずいぶん憔悴しきってはいるいるが、それは決して練習に疲れたわけではない。
 城戸円を花火大会に誘うと、夜空に輝く陸上の星(あるんか、そんなもの)に誓ったあの日から一週間
 カレンダーははらりはらりと進んでいき、すでに花火大会当日になってしまった。
 誓ってから毎日毎日なんとか誘おうというものの、いつもの病気(腰抜け&強がり)が出てしまい
 結局当日までなだれこんでしまったのだ。

 とはいえ、さすがにもうタイムリミット、当たり前の話ではあるが、今日を逃せば普通に無理。
 しかし、ここでいつもの悪いところが出てしまい
 練習の前は流石に…練習中はダメだろ…昼飯時は疲れてるし…と腰抜け再び。

 それでも男ですか! 軟弱者!

 と、某オペレーターに平手うちされそうである。

 ともかく、気づけばすでに帰り道。
 さりげなく無事に一緒に帰ることは成功した。
 本気で今言わなくてはいけない、ガチで。
 そう、もう腰抜けなんて、誰にも言わせない!(byマーティン)である。
 そして今がその時なのだッ!! 勇気を振り絞って!!

「な、なあ…!」
「あ、見てあれ」

 なにかを見つけたのか、たったったと駆けていく円

 _| ̄|○

505 :Let's display fireworks:04/05/06 15:03 ID:qWTM3Kjg

「…なにしてるの、そんなところで? それよりもこれ見て、今日は花火大会があるんだって」

 打ちひしがれる梅津だが、ピクリ、とその単語に反応する。
 彼女の御手が指ししめすのは町内掲示板。
 そこには夜空にきらめく大きな花火(のポスター)。
 どうやら神はもう彼を見捨てたいのに、職務としてか、見捨てれないようだ。
 ここでさり気に花火大会の話題へ移行 → なんとかして誘う
 本気でここがラストチャンスだ!
 …と思っているはずなのに

「ん、ああ…」
「…もしかして、あんまり興味ない?」
「まあ、フツーかな」

 うをぉぉぉ! なんでオレは素直になれねえんだァァ!
 …という梅津の心の叫びが聞こえそうである。
 思っている気持ちと、外に出る言葉のとの葛藤に、人知れず苦悩する少年、梅津茂雄。
 そんな彼を知ってか知らずか、円嬢は平気な態でこんなことをのたもうた。

「ね、一緒に行かない?」
「………………どこに」
「花火大会」
「……………………誰が?」
「茂雄が」
「……………………………誰と?」

 ニッコリ笑って自分を示す。
 そのとき梅津は、放心というかむしろ幽体離脱していたかもしれない。

506 :Let's display fireworks:04/05/06 15:04 ID:qWTM3Kjg

 たなからぼたもち、振って沸いた幸運、年末ジャンボ宝くじ。
 なんだかラッ○ーマンのように幸運に見初められた梅津
 この好機を逃してなるものか!
 と気合を入れて約束の時間の2時間前に待ち合わせ場所に到着するほどである。

 そして太陽は役目を終えようと西の空が赤くなったころ
 西陽の向こうから、見覚えのある輪郭が駆けてくる。

「…はぁはぁ……ごめん、待たせちゃった?」

 そのときの梅津の心境

   浴衣キタ―――――(・∀・)―――――――!!(注・あくまでイメージです)

 日本の美、夏の風流、いわゆる一つの最終兵器彼女(?)
 野郎のアコガレ浴衣姿である。
 梅津はイベント的には予想外ではないけれど
 普段とは違う、意外な彼女の姿に胸ドキドキ、夢ワクワクのアドベンチャー
 おおう、カワイイぜ…とか思っていたりする。
 こういうときに何か気の聞いたことを言うのが男の甲斐性なのだが、それが出来たら苦労しない。
 アホのようにボケーっと眺めているのみである。

「へへっ、浴衣を着てみたんだけど…どうかな?」

 キタッ! 遠まわしな女の子のちょっと褒めて欲しいなシグナル!
 ここで選択肢を間違うと好感度が下がってしまい(ちろりろん♪)
 逆に正解ならばアップする(ぴんぽろりん♪)

  1・円、キレイだよ…
 →2・へ〜、似合う似合う
  3・はっ、馬子にも衣装だな

507 :Let's display fireworks:04/05/06 15:05 ID:qWTM3Kjg

 1は無理だがせめて2を!
 そう梅津の脳内コンピューターは訴える……のだがしかし、この男、不器用につき

「…ま、ま〜ま〜だな」

 などと言ってしまう。

「…………ふ〜ん、そっか」

 それを聞いて少し曇る円の顔。
 それを見て取った梅津君はあせりにあせる。
 やばい、違う、そうじゃない!
 違う違う、そうじゃ、そうじゃな〜い♪(BGM)

「いや、違う、その…ままま、まーまー似合う! いや、まーまーとかじゃなくて似合ってる!」
「……………………」
「……………………」

 なんか変なことを勢いに任せて言った気がする
 カッコワリィー…と自分でも思いながらも、凍りついたように言葉が続かない。
 向こうもなんとも言えない梅津の行動に、ビックリして固まっている。
 二人の間に奇妙な膠着が続くなか、やっと言葉の意味を理解した円が、少し照れながら笑う。

「えへへ、アリガト…」
「え、あ、お、おう…」
「それじゃあ行こっか、もうお店とか始まってるし」
「そだな、行くか」

508 :Let's display fireworks:04/05/06 15:05 ID:qWTM3Kjg

 とまあ、ラブでコメったことなどがあって、二人は神社の境内へと向かっているのである。
 虹色ストロベリーな若者話に、少々胸焼けをしそうである。
 が、これも乗りかかったタイタニック号、もう少し二人を見てみようではないか。


 射的に、輪投げ、金魚すくいに、スーパーボール
 ボッタクリのような値段の焼きそば、とうもろこし、祭りには欠かせない綿飴。
 祭りの雰囲気がそうさせるのか、意外と素直に円と楽しんでいる梅津。
 いける、いつもよりも自然だ、今日なら、今ならいける!
 と勝手に自分の中で盛り上がる盛り上がる、すでに一人でクライマックス。
 そして、時を得たりと響くアナウンス

 ピンポンパンポ〜ン♪

『え〜っと、これに向かって言えばいいのかな?』
『姉さん…もうスイッチ入ってるから』
『ふえ? あ、ホントだ〜』
『姉さん…』
『あーあーただ今マイクのテスト中〜…うわ〜響いてる〜!これやってみたかったんだー!』
『ね、姉さん…町内会の人に怒られるからそろそろ……』
『はいはい、もうすぐ花火で〜す、皆さんお楽しみに〜! キャッホー!
 あ〜それから晶ちゃん、サラちゃん、今から…』

 ブツッ!

「………」
「………」

 なんだか聞き覚えのありすぎる声とテンションと名前が聞こえた気がする。
 …まあ、気にせずに、二人は花火がよく見える場所へと足を向けた。

509 :Let's display fireworks:04/05/06 15:06 ID:qWTM3Kjg

「…あんま人がいないな」
「ここはあまり知られてないから…ね、もう少しあっちの方がよく見えるよ」
「ん、分かった」

 円の案内に従って、境内の横手の広場へとたどり着いた。
 そこは人はまばらどころか、ポツリポツリとしかいないような広場 
 まさしく隠れた名所なのかもしれない

「…」
「…」

 二人でほどよい芝生に腰を下ろす。
 そこの静かな雰囲気のせいか、さきほどまでの楽しい喧騒の時とは違い
 二人ともやや口数が少なくなる。
 それは、さながら上映前の暗い映画館にも似て、
 これから始まる非現実への期待と不安に入り混じった感情だった。


 梅津が携帯の時計に目をやる、時刻は7時
 時間だ。

510 :Let's display fireworks:04/05/06 15:08 ID:qWTM3Kjg

 ドォ〜〜〜ン!!

 夜空に大輪の花が咲いた。
 黄色と赤と、オレンジと、色とりどりの花びらが咲き誇る。
 美しい炎と夜のコントラスト
 それは、わずか一瞬の美

 遠く喧騒から離れた、この静かな場所で見る花火は
 いつもよりも綺麗で、感動的で、ただ心を奪われたように魅入ってしまう。
 いや、それだけではない、隣にいる誰かのせいなのかもしれない。

 しばらく、二人とも無言で夏の夜空の花見を楽しむ。
 そして梅津は、今しかないと覚悟を決めた。

「…まど」
「あのさ、ちょっといいかな?」

 _| ̄|○

511 :Let's display fireworks:04/05/06 15:09 ID:qWTM3Kjg

 せっかく文体を変えたりして、雰囲気をかもし出しても台無しになってしまった。
 こちらを向く円に、もはや半泣きで問い返す梅津

「……なんでしょう」
「私ね、茂雄が好き」

 ―――――――………………へ?

 あっさりと、それでいてズッシリ響く円の告白
 梅津少年、その瞬間からフリーズ。
 脳内OSはウワァーンドウズME(めー)のようにうんともすんとも動かない
 ただひたすらにその言葉を反芻する。

 私ね、茂雄が好き…

(それはあれだろうか、いわゆるミスターの長嶋茂雄が好きとかそういった意味だろうか?
 でも、たしか円ってヤクルトファンだし、いや、ミスターが好きでもオカシクは無いけど
 まてよ、そもそもそんなコトをこんなところで言うか? いや、言わない(反語)だとすれ
 ばやっぱりオレのコト? んな馬鹿な、ご都合主義な、話が上手すぎるぞコンチクショー
 ならばもしかして夢? オレの妄想が暴走? オイオイ、そこまで逝ってたのか俺は、そ
 んなことよりも夢なら早く起きて円と花火大会に行かなくては…)

「ちょっと…大丈夫? さっきからブツブツ言ってるけど…」
「……は!?」

 遠くの世界に旅立ってしまっていた梅津、ゆさゆさと円にゆすられて
 やっとこっちの世界に戻ってきた。
 それでもまだはっきりしない頭で必死に考える。

512 :Let's display fireworks:04/05/06 15:13 ID:qWTM3Kjg

「…えっと、円サン?」
「ん、なに?」

 …先生、なんで彼女は告白をした後なのに、こうもあっさり笑顔を向けれるんですか?
 などと考えつつも、落ち着いて、慎重に円に尋ねる。

「いま、なんて言った?」
「だから、私は茂雄が好きって」
「それは…つまり愛の告白ってやつなのか?」
「もう、当たり前でしょ」

 なんでお前はそないあっさりやねん
 とう突っ込みを抑えつつ、梅津は尋ねてみた

「えーと、その…なんでだよ」
「…んーと、それはね、茂雄だから」

 すばらしく満面の笑みで返してくれる。
 それは、相変わらず答えになってない答えだった。
 もう少し詳しく、と梅津が尋ねると

「これでも、中学生のときから知ってたんだけどね、茂雄のこと」
「そ、そうなのか?」
「うん、陸上の記録界とか、大会とかで…結構お互いにいいところまで行ってたでしょ?」
「…まあ、決勝とかにはでれたけど…会ったことあったっけ?」
「その感じじゃ覚えてなさそうだね…ちょっと残念かな…」

513 :Let's display fireworks:04/05/06 15:15 ID:qWTM3Kjg
 二年生の地区大会の時、決勝のレースが始まるというその時
 不運にも円のスパイクの紐が切れてしまった。
 長いこと使い込んだ結果が、こんなところで悪い方向へと向かってしまったようだ。
 時間が迫る中、あせりながらも、どうしようかと悩んでいた。
 ベンチに戻るか、誰かに借りるか? 解決策を探しているときだった。

「どうかしたのか?」

 一人の他校の男子選手が話しかけてきた。
 突然コトにびっくりして、返す言葉を捜しているうちに
 向こうは円の様子を見て状態を察知したようだ。
 無言でバックから靴紐を出して、ホラよ、と渡してくれた
 呆然とする円にその男の子はニカッと笑いかけた

「女子100m〜並んでください!」

「お前、もうに出番だろ? 早くしなきゃ間に合わないぜ」
「え、あ…うん」

514 :Let's display fireworks:04/05/06 15:16 ID:qWTM3Kjg

 急いで靴に紐を通し、すんでのところで間に合った。
 レースの結果は惜しい3着、やはり、直前の出来事で集中力が乱れてしまったのだろう。

 やや意気消沈する中、すぐ後の男子100mのレースが始まった。

「あ…さっきの…」

 先ほど自分に靴紐をくれた男子が、第4レーンにいた。
 よくよく考えれば、あそこにいたのだから、当然選手である

 パァンッ!

 ピストルが鳴り、スタートする。
 弾丸のように飛び出して、ただただ真っ直ぐに全力で走る
 あの男の子は、一度たりとも誰も前に走らせずに、トップでゴールラインを駆け抜けた…
 その日の夕方、表彰式で、彼の名前を知った
 梅津茂雄。
 それ以来、円は大会になるとその名前をついつい追ってしまうようなった。

515 :Let's display fireworks:04/05/06 15:16 ID:qWTM3Kjg

「だから、すっごくビックリしたな、高校の陸上部の説明会に茂雄がいた時は」
「……」
「これでも、結構茂雄のこと見てたんだよ?」
「……」
「asicsのスパイクが好きみたいだから、私もasicsにしたり…」
「……」
「スポーツドリンクはアクエリアスよりもポカリスウェットの方が好き…」
「……」
「一位で走り抜けると、ゴールしたあとに空を見上げるクセもあるよね」
「……」

 梅津は心底驚いていた、そこまで自分を思っていたことに
 それから、そのことに自分が全く気づかなかったことにも

「1年のときはあんまり話せなくて、でも2年生になったらクラスまで同じで…」
「……」
「まずは話しかけようって、決心してたんだけど、結局夏までかかっちゃった」
「……」
「それで、今日告白するって決めてたんだ、勝負するなら今日しかないって」
「……」
「はい、私の話はこれでオシマイ!……それで、茂雄の気持ちが聞きたいんだけど…?」

「あ、えーと…その…」

 なぜかどもる梅津、まあ、気持ちは分からないでもない。

516 :Let's display fireworks:04/05/06 15:21 ID:qWTM3Kjg

「もしかして、迷惑だった?」
「ち、違ッ! そんなわけないって! 俺も今日こそ円に告ッ、こっ、こ…」
「………………」

 梅津、うかつ!
 そのまま、上手くやればそれなりにかっこ良く返事が出来たものを…

「いや、え〜と、な、なんでもねえから、な…」
「ふ〜ん…そっか、そうなんだ…」

 円が笑う。嬉しそうに笑う。

「な、なんだよ…その笑みは…」
「………ねえ、私たちって両思いでいいんだよね?」
「………」

 顔を真っ赤にしながら、梅津は小さく頷いた。
 円は、もう一度笑い、隣に座る自分の彼氏にほんのちょっぴり近づいた。
 花火はもうずでに終わっていた。
 それでも二人はもう少しだけ、その場に残っていた。


 fin 

517 :Let's display fireworksの中の犬:04/05/06 15:26 ID:qWTM3Kjg

 超絶少ないウメとマドカの話でした。
 本当はセミの王に見初められた円が、セミ大群に連れ去られそうだった所を
 梅津が助けて、大冒険と恋愛の壮大なスペクタルが始まる予定だったのですが
 いつの間にやらこんな話になりました(えー)
 相も変わらず妄想話ですが、自分の中では、告白したのは円だけれども、
 こういうウラがあったのでは?と思っております。
 いや、あの梅津のダメっぷりを見ると、そう思えて仕方がありません。
 ちなみに所々ふざけてますが、そこはどうかご愛嬌ということで…
 とりあえず円(*´Д`)ハァハァ

518 :Classical名無しさん:04/05/06 16:04 ID:H6nAMYN6
>>517
リアルタイムで読ませていただいたのですが亀レスごめんなさい
good job!以外の言葉はないですな。乙です。

519 :Classical名無しさん:04/05/06 17:33 ID:zoBnYnik
SSの中に絵文字使ってあるのかなりワロタw
ウメの空回りっぷりも良い感じです

あえて苦言を呈するなら、ちとマニアックなネタが多すぎるんではないかと

520 :Classical名無しさん:04/05/06 20:29 ID:MEeVVd3Q
俺的には所々のふざけが寒くて雰囲気壊してるようでもったいないと思ったが・・・
あくまで俺にとっては、なんで聞き流して下さい

521 :Classical名無しさん:04/05/06 20:51 ID:BZHrVop2
GJっていうかオモロイ!!!
オレはついていけたぞ
某キャラを彷彿とさせるフザケ具合がGOOD

522 :Classical名無しさん:04/05/06 21:22 ID:oGFGLjgE
個人的にはおふざけが前半に集中しているからこそ、後半が映えると思う。
GJ!

523 :Classical名無しさん:04/05/06 21:23 ID:oGFGLjgE
ageちゃった。すんません。

524 :Classical名無しさん:04/05/06 22:05 ID:sjF1u.n2
>517
Meがフリーズするなんてのは俗説です。私のメビウスは週に2回しか止まりません。
なんてことはどうでもよくておめ。梅津のヘタレ主人公っぷりが最高でした。
ネタが濃くないのはいいとして、その分手数が増えている気がするのはいかがなものか。

>494
まずは最低でも元ネタの正式名称くらい書いとく事! でないと検索すらできないから。
ダークさが最大の特徴(推測)なのにそこを削ってはパロディにならない気がしました。
あと、箇条書きっぽさが残っているので、好きな小説の文体なんかを参考にしてみては?

525 :Classical名無しさん:04/05/06 23:06 ID:AnIuSpFk
すみません元ねたはバハムートラグーンです

526 :Classical名無しさん:04/05/06 23:08 ID:StJZRwq6
はぁはぁ

527 :494:04/05/06 23:17 ID:AnIuSpFk
忘れとった
指摘サンクス

528 :Classical名無しさん:04/05/07 00:54 ID:3CNK1ovw
円キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

529 :Classical名無しさん:04/05/07 01:02 ID:aQMn/PAA
>>517
どの程度砕いてミキサーにかけた粉塵爆弾(?)にするかが綱渡り感覚のSSでしたね。
個人的にはちょうどいい塩梅でした。これ以上だとちょっと供給過多かな。
押さえるべきところはきちんと押さえてあるし、単品としてもキチンとSSになっているあたりは流石。
底力を感じさせるが見せない、そんな今回の作品は憧れるものがあります。
でわでわドッグサンのますますのご活躍を期待しています。それにしても筆が速いなぁ……


530 :Classical名無しさん:04/05/07 01:19 ID:fJQbFcBU
思い入れゼロのキャラだから・・・

531 :517の犬:04/05/07 02:41 ID:qWTM3Kjg
こんなに感想もらったのは久しぶりです(ぉ
嬉しいのでレス(ぉ
やはり感想云々というか、ネタを入れるかどうかに集中しているようで…
某アホ連載の毒気に当てられており、ネタを必死で抑えてこれです
ともかく今回の目標は「コメディ」というのコトでしたが…ギャグ、しかも馬鹿にしかなりません
総括すれば、ないほうが万人向けとしいてはいいかも、という雰囲気でせうかネ
一応、某所にこれの前の時間軸にあたる(ネタなし)のお話がありますので、どうか比べてみてください

>524
そこ(Me)は突っ込んでいい所なのかなw

532 :Classical名無しさん:04/05/07 07:36 ID:N/.QtK0s
いや、ほんとGJ!仕事行く前にホノボノできてよかった。

533 :Classical名無しさん:04/05/07 09:24 ID:QgDHaz56
というか、この531はなんなんだ?
>>531に書いてる、某所にあった作品をいろいろ見てみた
これの前の話は、まだ同じ作者だと思うのだが、そこにあった某サラの連載と
夜桜の作品を同じ作者が書いたとは到底思えないのだが…
いや、決して変な意味ではないんだが、俺は素直にそう思った
気分悪くしたらスマン

534 :Classical名無しさん:04/05/07 11:10 ID:VYocZ.72
某所ってどこ?

535 :Classical名無しさん:04/05/07 11:34 ID:ndwaBcT.
SS投稿避難所
俺とスクランのBBSの中のスレッドに有り。
SS書いたけどIFに投稿する自信がない人、荒らしの被害に遭った人達が投稿するところ。


536 :Classical名無しさん:04/05/07 11:42 ID:tZhEwmU6
なお、SS職人の作品を貶めるレスが一時期あったが、
その誹謗中傷レスを書いていた人のIDと、
荒らしの書いたスクランキャラと他作品キャラの荒らしエロSSへの自作自演マンセーレスを書いた人のIDが一致。

誹謗中傷レスは、荒らしによるIFスレ破壊の手段であったことが証明された。

537 :Classical名無しさん:04/05/07 11:48 ID:uEHLkSGA
なお、SSスレでの正規作品(保管庫に収録されるに値するもの)
に対する誹謗中傷は削除対象になっているため、次スレに移行する前なら
確実にあぼーんされるものと思って下さい。

また、荒らしには反応せず、スルーして下さい。

538 :Classical名無しさん:04/05/07 11:54 ID:tZhEwmU6
以上、再確認でした。


>>531
GJですー。前半の激しいノリもさる事ながら、後半のほんわかしたノリも自分にはツボでした。

539 :517の犬:04/05/07 19:54 ID:qWTM3Kjg
感想を書いてくださったかた、有難うございます。

それで、SS投稿避難所で一度投下した作品を、ちょこちょこ直したり、
さっくり加えたりしてみました。保管庫管理人氏に送ってすませるか
それとも投下しなおすか、どちらがイイ(・∀・)!ですかね
あ、こっちに投下したらマルチポストになるのかな?

540 :Classical名無しさん:04/05/07 21:45 ID:17IfhYw2
大幅に変わってるのならともかく改変程度なら保管庫の管理人さんに送った方がいいかと

541 :168:04/05/07 23:14 ID:zoBnYnik

続きができたんで投下します

542 :Cross Sky :04/05/07 23:16 ID:zoBnYnik


「こっちの方だったか…」
目的地に着くなり、そうつぶやく美琴。
今、二人が立っているのは遊園地の正面ゲート前。
「嫌なら別に良いんだぞ。」
仏頂面で言い放つ花井。
「嫌いじゃないって言ったろ?ホラ、拗ねてないで早く行こうぜ!」
先に駆け出す美琴。嫌いじゃないどころか、とても楽しみにしてるように見える。
そんな彼女の様子に、花井もようやく不機嫌な顔を改める。
「あせるな周防、まずはフリーパスを買ってからだぞ!」
「分かってるって!」
二人分の金額を払い、一日フリーパス券を受け取る。
そして、華やかなゲートをくぐり、二人は連れ立って園内に入っていった。
「で、何から乗りたい?周防。」
「一番最初は…やっぱあれだろ。」
そう言いながら、指差したのはジェットコースター。
「しかし、随分人が並んでるぞ。かなり待たされることになるが良いのか?」
「その位は当然だろ。あたしは構わないよ。」
笑顔を見せながら答える美琴。
「そうか、じゃあ並ぶとしよう。」
そう言いながら列の最後尾に並ぶ二人。
備え付けてあった看板によると1時間待ちらしい。その間、当然ながら暇つぶしに会話をしだす二人。
昨日は話をするのがぎこちなかった美琴と花井だが、今日は普通に話が出来ているようだ。
当然二人とも、訊きたいことも、話したいこともいっぱいある。
それが溢れ出すかのように、時間を忘れて会話を重ねた。
互いに、大学生活をどのようにおくっているか、私生活での出来事やサークルでの話など、それは、いつまで経っても終わることがない。




543 :Cross Sky:04/05/07 23:17 ID:zoBnYnik

気付けば、ジェットコースターの順番がまわってきた。
席に座り、ストッパーが降ろす。
「久しぶりだから、ちょっとドキドキするな。」
花井の顔を見ながら美琴は口を開く。
「ああ、僕もだ。」
同じく、美琴の顔を見ながら言葉を返す花井。
その直後、プルルルルルルルッと発車の合図音が鳴り響く。
ガタンッと一瞬揺れた後、ジェットコースターがゆっくりと動き出した。

「あー、面白かった!」
「思ったよりもスリルがあったな。」
伸びをしながら、ジェットコースターを後にする。
乗る前にはずしていたメガネをかけようと、ケースから取り出す花井。
そんな花井を見て、美琴は再び悪戯心がわきあがってきた。
後ろからコソッと近付き、彼のメガネをひったくる。
「お、おい周防!?」
彼女の突然の行動に驚く花井。それを気にすることもなく、笑顔を浮かべる。
「いいだろ、別に。ちゃんと返すから心配すんなって。」
彼女の言葉に、少々困った顔を見せる花井。
「しかしだな…それが無いと、お前の顔が良く見えん。」
「あたしにはお前の顔は良く見えるけどなー。」
おどけながらメガネをかける。しかし、度が強すぎたのか急にクラッとした感覚が美琴を襲った。
ついついよろける。
「っとと、なんだこれ。」
「ほら見ろ、調子に乗るからだ。」
そう言いながら、花井は顔を近づける。




544 :Cross Sky:04/05/07 23:19 ID:zoBnYnik
「お、おい何だよっ」
今度は花井からの思いがけない行動に動揺の色を隠せない美琴。
「何を焦っているんだ?僕はただ…」
両手を差し出し、メガネに触れると、彼女の顔からスッと外させる。そして、自分の顔に装着させた。
「ただ、メガネを返してもらうだけだ。」
呆気に取られた様子の美琴。
「だからって…そんなに顔近づける必要ねえだろ?」
「そう言うな。裸眼だと、近付かんとよく見えんのだから仕方あるまい。…それにしても周防。」
「な、何だよ。」
動揺した自分を訝しがられたのだろうか?心を構える。
だが、返ってきたのはそんな彼女の思惑とは見当違いな答え。
「お前は、メガネがあまり似合わんな。」
「どうでもいいだろっ、そんな事!」
ついつい突っ込む美琴。
だが、昨日とは違い、花井と一緒にいられる自分にホッとしていた。

その後も、園内にあるアトラクションを楽しむ二人。
そんな時、

グゥ〜〜〜〜〜〜

盛大な音が美琴の腹から聞こえてきた。
「…………」
それまで楽しそうな表情で話をしていた美琴だが、その音が彼女の表情、動き、思考等全てを凍りつかせた。
「なかなか腹の虫がでかいな周防。」
真顔でデリカシーの欠片もない発言をする花井。
その言葉に美琴はみるみる顔を赤くする。そして―――

ガンッ!

渾身の力で、花井の頭を殴りつけた。


545 :Cross Sky:04/05/07 23:20 ID:zoBnYnik
「!!…っつー…周防、急に何をするんだ。」
「いちいち言うな!そんな事!!」
プイッと身体を背ける。「相変わらずデリカシーのねえヤツだな」と呟くのが、花井の耳に届く。
時計を見ると、1時半を過ぎている。
「まあ…昼飯時の時間を過ぎてるから仕方ないな。スマン、周防。今の言葉は取り消す。」
「謝って取り消しゃ良いってモンじゃねーよ。」
まだまだ不機嫌な様子。
「そう言うな。ちょうど良いし昼食にしよう。」
その言葉に、美琴はバックの中の弁当の事を思い出す。
花井は昼食に適した場所を探そうと、既に歩き出していた。
「ま、いいけどね…」
そう言いながら、花井の後についていった。

「ここで良いか?」
「ああ、別にかまわないよ。」
二人が選んだのは、遊園地にはよくあるアラベスク調の白いテーブル。椅子も4つ備え付けてある。
向かい合わせに座り、二人とも同時に自分のバックをまさぐりだす。
「あのな、花井」
「実はな、周防」
その状態のまま、同時に喋りだす二人。

「「お前の分の弁当も作ってきたんだ。」」

台詞が重なった。
「「………………」」
今度は沈黙が重なる。
「お前も作ってきてたのか。」
先に口に開いたのは花井。
「ま、まあちょっと早く起きちまったんで、暇つぶしついでに…な。」
本当はちょっと、どころではないのだが。


546 :Cross Sky:04/05/07 23:21 ID:zoBnYnik
「まあ、それはともかくどうすんだ?これ。」
2人しかいないのに、テーブルの上には4つの弁当箱。ちょっと不思議な光景だ。
「そうだな…せっかくお互いの為に作ってきたのだから、僕はお前が作ったものを、お前は僕が作ったものを食べるって事で良いんじゃないか?」
「そうだな、そうすっか。」
花井の提案に賛成する美琴。早速、彼が自分のために作ってくれた弁当に手を伸ばす。花井も同様に彼女が作ってきた弁当を手に取る。
そして、もう片方の弁当を互いにバッグの中にしまいこんだ。
飲み物はここに来る途中、自動販売機でお茶を購入済みである。
弁当箱を包んでいたハンカチを取り払い、ふたの上にある割り箸を掴み、箸袋から箸を取り出す。
そして身体の前で、手を合わせた。
「それじゃ、いただきまーす。」
「では、いただくとするか。」
パキンッと割り箸を割り、ふたを開ける。そして一口目をほおばった。
「うん、美味いな。」
「お前のもなかなかだぞ。」
端的に感想を述べる二人。
「そういや、花井。向こうでも自炊してんだろ?どんな料理作ってるんだ?」
「こっちにいた頃のように、手の込んだものはあまり作れんな。やはり一品ものが多い。」
「栄養偏るだろ、大丈夫なのかよ?」
「仕方あるまい。贅沢はできんからな。」
取り留めのない会話が続く。話しても話しても、二人の話題は尽きることが無い。
それは、離れて生活していたことで生じた、二人の溝を少しずつ埋めていった。
その感覚が、二人にはとても充実する時間を過ごしてるように思えた。

「ごちそうさま。美味かったよ、花井。」
「お前の料理も十分満足できるものだったぞ。」
食事を終え、総合的な感想を述べる。どちらも中身は空っぽだ。
弁当箱を片付け、残り少しになったペットボトルのお茶を飲み干す。
「さて…腹もふくれたことだし、行くか。」


547 :Cross Sky:04/05/07 23:23 ID:zoBnYnik

そう言いながら、先に席を立ちペットボトルを近くのゴミ箱に捨てる花井。
美琴も彼の後を追いかけるように席を立ち、椅子を元の位置に戻した。
「次はどこに行く?」
パンフレットを広げながら、次はどのアトラクションを楽しもうか物色する。
「そうだな…食事をしたばかりだから、こういうヤツの方が良くないか?」
そう言いながら花井は、立体映像を見せる映画館を指差す。
「おっ、面白そうだな…ここからはちょっと遠いけど、まあいいか。よし、これにしよう。」
方向を変え、映画館のほうへ歩き出す。
「どんな内容なのかな?」
「さあな、行って見なければ分からんだろう。」
会話が再び始まりだす。昨日のよそよそしさが嘘だったかのように。
2年前まではこれが当たり前だった。
クラスメイト達と馬鹿やって、道場で児童達に稽古をつける。考えてみれば、1日の大半を一緒に過ごした当たり前の日々。
そして、離れて過ごして初めて気付いた相手への気持ち。
ついつい昔を懐かしむ。
と、その時、美琴の目にあるものが飛び込んできた。
「あ、花井。ちょっと待っててくれねえか?」
「?別にかまわんが…どうしたんだ?」
「ちょっとな。」
そう言いながら、そばにある売店に入っていく。
そして、1分位してある物を片手に出てきた。それは――
「カメラを買ってきたのか。」
美琴が手にしている物を認識して花井が呟く。
「せっかく楽しんでんだから、記憶だけじゃなくて、カタチにも残したいだろ?」
包装されている袋の中から、カメラを取り出す。そして、そのまま自分の目元にもって行き、花井に向けて構えた。そして、

パシャッ



548 :Cross Sky:04/05/07 23:25 ID:zoBnYnik

「っと、急に写すな周防。」
「いいじゃねーか、減るもんじゃねえし。」
自分の顔からカメラをずらし、ニコッと笑いながら言い放つ美琴。
そんな彼女の仕草に一瞬、花井の鼓動が高鳴った。
美琴は、立ち尽くしたまま動かない彼の様子に、少しだけ首をかしげる。
「どしたんだ?花井?」
「い、いや、何でもない。」
赤くなった顔を見られたくないのか、メガネを触るフリをして、顔を隠す。
「そっか?ならいいけど…。じゃあ、そろそろ行こうぜ。」
「あ、ああ。分かった。」
顔を赤くしたのを悟られぬよう、そっぽを向きながら彼女の後につき、映画館に向かって歩き出した。


楽しい時間というものは、やはりあっという間に過ぎるもの。
アトラクションをあらかた楽しんだ頃には、雲ひとつない空の色が変わりかけ、太陽がもう少しで地平線に隠れようとしていた。
昼には客も大勢いたが、夕方にもなると、人ももうまばらである。
二人もそろそろ帰らなければならない時間が近付いている。
だが、もう少しだけここにいたい。
名残惜しさが募る美琴。何気なく周りを見回す。そんな彼女の目に、まだ楽しんでいなかったアトラクションが目に飛び込んできた。
「なあ、花井。」
「なんだ周防?」
「最後に…あれに乗っていかないか?」
そう言いながら、彼女が指差したのは観覧車。
「そういえば…あれには乗ってなかったな。最後にいくか。」
歩く方向を変え、観覧車に向かう。
そして、ゴンドラに乗り込み、昼食の時と同様、向かい合わせに腰を下ろした。
ゆっくりと高度が上がり、景色が少しずつ変わっていく。
その様変わりしていく景色を眺めながら、再び美琴が口を開いた。


549 :Cross Sky:04/05/07 23:26 ID:zoBnYnik

「今日は…誘ってくれて、ありがと…。楽しかったよ。」
「いや、礼を言うのは僕のほうだ。付き合ってくれて…本当に感謝している。」
夕陽が互いの顔に当たる。
空が、ゴンドラが、自分の目の前にいる相手の顔が――全てがオレンジ一色になっていく。
目に見える総てのものが一色に染まるというのは、とても幻想的で、とても不思議な光景だということを二人は思い知った。
「ところで花井。」
「ん?なんだ?」
「その…いつまでこっちにいるんだ?」
外に向けていた視線を、花井の顔に向けながら尋ねる美琴。
その表情には愁(うれ)いの色が含まれているように見える。花井との別れを考えているのだろうか。
「4日後には向こうに戻るつもりだ。色々予定があるんで、そのくらいまでしかこっちにはいられないんだ。」
答えを返す花井。太陽を背にしているので、逆光で美琴からは花井の表情を窺い知ることが出来ない。
「そっ…か、意外と早いんだな。」
視線を落としながら呟く。その言葉に花井は少し笑い声を上げた。
「?何がおかしいんだ?」
「いや…卒業式のときも同じ台詞を聞いたと思ってな。」
「そ、そうだっけ?」
「ああ、確かに言ったよ。」
その言葉を最後にゴンドラ内に静寂が舞い降りた。別に話題が無くなったわけではない。
ただ、なんとなく。
二人は会話を止めた。
ゴウン、ゴウンと、ゴンドラの動く音だけが耳に届き、奇妙な感覚が二人を包み込む。
やがて、二人の乗ったゴンドラはてっぺんを通り過ぎた。
序々に高度が下がっていく。下に着けば、今度こそ帰らなければならない。
そう思ったとき、美琴は花井に、まだ聞きたい事があったのを思い出した。
「あのさ、花井。」
「なんだ?」
また外の景色を眺めていた花井は、美琴に話しかけられたことで視線を彼女に向ける。



550 :Cross Sky:04/05/07 23:28 ID:zoBnYnik

「高2の時のあたしの誕生日に…縦笛を吹いてくれたことがあったろ。」
「ああ、お前に下手くそ呼ばわりされて、散々なじられた事はよく覚えている。」
美琴の言葉に皮肉を返す花井。
「んな事はどうだって良いんだよっ。あたしが訊きたいのは…お前があの時、どういう気持ちで笛を吹いたのかな、って思ってさ。」
「何故、そんな事を知りたがる?」
「思い出しちゃってさ。小学生の頃いじめられてたお前が、今みたいになったのを…さ。」
言い終わると同時に、俯く美琴。
「…………」
美琴の言葉に沈黙する花井。そして、おもむろに口を開いた。
「あの時、笛を吹いた理由はな…」
その言葉に目線だけを花井に向ける美琴。
「お前に対する礼、とでも言っておこうか。」
「礼?」
「僕が変われたのは、お前のおかげだからな。あの時は、その感謝の気持ちを籠めて吹いたんだ。」
言い終わると同時に、少々照れくさかったのか、横を向く花井。
そんな彼に、昔の面影を見たような気がした。
懐かしいと思いつつ、最後の問いかけをする。
「そっか。じゃあ…」
そこで一旦言葉を切りながら、自分のバックをまさぐる美琴。
「これは覚えてるか?」
バックの中から出した何かを親指に乗せ、ピィーンと弾く。それを花井は手のひらで受け取った。
「これは……指輪か?」
そう、それは美琴がアルバムを片付けているときに見つけた銀の指輪。

―――――あの日この指輪を自分のために取ってくれたことを、あの日交わした約束をコイツは覚えてるんだろうか?

期待する美琴。



551 :Cross Sky:04/05/07 23:29 ID:zoBnYnik

だがしかし、自分が彼にとって大切な思い出を忘れてたように、彼も自分にとって大切な思い出を忘れていてもおかしくないわけで。
「…すまん、ちょっと思い出せないな。」
必死に逡巡した花井だったが、彼の記憶の中には、それは残っていなかったようだ。
「そっか、忘れちまったか。」
花井から指輪を返してもらいながら、返事も受け取りつつ、つい少し寂しげな顔を浮かべてしまう。
「覚えてて欲しかったんだけどな…」
指先で指輪をいじりながら、そう呟く美琴。
そんな彼女の様子を見て、悪いと思ったのか、花井はこう付け加えた。
「ならば、こっちにいる間に思い出してみせる。」
「へぇ、そんな事言って、思い出せなかったらどうするんだ?」
「思い出してみせる。」
意志を込めて、力強く言葉を返す花井に、美琴は笑みを漏らす。
「期待してるよ。」
「ああ、期待してくれ。」
花井もそう言いながら笑みを漏らす。
「さて、そろそろ下に着くな。」
「そうだな。」
二人の乗るゴンドラが、間もなく一周しようとしている。係員が外から扉を開けようと、取っ手に手をかけた――――

「じゃあ、帰るか。」
「あ、ちょっと待って。」
言いながら美琴は、たまたま近くを通りかかった客に、何か話した後、先ほど購入したカメラを渡している。
美琴の行動の意味に気付く花井。どうやら、一緒に写真に写りたかったらしい。
「いいですか?撮りますよ?」
カメラを持った人が二人に問いかける。
「はい、お願いします。」
美琴は返事をすると、彼の首の後ろに腕を回し、肩を組んだ。
「っとと、いきなり何だ、周防。」
彼女の突然の行動に、少々ビックリする花井。しかし、そんな花井の様子を気にすることもなく美琴は言葉を返す。
「いいだろ、別に?一枚くらいこんな感じで撮ってもさ。」


552 :Cross Sky:04/05/07 23:31 ID:zoBnYnik
そう言いながら、カメラに向けてもう片方の手でピースサインを作り、ウィンクをしながら笑顔を作る。
その顔が花井には、自分の側面を照らす太陽よりも眩しく見えた――――
「じゃあ、いきまーす。はい、チーズ!」

パシャッ

シャッター音が鳴り響く。
記憶だけでは縦笛や指輪のことのように忘れてしまうこともある。
だが、カタチに残しておけば。写真に撮っておけば。それを見れば思い出すことは可能だ。
きっと花井と美琴は、今日のことは決して忘れないだろう。
だが、鮮明に胸にとどめておきたい。今日の気持ちをまた味わいたい。
そんな心情があったからこそ、美琴はカメラを買った。彼と自分の様々な表情を収めておきたかったのだろう。
ゲートをくぐり、遊園地から出る二人。
本当はまだまだ一緒にいたいのだが。もう帰らなければならない。
だが、終わりがあるからこそ、「今」が楽しめるのだ。終わりがなくては時間に意味など無くなってしまう。
それを二人とも分かっているから、素直に帰路につくことが出来るのだ。
遊園地すぐ近くのバスターミナルで矢神町方面行きのバスを待つ二人は、なにも言葉を交わしていない。
だが、その沈黙は今までとは違い、二人にとって非常に心地良いものだった。


「今日は本当に楽しかった。ありがとう、周防。」
「いいよ、礼なんか言わなくたって。あたしも楽しかったからさ。」
美琴の家の前。
地平線に太陽が姿を隠し、辺りはオレンジ色から、光のない時間帯になってきていた。
黄昏時はとうに過ぎ去り、夜の帳が降りている。



553 :Cross Sky:04/05/07 23:32 ID:zoBnYnik

「また…今日みたいに楽しめると良いな。」
「ああ、その日を楽しみにしてるよ。」
別れるときというのはやはり寂しいもの。だが、ずっと一緒にいることなどできない。
自分には自分の、彼には彼の時間があるのだから。
「稽古には、明日からも顔を出すのか?」
「いや、明後日だけ休みを貰っている。地元の友人や、世話になった人にあいさつしておきたいからな。」
「そっか。」
最も短い言葉で、返事をする美琴。
「では、周防。また明日、道場で会おう。」
「ああ、それじゃな花井。……ちゃんと指輪のこと思い出すんだぞ?」
「分かっている。」
その言葉を最後に、花井は背を向け歩き出した。
美琴も玄関の扉に手をかける。
楽しい一日だった、今日のことはその一言に尽きる。
(またいつか、こんな風に遊べたら良いな…)
「ただいまー!」
奥にいるであろう両親に、帰宅したことを伝える美琴。
靴を脱ぎ、家の中に入る。
そんな彼女を迎え入れるかのように、扉がカチャリと無機質な音を立てて閉じた。






554 :Cross Sky:04/05/07 23:35 ID:zoBnYnik
以上、デート編投下しました。
ここが書いた中で、一番難しかったです。上手く書けてるのか、甚だ不安ですが


次の投下がおそらく最後になります。
もう少しだけ、ご辛抱ください。

555 :Classical名無しさん:04/05/07 23:44 ID:L/e/riWQ
>>554
弁当のシーンが、二人らしくてほのぼのしますた。
観覧車の情景も、なんとも言えず(・∀・)イイッ

ラストの投下、期待して待ってます(*´Д`)ハァハァ

556 :418の中の人:04/05/08 00:14 ID:JJUpa486
ども、また懲りずに書いてみました。しかも3作
と言うのも初めに書いていた麻生×サラの話が予想以上に難航しまして・・・
ちょっとした息抜きを兼ねて晶SSを書いてみたら今度はガンカタ書きてぇ・・・って事で補完をさらに1作
結局初めに書き始めた麻生×サラが一番最後に書きあがる上にサイズ一番小さかったり・・・
職人の皆様の才能を実感しました。凄すぎです
んで晶SSと補完なのですが・・・オリジナル設定加えすぎなので受け入れない方も居ると思います
そういう場合は読み飛ばしてください。それでOKです
それではお付き合い下さい

557 :Selection of Girls?:04/05/08 00:16 ID:JJUpa486
青く晴れた空に幾つか浮かぶ白い雲を軽く見上げながら麻生は自転車を走らせていた。サラに教会に手伝いに来てくれと頼まれた時に
今度の休みに、と言ってしまった手前行かないわけにもいかない。という事で麻生は休日の朝から教会に向かう事になったのだった
 「時間前には着きそうだな」
時計に目をやり独り言を呟くと少し先にいかにも教会。と言うような建物が見える。目的地に近づくにつれ
騒がしいと言うか元気と言うか、子供の声がどんどん大きくなっていく。
子供ってのは休みの日になると早起きするんだよな――と思っていると教会の入り口に大量の人影が見える
 「あ、麻生先輩」
 「お兄ーちゃん」
 「サッカーやろうぜー!」
また総勢で出迎えかよ――教会の前では修道服姿のサラと大量の子供がワクワクした目でこっちを見ている。これは予想外だ
あいつ一体何を吹き込みやがったんだ?あくまで俺は手伝いに来ただけなんだぞ――と非難の目線でサラを見ると何時もの笑顔で平然と受け流し
 「今日はありがとうございます」
と話すと同時に
 「サッカーしようぜサッカー」
 「ねえ、お兄ちゃんこっち来て」
子供が一斉に麻生の周りを取り囲むように押し寄せてくる。完全に囲まれた麻生は子供達の期待の目――何故かサラも――を受け
観念したように溜息を付くと子供達に話しかける
 「俺の体は1つしかないんだ。だから順番にしてくれ」
 「やったー!」
現金な物だな――とは思うが喜ばれて悪い気はしない。周りの子供達に促されるように麻生は教会の中に入っていったのだった

558 :Selection of Girls?2:04/05/08 00:17 ID:JJUpa486
サッカー――と言うよりは球追いゲームだったが―― 服の自慢――子供とは言え相手は女性だと言う事を嫌と言うほど感じた――
本の朗読――何回も読み返すのは地味にきつかった―― ヒーローごっこ――悪の怪人は袋叩きの運命らしい―― と引っ張り回され
今は肩車をして教会を1周するというアトラクションをする事になっていた
確かにこれはサラには無理だろうな――女性としても小柄な部類に入るであろうサラにはとてもではないが体力も筋力も足りないだろう
何時も出来ない肩車を楽しんでる子供達は目を輝かせて周囲を見ている。はしゃいで髪を引っ張るのまで――勘弁して欲しい――居る
とは言え口には出さない。子供達がこれ程まで楽しんでいるのは理由があるからだ
――あの子達はあんまり遊べないんですよ――前サラはそう言っていた。ここの子達はかまって貰えない子供達なのだと
色々な理由はあるがここに来る子供達に共通しているのは大人――親や周りの人――から受けるべき愛情を受け取れなかったのだ
物だけ与えられた所で見てもらえない子供は幸せにはなれない。心が大切なんです――
サラの言葉が正しいのだろうと麻生は肩の上で笑っている子供を見て思うのだった
 「みんなー お昼よー」
麻生が引き廻されている間に準備を済ませたのだろう。いつの間にか修道服からエプロン姿になったサラが部屋から声をかける
食べ物の魔力は凄まじい――文字通り駆け込むように教会に入る子供達を苦笑しながら眺める麻生に向かってサラは声をかける
 「先輩も早く来てください。先輩の分も用意してあるんです」
 「――ああ」
白を基調としたブラウスと黒いズボンの私服にエプロン姿のサラは贔屓目無しでも可愛らしいし、何よりエプロン姿が似合っている
とは言えそれを素直に褒められる器用な性格ではない麻生は何も言わないままなのだが
食堂に入ると他の人は全員席についているようだ――サラの隣に1つだけ空席があるのは自分の席だろう――大人しく席に着く
用意された昼飯は豪勢とは言えないだろうがそこはサラの作った料理だ。その腕は子供達だけでなく麻生も知っている

559 :Classical名無しさん:04/05/08 00:17 ID:qFsHwB2M
良いお話ですね・・・
花井の男気がかっこいいです。
それにしても、このカップルはつくづく両方が男っぽいし、仕切り屋だし、
このデート編書くの、大変だったろうな・・・

560 :Selection of Girls?3:04/05/08 00:20 ID:JJUpa486
感謝の言葉が終わるや否や猛然と食べ始める者、黙々と食べる者、楽しそうに話しながら食べる者・・・食事にも個性が現れているようだ
 「ねえ、おにいちゃん」
隣に座っている先ほど服の自慢をしてきた子――中々可愛らしい――が話しかけてくる
 「ん?何だ?」
子供相手だ、出来るだけ無愛想にならないように――そう思いながら返答する
 「私とサラお姉ちゃん、どっちの方が綺麗?」
その瞬間麻生の時が止まる―――どう答えろってんだよ・・・
セオリーなら少女を推すべきなのだろう。だが麻生の勘は警報を鳴らしている――それは踏んではいけない地雷だと
だからと言ってサラを推す訳にもいかない。そんな事をしたら少女は傷つくだろうし、本人の前で言える性格でもない
横目でサラを見る――駄目だ、目が笑ってない。顔は笑っては居るが真剣な目をしている
 「ねぇ?どっち?」
無邪気な笑顔で少女が追い詰めてくる。その反対側からは無言のプレッシャー。ここは――
 「・・・どっちも綺麗だ」
妥協案を提示する
 「駄目ー!どっちかなの」
即座に却下される
 「あー・・・」
どう言えば良いのだろう――麻生は全力で考える。どっちが綺麗かと言えばサラだろう――自分の知ってる中でもトップクラスなのは間違いない
付け加えるなら少女趣味を持ち合わせては居ない自分には少女の姿を可愛いならともかく綺麗と言うのは難しい。
しかし少女も本心から聞いているのだろうと思うと嘘を言うわけにもいかない。なら本心を言うだけか――覚悟を決める

561 :Selection of Girls?4:04/05/08 00:20 ID:JJUpa486
 「今どっちかって言うならサラの方が綺麗だ・・・」
 「えー」
少女は不満げな声を上げる――慌てて続きを言う
 「でも君はこれから大人になる。そうしたら今よりずっと綺麗になれる。そうなったらサラにも勝てるかもしれないぞ」
 「本当?」
 「ああ」
 「じゃあ私が綺麗な大人になったらおにいちゃんの恋人になってあげるね」
少女は満面の笑顔で恋人宣言をする。無碍に断る事も出来ずに麻生は引きつった笑みを浮かべるのが精一杯だ
 「先輩、綺麗な恋人が出来て良かったじゃないですか」
背中から不機嫌そうなサラの声――どうにか切り抜けたと思ったら地雷はまだ残っていたらしい
 「あのな・・・」
 「先輩、早く食べてください。まだ沢山手伝ってもらう事はあるんですから」
言葉に棘。かと言って少女に非があるわけではない――理不尽だとは思いつつもこうして麻生は大変居心地の悪い昼食を摂ることになったのだった

棘があるのは言葉だけではなかった―――昼食後麻生は文字通りサラにこき使われる事になる
洗濯物の取り込み、花壇の土の入れ替え、ベットの修理に加え窓拭き、礼拝室の掃除――次々と与えられる仕事をこなしながらも
子供の相手も――何時もならサラが仕事の邪魔になると引き受けてくれるのだが――並列して行わなければならない
只でさえ昼食で精神的疲労があるのに肉体的にも重労働の連続を続ける事になった麻生はこの後更に試練を迎える事になるのだった

562 :Selection of Girls?5:04/05/08 00:21 ID:JJUpa486
仕事を全部終え、帰り道を自転車を押して歩く麻生の隣にはサラ―――あの後結局まともに会話する事すらなかったのだ
気まずいな――――何時もなら色々話しかけてくるサラも今日は無言だ。はっきり言って不機嫌な雰囲気がありありと見て取れる
バイトやこの先の事を考えるとこのままにしておくのは精神上良くない。如何にかして機嫌を直してもらわなければ・・・
 「・・・昼飯美味かったぞ」
 「そうですか」
会話が途切れる――単純に褒めたつもりなのだろうが不機嫌の元を掘り起こす。不器用故だろうが乙女心は許してくれないようだ
 「あー・・・」
気まずさに耐えかねたように何回か口を開こうとするが、何を言えば良いのか判らない麻生は結局何も言えないままだ
だが、自分が何か言わなければならないのは判っているのだ―――駄目元で口を開く
 「昼の事だけどな――」
 「・・・」
サラは無言。だが聞いてるのだ、言わなければならない
 「機嫌を悪くしたのなら謝る。それにどっちが綺麗って聞かれた時なんだが・・・俺はサラの方が綺麗だと思う」
麻生は顔が赤くなってるのを自覚する――死ぬほど照れくさいのだ。頼まれた所で言えないような台詞を如何にかして搾り出す
 「だからってあの子にそんな事言える訳ないだろ。それに――」
 「それに?」
続きを促される。照れ臭さを無理やり押さえ込むのはかなりの精神力を必要としたがここが勝負所だ――
 「綺麗って言ったのは本当だ。少なくとも俺の知ってる限りではサラはトップクラスの美人だ」
今の言葉で最後の気力を振り絞った麻生は照れた顔を隠すように無愛想な表情をして顔を逸らす
それを台詞を聞いたサラは吃驚した顔をして麻生を見る――とてもじゃないが先輩がこんな台詞を言えるとは思わなかった
実際言うのも苦労したのだろう。照れた顔を隠すように顔を逸らす麻生はいつもの彼とは全然違う。
苦笑したサラは――まさか綺麗と言われるとは思わなかった――すっかり機嫌を直し心底の笑顔。肝心の相手は顔を背けているのだが
その心中を知らぬ麻生は顔を背けたままだ。恥ずかしくて顔が見れないだけなのだが

563 :Selection of Girls?6:04/05/08 00:23 ID:JJUpa486
と、その時サラの声が聞こえる。その声は聞きなれた優しい声で――
 「さっきの言葉――」
 「?」
恥ずかしさから顔を背けていた麻生はサラの方に向き直る。サラは柔らかい微笑みを浮かべながら――本当に綺麗な笑顔で――続ける
 「本当ですか?」
 「ああ」
 「本当に本当ですか?」
 「ああ」
サラは麻生の顔を覗き込むようにして――とっておきの悪戯を思いついたのだろう――どこか意地の悪い笑顔をしている
 「なら――もう1回私のこと綺麗って言ってくれたら許してあげます」
 「勘弁してくれ・・・」
 「良いじゃないですか」
 「俺は良くない・・・」
そして残りの帰り道を麻生はサラにせがまれ続け――さっきまでとは別の意味での窮地に陥るのだった

564 :418の中の人:04/05/08 00:25 ID:JJUpa486
プチ後書
とにかく難産でした。元々書きたかったのとかなり変わっちゃってますし(元々は耳を澄ませばの自転車をしたかった)
白サラを上手く書ききれていれば良いのですが・・・

565 :any face girl:04/05/08 00:28 ID:JJUpa486
そろそろね――
ショートカットの黒髪に切れ長の目をした少女――年齢的には少女といっても差し支えないだろう
は静かに人の視線から外れるように動き始めた。
ラボの中には大量の人が右往左往しているが誰も少女の動きに気に留めていない、彼らにとっては彼女の事などどうでもいいのであろう
使えればそれで良い――だからこそ自分がこうも簡単に潜り込めたのだとも言えるのだが
そして唐突に変化が起こった。誰も彼もが突然糸の切れた人形のように倒れだす
監視カメラと研究者の死角に置いた時限式の装置――時間が来れば催眠ガスを放出する――が起動したのだ
監視カメラにはジャミングで画像を送り込んでいるから監視が変化に気付くのは後の事になるだろう
少女の手際は見事な物であり名の知られたエージェントである事は間違いないだろう。――実際イタリアでも騒動に巻き込まれたのだが――
あの少年―ジョルノ―は頑張っているのだろうか、と少女―高野晶―はあの人の面影を思い浮かべ軽く笑みを浮かべた
昼は女子高生、夜はエージェント。それが高野晶と言う少女だ
ボディーチェックが甘いようね――簡易ガスマスクを付け、一人平然と立って居た晶はPCの前に座り、キーボードを素早く叩き情報を集める
後は目的の情報を集めてエージェントと合流してから逃走、と言うのが今回の計画の大体の流れだ
エージェントも監視カメラの細工で簡単に潜入できる。とまでは行かないでも大分苦労はしないで済むだろう
前もっての情報ではSクラスのエージェントが――晶ですらBランクである事を考えると念の入った事だ――が来るらしい
どちらにしても自分の仕事をするだけね――晶は今まで潜入して手に入れた情報を駆使して目的のデータを見つけだす
そのために今まで潜り込んだのだ、MDを入れてデータをコピーすると後は完了するまで待つだけだ――とその時

566 :any face girl 2:04/05/08 00:29 ID:JJUpa486
 「中々見事な手並みだな」
何時の間に――無意識は瞬間的に反撃と逃走経路の確保をしようとするが意識して抑える。
相手の方が確実に上手だ、ここは相手に従って大人しくした方が良い
 「お褒めに預かって光栄ね」
気を張り詰めながら返答する
 「そんなに警戒するな、俺は味方だ」
まだ若い男――声から晶はそう判断した
 「女の後ろに立つなんて良い趣味とは言えないわね」
 「気を抜ける仕事じゃねぇからな」
少なくとも敵意は無さそうだ――晶はそう判断して最後のシークエンスを終了させ、データの入ったMDを手に入れると
 「そうね、その点は同意するわ」
振り返る――
 「「・・・・」」
無言。
 「あー・・・もしかして・・・高野か?」
 「・・・麻生?」
エージェントは若い男と言う自分の予想は当たっていたが――正解は若い男どころかクラスメイトの麻生広義だった

用事が終わったならすぐさま消えるに限る――麻生と共に研究所内を走りながら晶は口を開く
 「まさか貴方がエージェントだったとはね」
 「同感だ」
Sランクと言えば裏の世界ではブラックリスト載りの事を指す大物だ。それ故に数が非常に限られる
実際にSランクのエージェントは100人前後しか居ないのだ――それが自分のクラスメイトだとは。
 「Sランクのエージェントの資料は全員目を通しているのに貴方の名前を見た事はないのだけど」
 「・・・鋼の後継って知ってるか?」
 「噂程度にはね、何でもSランクの―剣客―の教えを受けた凄腕の少年エージェントらしいけど」
 「その爺に鍛えられた少年エージェントが俺だ。Sランクなのは爺であって俺じゃねぇからな。俺は平和主義者だ」
 「Sランクエージェントが来るって聞いたのよ。期待して良いのかしら?」
 「あんまりされても困る」
晶は麻生の横を走りながら倒れている人――麻生がやったのであろう――を端目に見る
武器を使った形跡が無いまま昏倒している――これだけを見ても相当な実力だと言えるが、気になる事がある

567 :any face girl 3:04/05/08 00:32 ID:JJUpa486
 「全員気絶させてるだけなのね」
1人2人ならともかくこれだけの厳重な警備網を突破するのに全員気絶で済ますのはどう考えても効率が良いとは言えない
危険性だって上がるし、何より接触する必要があるのだから時間がかかるのだ
 「・・・どうしてもってんなら仕方ねぇが、出来るだけ殺したくねぇんだよ。誰かを殺したら誰かが悲しむ」
麻生は呟くように答える
 「爺や八咫さんには甘いって言われてるけどな」
 「そうね、私もそう思うわ」
でも、そんな甘さは嫌いじゃない。あの人もそうだったもの――晶は口には出さない続きを心の中で呟いた
研究所を出て、晶は気がついた
 「そういえば、ここからどうやって移動するのかしら?」
研究所は山奥にある――ドラマのようだが、現実も結構そんなものだ――ここから目的地まではかなりの距離がある。とても徒歩では無理だろう
かと言って乗り物を持ってきては目立ちすぎる。それをどうにかするのがエージェントとしての腕の見せ所でもあるわけなのだが――
 「こっちだ」
麻生は何時もの様に無愛想に答えながら山奥の方へ歩む。とはいえ目の前には5m程の壁があるのだが。
麻生は付いて来た晶の腰をしっかり掴むともう片方の手を上に上げる
―バシュ―
と言う小さな音と共に手首にはめてあるワイヤーが飛び出し、壁の上に引っかかる
 「捕まってろ」
微かなモーター音を響かせながら2人の体が宙に浮く
まるで忍者ね――抱き寄せられて宙に浮きながら麻生を見つめた。実際片手で100kg近い―自分はそんなに重くはない―負荷を支えているのだから
一般人と比べてもかなり鍛えられてるのだろう。黒尽くめの服装も何処となく忍者と言うイメージを思い浮かばせる

568 :any face girl 4:04/05/08 00:33 ID:JJUpa486
壁の上に着くとそこにはバイク―CB400―が1台。晶は身を離し、麻生はそれを気にする風もなくバイクに向かいヘルメットを晶に投げる
 「メットを付けとけ」
 「貴方は?」
 「ゴーグルがあれば良い」
 「そういうものかしら」
 「どちらにしてもあと少しだ。我慢しろ」
 「この後はどうするの?」
 「山道をこいつで抜ける。一般道はまだしも流石に山道までチェックは出来ないだろ」
 「また随分と素敵な作戦ね」
 「行くぞ。しっかり捕まってないと振り落とされるぞ」
キーを捻ると眠っていたバイクが息を吹き返し、鼓動を始める。晶は麻生にしっかり抱きつくと
 「今回は特別サービス」
 「そいつはどうも」
CB400と言うのは山道を走るのには向いていない。と言うより普通のバイクは文字通りの山道を走るようには作られていない
その中を麻生はまるで踊るようにバイクを操っていた
木々の間をすり抜け、段差を飛び越え、お世辞にもなだらかとは言いがたい道―道と言うのも疑問だが―を80km近い速度で駆け抜ける
晶はしっかりと捕まりながらも麻生の運転技術に舌を巻いていた。自分もバイクの運転位はこなせるがこれは全く次元が違う
謎の多い人――晶はそう思った直後、それは自分もか。と我が身を振り返る
あの人もそうだった――晶が普通の少女であったのはあの人に出会うまでの事だ。あの人に出会ってから自分は変わったのだ
だが、それでも良いのだ――あの人に出会えた事に比べれば変わった事などなんて事はない、むしろお釣りが返ってくる位だ
そう、恋する少女は強いのだ――だからあの人と一緒に居られるように変わったし、あの人が愛してくれたあの時の自分も残っている
 「そろそろ下に下りるぞ。揺れるからな」
晶が物思いに更けている間にバイクは先に進んだらしい――麻生はハンドルを切ると一気に山道を下る。その下には道路
晶には3mはあるであろう段差をどのようにしてかは判らなかったがバイクはふわりと着地すると速度を速める
道には見覚えがある――ここまで来れば相手もそうそう大きな手は出せない程距離は取れたらしい

569 :any face girl 5:04/05/08 00:34 ID:JJUpa486
 「甘かったか」
 「え?」
麻生の呟きに晶は疑問を返した。
 「後ろだ。誰かが追ってきてる」
 「そう・・・」
後ろを振り返る。小さなライト――バイクの光だろう――が見える。この調子なら車も来ているのかもしれない
 「逃げ切れそう?」
 「微妙な所だな。何しろこっちはパワーがそれほどある訳じゃない」
 「何とかして欲しいところなのだけど」
 「車やバイクはあらかた潰しておいたはずなんだがな」
 「でも追ってきてるわよ」
 「だから甘かったとな。なんにしても逃げ切るしかねぇ」
麻生はアクセルを握りなおすと速度をより上げて行く。晶は麻生の腕を考えればそうそう追いつかれることもない。と考えた
しかし走り続けていくとその考えを改める事になった。距離が縮まっているのだ。目的地まであと50kmちょっと
残り10kmは街中だから相手も諦めるだろう――となれば残り40kmで勝負をかけてくる
ギリギリ入れる――晶はそう読んだ。残りの行程と今までの詰められた距離を見ればおそらくこちらの勝ち。
相手は街に入ってしまえば動けない。しかし反対に麻生は浮かない顔をして悩んでいる
 「高野――お前バイクの運転出来るか?」
 「一通りならね。けどどうする気?」
 「俺は降りて奴らを止めるからお前はそのまま行け」
 「このまま行けば逃げられるんじゃない?」
 「後ろから追ってる奴が諦めればな。下手すりゃ街中で追いかけっこだぞ。そんなのは御免だ」
 「貴方は大丈夫なの?」
 「やれる自信があるから言ってる。出来ないのに無理してそこまでする義理はねぇよ」
 「信じて良いのね?」
 「ああ」
 「――わかったわ」
何故そんな事をさせたのか。と問われればきっと晶はこう答えたであろう――
その時の麻生はあの人にそっくりだったから――

570 :any face girl 6:04/05/08 00:35 ID:JJUpa486
後ろから手を伸ばしてハンドルを固定。それと同時に麻生は軽く飛ぶように身を投げる
晶はミラーで確認すると麻生は何も無かったかのように立ち上がっている。大丈夫と言ったのだから自分は信用するまでだ
 「やりにくいわね」
スーツでバイクを運転する物ではない――だが晶はアクセルを緩めずに走る。自分が今すべき事は信頼に応えるだけだ
程なくして晶は街でも有数の高層ビル――目的地に着いた。追っ手が全く来ないと言う事は麻生が相手の追撃を食い止めたのは間違いないだろう
 「後でお礼でもしなければならないわね」
麻生の心配する必要はない。あの人に似ているなら彼も約束は守るはずだ。だから後の事を考えよう。受付に行き
 「須藤に取り次いで頂戴。言えば判るわ」
 「はい、畏まりました―――部屋に来てくれとのことです」
 「判ったわ」
晶はエレベーターに乗るとビルの最高層の中の1部屋――雇い主が待っている部屋の前に着く。ノック――返事を待ってから扉を開ける
 「ご苦労だった」
 「いえ、それほどでも」
 「形式的な物だ。さほど気にせんでくれ」
 「判ってます」
 「疲れただろう、MDをそこにでも置いて帰って休みたまえ。これからは君への仕事も少し落ち着くはずだ」
 「―――はい」
晶はMDを机の上に置くと部屋を出る。その姿を眺めた男は悔しさをかみ締める様な声で
 「あのような少女すら使い、危険に晒さなければならないとは私達はどれだけ業深いのだろうな――」
晶は振り向かない。その先に待っている人が居るのなら自分はやり遂げるだけだ。あの人にはそれだけの価値がある
でも、ただの女子高生の高野晶にも大切な友人が沢山居るのだ――だからそれも大切にしたい
彼――麻生広義――もきっとそうなのだろう。気付かないだけで普通と言うものは本当は価値があるのだから

571 :any face girl 7:04/05/08 00:35 ID:JJUpa486
そして―――
 「高野――居るか?」
 「あれ?麻生先輩?」
サラ・アディエマスが入り口を見て声を上げる。どうやら来たらしい
 「重要な用事があるから来てくれ。って事らしいが」
晶は麻生の家に電話をかけ――連絡網と言うのは便利なものである――麻生はその時家には居なかったのだから
親に伝言――明日学校の茶道室に来るように――を伝え、麻生はその伝言を聞いて茶道室にやって来たのだ
 「立ち話もなんだから座って」
 「そうですよ、麻生先輩」
納得の行かない顔をする麻生だがサラにも促された事で観念したのか、椅子に座るとサラも嬉しそうにその隣に座る 
 「重大な用事ってのは何なんだ?」
疑問符の浮かびそうな表情の――無愛想なのは相変わらずだが――麻生に向かって晶は質問の答えを返した
 「とっておきの紅茶を飲ませてあげるわ」

572 :418の中の人:04/05/08 00:38 ID:JJUpa486
プチ後書2
色んな人ごめんなさい。スクランのSSですかこれは?って内容になってしまいました
晶を書こうと思ったらいいネタが思い浮かばなくてやってしまいましたアクションネタ
更に補完の形でもう1本作ったりしました。いや・・・思った以上に進んだんです・・・

573 :wonder school boy 1:04/05/08 00:39 ID:JJUpa486
バッ!ザザザザザザ!!
転がりながら衝撃を分散し麻生は素早く立ち上げると走り去っていくバイクを眺めた
さて、後は俺があいつ等の相手をして時間を稼ぎ切れれば大丈夫だろ――
確かに潜入の前に車やバイクは使用不能にしたのだ――それがこうも簡単に追ってくるという事は
 「ここまで万全に準備してるっつー事はただで返すつもりは毛頭ないんだろうな」
と麻生は読んでいた。となるとバイクもただ追ってくるだけとは限らない、下手をすると銃器を持っている可能性もある
自分一人ならそれでも逃げ切れる自信はある――それだけの訓練も実践も潜り抜けてきたのだ――がもう1人居るのでは難しいだろう
それにスーツ姿の高野を背中に乗せていたら万が一の場合に――銃弾が打ち込まれたりしたら――どうしようもない
バイクの音が段々近づいてくるのを確認しながら麻生はコートからSIG/SAUER P226とFN FIVE SEVEN ――2丁――取り出す
速度を緩めずバイクが迫ってくる。このまま無視するつもりか――そう判断した麻生は残り30mと言うところでSIG/SAUER P226を構える
ガンガンガンガン!!!
345m/secの速度で撃ち出された9mm弾は狙い道理タイヤを打ち抜き、バランスを崩されたバイクは盛大に転倒する
燃料のガソリンに引火したのだろう――盛大に炎を巻き上げる 道路にばら撒かれた炎とバイクの残骸は道路の殆どを塞いでしまった
 「これで他の奴らも素通りはしないだろ」
ちらりと倒れたバイクの遥か先に倒れている人間に目をやる。動けないだろうがおそらく死んではいないだろう。とは言え病院に運ばれれば
数ヶ月ベットに縛られる事にはなるだろうが。かと言って手当てする暇もないのだから下手すれば死ぬ可能性もあるのだが
まあ、1時間もしない内に警察がすっ飛んでくるだろうな――と麻生は考えていた。相手も警察に対して大きく出られはしないだろう
仮に上を説得したとしても現場の人間はそんな事知りもしない。他の所ならともかく日本では金を見せた所で見ない事にしてくれる
ような現場と言うのはほぼありえない――日本警察の優秀さを相手も仕事柄嫌と言うほど感じているはずだ

574 :Classical名無しさん:04/05/08 00:40 ID:w0Bdqwto
投下します、初投稿です、一応おにぎりですが、前半戦沢近出ずっぱりです。

575 :wonder school boy 2:04/05/08 00:40 ID:JJUpa486
 「道は塞いだ、強引な突破をすれば2の舞なのは間違いないとすれば・・・まあ俺を狙ってくるだろうな」
やがて車がやってくる――黒塗りのベンツが数台――どれもこれも防弾処理を行っている事は間違いないだろう
 「ま、駄目元でやってみるか」
FIVE SEVENを構える
ガンガンガンガン!!!
650m/sの速度で撃ち出された5.7mm弾は狙い道理フロントガラスに打ち込まれるがどれもこれもガラスにヒビが入るだけ――
 「防弾チョッキもぶち抜くんだがな・・・」
5.7mmアサルトライフル弾を拳銃で撃ち出す。と言う斬新なコンセプトを持つFN FIVE SEVENだが相手もそこまで甘くはないらしい
4台・・・5台か――5台のベンツから次々と銃器を持った男達が出てくる。総勢20名と言った所だろう
相手が出た所を狙って――とは思ったが流石に相手もその手のプロだ。タイミングを上手く潰された
その中でも一番偉そうな男――実際偉いのだろうが――が口を開く
 「データを返してもらおう」
 「断る。それに俺はデータなんざ持っちゃいない」
 「判っているさ。ミス・高野・・・彼女がデータを持ち出した事位は我々も確認済みだ。だが君も我々にとって十分障害なのは確かだ」
 「そっとしておいて欲しいんだがね」
 「我々がそっとしておいた所で君は何も変わらんよ。名が知られるとはそう云う事だ。鋼の後継」
 「有名扱いとは光栄だね」
 「扱いではなく有名だよ、君は。抜群の戦闘能力と運転テクニックを持ちながら出来る限り人を殺さないエージェント・・・
 噂通りのようだな。まさかあの役立たずどもを1人も殺さないと言うのには少々驚いたよ」
 「安心しろよ。確かに殺さずに済むならそうするが必要なら手前らみたいな屑を殺す事に躊躇するほどお人良しじゃねぇ」 
 「さて・・・依頼主には悪いがお前を殺せば名が売れるんでね。ミス・高野は後回しだ・・・今貴様に死んでもらう」
 「嫌だね。それに1つ言っておく事がある。俺をエージェント扱いするな・・・俺はただの高校生だ」
会話が終わると同時に一斉に銃が向けられる。幾つもの射線が自分を狙っているのを感じながら麻生は男達の中へ走り抜けた

576 :wonder school boy 3:04/05/08 00:42 ID:JJUpa486
ガガガガガガガガガ!!!!
細かなステップを刻みながら左右の銃を構える――相手の中心に入る事によって同士討ちの可能性が出ると相手は銃を撃てなくなる
その分自分は包囲される危険性を孕む代わりに気兼ねなしに銃を撃つ事が出来る。そしてその危険性を解消するために生み出された
総合戦闘術――ガン=カタ――を叩き込まれた麻生にはこの程度の状況は問題ではない
ガンガンガンガンガン!!!
円運動を使い相手の銃の射線から外れると同時に銃を撃つ。その反動すら利用し次の動きに移る。麻生は戦いはまるで踊るようである
しかし踊りとは違い銃が火を噴くと周りの男達が倒れていく。交差した腕の先の銃が火を噴く。周りの男達が構えた銃が狙いを定める前に
そのまま左足を軸に体を回転させ後方に向き直る。伸ばした腕の先にはしっかりと男達がポイントされ、銃が火を噴くと共に倒れる。
相手も防弾ジャケットを付けているのだろうが、足、腕、顔――カバーされていない部分にSIGが撃ち込まれる
FIVE SEVENに対して防弾ジャケットなど何の役にも立たない――50m先でもレベルIIIAクラスの防弾チョッキを貫通するのだ
数分が過ぎる頃には銃声も止み彼方此方で呻き声が響く中、立つのは麻生と先ほど会話した男のみとなった
 「予想以上だよ」
 「そいつはどうも」
男の言葉に投げやりな返答をしながらも麻生は相手を注意深く観察し、そこそこ使うな――と判断した
実際何発かは狙って撃ったのだ――だが無傷で平然と立って居ると言う事は回避されたと言う事だろう
 「本当に褒めているのだよ、まさかガン=カタをこうも見事に使いこなすとはね」
男が持つのはベレッタM92FS――を2丁
 「だが私もガン=カタを使えてね。何発か私を狙ったようだがあの程度の銃撃を避けるのは容易い」
自分の腕に絶対の自信があるのだろう。使いこなせれば圧倒的な戦闘力を持つガン=カタは修練も困難を極める
それを使いこなしていると言うプライドが男を今まで支えてきたのだろう―――そのプライドを守る為に同じガン=カタを使う麻生を倒す
この世界はプライドと風評が何よりも重要なのだ。男がこちらに歩いてくる。距離が5m―――3m―――1m

577 :wonder school boy 4:04/05/08 00:43 ID:JJUpa486
ジャッ! ガンガン!!
お互いの腕が伸ばされ相手に向けられる――ベレッタとFIVE SEVENが火を噴く
直前で身を翻した2人は再びもう片方のベレッタとSIGを構え――お互いの腕を絡ませるようにして射線から身を外す
ガンガンガンガンガンガン!!!
踊るように回る度に銃が火を噴き、それを身を翻して避け、それがまた踊るようなステップを生む―――
そろそろか―――麻生は男と激しい戦闘を繰り広げながら待っていた
相手は流石にあれだけの台詞を吐くだけあって中々の腕を持っている。このままやれば負ける事は無いだろうが殺さずに済ませられる自信もない
徐々に速度を速めていったことで相手は銃の動きに全神経を集中しているだろう――そこが狙い目だ
回転しながらバックハンド気味に銃を向ける――そこを相手がスウェーバックしながら身を逸らす。今だ――
回転の勢いを殺さず麻生はスウェーした相手の足を蹴り飛ばす――男は足を蹴り飛ばされバランスの崩れた片足立ちになる
相手はどうにか反撃しようと腕を伸ばすが既に相手の体の内側に素早く潜り込む。狙うは顎――
麻生の放ったショートアッパーは狙い違わず相手の顎に吸い込まれ――脳を激しく揺さぶられた相手はそのまま崩れ落ちる
 「ガン=カタは確かに圧倒的戦闘力だ―――けどどれだけ強かろうが選択肢の1つに過ぎねぇ。ガン=カタのみに頼ったのが間違いだったな」
麻生は諭すような口調で言い放つと――相手は気絶して聞こえていないだろうが――手早く武装解除と拘束、止血を始める
また爺にゃ甘いって言われるんだろうな―――自分の知る限り最強の――最凶でもある――人物の顔が浮かぶが動きは止めない
この仕事をやっている以上、人命は世界より重いなどという戯言を信じている訳ではなし、実際何人もの命を奪った事だってある
しかし出来るだけ人を殺さないという事が自分がただの高校生である為には譲れない一線であり、ただの高校生である証なのだと思っていた
高野も大丈夫だろうな―――全員の応急処置と拘束を終え――戦闘よりも時間がかかっているのが皮肉だが――
麻生は男達の持ってきたベンツに乗る。火も時間が経った事によりガソリンが尽きてきたのだろう。もう小さな火が燻っている程度だ

578 :Classical名無しさん:04/05/08 00:44 ID:jrv0mCSw
>>544
GJ!
次で終わり!?
期待度は高めで待ってます

>>571
こちらもGJ!
ホンダのCB400、MOじゃなくMD
なかなかコってますね〜

579 :wonder school boy 5:04/05/08 00:44 ID:JJUpa486
 「おっさんか、俺だ。――ああ、ちゃんと仕事は終わらせた。まあ全員半殺しって所だ。――ああ、警察が来たよ。日本警察は優秀だな」
パトカーとすれ違う。後でナンバーを控えられるだろうが元々あいつ等の車だ、追われた所で痛くも痒くもない
 「ああ、そうだ。おっさん――俺はSランクエージェントなんかじゃねぇぞ。平穏と平和を愛する一般高校生だ」

後日
最強の爺に鍛えられ――甚振られたとも言う――帰宅した麻生は親から「明日の3時重要な用件があるから学校の茶道室へ来てくれ」
との高野からの伝言を受け取り茶道室にやってきたのだが―――
 「高野――居るか?」
 「あ・・・」
 「あれ?麻生先輩?」
開いた扉に反応八雲と共にサラがこちらに顔を向けると嬉しそうな顔をして――と言っても何時も笑顔を浮かべている気もするが――中に誘う
 「重要な用事があるから来てくれ。って言われたらしいんだが」
サラに塚本八雲――クラスメイトの塚本天馬の妹らしい――が居るのだからまさかあの時の話ではないだろうが
かと言って他の事で呼ばれるような覚えも無い。と考えを巡らせる麻生に向かって高野はテーブルの方へ促す
 「立ち話もなんだから座って」
 「そうですよ、麻生先輩」
相変わらず読めない奴だな――とは思うがここは従ったほうが良いだろう。と観念して麻生は椅子に座るとサラも嬉しそうにその隣に座る 
 「重大な用事ってのは何なんだ?」
さて一体何が出るんだろうか。無表情な高野の顔からは何も読めない
 「とっておきの紅茶を飲ませてあげるわ」
 「―――は?」
我ながら間抜けな声を出したと思うが、予想外の答えが返ってきたのだから仕方ない
 「この前のお礼よ」
 「あれ?麻生先輩と部長ってお知り合いですか?」
サラが興味深々と言った表情で聞いてくるが
 「ちょっと困っていた時に手伝ってもらったのよ」
高野は平然と返す―――無表情と言うのも便利なものだな。と素直に感心してしまう麻生

580 :wonder school boy 6:04/05/08 00:45 ID:JJUpa486
 「それにクラスメイトなのよ。だから誘ったと言う訳」
 「そうなんですか」
納得した表情をするサラ。確かに高野の言っている事は本当の事だし説得力も十分だ
 「そうだ――先輩、パイも食べませんか?」
立ち上がりお茶を――麻生の分の――入れながらサラが尋ねる
 「そうだな、貰うか」
 「はい――どうぞ。茶道部特製フランボワーズのパイです」
紅茶と一緒に差し出されたパイだが肝心のフランボワーズが判らない――まあ変な物では無いだろう。パイを1口食べ、紅茶を飲む
 「―――へぇ」
 「どうです?」
 「美味いよ。中々の物だ」
フランボワーズ――木苺――の酸味が生かされたパイは確かにそこらの物顔負けの味だし、紅茶も取っておきと言うだけあって香りが良い
 「そうですか?」
嬉しそうな声のサラは隣の席に座りなおすとパイを食べる麻生を満足そうな顔で眺める
 「ん?」
 「なんでもありません」
結局麻生がフランボワーズのパイと紅茶を飲み終えるまでの間サラは満足そうな顔を崩す事なく眺め続けて居たのだった
 「ご馳走になったな」
 「気にしないで」
相変わらずの愛想の無い返答を受けた麻生は気にする事もなく席を立つ
 「んじゃ俺は帰らせて貰うぞ」
 「判ったわ――ああ、それと」
何かあるのか?と振り返った麻生に対して――微かに微笑んだ晶は告げた
 「ウチの部は立ち入り自由だから何時でもいらっしゃい。歓迎するわ」

581 :418の中の人:04/05/08 00:51 ID:JJUpa486
578の人ごめんなさいっ これで終わりです
ガンカタ書きてーってのから始まったのが3作目なのですが、一応2作目の補完に+αして
普通っぽさも出してみました

さて、ここで皆さんに質問です
正直オリジナル設定出しすぎたのですがこれってどうでしょう?
1、オリジナル色強すぎ。もう少し大人しくしる
2、まー面白ければ良いんじゃね?
3、つーかお前はもう書くな

あとこの作品で茶道部イベントなフラグを立ててみたのですが、誰か俺の代わりに書いてくれる人居ませんか?
花井な人も茶道部来るだろうから色々面白いんじゃないかなーと
え?お前が書けって?書くつもりなのですが文才が無いので・・・他の職人さん達の方が生かしてくれそう(逃げ)
前と同じく感想を戴けると嬉しいです。正直このペースで書けたのも感想パワーによるものですよ

582 :Classical名無しさん:04/05/08 00:54 ID:jrv0mCSw
すみません、途中で感想書き込んじゃって
って言うか、リベリオン・・・?
とりあえず2で!


583 :Classical名無しさん:04/05/08 00:59 ID:ezICyu5E
つ〜か もうスクランじゃね〜し!!

584 :578:04/05/08 01:07 ID:w0Bdqwto
そんじゃ今度は自分行かせていただきマース



585 :574:04/05/08 01:09 ID:w0Bdqwto
上間違い、自分574です


586 :open your mind:04/05/08 01:13 ID:w0Bdqwto
「それでさー、」
「うんうん。」
2−Cの教室は、なんとなしにけだるさを醸し出しつつも今日も活力に満ちていた。  
 いつものなんでもない一時、不満があるわけではないが、その状況に慣れてしまうと、
刺激を求めてしまうのは人間の性であり。それは金髪の帰国子女、沢近愛理とて例外では
無い。
 友人とのたわいも無い雑談も一段落つき、沢近は次の話の話題を探すべく教室を見渡し
た。
「ん?」
沢近の興味を引いたのは、携帯でメールを打っている一人の男だった。男の行為自体は取
るに足らない、ありきたりのものだった。しかし、沢近にとってその行為はその男、ヒゲ
改めベレー帽の悪漢、播磨拳児には不似合いなものに思われた。
「へぇー。」
沢近は目を細め、口元をわずかに笑みの形に吊り上げた。さしずめその目は獲物を見つけ
た猛禽類といったところか。
「ちょっとあんた。」
そういい捨てると沢近は、驚く友人たちを尻目に播磨のほうに颯爽と歩を進める。
「あんた何してるのよ。」
沢近の高飛車な態度にうんざりしたように、播磨は大きくため息をひとつつくと面
倒くさそうに口を開いた。
「メールだよ。」
必要最低限の言葉だけを発すと、播磨はもうお前との会話はこれで終わりだと言わんばか
りに視線を携帯の画面に戻した。が、沢近は播磨のそんな態度など意に介さないといったように質問を続ける。
「うそでしょ?」
その意味ありげな言葉に播磨は片眉をあげ、怪訝そうに聞き返した。
「そりゃどう言う意味だお嬢。」
「言ってもいいの?」
沢近は少し意地の悪い笑みを浮かべ、続けた。
「だってあんた、友達いないじゃない。」

587 :open your mind:04/05/08 01:18 ID:w0Bdqwto
「なっ!」
その確信に満ちた口調に気圧され、反論の機会を逃してしまった播磨に止めを刺すべく沢
近は一気にまくし立てる。
「いつも教室にいるときは自分の席に仏頂面して座ってるだけだし、あんたと誰かが仲良
さそうに話してるところなんて一度も見たことないもの。あんたと多少は面識がある花井
君や今鳥君ですらあんたのメールアドレス知らないじゃない。」
「群れるのが嫌いなだけだよ。」
「協調性が無いってことでしょ。」
播磨のうなるような反論を沢近はあっさりと切り捨てた。
「じゃあ聞くけど、いるの?友達。」
「ったりめえじゃねえか。」
「誰よ?」
「へ・・・。」
「何年何組の誰かって聞いてるのよ。」
「そ、そりゃあ・・・。」
「先輩?後輩?同級生?それとも他の学校の人?ほら、答えられないじゃない。」
沢近のその人を小ばかにしたような態度に、もともと気の短い播磨は思わず後先考えずに
言い返す。
「後輩だよ!1−Dのやつだ!」
「名前は?」
「そこまで言う必要はねえだろうが。」
「ま、いいけど。邪魔したわね。」
そう言い放つと、沢近は播磨に背を向け、友人達の輪の中に戻っていった。
「けっ、言いたい放題言いやがって。」
播磨は沢近の背に悪態をつくと、ふてくされたように机に顔をうずめた。
「ふん、あの馬鹿、見え見えの嘘なんかついちゃって。」
そういう沢近をとがめる周防と天満。
「お前も意地悪いよなー。」
「播磨君、かわいそうだよ。」
「なによ、ホントのこと言っただけじゃない。」

588 :open your mind:04/05/08 01:20 ID:w0Bdqwto
「だけど愛理・・・。」
文庫本から視線をはずさないまま晶がポツリとつぶやく。
「播磨君のこと、よく見てるね。」
「・・・たまたまよ。」
晶の不意打ちに不機嫌そうに答えると、沢近は黙々と弁当を食べ始めた。
 その様子に周防と天満は顔を見合わせ苦笑する。
 ガララッ
ちょうどその時、教室のドアが開いた、
「あれ、どうしたの、八雲。」
塚本天満の妹、塚本八雲であった。
「姉さん、体操服忘れてたよ。」
そういって手提げ袋を渡す。
?マークを頭に浮かべながら天満は後ろの黒板に目をやる。
「あっホントだ!六限体育だー。ありがとう、八雲。」
「お前ちゃんと、日課調べてんのか。」
あきれたように周防が言う。
「昨日は調べてる途中に”三匹が斬られる”が始まったから、そのまま忘れちゃったみた
い。」
てへっ、と舌を出す天満にでこピンをかますと周防は八雲に椅子に座るよう促した。
「サラは?」
文庫本に栞をはさみながら晶は周囲を見渡すが、八雲の親友であるサラの姿はどこにもな
かった。
「あ、サラは募金運動の打ち合わせで職員室のほうに・・・。」
「あ。」
唐突に沢近が声をあげる。
「どうした?沢近。」
「八雲って1−Dよね。」
「え、あ・・・、はい。」
まさか自分に話を振られるとは思ってなかった八雲はワンテンポ遅れて答えを返した。
「あなたのクラスに、不良とかいる?」
「いえ・・・。」
「じゃあ頭悪そうなやつとか。」

589 :open your mind:04/05/08 01:26 ID:w0Bdqwto
「さあ・・・。」
「サングラス愛好家。」
「たぶんいないと思いますけど・・・。あの、どうかしたんですか?」
沢近の奇妙な問いに混乱する八雲。
「いや別にどうってわけじゃ・・・、」
「愛理は播磨くんの友達が誰か気になるみたい。」
「違うわよ!晶、それ以上ふざけたこというと言うと怒るわよ。」
「照れない照れない。」
すさまじい剣幕の沢近にも動じずいつものポーカーフェイスで茶化す晶。その言葉に沢近
のテンションがさらにアップする。だがそんな喧騒を横に八雲は一人考え込んでいた。
(友達、友達、友達・・・。)
自分のクラスに播磨さんと付き合いがありそうな人間は思い当たらない。そもそも播磨さ
んも、あまり人付き合いが得意なほうではなさそうだ。となると・・・私?いや、先輩に
友達だなんて失礼かも・・・。そもそも漫画の相談を受けているのだって、私がたまたま
播磨さんの原稿を見たからであって・・・。
「八雲?」
「えっ。」
姉の声に現実に引きも戻されて周囲を見渡す。どうやら思ったより長く考え込んでいたら
しく、みんなが心配そうに八雲の顔を覗き込んでいた。
「大丈夫か?なんだか元気無いぞ?」
「あ、いえ・・・大丈夫です。」
「そうか、ならいいんだ。」
「けど何かあったら遠慮なく言いなさいよ。」
場の雰囲気も再び和み、またなんでもない雑談が再開される。雰囲気を壊さなくてすんだ
とほっと胸をなでおろしたその時、八雲の携帯が着信を知らせた。
(播磨さんだ・・・。)
メールを開いてみると液晶画面には「ごめんな、迷惑かけちまって。口が滑っちまった。
」とメッセージが表示された。
どうやらこちらの話は播磨の席までしっかり届いていたらしい。
(これって・・・。)

590 :Classical名無しさん:04/05/08 01:28 ID:w0Bdqwto
とりあえずここまで。残りは明日の昼までに投下いたします


591 :Classical名無しさん:04/05/08 01:30 ID:jrv0mCSw
えっ!?
生殺し!?

592 :Classical名無しさん:04/05/08 01:39 ID:ndwaBcT.
>>581


>>590
そんな、こんなところで何てひどいよw
まあ首を長くして続きを待っております。楽しみな引きですね。

593 :401:04/05/08 01:54 ID:fjGCxdoI
>>168

ご苦労様です。
続き読ませてもらいました。
デート編ですね〜いや〜2人ともお互いの為に弁当を作ってきたっていうのが、
2人らしいといえばらしいですね(笑)
次で、最後ですか・・・どんな結末になるか楽しみにしています。

前に書いたSSの続きができたんで投下します。
よかったら、見てください。

594 :Classical名無しさん:04/05/08 01:55 ID:NT4051MA
>>581
書いてくれるのはとてもうれしいけど、ちょっと連続で投下しすぎだと思う。
感想書く暇もないし、他の人も投下できないし。
一つ投下したらちょっと待ってみたらどう?

>>590
GJ!続きを期待してます。

595 :騎馬戦:04/05/08 01:55 ID:fjGCxdoI
「うん。大丈夫・・・たいした事ないみたいね」

腕を痛めた美琴を診てもらおうと保健室に来た花井と美琴・・・
そこで保険の先生、姉ヶ崎先生に診てもらっていた・・・

「だから、大丈夫だって言っただろ」
「しかしだな・・・」
「花井は、昔っから大げさすぎなんだよ」
「そういうお前は、無茶しすぎなんだ・・・」
腕の状態を診てもらいながら、2人は軽口を交し合う

「さて・・・っと、あとは湿布薬を貼っておとなしくしていれば大丈夫よ」
「先生・・・この後のリレーなんですけど・・・」
「う〜ん・・・そうねぇ・・・足を怪我したわけじゃないから、出れなくはないけど・・・」
「けど?」
「先生としては、あまり無理はしてほしくはないわねぇ」
「・・・・・・」
「そうだな・・・仕方がない。誰かに代役を頼むしかないか・・・」
「えっ・・・だ、大丈夫だって!!」
「先生も無理はしない方がいいって言ってるだろ?」
「で、でもよぉ・・・」

ガララ〜扉を開けて誰かが入ってくる

596 :騎馬戦:04/05/08 01:56 ID:fjGCxdoI
「先生〜クラスの子が、ちょっとケガしちゃったんで来てもらえますか?」
「あら・・・どうしましょう・・・」
「先生。アタシの方はいいんで、そっちの方に行ってあげてもらえますか」
「・・・う〜ん・・・じゃあ、そこの・・・えっと・・・」
「花井です。」
「花井くんね。それじゃ、花井くん悪いけどその娘の手当ての続きをお願いね」
「それと、リレーに出るかどうかは、あなたたちで決めなさい」
「じゃ、彼女を大切にしてあげなさいよ」
「「なっ」」
「せっ、先生」
「コイツとは、そんなんじゃないですって!!」

姉ヶ崎先生に、2人の仲を茶化された美琴と花井が顔を真っ赤にして否定する

「ふふふ・・・そういう事にしておくわ」

そう言って、姉ヶ崎先生は、呼びに来た生徒と一緒に出て行った


597 :騎馬戦:04/05/08 01:57 ID:fjGCxdoI
「・・・ったく・・・何言ってるんだ・・・あの先生は・・・」
「僕には、塚本八雲くんという思い人がいるっていうのに・・・」
「・・・なぁ・・・」
「ん・・・どうした?」
「・・・アタシと恋人同士・・・っていうか、そういう関係に見られるのがそんなに嫌なのか?」
「・・・えっ?」
「い、いや・・・なんでもない・・・気にしないでくれ・・・」

姉ヶ崎先生の何気ない一言で、お互いを意識してしまう2人・・・

今の保健室には2人以外誰もいない・・・しばらく、沈黙の時間が続く・・・
そして、その沈黙を破るかのように、美琴が花井に話かける。

「なぁ・・・花井・・・」
「・・・ん・・・なんだ?」
「・・・なんで・・・騎馬を崩してまで、アタシを助けたんだ!!」
「・・・よければよかったのに・・・他のヤツらなともかく、アタシだったら受身がとれるんだし!」
「それに!それに!!」
美琴がキツイ口調で花井を責め立てる。
その言葉に対して花井が冷静に言い返す。

「さすがに、よける訳にもいかんだろ・・・それに・・・あの体勢では、いくら周防でもうまく受身なんてとれなかったはずだ・・・」
「・・・・・・」
花井の言葉に何も言い返せない美琴
あの時、もし花井が助けなかったらこの程度で済まなかっただろう


598 :騎馬戦:04/05/08 01:57 ID:fjGCxdoI
「でも・・・お前は、この騎馬戦・・・いや体育祭に勝つために色々考えてきたんだろ!・・・なのに・・・なんで・・・アタシなんかのために・・・」
「・・・たしかに・・・僕は勝負ごとに負けるのは嫌いだ・・・それが勉強だろうと運動だろうと・・・」
「だったら!!」
「でも、僕はあの時お前を助けた事に後悔はしていないつもりだ・・・」
「えっ・・・」
「それに・・・守るって決めたんだ・・・」
美琴に聞こえないくらいの声でボソっという

「花井、何か言ったか?」
「・・・いやなんでもない・・・それに、まだリレーが残っている・・・だからまだ負けたわけじゃないさ」
「花井・・・」
「どうした?」
「次のリレー・・・アタシは出るからな」
「何・・・お前、先生の言った事を忘れたのか?」
「覚えてるさ・・・でも出れない事もないって言ってたのも確かだろ?」
「しかし・・・」
「花井、悪いけどアタシは何と言われようと出るからな」
「周防・・・」
「それに・・・やられっぱなしっていうのは、アタシの性に合わないからな・・・」

美琴の決意は固いようだ・・・こうなっては、さすがの花井も折れるしかないだろう・・・
それに、長い間幼馴染をやっているだけあってお互いの性格は知り尽くしている・・・
だから、こういう時の美琴には、何を言っても無駄だろうという事も・・・


599 :騎馬戦:04/05/08 01:58 ID:fjGCxdoI
「仕方ないな・・・まったく、お前は昔からそうだな・・・」
「へへっ・・・よくわかってるじゃないか」
「では、周防には第一走者で走ってもらうぞ」
「えっ、なんで?」
「第一走者なら、次の走者にバトンを渡すだけだからな・・・渡すだけなら腕の負担も少ないだろ?」
「なるほどな・・・わかった・・・」
「周防をトップに持っていくとしたら・・・アンカーは誰にするかだな・・・」
「沢近でいいんじゃないか?アイツ結構速いぞ」
「そうだな・・・周防がそういうなら沢近くんに任せるか」
「あぁ、沢近にはアタシの方から言っとくよ」
「うむ。手当ても済んだし・・・それでは、そろそろ戻るか」
「そうだな・・・一条たちも心配してるかもしれないし」
そういって、保健室から出ていこうとした花井に向かって美琴が話しかける

「花井・・・」
「ん・・・なんだ?」
「その・・・なんだ・・・助けてくれてありがとうな」
恥ずかしがりながら美琴が言う
それを聞いた花井が言い返す

「気にするな・・・それに、お前を助けるのはいつもの事だからな」
「なんだよ!せっかく、人が素直に礼を言ってるのに」
2人は、いつもの軽口を言い合う感じで保健室から出て行く

「周防」
「なんだ、花井?」
「次のリレー・・・期待しているからな」
「あぁ・・・任せとけって」
「花井の方こそ、負けるんじゃないぞ」
「あぁ・・・もちろんだ」

600 :騎馬戦:04/05/08 02:01 ID:fjGCxdoI
おまけ

「ねぇ・・・美琴」
「ん、なんだ?」
「保健室で何かあったの?」
「えっ、な、なんだよいきなり」
「保健室から戻ってきてから、様子が変だし・・・花井くんと何かあった?」
沢近がいたずらっぽく、笑いながら美琴に聞く

「何もないって・・・そんな事あるわけないだろ!!」
「あ、花井くんだ」
「えっ」
「嘘よ」
「く、沢近・・・てめぇ・・・」
「美琴さん・・・顔が赤いですよ・・・」
「う、うるさい!!」

601 :騎馬戦:04/05/08 02:01 ID:fjGCxdoI
「ねぇねぇ、美コちゃん。花井くんと何かあったの?」
「・・・なんでもないって言ってるだろ・・・っていうか、何で塚本まで知ってるんだ」
「カレリンに聞いたの、騎馬戦終わった時、美コちゃんがいなかったから探してた時に」
「そしたら、「周防さんなら、花井さんと保健室に行ってますよ」・・・って言ってたから」
「・・・一条のヤツ・・・余計な事言いやがって・・・」
「ねぇねぇ、それでどうなの?」
「塚本さん・・・知りたい?」
「うんうん。知りたい知りたい〜」
「実は・・・」
「なっ、ちょっと待て待て・・・高野、なんでお前が知ってるんだ・・・」
「いや、保健室に用があったから行ってみたら・・・」
「お前・・・どこまで聞いた・・・?」
「・・・その言い方だと・・・何かあったような言い方だけど?」
「やっぱり、何かあったのね〜」
「く、しまった・・・」

哀れ美琴、墓穴を掘ってしまう
その後、3人から尋問のように保険室での事を聞かれる美琴であった・・・


602 :401:04/05/08 02:11 ID:fjGCxdoI
騎馬戦の今後を縦笛展開に持っていきたくこんなSSを書いてみました。
どうだったでしょう?

また、余裕ができたら書いてみようかと思いますんで、よかったら見てください。

603 :Classical名無しさん:04/05/08 02:14 ID:jrv0mCSw
>>601
GJ!晶!もっと煽れ!!

感化されたので俺も書きます

1 播磨、晶とバイト先で遭遇
2 播磨、今鳥と合コンに行く
3 播磨(中学)、天満の中学校に乗り込む

どれがいいですか?  ・・・もう寝ます

604 :Classical名無しさん:04/05/08 02:26 ID:Bo9UZuas
個人的に1!

605 :Classical名無しさん:04/05/08 02:29 ID:A5Gv5xS.
>>581
レスしづらいのですが、正直作品の内容云々以前に問題があるような気がします。
異様な連投もその一つですし、
コメントの節々に痛さが出ているのがまずいのではないでしょうか。
三択で感想を迫ってみたりだとか、
自分の書いたSSの続きを書いてくれだとか・・・
周りの目にどう映るのかということに対して
配慮が足りな過ぎた気がします

>>602
GJです!
縦笛展開自分も期待しています。
体育祭中に二人の接近はあるんでしょうかね。

606 :Classical名無しさん:04/05/08 02:37 ID:w0Bdqwto
意外と早く書き終わりました。というかコンパクトにまとまってしまいました。
open your mindの残り投下します。

607 :Classical名無しさん:04/05/08 02:37 ID:ndwaBcT.
まあぶっちゃけると>>581は言動もSSも余りに厨臭いから勘弁して下さい
ってことだな

608 :open your mind:04/05/08 02:40 ID:w0Bdqwto
播磨が言っていた友人とは、やはり自分のことだったのだ。そう思うと、なんだか落ち着
かない気分になってきた。ちらちらと播磨のほうを盗み見るが机に突っ伏している播磨の
表情をうかがうことは出来なかった。
(私のほうからも播磨さんのことを友達と呼んでも良いのだろうか。)
そんな想いが言葉となって口からこぼれた。
「あの・・・。」
「どうしたの?八雲。」
「やっぱなんかあったのか?」
「メールがどうかしたの?」
再び周囲の注目が八雲に向けられる。」
「あの、目上の人の事を友達と呼んでも良いんでしょうか・・・。」
八雲の問いに沢近は呆れ顔で答えるた。
「あら、失礼なこと言うわね。」
「あっ!すみません・・・。」
「じゃああなたは私たちのことどう思ってたの?」
「え・・・。」
「少なくとも私はあなたのこと友達だと思ってるんだけど。」
そういって沢近は八雲に微笑みかける。周囲を見渡すと他の面々も同じように笑みを浮か
べて八雲をじっと見つめていた。
「嫌?」
「いえ・・・。その、うれしいです。」
「お互いに気を許せるような関係の人なら友達って言って良いと思うぞ。変に気をつかっ
たほうが相手を傷つけることもあるしな。」
「八雲、あなたの周りには、あなたが思っている以上にあなたのことを大切に思っている
人たちが大勢いるのよ。」
皆の言葉の一言一言が八雲の心に染み渡っていく。
もしかして、私の世界は本当はもっと広いのかもしれない。今までは自分で勝手に引いた
境界線の中に閉じこもっていただけで、そこから一歩踏み出せば、そこにはきっと素敵な
世界が広がっているのだろう。
 ふと姉である天満と目があった。天満ま何も言わず、ただにっこりと夏の青空のような

609 :open your mind:04/05/08 02:42 ID:w0Bdqwto
満面の笑みを八雲に向けた。
 踏み出してみよう、ほんの少し勇気を出すだけでいい。そうすれば、いつの日か、この
大切な人たちのように自分も素敵な笑みを浮かべることが出来るようになるだろう。
「あの・・・。こんなに友達が増えて、うれしいです・・・。」
「私もよ。」
「もっと気軽に話し掛けてくれよな。」
「八雲に必要なこと、解ったみたいね。」
「それと、もう一人友達が出来たんです。」
「へー。」
「初めての男の子の友達なんです。」
『えっ!!』
驚く一同。
「おいおい誰だ、言ってみろよ。」
「どう言ういきさつで知り合ったの?」
「えー!?そんな話私も初耳だよー!何でおねーちゃんにだまってたの?八雲!・・・そ
れで何組のなんていう子?」
なぜか鼓動が高鳴る。少し顔が火照っているような気もする。目を閉じて小さく深呼吸を
一つ。目をゆっくり開けてその男性の名を紡ぐ。
「播磨さんです。」
そういって八雲は、うれしそうに微笑んだ。
 ・・・が。皆の反応は八雲の想像していたものとは大きく違った。
 顔を引きつらせて硬直する沢近。
 頬に一筋の汗をたらしつつあさっての方向を向く周防。
 複雑な表情で腕を組んで唸る天満。
 晶だけが先ほどまでと変わらぬ笑みを八雲に向けている。
そんな皆の表情に戸惑う八雲。
「あ、あの・・・。」
ばんっ!!
キーんコーンカーンコーン
沢近がテーブルを叩くと同時に昼休みの終了を告げる予鈴が校内に響く。


610 :open your mind:04/05/08 02:43 ID:w0Bdqwto
 今、矢上高校の熱い午後が、始まる。

                 -了-

611 :openyourmindあとがき:04/05/08 02:55 ID:w0Bdqwto
どうも、自分の文を人様に見せるのはこれが始めてになります。自分は、八雲が周
囲に対して積極的になっていこうとする八雲と、まだ恋心とまではいかないが、播 
磨のことを大切な人と考える八雲を書きたくてこのSSを書きま
した。うまく表現できたでしょうか。個人的には沢近がいいキャラに仕上がってる
と思うんですが。さて、なにぶん始めての投稿なので解らない事が多々ありました
が、文章として読みづらい部分、解りにくい言い回しはありましたでしょうか。も
しお気づきの点があったら教えてください。ちなみにこの話は前哨戦って感じです
ね。ながくなってすみませんでした。では。

612 :Classical名無しさん:04/05/08 03:28 ID:3CNK1ovw
乙です。
文章上手いですよ。初めてには見えない。
ただ、八雲が周囲に積極的に、はいいんだけど
沢近たちと友達ってのは違うような気が……。


613 :Classical名無しさん:04/05/08 04:19 ID:vkKqsNZM
GJ!
初めてとは思えない出来ですよ。
でも、ここで止めるなんて生殺しです。
修羅場も書いてほしかった。

614 :男達の作戦会議:04/05/08 06:00 ID:qbRpqS7s
「みんな、今日はよく集まってくれた」
花井家の一室、この部屋の主の花井春樹は部屋の真ん中で静かに言った。
「集まってくれたじゃねえよ。今日は一体なんなんだよ」
花井の言葉に播磨が不満全開で文句を言う。
「そう言うな、今回集まってもらったのは話し合いをするためだ」
「話し合いだと?」
「そうだ、僕達はお互いに誤解が多すぎる。そこを今回はっきりさせようと思ってな」
「いいだろう、俺もそろそろはっきりさせたいと思ってたとこだ」
花井の言葉に播磨は不敵な笑みを浮かべて言う。
「オレはいる意味ってあるの?」
「大丈夫だ今鳥、今回は助っ人を呼んである。お前の欲しい情報も貰えると思うぞ」
「で、その助っ人というのは」
「もしかして僕達のこと?」
花井に言葉に麻生と冬木が尋ねる。
「ああ、麻生には冷静な客観的意見を、冬木には色々な情報を聞きたい」
「なるほどね…」
「ふーん、まぁいいか。オレも少し付き合うか」
今鳥も少し興味が沸いたのか腰を下ろした。
そして、花井家にて男達の会議がいよいよ始まった。

「さっそくだが播磨、お前塚本君とはどういう関係か聞きたい?」
「塚本君だと?どういうことだよ」
花井の言葉を天満の事だと勘違いし過敏に反応する播磨。
「落ち着け播磨、花井が言ってるのは塚本妹の事だ。塚本姉の事じゃない」
「ん?塚本君のって、ええい紛らわしいな、天満君の事だと何かあるのか?」
播磨に対しすぐさまフォローの説明を入れる麻生。
その麻生の言葉にひっかかった花井は麻生に問い返した。
「播磨は塚本姉の事が好きってことだろ、そして花井が好きなのは妹の方だ」

615 :男達の作戦会議:04/05/08 06:01 ID:qbRpqS7s
「なんだと、お前天満君の事が好きだったのか!?」
「お前、妹さんが好きだったのか!?」
麻生の言った言葉に対して同時に驚愕の言葉を発する花井と播磨。
「というか、なんで知ってやがるんだ?」
「態度見てればバレバレだと思うんだけどなぁ」
播磨の疑問に対して苦笑を浮かべながら呟く冬木。
「まぁ、当人は気づいてないようだけどな」

「で、状況はどうなんだ冬木?」
「うーん、塚本さんは相変わらず好きな人がいるみたいだね、ただ、八雲ちゃんの方は
それらしい事は今のところ聞かないね。播磨君と一緒にいたというのを何度か聞いた事があるけど」
その言葉で思い出したかのように花井が再び播磨に言葉を放つ。
「そうだ播磨、結局お前と八雲君は一体どういう関係なんだ?この前は屋上でキスがどうこうとか言っていたし、
事と次第によっては許さんぞ」
「な、お前見てやがったのか。あれは…その、漫画の事で相談してたんだよ」
「なるほど、天満君との事を漫画を例にして、妹の八雲君に相談していたということか」
花井の剣幕につい本当の事を言ってしまう播磨。
しかし、花井が都合よく解釈してくれたため、播磨はホッとなる。
「しかし播磨、天満君に好きな人がいるということは、望みは薄いのではないか?」
「そんなこたぁ関係ない、俺は自分の気持ちを貫くだけだ」
花井の言葉に対してキッパリと言い放つ播磨。
「そうか…。僕も八雲君に対してはお前と同じ気持ちだ。正直今までお前の事を誤解していたようだ」
「いいってことよ、俺も同じようなもんだ」
播磨の言葉で播磨に対しての見解を改める花井、それを受け入れる播磨。
2人の男は今、解り合ったのだ。

「ところでさぁ冬木、美コチンはどうな感じ?」
今までほとんど口を開かなかった今鳥が冬木に尋ねる。
「周防さんは1学期は好きな人いるように見えたんだけど、2学期に入ったら雰囲気が変わってたんだよね。
もしかしたら夏休み中に何かあったんじゃないかと思ってるんだけど」

616 :男達の作戦会議:04/05/08 06:01 ID:qbRpqS7s
「ということは、望みはありかも…か」
「今鳥、お前は周防狙いか。しかし、あの周防がお前になびくとは思えないがな」
冬木の答えを聞いて一人呟く今鳥に対して、幼馴染としての意見を言う花井。
「そんなのわかんないじゃん。オレの魅力に気づいてメロメロになるかもしれないだろー」
「ありえないな。第一幼馴染として僕が認めん!」
「なんてメガネに認めてもらわないと駄目なんだよ、関係ないだろ」
そういうと睨み合う二人、そこへ横から意見が入る。
「ところで今鳥、お前一条はどうなんだ?」
「えーやだよ、あんな宇宙人」
あーやだやだといった感じを前面に出し現す今鳥。
「そう?一条さん結構人気あるよ。アマレスやってる割には華奢だしさ、性格も内気で純情。
結構狙ってる人いるみたいだよ」
冬木の以外な発言に「そうなの?」と言うと考え込む今鳥。
おそらく頭の中では改めて一条の思い浮かべてみているのだろう。

「播磨君、沢近さんはどうなの?」
「あ?なんで俺にお嬢の事なんて聞くんだよ」
「沢近さんて播磨君が絡むと雰囲気が変わるんだよね、なんかいやに意識してる感じでさ」
冬木は播磨にそう言うも、播磨はさも何言ってるんだと雰囲気で答える。
「俺がただお嬢に嫌われてるだけだろ」
「そうかな…そうは見えないんだけどなぁ…」
播磨の答えに納得いかなかったのか、その後、冬木はしばらくうーんと考え込んでいた。

「冬木、お前は何か無いのか?」
「僕は恋愛するよりも、恋愛してる女の子を見てる方がいいからね」
いい写真も撮れるしね、と付け加える冬木に「なるほど」と納得する花井。
「麻生、お前は?」
「俺も今のところは特別ないかな」

617 :男達の作戦会議:04/05/08 06:02 ID:qbRpqS7s
「そうか、体育祭の時とか周防と仲が良かったからどうかと思ったんだが、それに
お前なら僕も周防との仲を認めてもいいと思ったのだがな」
「おめぇは周防の親父かなにかかよ・・・」
麻生の答えに対して突飛な事を言い出す花井、そんな花井に対して入る播磨のツッコミ。
「す、周防とはそんなんじゃねぇよ」
麻生はというと、やや焦りながらもそう答えていた。
「あれ?でもたしかお前、妹さんの友達の…えーと」
「サラ君のことか?」
何かを思い出したかのよう言いながらも名前が中々出てこないに播磨に花井のフォローが入る。
「そうそう、その子と一緒にいたって聞いたけど」
「本当に!?サラちゃんと言えば1年の中では八雲ちゃんに続いてトップクラスの人気だよ!?」
播磨の言葉に真っ先に反応したのは冬木だった。
「そうなのか麻生?お前まさかサラ君と」
「ち、ちげぇよ、あいつとはバイト先が一緒だから、たまに帰る時に送ってやったりしてるだけだ」
サラとの仲を勘ぐられ始めた麻生は、焦りながら否定の言葉を言う。
「そうか。しかし周防といいサラ君といい麻生も意外と…」
「ずるいぞ麻生、オレだっていい思いしたいぞ」
「だから違うって言ってんだろー」
花井と今鳥に言われ助けてくれと言わんばかりに言う麻生だった。

その後、播磨がどこからか持ってきた酒を出しみんなで飲み始め、宴会に突入した。
しかし、酔った播磨はさきほどの意気込みはどこにいったのか天満ちゃんと言いながら泣き初め、
花井は冬木に八雲の写真をせがみ出し、今鳥はぬいぐるみを美コチンといいながら抱きしめ、
麻生は飲んですぐに寝てしまって、まさに地獄絵図の状態になっていた。
翌日、全員が二日酔いで強烈な頭痛に襲われたのは言うまでも無かった。


618 :Classical名無しさん:04/05/08 06:11 ID:qbRpqS7s
いきなりですが、女っ気が全くないSSで申し訳ない(;´Д`)
男キャラ達がぶっちゃけトークをするSSを書いてみようと思って書いてみました
メインは一応播磨、花井、今鳥…のはず


619 :Classical名無しさん:04/05/08 06:16 ID:09093L6k
おもしろかった
こういうの好きだ

620 :Classical名無しさん:04/05/08 08:48 ID:Vc5HHn9I
漫画描いてるのって一応秘密じゃなかった?
自分から普通に言うのは違和感あった

621 :Classical名無しさん:04/05/08 10:09 ID:US8GvD4Q
>618
面白かったです。女の子の本音トークはあったけど男バージョンは新鮮ですな。
漫画については「花井の剣幕に〜」でフォロー入ってるから大丈夫だと。
酔っ払った男たちの描写に笑いました。

622 :Classical名無しさん:04/05/08 10:13 ID:wsI8ET8g
感想ありがとうございます。
>>620
本当は花井の剣幕に押され漫画が・・・とついポロっと播磨が言ってしまう
→花井は何か適当な漫画(ラブコメ?)を八雲に見せて播磨がこんな感じで天満と仲良くなりたいみたいに言ってたと勝手に解釈
→播磨は自分が漫画書いてたのが花井にバレたわけじゃないのにホッとする
みたいに表現したかったんですがうまく伝わらなかったか・・・_| ̄|○
まだまだ修行が足りなかった…精進します('◇')ゞ

623 :Classical名無しさん:04/05/08 11:06 ID:ePWnNLfk
交錯しすぎだー
読みづらくて仕方ないよぅ。

とりあえず一言
>>565
サクセサー オブ レザーエッジですか?

624 :Classical名無しさん:04/05/08 14:06 ID:qWTM3Kjg
遅レスで申し訳ないが

>540
ですな、そうします。

625 :Classical名無しさん:04/05/08 14:34 ID:5kjCNE9Y
>611
いや、にやけがとまりませんでした。すばらしい。
これからも作ってください!

626 :Classical名無しさん:04/05/08 16:25 ID:QYM9SUFo
>>611
GJ。午後もきぼん。

>>618
こちらもGJ。珍しくて面白かったよ

627 :Classical名無しさん:04/05/08 17:10 ID:qdHNAMiY
>>581

4:それ以前の問題だ。

 >>605も言っているように、はっきり言って痛々しい。
文章の量や、連載という形式ですら板に迷惑がかかるかどうかで悩んでいる人もいるというのに
独りよがりも甚だしい。その猛る気持ちは分からないこともないが、少し落ち着け。
ここ最近のif板の活気は知らぬ訳でもないだろう。書き手が多く存在すると言うことは
確実に読み手も多くいると言うことだ。>>581のような感想が欲しければ、なおのこと焦らず
一つずつ投下していけばまた周りの反応も違っていただろう……。
これだけだと何なので、作品にもレスしよう。

 全作品通してだが、読みにくい。
句読点や改行の使い方、ダッシュの多用、三点リーダーの不足、etc etc。
技術的につたなさを感じる。他の職人のSSを読み直して技巧を学んで欲しい。

 あと、脳内妄想が爆走しすぎてて読者を置いてけぼりにしている。
かつて晶SSで同じようにアクションものがあったが、あちらの方がより臨場感や躍動感があった。
(話の元になった絵があったというのも大きいが)
 小道具の説明よりも、心情や状況の描写を増やすべきだ。
かつ、読みやすく無理のない展開が望ましい。(車両への銃撃と20人の戦闘後ならば確実に残弾の少ない
麻生は焦るはずだ。ガン=カタ同士の闘いは弾数が重要な勝利へのファクターになるのは言うまでもない)
戦闘シーンを作品に入れてあるSSは少ないので、これらのレスに凹まなければ是非とも続けて欲しい。

 サラ&麻生SSはサラのリアクションに違和感を感じる。
サラが教会で手伝いをしていることも本編では語られていないので、麻生が疑問を抱かず承諾したところも
気になるが、子供の扱いに手慣れたサラがあの問答程度で態度を急変させるのはおかしいと思う。
それらが実は全て演技で、麻生を翻弄しているというのならば分かるが白サラを目指したSSとしては
どうかと思う。後半のやりとりそのものはなかなか面白かっただけに残念だ。

長文レスになってしまってすまない>ALL
最後に、次作を書くつもりなら何度も言うようだが>>605を肝に銘じてくれ。

628 :Classical名無しさん:04/05/08 18:15 ID:Fxxuq7bM
>>581
>>627に書いてあることにほぼ同意。
特に、改行の少なさと文章を無理やりつないでいるのが読みにくさを助長してる。
ついでに言うと、擬音が多いのと、同じ単語を短い間隔で使いすぎなのが気になった。
あとは、最強系と脳内オリジナルは避けるが吉。筆力と構成力が恐ろしいほど要求されるんだわ。
それ以外は、下のHPにでも行ってみるといい。
ttp://www.asahi-net.or.jp/~mi9t-mttn/cstory/index.html
「書き方」の欄は全てお勧め。リンクからいろいろたどるのも良し。
おまけとして、Action Home Pageってとこの「座談会」ってやつも読んで無駄には
ならないと思われ。

>>open your mind
GJ!! 沢近から八雲へ働きかけるというのが新鮮でした。
それにしても、沢近えげつないなw
しかし、面白い作品には感想がつけにくいw

629 :Classical名無しさん:04/05/08 18:26 ID:qWTM3Kjg
>>611
面白く読ませもらいました
ただ、書き方で気になる所がチラホラと
その分惜しい、という感じです

特に「〜。」と三点リーダーは、投下している職人さん達に
良く見られる間違いなので、職人さんは一度626の方が紹介してる
ところを熟読したほうがいいかと。それに、そこにあることを読めば
書き方だけでなく、実力も1〜2段階はレベルアップできると思いま
すので、一度行ってみることをオススメします。

630 :「BABE:PIG IN THE CITY」 ◆i//qLXXY :04/05/08 19:18 ID:SMYnl9Mc
梅津&円です。ベタなネタですみません。

631 :○梅津 茂雄、心ここにあらず。○:04/05/08 19:25 ID:SMYnl9Mc

 放課後──。ある者は家路を急ぎ、ある者は教室でたわいない会話に花を咲かせ、
またある者はこれからが一日の始まりとばかりバイトに精を出す、そんな時間。
トラックを走る俺の名は梅津 茂雄。一心に陸上に打ち込むサワヤカなアスリート……のハズが、
正直いうとここ最近、あんまり部活には身が入っていない。
今日も俺の目は、フィールドに佇むショートカットの女子に釘付けとなっている。
涼しげな目線よりも高い位置に渡されたバーを真剣な眼差しで見つめるそのコの名は城戸 円。
なんつーか一応、俺の彼女だ。信じられない?うん、俺もまだちょっと信じられない。
馴れ初めとしては、まあイロイロあったワケだけど……ま、それは置いといて。

 彼女は本来短距離専門なんだが、走り高跳びの選手がケガしてしまったんで急遽代わりの選手を探しているらしい。
歩幅を整え、フワリと宙に舞う円。飛び散る汗が傾きかけた日の光をはじき、そして──時が止まった。
細身でしなやかな体を弓なりに反らし、縞模様のバーの上を越えてゆく。思わず息を呑まずにはいられない。
重力から解き放たれたその姿は、神々しいまでに美しい。さながら翼のない天使か。
ためこんだエネルギーを一気に放出するかのように、身体を二つ折りにしてマットに身を預ける円。
ここにきてようやく、自分が呼吸を忘れていたことに気付く。
勢いよく上体を起こし、自分が通過してきた先を見上げる。バーが落ちていないことを確認すると、
にっこりと微笑んだ。その笑顔に、俺はいつも癒される。
すらりと伸びた長い脚。太腿がまぶしい。どれをとっても健康美にあふれている。決してエッチな目で見ているワケじゃない。
体操着の裾がめくれ、刹那のぞいた白い肌。決して、決してエッチな目で見ているワケじゃ…  …  …  …  ない。


632 :○ナポレオン、再び。○:04/05/08 19:27 ID:SMYnl9Mc
                                 ( ぶ  ひ  ぶ  ひ )
 考えてみるに、俺の悩みの一つの要因は……ここにあるんじゃないか?
円は確かに魅力的なんだけど、それってどうも健康的すぎるんだ。サワヤカサンすぎるんだ。
(もう一度キスしたい……一度と言わずキスしたい……エチいことをしてみたいのに……)
そういうエチいイメージとどうも結びつかないんだ。別に俺がヘタレだからじゃないんだ。そうなんだ。
キスしたのですら保健室での一回きりだ。あれからも幾度となく(後から思えば)絶好のチャンスを逃し続けている。
ああ、体育祭のシチュエーションよもう一度……と思った矢先だった。
                  ( ぶ  ひ  ぶ  ひ )
 再び時が止まった。柔らかくも重い手応え、もとい足応えを感じ…世界が反転してゆく。
どこかで味わったこの感覚。ああ、体育祭のシチュと一緒だ……ていうか、なんで、なんで、
     ( ぶ  ひ  ぶ  ひ )
 (なんでブタがグラウンドに居るんだ────!!!)


「いちちち……」 「大丈夫、茂雄?」
派手にグラウンドに転がった俺。結果、思いっきり脚を擦りむいちまった。
水道で傷口を洗うと、救急箱から消毒薬を取り出してかいがいしく世話をしてくれる円。
「ゴメンな円……練習中なのに」 「全然! いい休憩になるしね」
「ノラブタってどういうことよ……ていうか、またよけられなかった……」
「えー? しかたないじゃない、なんたってブタだもん」 何がなんたってなんだかよくわからない。
「……オレもトシかなあ」 思わずため息がもれる。
プッと吹き出す円。ああ……君を見てると、しょぼくれた気持ちも、やましい考えも、まとめて浄化される。


633 :○物陰に、二人の会話を聞きながら青ざめる者あり。○:04/05/08 19:29 ID:SMYnl9Mc

「はいはいお父さん、やっぱり保健室行きましょうね。それとも病院がいい?」
あやすようにそう言うと、円はやおら俺の体を持ち上げ、ひょいとおんぶした。
おいおいおい。すりキズぐらいで保健室って。病院って。
「な、なにバカ言ってんだよ、下ろせよ、下ろせったら!」
「だーめッ」
ケガうんぬんよりも、女におんぶされたオトコってシチュがなんともカッコ悪いじゃないか。
「大丈夫だって。膿みさえしなけりゃ問題ないんだから!」
「そんないい加減なこと言わないでよ。血もいっぱい出たじゃない」
「んな大げさな……」
「傷ついたままになっちゃうよ?」
なんか本当に……俺以上に、俺の体のこと心配してくれてるんだ。ガラにもなくじーんとして、何も言えなくなる。
「……しかしお前ってホントすげえのな」
「ん?」
未経験だったハズの高跳びでの、円の勇姿が思い出される。
「初めてだったんだろ?アレ」
「ねえ、意外と簡単にできちゃうもんだねえ」 ケロッとした顔で言うが、そんな簡単じゃないと思う。
かててくわえて背面跳びのキレイなフォームといったら……。あの美しい空中姿勢はどうだ。
「やったことないくせにバックもサマになってたもんな」
「やだ、ずっと見てたの?なんか恥ずかしい〜」
照れたように笑う様子もまた可愛らしい。しかしおぶわれたこの格好じゃ何言ってもキマらないんだよな。
「でさ、円サン?とりあえず下ろして♪」
「だぁ〜〜めッ♪」


634 :○2−C、朝から梅津祭り。○:04/05/08 19:30 ID:SMYnl9Mc

「うおーす……って、うわっ!?」
翌朝、教室に入るなり俺は級友たちに囲まれた。一躍クラスのアイドル……って雰囲気じゃなさそうだ。

「ウメぇ〜〜!お前、見損なったぞ!」 「つくづく鬼畜なヤローだな」 「梅津くんサイテー!」 …ハァ?
「梅津、お前……男だよ」              ひとりサムアップで迎える今鳥。なんなんだ、いったい。
「いやあハッスルしちゃったんだなァー、梅津」 やけに嬉しそうだな冬木。
はい皆さんご唱和くださーい。3,2,1,ハッスルハッスルー♪…って腰振ってる場合じゃなくて。
「お、女のコを泣かせるエロはいけないんだな」  お前に言われたかねーよ西本!っつーかなぜ泣く。

「ちょっちょっちょっと待て!なんか、なんか話が見えないんだけど──?」
「みんな噂してるよ。梅津クンが円を、その───妊娠させたって」
 ・
 ・
 ・
 な、な、ななな 何 で す と ー !?
「だだだだ誰がそんなコト?」
「! 梅津くんやっぱり?」
「ちち違ェーよッ!!」
「じゃあ妊娠っていうのは──」
「ないないない絶対ない!だいたい俺らキスだってまだ1回しか──」

 ザワ…ザワ…回だって……ザワ……だけ………遅くねェ?……まだ…オクテ…ザワ…

 墓穴──。 見るな……お前らそんな蔑んだ目で俺を見るなーっ!!
「たく冗談じゃねぇよ。いったいどこからそんな根も葉もない噂が……」
みんなの視線が一斉に小柄なクラスメートに集まる。

 お  前  か  、  塚  本  。

「えっ、えっ、だって……私聞いちゃったんだモン、昨日───」


635 :○塚本さん視点で、もう一度見てみよう。○:04/05/08 19:31 ID:SMYnl9Mc

 んー、放課後烏丸くんがよくこの辺にいるって聞いたんだけど…。
こんなトコで何やってるんだろ。つくづく烏丸くんの行動って謎よねえ。でもそこが好きっ♪
あ、あれは梅津クンと城戸サン。あの二人なら烏丸くん見てるかもね。声かけてみよう……って、
 「はいはいお父さん、やっぱり保健室行きましょうね。それとも病院がいい?」
 「な、なにバカ言ってんだよ、堕ろせよ、堕ろせったら!」

「!!!!」
思わず隠れちゃった。堕ろせって、まさか、まさかまさか──?
うわーどうしよう。なんか出るに出れないよぉ……。
 「だーめッ。」
 「大丈夫だって。生みさえしなけりゃ問題ないんだから!」
ちょ、ちょっと、梅津クンそれヒドくない?
そりゃキモチはわからないでもないけど、まるで他人事みたいに……。
 「そんないい加減なこと言わないでよ。血もいっぱい出たじゃない」
 「んな大げさな…」
 「傷ついたママになっちゃうよ?」
梅津クン、黙り込んじゃった。さとすように話しかける城戸サン健気だわ……グスン。
 「……しかしお前ってほんとスゲエのな」
 「ん?」
 「初めてだったんだろ?アレ」
ブッ!!な、な、なんて生々しい会話を。
 「ねえ、意外と簡単にデキちゃうもんだねえ」
 「ヤったことないくせにバックもサマになってたもんな」
やめて〜〜〜! サワヤカサンな二人のイメージが〜〜〜っっ!!
 「やだ、ずっと見てたの?恥ずかしい〜」
 「でさ、円サン?とりあえず堕ろして♪」
 「だぁ〜〜めッ♪」


「ど、どうしよう……トンでもないこと聞いちゃった……」


636 :○梅津 茂雄、けっきょく保健室直行。○:04/05/08 19:33 ID:SMYnl9Mc
 ・
 ・
 ・
 いかん、一瞬タマシイが抜けかけてた。
「つぅ〜かぁ〜もぉ〜とぉぉ〜〜。お──ま──え──な──!!」
「ひーん、ゴメンなさーい!」
「梅津、それから城戸、放課後職員室に────」
「違ぁ───────────う!!」

 誤解はなんとか解けたものの、教室にはなんとなくいづらくて、廊下で膝を抱える。
「キスも1回だけとか言っちまったもんなァ……」
ようするに自分のヘタレ振りをクラス中に声高に宣言してしまったワケで。
どうにも気マズイ、気マズ過ぎる。いっそのこと早退してしまおうか……。
「……なんかとんでもないことになっちゃったね」
いつの間にいたのか、俺の隣には円が座っていた。

「ああ。今日はもう塚本にやられたよ。ブタと塚本にやられた」
やれやれといった顔で俺に微笑む円。そんな力ない笑顔にも、俺の心は洗われる。
「でもね、私……」
「ん?」
ずいと顔を寄せ、円が耳元でささやく。
(茂雄とだったら、私……いいよ?)

 ブバ─────────────────────ッ!!!

「キャッ! やだ茂雄、ちょっと大丈夫? 茂雄!?」
……神サマ、この女をどうにかしてください。
カワイイ顔してモノスゴいことを口走る、この女をなんとかしてください。
ああ、鼻血が止まんね……誰か……血を……血をちょうだ……い……。
                               ( ぶ  ひ  ぶ  ひ )
 〜fin〜


637 :Classical名無しさん:04/05/08 19:51 ID:JZmhiykM
>>618
GJ!!おもしろい。
こーゆー男友達のグループいるよなー、集まるとそれぞれの役割が明確に
わかる奴ら。

638 :Classical名無しさん:04/05/08 20:21 ID:OiNiwo/Y
>>630
ベタだけどいい。ワロタ。

639 :Classical名無しさん:04/05/08 22:01 ID:puR0u.2o
>630
633と635を並べてみると努力と推敲が伺えます。確かにベタなネタでは
ありますが、こうもうまくスッキリ仕上げたのはお見事。

640 :Classical名無しさん:04/05/08 22:12 ID:TShaintE
>>630
いい・・・の一言

641 :Classical名無しさん:04/05/08 22:45 ID:HW1RrCao
>>630 GJ! 本編に出ててもいいくらいのネタですね。
天満の勘違い女王っぷりを見事に生かしてます。

642 :Classical名無しさん:04/05/08 23:13 ID:WgTTfCi.
>open your mind
GJ!!( ゚∀)キタ!!って感じです。八雲ヽ(´ー`)ノバンザーイ
生殺しチックな引きも余韻を残して巧いと思いますた。

>男達の作戦会議
GJ!!!open your mindと対照的で面白かった。
こういうのって好きでつ。高校生な雰囲気が良く出ていていかにもスクランって感じ。
ただ、表現上の細かい点ですが、「否定の言葉を言う」っていう表現は引っ掛かりました。
否定する、とか否定の言葉を絞り出す、とかでいいかと。

梅津ネタのSSは読んでないのでレスできましぇん(^-^;)


643 :Classical名無しさん:04/05/09 01:27 ID:qWTM3Kjg
ウメマドキタ―――(・∀・)――――!!
GJ、そして上手い。

644 :Classical名無しさん:04/05/09 01:35 ID:xvBQ9CvE
うわ、二日ぶりに来たらなんだこのレス数・・・読むだけでえらい時間かかったよ。

>>481
お姉さんズのSSはやはり姉ヶ崎先生と絃子さんの対立と、中立でそれをいなす
笹倉先生という構図が似合いますね。役回りとしては笹倉先生が晶的な感じ。

>>488
なんか話の流れが急すぎる上に蛇足としか言いようがない余計なおまけが萎えました。

>>517
非常に面白く読めました。
脇役話でここまで読ませたのは凄いと思う、GJ!!

>>554
相変わらず(・∀・)イイ!!このまま続き頑張って!

645 :644:04/05/09 01:42 ID:xvBQ9CvE
感想の続き。

>>581
余計な主張と裏話&異常な連続投下で印象が悪いが、内容はそんなに悪くないと思う。
特にほとんど手をつけられてない晶のSSに挑んだ意気込みは高く評価したい。
影の実力者と呼ばれ登場回数の割に謎の多い麻生を晶に絡めたのは目からうろこだった。
ただ内容以前の問題が多いのも事実、非常にもったいない。

>>602
SSという限られた文字数の中で難しいとは思うのですが、会話だけ延々と続くと読み辛いし、
正直途中で飽きてきますね・・・。話自体は面白かったです。

>>611
この終わり方は蛇の生殺しだ〜。_| ̄|○
なんかトーナメントの決勝戦前に「本当の戦いはこれからだ 第一部完」みたいな。

>>618
着目点が非常に面白いが、個人的には女っ気がないと興味半減(笑)。
麻生や播磨がこういうぶっちゃけトークに参加するタイプとは思えないので、ちょっと
違和感が強いのが残念。

>>630
非常に危険な賭けに勝ったようですね、面白かったです。
こういう単純でベタに見えるが実際はウケるように書くのが非常に難しい勘違いネタを
ここまで仕上げた手腕はお見事。GJ!!

646 :611の人:04/05/09 02:10 ID:w0Bdqwto
こんにちは。>>628さん、>>629さん、ありがとうございました。こう言う決まり事
があるなんて知りませんでした。便利なサイトですねー。このサイトを参考に二作目
を執筆中です。皆さんの感想にもれなく生殺し、との感想が入っていたので今度は
そこら辺のことも考えてみます。ではでは。

647 :Classical名無しさん:04/05/09 09:40 ID:Vc5HHn9I
いや、生殺しだったからこそ面白かったとオレは思うよ。

648 :子猫物語:04/05/09 17:12 ID:6gWpwnUI
その日、朝から天気はよくなかった。
放課後になると、今にも降り出しそうな天気だった。
(こんな天気じゃ、さっさと帰るか)
播磨は靴を履き替え、家に向かって歩き出した。
やがて矢神坂を下り、平地になったところに「それ」はいた。
足元の泣き声に気付く播磨。
(む? これは…)


649 :子猫物語:04/05/09 17:15 ID:6gWpwnUI
一方、晶も下校途中だった。
(今日の晩御飯、どうしようかな)
そんな事を考えていると、雨が降ってきた。
ポッ ポッ ザー。
(本降りになりそうね)
冷静に折り畳み傘を取り出す晶。
やがて、傘を差さずにうずくまっている人物が目に入った。
近づくと、同級生の播磨だった。
いつもなら素通りする所だが、播磨の足元に気がつくと、傘を差しかけた。


650 :子猫物語:04/05/09 17:15 ID:6gWpwnUI
「播磨君」
話し掛けられるまで、晶の接近に気が付かなかった播磨。
「おう、高野」
「どうしたの、それ」
晶の指差す先に、一匹の仔猫がいた。
「ああ、捨て猫みてえなんだ、コイツ」
播磨の足元でじゃれついている。
「通り掛かったら、コイツに鳴かれてよ。 けど…」
「けど、なに?」
「コイツ良く懐いてくれるしよ、飼いたいんだ。 でもな…」
「家がマンションだから、飼えないとか?」
「そうじゃねえ。 …もう、ピョートル達の時のような別れはしたくねえんだ」
「あ…」


651 :子猫物語:04/05/09 17:16 ID:6gWpwnUI
晶は思い出した。
夏休みに播磨と動物達を矢神神社に移送した時の事を。
TV局の目をごまかす為に、着ぐるみでお芝居をした事を。
播磨と動物達が、泣く泣く別れた事を…

「そうだったわね。 でも、どうするの?」
「それが分からないから、悩んでるんじゃねえか」
ギリッと歯を食いしばる播磨。 苦悩の色が滲んでいる。
「わかっているんじゃないの? 播磨君」
「え?」戸惑う播磨に晶は更に言った。
「私の知ってる播磨君なら、そんな事で悩んだりはしないわ」
(いつもの俺なら…そうか!) 播磨は閃いた。


652 :子猫物語:04/05/09 17:17 ID:6gWpwnUI
雨上がりの夕方、二人は動物園にいた。
ピョートル達の時のように、ここで貰ってくれればと思ったのだ。
必死に頼み込む播磨と晶。
「お願いします! コイツ貰ってくれませんか?」
「しかし…」
動物園側も困惑している。
播磨は尚も訴えた。
「お願いします! 貰ってくれるなら何でもしますから。 お願いします!」
膠着状態が続く中、騒ぎを聞きつけた園長が現れた。
「いったい、何の騒ぎだね?」
「実は…」 事情を説明する職員。
説明を聞いた園長は播磨たちに言った。
「事情はわかった。 だが、猫一匹を預かる訳にはいかな…」
「これでもですか?」
晶が園長に一枚の写真を差し出した。
写真を見た途端、青ざめる園長。
「貰っていただけますね?」迫る晶。
「わ、わかった。 ウチで預かろう」うなだれる園長。
「なんかわからんが、いいか」安堵する播磨だった。


653 :子猫物語:04/05/09 17:18 ID:6gWpwnUI
動物園からの帰り道、播磨は尋ねた。
「なあ、あの写真てなんだったんだ?」
「ああ、あれ? 園長の浮気現場の写真よ」
平然と応える晶に播磨は怖くなった。
(コイツ、俺の変な写真持ってるんじゃねえだろうな?)
見透かすように晶は言った。
「大丈夫、今の所あなたの写真はないわ」
「なっ? そ、そうか」
ほっとする播磨。 すぐに気を取り直し切り出した。
「今日はありがとよ、高野。 礼がしてえんだけど、何がいい?」
「そうね、それじゃ明日…」
条件を提示する晶。 それを聞いて?顔の播磨。
「じゃ、明日ね」


654 :子猫物語:04/05/09 17:21 ID:6gWpwnUI
翌日。
茶道部の扉を開ける播磨。
どうしたのかと問う面々に、播磨は言った。
「あ、あー 妹さんの淹れてくれたお茶が飲みてえんだがよ?」
恥ずかしがる八雲に晶は耳元でささやいた。
「がんばってね、八雲」 更に真っ赤になる八雲。
そんな晶に播磨が尋ねた。
「いいのか? これで」
「十分よ、播磨君」
『茶道部で八雲の淹れたお茶を飲むこと』それが晶の提示したお礼だった。
「あ、出来たみたいね。 いただきましょ」
八雲の淹れたお茶を飲む一同。
[カシャ]真っ赤になりながらお茶を飲む播磨と八雲のツーショットを押さえた晶。
(これでよし)そう呟く晶だった。

おわり


655 :子猫物語:04/05/09 17:23 ID:6gWpwnUI
どうでしょうか?
晶はなかなか難しいですね。

656 :Classical名無しさん:04/05/09 19:14 ID:kXzlWN8E
ベタだけど面白かったよ。

657 :Classical名無しさん:04/05/09 19:25 ID:fYjaGzgA
面白い( ●  ^  −  ^  ● )と思ふよ

658 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜書き方編〜:04/05/09 21:21 ID:qWTM3Kjg

その1
・段落(改行から改行までの一文)の文頭は一文字分の空白を入れてから書き始める。

×
SSのせいか、それとも絵板のせいか。
なぜ、自分はオニギリ派になってしまったのだろう、
自分でも不思議でしょうがない


 SSのせいか、それとも絵板のせいか。
 なぜ、自分はオニギリ派になってしまったのだろう、
自分でも不思議でしょうがない


その2
・段落の文頭でも「」や()の時は下げなくてもよい。

×
不思議で仕方がないことを、職人は一人つぶやいた。
「どうして私の作品の感想レスが少ないんだ」


 不思議で仕方がないことを、職人は一人つぶやいた。
「どうして私の作品の感想レスが少ないんだ」

659 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜書き方編〜:04/05/09 21:22 ID:qWTM3Kjg
その3
・三点リーダー(…)とダッシュ(―)は基本的に二文字分を使って書く。
・また、(・・・)や(・・・)は使わず(この二つは中点である)に上記の(…)を使う

×・・・なんてことだ、この作品の後に自分のを投下できるはずがない。
○―――――また今度にするか? そんな思惑がよぎる。

×……なんて事だ、この作品の後に自分のを投下できるはずがない。
○――また今度にするか? そんな思惑がよぎる。


その4
・閉じカッコの最後に句読点を持ってこない。

×「この作品、面白いな。」
×(俺の作品のほうが面白いけど。)

○「この作品、面白いな」
○(俺の作品のほうが面白いけど)


その5
・!と?の後には、空白を入れる。ただし、その後が閉じかっこならば必用はない。

×「もしかして、ネタがかぶった?それともパクられた?」
×「アホ!んなわけないだろ!」

○「もしかして、ネタがかぶった? それともパクられた?」
○「アホ! んなわけないだろ!」

660 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜書き方編〜:04/05/09 21:23 ID:qWTM3Kjg

 以上、某所の書き方を微妙にパロった説明でした。これらのことは基礎中の基礎。
是非とも取り入れてもらいたい。特に、最近は初SS投稿の人が増えているので、こ
れらをやっていない人が目立つ(前の作品にもいっぱいあるが)。
 とはいえ、きちんとした小説ではないSSならば、作者の自由なことも事実である。
それに、これが出来ていないからといってダメな作者ということは断じてない。た
だ、こういったルールが日本語、小説にあることを覚えて欲しい。

661 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜文章編〜:04/05/09 21:32 ID:qWTM3Kjg
その1 まずは会話や擬音よりも描写を!

【例文1】
「あの……えと……」
「い、妹さん?」
「……は、播磨さん、私」
「な、なんでしょうか?」
(言わなきゃ……ちゃんと伝えんきゃ……)
「……私、播磨さんが」
「……」
(な、なんだろ?)
(そ、そんなに見つめられると)
 カァ〜〜!!
「や、やっぱり、なんでもありません……」

【例文2】
 八雲は何か言いたそうに言葉を発しようとする。しかし、伝えたいはずの言
葉は出てこずに、逡巡の単語しか出てこない。言いたい
「……は、播磨さん、私」
 播磨は八雲の躊躇っているが、必死な様子に、やや緊張しつつも言葉を待つ。
その様子を感じ取った八雲は、ついに意を決した。
「私、播磨さんが……!」
 声を大きく出し、顔を上げて八雲が播磨を見る。しかし、その行動によって
二人の視線が交錯してしまう。播磨の眼差しが、じっと八雲の瞳にそそがれた。
突然で、予想外で、不思議に恥ずかしく感じる出来事に八雲の頬が真っ赤に染
まる。伝えたい言葉たちが頭の中から消えていった。
「や、やっぱり、なんでもありません……」

 同じ場面、同じ行数である。どちらが読み応えがあるかは一目瞭然。例文2
もそれほど凝った描写はしていないが、例文1と比べればその差は明白だろう。
また、複数の同姓が喋る状況だと、誰が話しているのか分からなくなることも
あるので、特に気を遣おう。

662 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜文章編〜:04/05/09 21:33 ID:qWTM3Kjg
その2 説明ではなく描写!

【例文1】
 高野晶が部屋にも戻る。そこには猫が一匹だけいた。部屋の中は、壁は壁紙その
まま、ベッドや机は銀製の単純なもの。ただ、部屋の中は片付いてはいる。殺風景
な部屋である。
【例文2】
 高野晶が自室のドアを開ける、出迎えるのは一匹の猫だけ。いつも通り部屋の壁
にアイドルのポスターな貼ってるわけもなく、銀色に輝く家具たちが、ひっそりと
佇んでいるのみ。整然と片付いていることが、余計にこの部屋を殺風景にしていた。

 これまた同じ部屋の描写だが、どちらがより殺風景な部屋と感じるか?

663 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜文章編〜:04/05/09 21:39 ID:qWTM3Kjg
その3 改行をキチンと!

【例文1】
「待ちなさいよ! ヒゲ、待ちなさいってば!」
 沢近は泣きじゃくりながらも、大声を張り上げて、自分から去ってゆく男に呼びかけた。
しかし、呼びかけられた男は振り向こうともしない。
「……お願い、待ってよ、お願いだから」
 力なくうなだれる沢近。それでも、瞳だけは彼からそらさずに、
例え涙で視界が滲んでも、彼を見失わないように見つめる。
 それは、もしかしたら振り向いてくれるのではないか、という期待を込めているかのようだった。

【例文2】
「待ちなさいよ! ヒゲ、待ちなさいってば!」
 沢近は泣きじゃくりながらも、大声を張り上げて、自分から去ってゆく
男に呼びかけた。しかし、呼びかけられた男は振り向こうともしない。
「……お願い、待ってよ、お願いだから」
 力なくうなだれる沢近。それでも、瞳だけは彼からそらさずに、例え涙
で視界が滲んでも彼から視線を外さないように見つめる。
 それは、もしかしたら振り向いてくれるのではないか、という期待を込
めているかのようだった。

 区切りのいいところで改行したいのはよく分かる。が、それだと全体的に汚
く感じる。ここで! と決めて、そこで改行しよう。そうすればグっと小説ら
しく見える。ただし、2chに投下すると、メモ帳やワードとは微妙にズレが生
じる。それはさすがに気にしなくていい。

664 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜文章編〜:04/05/09 21:41 ID:qWTM3Kjg
その4 誤字脱字に注意!

 これは読み直すことで減らせる、が、書いた直後に読み直してもたいして意味
はない。なぜなら、書いたばかりなら内容を覚えているので、勝手に脳内で文章
が出てきてしまい、正しいと勘違いするからである。
 完成して、すぐに投下したいのは分かるが、最低でも数時間、出来れば一日置
いてから読み直そう。一番いいのは誰か他人に読んでもらう事なのだが……これ
はさすがに難しい、というか恥ずかしい。次にオススメするのは音読、先にも書
いたが、黙読だと脳内で勝手に正しいと勘違いするからである。
 また、夜に書いた作品は次の日に読み返すことをオススメする。一日たってか
ら見ると、恐ろしく変な文章や、厨な言い回しがあることに気づくことも多い。

 ……正直なところ、今、自分が投下した中にも誤字脱字があります。自分で言っ
ておいて、この有様ではどうしようもない。偉そうなことは言えません、申し訳
ないです。

665 :初めてSSを書くなら、これらを頭に入れておこう! 〜文章編〜:04/05/09 21:42 ID:qWTM3Kjg
 大変かと思うが、この四つは基本だと思われる。しかし、例外はいくつも存在す
る。たとえば、会話をテンポよくするためとして、会話を連続で入れたり、シンプ
ルな描写で逆に雰囲気を作ったり、一文ごとに改行する作風もある。
 だが、やはり基本があっての応用、この四つを肝に銘じなくても、頭の片隅に入
れておくといい。特に、最近SSを書き始めた人は、最初の三つを考えてもらいたい。
せっかくのいい内容が、こんなことで色あせてしまってはもったいなく感じる。
 最初は難しく感じるかもしれないが、慣れればどうってことはない。また、急に
出来ることではないので、少しずつ慣れていこう。
 それに、これも出来ていないからといって、作者に実力が無いわけではない。上
の四つはどれだけ文章を読んだか、書いたかによることが大きいからである。ただ
し、人によっては実力が無いな、と感じる人もいるのも事実である。

 と、ここまで書いたがSSは自分で好きなように書くもの。気にしない人はそれで
まったく問題がないことをここに記しておく。必要だと感じた人も、それほど神経
質にならないこと。気にしすぎてSSを楽しく書けなくなればば、まさしく本末転倒
になってしまうからだ。

 以上、一人の職人の戯言でした。

666 :Classical名無しさん:04/05/09 22:07 ID:9u9mt3js
>>665
乙。

まあ一読者の俺だけど、出来るだけ上手いSSを読みたいという願望はあるからね。
どんどん職人さん達が上達してくれたらこんな嬉しいことはありませんよ(´∀`)
皆様これからも素晴らしいSS期待してます。

667 :655:04/05/09 22:09 ID:6gWpwnUI
 >>665までを読んで、自分のSSを見ると、頷くものがあります。
 特に、台詞の連続ではなく、描写に苦心しています。
 参考になりました。 有り難うございます。

668 :Classical名無しさん:04/05/09 22:50 ID:TShaintE
勉強になる……
3、4個引っかかってますね

669 :Classical名無しさん:04/05/09 23:27 ID:w7anRfBQ
俺、ほとんど引っかかってる……

670 :Classical名無しさん:04/05/09 23:34 ID:9u9mt3js
しかし>>658-665はテンプレに入れたいくらいですね。
SS保管庫に置かせて貰えますかね?>管理人様
そこにリンクを貼るとか。
しかしこうやってどんどんSSの質が高まっていく・・・
素晴らしい


671 :Classical名無しさん:04/05/09 23:39 ID:ZYi4f8xA
ちなみに、663の話を詳しく知りたいとか思ったのは俺だけですか?

>556
きりらんしぇろですね?
サラSS面白いと思いますよ。
ただ、貼る前に「30分近くかかります」とか、
サラSSと晶SSは分けて貼れば怒られることもなかったと思います。
内容は良いと思うんで、次もまってます

672 :Classical名無しさん:04/05/09 23:42 ID:nl5cYsFM
あくまで一個人としての意見ですが、
665氏が書いたことは、確かに小説を書く上では、守らなければならないものですが、
あくまでSSですし、自由に書いていいと思いますよ(氏もラストに書いてますし)

個人的には、むしろ色々なスタイルの文章をよむのが楽しみです。

緻密な情景描写、心理描写を加えた本格的なSS、
会話だけで折りつづられたSS,
あっさりとした地の文で書かれた、読みやすいSS.

色んな形式があるからこそ、その人独自の味がでて面白いと思います。

後、改行に関してですが、元々一行あたりの字数が決められている原稿用紙ならともかく、
決められてない掲示板などでは、明確にきめないほうが見やすいと思うのは私だけですかね?

確かに、
こんなかんじで、
改行されるとみにくいですが、

ある程度の字数を守っているのなら、
切りのいいところで、改行を加えた方が、
ある意味安いかもしれません。
(↑の場合、20字を目安にしました)

これは、一行あたりの字数が少なく、また漢字も使えなかった、ファミコン時代の
RPGなどでよく見られた方法です。

三点リーダーや、ダッシュに関しては、確かに2文字続けるのが正しい使い方なのですが、
これもそこまで厳格にする必要はないと思います。(エロゲの一部では2点リーダーになってることもありますし)
むしろ、使いすぎ(or使いなさ過ぎ)の方が気になると思います。
長文、失礼しました。


673 :665:04/05/09 23:43 ID:qWTM3Kjg
表現の微妙なニュアンスが誤解されそうなので、追記させてもらいます。
これはあくまで指針や標であって、絶対のものではことを明言させてもらいます。
これらが出来ないからといって、SSを書くなとか、出直して来いなどと馬鹿な
ことは言う気はありませんし、もちろん言う権利もありません。

ただ、自分はこういうのがある、ということ伝えたかっただけです。
SSを書いていると、もっといい話を作りたい、と思うことがあると思います。
その時に、内容や発想、オリジナリティー以外の基礎的な方法として
これらの要項を認識していただければ、と思います。

…今更ですが、初めての作品は上記の文章編について難しく考えずに
勢いに任せて書いてみることをお勧めします。
まずは書いてみること、それが始まりです。
書きたいのを、文章法や描写がまだまだだから書かない、投下しない
なんてことになればこれこそ本末転倒です。
誰だって初めての時は描写や表現はまだまだなんですから
恥じたり、気にすることなどありません。
私も未だに人様に偉そうに言えるほどたいしたものは作れません。

まずは書いてみてください。
上記のことはそれから学べば十分、学ばなくてもたいして問題はありません。
SSを書きたい、書いてみたい、読んでもらいたいという気持ちの方が
上に書いてあることなんかよりも、ずっと大切だということは間違いないですから。

674 :Classical名無しさん:04/05/09 23:50 ID:e8XLIY9s
>665
どうフォローしようがそれはプレッシャー。埋めまで待ってほしかった。

深く考えるとドツボにはまりそうなので書いてきた鉛筆だけ置いていきます。
《投下》

675 :665:04/05/09 23:53 ID:qWTM3Kjg
>>672
後半の文章編については、ややシリアス話を書くときの心得だ、
と思っていただければいいと思います。
もちろん全てのSSをこんな風にする必要はありません。
672が言うとおり、軽いタッチの作品ならば、逆に魅力が損なわれますし。

改行に関しては、それでいいと私も思います。
上の文ではそう伝わらなさそうですね、表現力が乏しくて申し訳ない。

三点リーダーやダッシュに関しては、あくまで基本は、と捕らえてもらえば結構です。
長い沈黙や、表現法として二文字以上使用することに全く問題はありません。

……なんだか自分で書いててダメダメな気がしてきました。
全く気にしない方がいいかもしれません。

676 :秋は夕暮れ:04/05/09 23:55 ID:e8XLIY9s
 播磨拳児は悩んでいた。
「さっぱりわからねぇ…… どうすりゃいいんだ?」
 どれだけ考えても答えの出ない難題。秋風にはためく校旗の音すら不快に感じるほどだ。
 とりあえず放課後の教室に自分しかいない現状に気付き、机に足を投げ出す。
その机に乗せた足の下には、結局半分も埋められなかった古文のプリント。
普段の成績が壊滅的な上に一学期末のテストを放棄したせいで時折出される課題の一つだ。
「留年なんて冗談じゃねえぞ。俺は天満ちゃんと同じクラス・隣りの席であり続ける!」
 同じクラスになり、なおかつ意中の人の隣りに座れる確率を考えれば高望みなわけだが、
そこまでで満足してしまってはいけないということに播磨はまだ気付いていない。
あともう少し賢ければ自分を取り巻いている環境も正しく認識できるのであろうが……。
 
 播磨は足を下ろしもう一度古語辞典を開いて、プリントの難問(播磨主観)に再び挑む。
と、その直後突然教室の扉が豪快に引き開けられた。
「おーい、誰か校庭のサッカーゴールを運ん…… なんだ、播磨だけか」
 現れたのは、周防美琴。播磨にとっては単なる天満ちゃんの友人の一人。
凶暴な沢近・得体の知れない高野と違い播磨とも普通に話せる性格なのが唯一の違いか。
「まいったなー。教室に行きゃ少しは人がいるって思ってたのに」
「どうした? サッカーゴールを運ぶのに人手が必要なのか?」
 しなければいけないプリントではあるが、やる気が持続するかどうかはまた別の問題だ。
勉強を中断して体を動かすための口実ができることを期待して、播磨は美琴に尋ねる。
「ああ。昨日の昼休みにうちの男子どもがB組と試合するとか言って動かしたままでさ。
女子のハンドボール部の邪魔になってるから動かすための人手が欲しかったんだけど」
 クラスの男子どもはどこに行っちまったんだよと嘆息を漏らす美琴。

677 :秋は夕暮れ:04/05/09 23:56 ID:e8XLIY9s
 播磨は考える。ちっとばかし気分転換にしては重労働すぎるんじゃなかろうか。
でも鉄製のサッカーゴールを女手だけで運ぶであればきつかろうし、何より危険だろう。
五人以下で運んでいると一人が力を抜いた時点で支えきれなくなって犠牲者が出かねない。
自分が何もしなかったことで怪我人が出たりすれば寝覚めが悪くなる事は必定なわけで……。
「よし、運動場だな。すぐ行く」
 言うと同時に教室の外へ歩き出そうとする。
 しかし、そんな播磨を呼び止めたのは、協力を要請しに来たはずの美琴だった。

「ちょっと待てよ播磨。お前は昨日のサッカーに参加してないんだからいいって。
片付けをしなかったうちのクラスの男子どもにやらせるつもりで探しにきたんだからさ。
それにその古典のプリント、放課後まで残ってやってるって事は補習か何かなんだろ?」
「人手が欲しかったんだろ? 気にすんな。先に行ってるから周防は他の奴等探してこい」
 結局のところ、とにかく勉強を小休止できる理由が欲しかった播磨が強引に場を仕切る。
 しかし、その目論見は思わぬところから挫かれることになった。

678 :秋は夕暮れ:04/05/09 23:57 ID:e8XLIY9s
「みー こー とぉー !」

「ん? 運動場からだよな、あの声。なんなんだよまったく…… はぁっ!?」
 校庭を一瞥してすっとんきょうな声をあげる美琴。
 それもそのはず、重くてせめて6〜7人はいないと運びたくなかったサッカーゴールが、
―――二基とも、ほぼ運び終わろうとしているところだった。たった一人の女生徒の手で。
「あれ、一条…… だよな」
 自分の見ている現実が信じられず播磨に再確認を求める美琴。
「どれどれ、よっこらせっと」
 その後ろから爪先立ちで窓の外を覗き込む播磨。美琴の後頭部に播磨の胸板が当たる。
(へぇ……。確かにいい筋肉してるな。花井がライバル心燃やしてるわけだ)
 女の子なのだから少しは慌てるべきところなのだが、武闘家としての感想のみ。
クラスの男子たちに対して面倒見が良いのも女としての自覚がまだ足りないからなのか。
「ああ、確かにあの女だな。なんつー非常識な馬鹿力してやがるんだあいつは」
 播磨は一条の腕力をもはやギャグの領域だと割り切っているのでさほど驚きはしない。
「幻でも見てるのかと思ったけど、やっぱり現実か。じゃあ返事しておかないとな。
サッカーゴール、もう運び終わったんだな? ありがとうって伝えといてくれー!」
 グラウンド全域に届くようなよく通る声で呼んでくれた女子生徒に返事をする美琴。
そのまま播磨に向かって振り返り、笑顔でこう述べた。
「さて、向こうの用は片付いたみたいだし。今度はあたしが恩返しをする番だな。
手伝ってくれようとしたお礼に、その古典のプリント手伝ってやるよ」
「……あ?」

679 :秋は夕暮れ:04/05/09 23:59 ID:e8XLIY9s
 実際には何も手伝っていないのにそれで勉強をみてもらうのは気がひけた播磨だが、
どれだけ考えてもらちがあかなかっただけに、今日はその厚意に甘えてみることにする。
「しかし周防、お前お人好しすぎねえか? 男子の不始末の面倒を見ていたと思えば、
今度は人の課題を手伝おうとしてくれるなんてよ。自分の予定とかねえのか?」
「ああ、今日の稽古は夕方過ぎてからだからな。それまでは暇なんだ。
ガキ共が多少早く来てたとしても、その時は花井が相手してくれてるだろうし」
 無駄話をしながらでもきっちり出題文を読み終えていたりする美琴。
 しかし、稽古もすなわちガキの面倒を見るお人好しな行為のように播磨には思えた。
これだけ人に親切にする事を苦労とも思っていそうにない美琴をたいした奴だと眺める。
 すると、サングラス越しの視線に美琴も気付いたらしい。
「なんだよ、人の顔じっと見るなんて。あたしの顔になんか付いてるか?」
 そのとき美琴は唐突に思い出した。しばらく前に天満が口にした言葉を。 

『そんな…… 播磨君、美琴ちゃんに告白する練習までしたのに……』

 そう、沢近との関係は修復されたが、播磨との問題は先送りにしたままだった。
となるとこの「放課後の教室に二人きり」という状況は非常にまずいのではなかろうか。
播磨の真意を確かめる機会は何度かあったのに、ずっとうやむやにしてきた自分を悔やむ。

680 :秋は夕暮れ:04/05/10 00:00 ID:e8XLIY9s
「いや、何も付いてねえが。ところでここの『うちながむる』ってのはどういう意味だ?」
「……ああ、それは『心細く思う』でいいと思う。中宮・定子からの手紙の段だったよな」
「手紙? 大人気作家・清少納言を手紙で呼び出すって事は…… そいつが編集者か?」
「なわけねえだろ! だいたい清少納言は人気作家じゃなくて中宮の女房だ!」
「おう。つまりこの定子って奴は別居中の妻に手紙を送る情けない夫ってわけか」 
 どうやら今のところはそういった話を切り出される気配はない。安堵のため息。
が、それ以上に播磨が古典に関して壊滅的なまでに理解力が足りないのはどうしたものか。 
この調子ではまだまだ教える側の美琴の気苦労は尽きそうにない。連続して落胆のため息。
「どうしたもんかな……。まずはこの話の背景から説明してもいいか?」
「教えてもらってるのはこっちだ。遠慮はいらねえ」
 それならばということで美琴は語りだす。

「この話の前に、藤原道長と藤原伊周っていう親族同士の権力争いがあってさ。
で、伊周が濡れ衣を着せられて左遷されちゃったからその妹の定子も内裏には居辛くて。
納言も道長と仲が良かったから定子と顔を合わせ辛くなっちゃって離れ離れだったわけだ」
 そこまで聞いたところで播磨が驚いたように美琴に問う。
「定子ってのは女なのか? なのに女房がいるのはどういうわけだ?」
「お前なぁ…… それで今まで古典の授業どうやって受けてたんだ?
その『女房』ってのは宮中に仕えるいいとこのお嬢さんの事で、妻って意味じゃないぞ?」
 丁寧に教えるつもりだったがつい呆れた口調になった。美琴は姿勢を正す。
「そうだったのか。周防の説明のほうが注釈よりわかりやすいな、あんがとよ。
でも、その藤原道長って名前、どこかで聞いた事があるような……」
 説明は終わっていないのだが、播磨は記憶を手繰ってゆくのに懸命のようだ。

681 :秋は夕暮れ:04/05/10 00:01 ID:e8XLIY9s
 ひとしきり考えても答えが出なかったであろうその様子を確認してから、美琴は述べた。
「そりゃあ歴史上の重要人物だもんな。播磨は選択科目は世界史だったっよな?
だったら中学校の日本史で習った分だな。摂関政治で栄華を極めた人物ってくらいか?
播磨も日本史を選択しとけばこのあたりはもっとわかりやすかったかもしれないのに」
「ああ、俺ぁどうしても日本史を選択したかったんだが、その…… な」
 留年決定から一転、強引に二年生に昇級したために選択の余地の残っていなかった播磨。
本当なら選択授業でも天満ちゃんと…… という無念の想いを込めて呟く。
 しかし、美琴はその発言に激しく動揺した。

 播磨が美術と体育以外の授業はほとんどやる気がないのはクラス周知の事実だ。
そんな播磨が、どうしても世界史ではなく日本史を選択したかった理由があるとすれば、
―――クラスの誰かと、一緒にいたいため。
 播磨の本命だと思っていた沢近は間違いなく選択科目は世界史。つまり違う。
舎弟を気取っていた吉田山も世界史だったはずだからどうやらこれも違う。
 だとすれば、天満の言っていた通り播磨は自分に恋慕の情を抱いているのだろうか?
天満が嘘をつける性格ではないことは理解していたが、信じようとしていなかった美琴。
今鳥や冬木のような即物的なアピールには対処し慣れているが、こんな方向性は初めてだ。 
 播磨が本気で告白してきた場合、傷つけないように断りきれるか? 美琴は悩んだ。

682 :秋は夕暮れ:04/05/10 00:03 ID:e8XLIY9s
 しかし、こういったことは確かめてみないことにはどうこう言えるものではない。
とりあえず美琴はそれとなく播磨に質問をぶつけてみることにする。
「と、ところでよー播磨。お前の好みのタイプってどんななんだ?」
 外角低めのシュートのつもりで投げたら、ど真ん中への棒球になったような発言。
いくら美琴が恋愛オンチだとはいえ不自然極まりない壮絶な自爆といえる。
 後悔の塊のようになりながらどう取り繕うか必死で考える美琴。

 だが、播磨はその質問を曲解した。すなわち天満の質問を周防が代行しに来たと。
どういう思考回路をしていればそうなるのかは知らないが、ある意味いつも通りに。
「そうだな…… 黒髪で、背はちょっと低め。それでもって家庭的なタイプだな」
 想い人・塚本天満を思い浮かべながら、そのイメージで述べてゆく。

 失言からの自滅状態こそ免れたものの、美琴の動揺はさらに深まる。
(なにぃっ! ぜ、全部当てはまってないか? どう話を逸らすつもりだよあたし!)
 播磨は「女子の平均的身長よりちょっと低め」のつもりで発言しているのだが、
美琴は「播磨より少し低いだけ。つまり背の高い女の子」と解釈してしまっている。
普段ならありえない勘違いだが、疑ってかかるとその全てが怪しく聞こえてしまうものだ。

683 :秋は夕暮れ:04/05/10 00:04 ID:e8XLIY9s
 動悸を抑えながら、確証を得るために美琴はさらに質問を続ける。
「で、でも女の子は非力でおしとやかなほうがいいだろ? 馬鹿力じゃ困るよな?」
「いいや、少なくとも俺を投げ飛ばせるだけの実力者。これは譲れねぇ」
 その言葉でより美琴は確信を強めた。
(おいおい。播磨ほどの体格の奴を投げれる奴っていったらあたしか一条くらいしか……)
 当然運動神経の鈍い天満が過去に播磨を完璧に投げているなんて事は知るわけもなく。
「塚本の言ってたこと、本当だったのかよ……」
 思わず漏れる呟き。思い返せば授業中稀に播磨の視線を感じることがあったと振り返る。
真相は美琴の後ろの席の天満と黒板を播磨が交互に見ていただけだったりするのだが……。

「ん? 天… いや、塚本がどうした?」
 やっぱり天満ちゃんの話だったんだなと誤解し、身を乗り出して聞く気充分の播磨。
その播磨の急激な接近に、美琴はとうとうパニックに陥った。

「あー! なんだ。済まないけど急用ができちゃてさ。あたし帰るわ! あはは」
 怪しげな発音でまくしたて、筆記用具を鞄に力ずくで詰め込んで教室を走り去る美琴。
「……何だってんだ? 暇とか言ってたのにいきなり急用って」
 天満からの質問と思っていたのに、さっぱりわけのわからぬままとり残された播磨。
彼の机には、ほとんど教えてもらえなかったため進んでいない古典のプリントと―――
周防のものと思われる、なにか見覚えのあるシャープペンシルだけが残されていた。
「ん?」

684 :秋は夕暮れ:04/05/10 00:06 ID:e8XLIY9s
 一方、赤くなりながら一気に校舎の外まで駆け出していった美琴は。
「はぁ、はぁ……。しかしなんであたし、こんなにびびってんだ?
今までにも告白された事くらい何度かあったってのに、みっともないったらありゃしない」
 冷静さを取り戻しながら、今後の播磨に対する接し方について考える。
 美琴としては、神津先輩のことは諦めたとはいえまだ誰とも付き合うつもりはない。
 だが、美琴の目から見た播磨は馬鹿な不良でこそあれ、決して軽薄な男ではない。
むしろ一本気なあたりにはかなり好感すら覚えているといえる。
 ―――だからこそ、余計困る。
 どうでもいい男ならばそのままばっさりと切り捨ててしまえるのだが、それができない。
「こんな時、沢近だったらどうするんだろうな……」
 恋愛に関しては自分より何枚も上手な親友ならこの状況をどう切り抜けるか考える。
が、何故か沢近ならそのまま播磨と付き合ってしまいそうな気がしてならない。
やはり完全石化させられたあの視覚イメージはそう簡単には拭い去れないということか。

「……ならいっそ、あたしも付き合ってみるか?」
 自分で言って自分で驚く。
 身持ちが堅すぎるということは晶や沢近などに言われずとも自覚していたし、
それがいいこととも別に思っていなかったので確かにそういう選択肢もアリだとは思う。
ただ、そう考えてすぐ、どこか悲しげな人影が脳裏に浮かんできたのはどうしてだろう。  
「んー。ま、そのときはそのときだ。今日のところは体動かして忘れちまうとするか!」
 空の色が変わり始めた夕暮れの下、道場へ向かって美琴は駆けていった。

《おわり》

685 :674:04/05/10 00:09 ID:e8XLIY9s
密度のせいで容量オーバーらしく全部分割。しかも連投規制……(泣)

『播磨×美琴を誤解する■■』を書くはずが脱線しました。出てきもしません。
古典の解釈については強引に要約してあるので信じたりしないで下さいね。

686 :Classical名無しさん:04/05/10 00:11 ID:IY91mHkg
はっきり言ってPCで段落のアタマを一文字空けられても読みにくいだけなんだけど。
ID:qWTM3Kjgは何様?

687 :Classical名無しさん:04/05/10 00:12 ID:9u9mt3js
>>685
GJ!
鉛筆キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! 最高ですよ。
健全板では初めての鉛筆でしたよね確か。
このカップリング好きなんだよなー
続きがとても気になります!

688 :Classical名無しさん:04/05/10 00:19 ID:nl5cYsFM
>>674
お疲れさま( ´∀`)

鉛筆のSS初めて見ました。表現も丁寧で、キャラクターの特徴も良く掴んでいると思います。

続きが読みたくなるSSですね。

689 :168:04/05/10 00:19 ID:w7anRfBQ
まずい、萌える…
俺、縦笛派なのに……

早く続き書かなきゃ…やられる!?

690 :Classical名無しさん:04/05/10 00:30 ID:UP3rarDA
>>685
お疲れ様です。
誤解が誤解を呼び、結果として恋となるわけですねw
キャラの立っている、よいSSだったと思います。

そして結局一作も投下しないまま480kb……。
すみません、次スレではたぶん自分も投下できると思います。
旗派の方、もうしばらくお待ちを。

では↓の方、スレ立てお願いします。
勝手ながらお願いさせていただきますと、テンプレの過去スレは
If04からにしていただきたいです。
自分も含め、NGワードに引っかかったという人が多そうなので。

691 :Classical名無しさん:04/05/10 00:37 ID:Fxxuq7bM
>>685
面白かったです。会話の妙が見えましたなー
630といい、こういった文章を書ける人はうらやましい。

どうでもいいけど、とりあえず、落ち込んでる人はテンプレを見ろとw
あと、665は間違ったことは書いてない。それをどう応用するかは作家自身でしょ。

692 :Classical名無しさん:04/05/10 00:39 ID:Fxxuq7bM
……マジですか。
どうせ消すことになったどうでもいい長文なんか考えてるんじゃなかったOTL

693 :Classical名無しさん:04/05/10 00:43 ID:QYM9SUFo
>>674 GJ!
シャーペンが残ってるということは続きも書くんだな?書くんだろ?
マッテルヨー( ´∀`)つ)´∀`)

694 :Classical名無しさん:04/05/10 00:44 ID:Fxxuq7bM
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1084117367/

立ててきました。

695 :Classical名無しさん:04/05/10 00:54 ID:SMYnl9Mc
IF04以前の過去スレも貼って欲しかったんですけど。
スレタイを載せないとか一部伏せ字にするとかじゃダメなんですか?
ともあれ>>694さん乙です。

696 :Classical名無しさん:04/05/10 00:55 ID:17IfhYw2
>>685
GJ!
鉛筆(・∀・)イイ!ずっと待ってましたよ。
二人のやりとりが絶妙ですね。上手いです。
続き期待していいですか?待ってます

>>694
乙カレー

697 :695:04/05/10 01:07 ID:SMYnl9Mc
うわ、1行目の最後句読点を間違えたらなんかトゲトゲシイ文章に見える…。
要は「今からIF08スレに>>695のようにして過去スレのリンクを貼るのはダメ?」
ということを聞きたかったんです。


698 :Classical名無しさん:04/05/10 01:12 ID:Fxxuq7bM
こんな感じ?

もっともっとスクラン萌えスレッド
http://comic.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1074117388/l50
もっとスクールランブル萌えスレッド
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1072536035/
スクールランブルの萌えスレッド
http://comic3.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1060335566/

でも、アドレスを貼ったとしても、全部現在見ることできないんだよね……

699 :602:04/05/10 01:13 ID:fjGCxdoI
どうも、読んでいただいた人、感想、評価を書いてくれた人ありがとうございます。

あと、書き方とか色々丁寧に説明してくれた方もありがとうございます。
次、書く時に参考にさせてもらいます。


700 :Classical名無しさん:04/05/10 01:31 ID:TShaintE
スクールランブルSS、300作品突破記念!!
ついにキタ――――(・∀・)――――!!!!


で、なんかやりません?
SS人気投票とか

701 :Classical名無しさん:04/05/10 02:18 ID:JZmhiykM
人気投票じゃなくてもどれが皆のオススメかとか知りたいな。
或いはSS職人が薦める他人のSSとかね。

702 :Classical名無しさん:04/05/10 03:08 ID:wsI8ET8g
書く側の人も人気があるとかオススメとか知れるとそれを参考にできるし、
オススメと言われた作品を書いた人はさらなる意欲につながると思うからいいと思う。


703 :Classical名無しさん :04/05/10 10:22 ID:6gWpwnUI
質問なんですが、次のスレに移行するのは、
何か基準があるんですか?
のこり300近くもあるのは、もったいないと思うんですが。

704 :Classical名無しさん:04/05/10 11:22 ID:RopKxP9E
>703
このスレッド自体のサイズが今現在483kb。
500kbを越えると見えなくなる。

17kbと言ったら大作二本分くらいしか余裕がないから、
これくらいでちょうど良いと思うよん。

705 :Classical名無しさん :04/05/10 12:33 ID:6gWpwnUI
>704
あ、そうゆうことですか。
納得しました。

706 :Classical名無しさん:04/05/10 14:12 ID:05IL3QTw
500kまで何か話して落とした方がよくね?
前スレもまだ残ってるんだしさ・・・

707 :Classical名無しさん:04/05/10 14:38 ID:nl5cYsFM
>>700,701

とりあえず、個人的に気に入ったものを3つほどあげてもらっても、面白いかな?

個人的には
・St. Valentine's Day :旗好きとして気に入った作品
・Love is Blindness:同じく姉萌えとして。
・「雨去りし後」 :記念すべき第一作目ですし。

他にも一杯あるけど、とりあず3つならこんなかんじ?


708 :あずまゐ:04/05/10 15:06 ID:rEWwHhaw
自分はピンクに入ってる「播磨と沢近の体が入れ替わるヤツ」に3票分。
(スミマセン、作品名忘れてしまいました…)



709 :Classical名無しさん:04/05/10 17:02 ID:ndwaBcT.
(゚д゚)ポカーン

710 :Classical名無しさん:04/05/10 17:16 ID:TShaintE
イトコファンとしては無題(56)が好き

参照 SS保管庫
http://www13.ocn.ne.jp/~reason/

711 :Classical名無しさん:04/05/10 17:31 ID:JZmhiykM
俺も初心者なんだけど現在何kbってのはどーやったらわかるのかな?


712 :Classical名無しさん:04/05/10 17:47 ID:TShaintE
一番左下あたりの484kBって文字を見ると吉

713 :Classical名無しさん:04/05/10 17:51 ID:TShaintE
分かり易く言うと「新着レスの表示」の上の行の赤い文字ね

714 :674:04/05/10 22:14 ID:lGWIZa0c
そういえば、高校の古典で枕草子をやった覚えはなかったり。
次の日からは今まで通りというのが好きなので、続く予定はありません。

>689
むしろまずいのは、さくらんぼ派なのにこんなの書いちゃった私。
連載なのにそのスレ内に終わらせられなかった心中お察しします。

715 :711:04/05/11 01:19 ID:JZmhiykM
なるほど、有難うございました。
いつも見てるはずなのに気付かないもんだ。

716 :Classical名無しさん:04/05/11 13:51 ID:QYM9SUFo
KB [ 2ちゃんねるの一日〜…〜]
ここまでを一くくりに見てるからその隣の数字が変わってるのに気づかなかったり。

717 :Classical名無しさん :04/05/11 16:42 ID:6gWpwnUI
埋めついでに今までの集計を行いました。

・St. Valentine's Day   1票
・Love is Blindness     1票
・「雨去りし後」       1票
「播磨と沢近の体が入れ替わるヤツ」 →無題(46)  1票

718 :611の人:04/05/11 17:52 ID:w0Bdqwto
ほんじゃi_just_can't_stop_loving_youに一票

719 :Classical名無しさん:04/05/11 20:29 ID:dIYaxoOY
人気投票とかはやめた方がいいと思うんだが。
マジで

720 :Classical名無しさん:04/05/11 21:16 ID:7TLwvsc.
>719
だよな。保管庫のほうの掲示板でやってることだし。

721 :Classical名無しさん:04/05/11 21:24 ID:TShaintE
参考、埋めのネタ程度に考えてください

722 :Classical名無しさん:04/05/11 22:15 ID:VYocZ.72
埋めネタとしてもやるべきじゃない

723 :Classical名無しさん:04/05/11 22:28 ID:TShaintE
なんでですか?

724 :Classical名無しさん:04/05/11 22:28 ID:QYM9SUFo
ということで終了

↓アンケート以外でどうぞ

725 :Classical名無しさん:04/05/12 09:23 ID:iadcGtv.
If06スレはDat落ち?

726 : ◆Lh4ZrnwQ :04/05/12 18:42 ID:6gWpwnUI
天王寺騎に向かっていくモブ騎馬。
「ひるむな! 相手は一騎だ! 全騎突撃―!」
美琴はモブ騎馬を制止しようとする。
「待って皆! 作戦を立ててから――」
そんな言葉に耳を貸さないモブ騎馬。
「2−Cの指図は受けん!」
わああああっと一斉に天王寺騎に襲いかかる。
天王寺、ギロッとひと睨み。
 そして、右手でドッパアアンと平手打ち。
 「ピギャ!」
 片手で3騎馬を倒され、動揺の広がるモブ騎馬。
天王寺、ギロリと睨む。
 たじろぐ所へ体当たり。
「ギャー うわー」
 凄惨な光景を目の当たりにした美琴。
「ま まるでダンプじゃねえか……!」
 頼もしい味方の登場に、余裕のハリーと東郷。
「こうなると我々でも手がつけられんな」
「まさしく一騎当千ってやつサ!」


727 : ◆Lh4ZrnwQ :04/05/12 18:43 ID:6gWpwnUI
一方、天王寺の活躍を見ていた播磨。
「ちっ ハリキリやがって」
 そんな播磨に愛理がけしかける。
「ホラ! いつまでも外周なんかうろついてないで! あいつ やっつけにいくわよ!」
 それに対し、消極的な播磨。
「メンドクセー 行きたきゃ一人で行けや」
 その返答につっかかる愛理。
播磨とのいつものやり取りが始まる。
「なによ まだ根にもってるわけ?」
「なんの事だ?」
「決まってるでしょ 勿論ハゲ……」
「わーーー わーーー」
 大声で愛理の発言を遮る播磨。
「テメー どこまで俺を貶めりゃ気がすむんだ!」
「アンタがハッキリしないからでしょ!」
先日のハゲになった件で言い合いを始める二人。
「まったく あれしきの事で小さい男ね!」
「あれしきの事で済ますツモリかテメーわ!」
(沢近さんて、結構すごいんだ)
(ウチら 騎馬として全く機能してないな…)
二人の会話についていけない両サイドの二人だった。


728 :24号SS:04/05/12 18:45 ID:6gWpwnUI
ケンカしつつ、愛理ははっとした。
(い、いけない いけない! まァたこじれちゃうわ)
 そのまま、一人モードへ突入。
(コイツは…このハゲは本当に不思議な位、相性サイアクで心底イライラするけど、
ここは私がゆずらなきゃ)
私って大人……と思いつつ、甘い声を掛ける。
「ねぇ 播磨君?」
 そのとき、お姉さんが声を掛けた。
「がんばれハリオ! 見てるゾー!」
「あー ウィス」
 そのやり取りを見て、愛理の態度が急に変わった。
 播磨の帽子をガシッと掴む。
「お、おい! テメ、お嬢! やめろ、掴むの! 帽子がとれ…」
 騒ぐ播磨に言い放つ愛理。
「前進」
「あい?」
 バックに蛇を背負い、恐ろしい表情で愛理は続けた。
「前進。 right now!!」
 走り出す播磨騎。
「オイ 無抵抗の不良をイジメて楽しいか?」
 播磨の問いに愛理は答えずに、播磨の頭をグリッと右に回した。
「ハイ そこを右」
再びケンカになる播磨と愛理。
 そんな播磨騎を挟み撃ちで狙う他の騎馬。
 しかし、「邪魔!」の一言でやられてしまった。
(何だかんだいって、息が合ってるような 播磨さんと沢近さん)
 二人を見て、そう思う吉田山次郎だった。


729 :24号SS:04/05/12 18:48 ID:6gWpwnUI
 そのころ天満騎は、外周をうろうろしていた。
 天満はやる気があるのだが、奈良にはある計画があった。
(強い騎馬の後に尾いて、戦闘を極力回避! うまく生き残れば最後は…)
 天満に腕を組まれ、一条に誉められる自分を妄想する奈良。
(名付けて奈良超進化計画!)
 えへらえへらとしている奈良。
 その前方の騎馬がドカーンとふっ飛ばされる。
 のそりと動く、天王寺騎が出現した。
 それに気付く美琴と麻生。
「塚本がヤバい! たのむ!」
「おう!」
 そこに立ちはだかる東郷。
「おっと そうはいかねえ」
相対する東郷と美琴。
「お前さんら…実にいい動きしてるぜ 骨のあるヤツがいなくてちょーど退屈してたのさ」
「ち……! こんな時に」
 後方から駆けつける愛理騎。
「こっちはまかせて美琴!」
「沢近! 頼んだ!」
ハリーの状況を確認し、愛理騎をスルーした東郷。
ドドドドドドドド 愛理騎が天満騎に向かっていく。


730 :24号SS:04/05/12 18:48 ID:6gWpwnUI
 そのころ天満騎。
 奈良が天王寺に必死に言い訳をしていた。
(おちつけ僕! 頭脳の勝利! 頭脳の勝利!)
「え、えっと 僕、奈良健太郎です で、D組です」
 しかし、そんな言葉は天王寺には通じなかった。
 ばちこーん 平手打ちを食らう奈良。
 吹っ飛ばされ、宙に舞う天満。
「みんな…… ごめん…… ね……」
 播磨と愛理は同時に叫んだ。
「天満――――!」


731 :24号SS:04/05/12 18:57 ID:6gWpwnUI


#78とやってしまったので、最初の2つはLh…となってます。
3つめから、24号SSと変更しました。
IF7埋め立ての為に今号をSSしてみました。

732 :Classical名無しさん:04/05/12 19:37 ID:QIQGjv2U
いやっほーぅ!天王寺最高ー!!

733 :Classical名無しさん :04/05/13 07:38 ID:6gWpwnUI
   |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`' 、
   |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::゙' 、
   |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
   |:::::イ::::::::::イi:::::::::::/i::::::::::::;;::::::::::::::::::' , 
   |::::リ::::::://:::::::, './::ッ::::::/|::::::::::::::::::::::'.,/
   |::ソ::::/ /::::::, ' ./:::/|::::/ j::ii::::::::::::::::::::::';/
   |:::::/''"7:/i/-/、:/ /:/ .|::||:::::::::::::::::::::::',
   |/ ,";:ィ-ー- // .//  リ/::/i:::::ii:::::::::::::i  
   | r'´,..:゙f゙`  `  〃   'イ;;i!''|:::/|:i'i:::::::::|  
   | ´ ,.':::::::7         リ_ 'ソ .リ j:::::::::::i
   |. t:::::::/           ,-r、`i! .i"/::::::::::イ
   |  `゙~´        /::::/ j ./::::::::in"
   |             、;:::/ / /:/i::::/リ
   |          !   ~  ./ソ´/::/.ノ  
   |                /| |`i:::ッ /   ・・・
   |、    一    _,.. -'"::| | .|:::ii´
   | > 、   _,,. -t'''":| .|::::::::| | .|:::|!
   |  /`'''''"~::::\l:::::::l |::::::::| | .|::::ii
   | ./::/:::::::::::::::::ヾ::::| |::::::::| | .|:::::|
   |//::::::::::::::::::::::::::ヾ| |::::::::| | .|:::::|
    |'-、:::::::::::::::::::::::::::::::ヾ .|::::::::| | .|:::::|
    |=ソ_::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ|::::::::| .| .|:::::|
   |_  ゙"j::::::::;;;;;;;;;;;:::::::::::::`、::::| .| .|:::::|
   | `゙''ー-ュ::::::::::::::::::::::::::::;イ:::::| .| .|:::::|
   トー、;.: . j:::::::::::::;;::'::::::::/ |:::::::| | |:::::|
   |、,  `ーッ;;;:::::''::::::::::;;イ| .|::::::::|.| |:::::|
   |( ヽ、,ノ;;;;;;;:::::::::/:::l ! |:::::::::| | .|:::::|
   |:::)  ノ::::::::::::::':/ |::::::| | |:::::::::| | .|:::::|


734 :Classical名無しさん:04/05/13 19:40 ID:kLYjdFxk
ありゃ、ここまで埋まったか。絨毯爆撃は諦めよう。

735 :Classical名無しさん:04/05/13 22:23 ID:qmlfIyEQ
絨毯爆撃楽しみだったのに、などと言いつつID変わった記念埋め。

736 :Classical名無しさん:04/05/13 22:35 ID:Fg8kLTyE
今月中の規制解除は無理かな? と言いつつ埋め。


737 :Classical名無しさん:04/05/13 23:01 ID:ecGdtSAQ
同じく爆撃を楽しみにしていたなー
しかし、規制されるって大変ですなぁ。埋め埋め。

738 :Classical名無しさん:04/05/14 01:28 ID:w0Bdqwto
リレー小説したいなと思ったんだけどSSスレじゃ迷惑かな?
まあそれ以前に参加してくれる人がいるか不安だが。

739 :Classical名無しさん:04/05/14 09:54 ID:VaJVthCs
スレは分けた方がいいだろうね。
というかスクランでリレーってどんな感じだろう……

740 :Classical名無しさん:04/05/14 10:02 ID:8/.kV9Yw
某荒らしに割り込まれないよう、
管理のしっかりしたBBSでやるほうがいいんじゃないかなあ…
とか言ってみる。

741 :Classical名無しさん:04/05/14 10:24 ID:1le2B0pY
>>737
あ、それ。おもしろそう。

742 :24号SS後:04/05/14 10:49 ID:6gWpwnUI
ばちこーん 平手打ちを食らう奈良。
 吹っ飛ばされ、宙に舞う天満。
「みんな…… ごめん…… ね……」
播磨と愛理は同時に叫んだ。
「天満――――!」
 ドサッ 地面に叩き付けられる天満。
 愛理騎が駆けつける。
 「天満! 大丈夫?」
 天満はピクリとも動かない。
 「おい、て…塚本! 塚本ぉ!」
 播磨の呼び掛けにも応答しない天満。
 そこにお姉さんが駆け付ける。
 「ちょっと見せて。 ……うん、外傷はスリキズ程度ね。 大丈夫、気絶しているだけよ」
 胸を撫で下ろす、播磨と愛理。
「あー、ほっとしたわ。 で、わかってるわね?」
「おう、アイツはツブす!」
 二人の視線の先には、天王寺騎がいた。


743 :24号SS後:04/05/14 10:51 ID:6gWpwnUI
 
天満騎を倒した後も、モブ騎馬を次々に撃破していく天王寺。
そこに愛理騎が立ちはだかった。
「待てぇ! 天王寺!」
怒りに燃える播磨は、天王寺に叫ぶ。
「テメエ、いくらフラれた相手だからって、女のコを張り飛ばすとは許せねえぞ!」
ザワッ 周囲が騒ぎ出す。
(えぇ? 告ってフラれた腹いせにあんなことしたの? サイテー)
(播磨くんとは違って、えげつねえな天王寺って)
不良な2人だが、硬派な播磨。 対して、カタギにもケンカを売る天王寺。
ただでさえイメージが悪い所に、この発言。
しかし、天王寺は中指を立て、チョイチョイと自分のほうにおいでおいでをした。
「ヤロウ、ぜってぇツブす!」
播磨は天王寺に向けてダッシュした。


744 :24号SS後:04/05/14 10:51 ID:6gWpwnUI
ドドドドドドドドド 天王寺にぐんぐん迫る。
「お嬢! 切り離すぞ! 合図したら飛べ!」
「OK!」
「3,2,1 よし、今だ!」
 バッ 愛理が騎馬から飛び上がる。
 張り手で撃墜しようとする、天王寺。
 しかし、天王寺の動作が止まった。
 播拳蹴が天王寺のひざにヒットしたのだ。
 苦痛にゆがむ天王寺。 そこに愛理のシャイニング・ウィザードが炸裂した。
 メキィ 愛理のヒザが天王寺の顔面にヒットする。
(ひざを蹴って、張り手の動きを止めたのね… やるじゃない、ハゲ)
 愛理が感心していると、播磨の声が響く。
「よし 着地だ。 吉田、モブ、いいな?」
後ろの2人に指示し、愛理が着地。 見事に決まる。
「やるじゃねえか、お嬢」
「当然よ 私を誰だと思ってるの?」
 憎まれ口を利きながらも、鮮やかなコンビプレーの2人。
(この2人、結構いい感じなのに、どうして仲が悪いんだろ?)
疑問の湧きあがる吉田山次郎だった。


745 :24号SS後:04/05/14 10:52 ID:6gWpwnUI
 
「さあ、次いくわよ!」
「よし!」
 
 愛理の掛け声に播磨が応え、ダッシュ。
 騎馬戦もクライマックスに突入していく。
 
 了


746 :24号SS後:04/05/14 11:01 ID:6gWpwnUI
分校お絵描き板の「惨劇〜tragedy〜」にヒントを得てSSしてみました。
作者の浮舟さま、すみません。

747 :738の人:04/05/14 12:07 ID:w0Bdqwto
とりあえず聞いておきたいんですが、もしリレー小説企画立ち上がったら参加しよ
うかな。と思う人どれくらいいますかね?

748 :Classical名無しさん:04/05/14 15:45 ID:TShaintE
参加します、はい

749 :Classical名無しさん:04/05/14 19:22 ID:LGpehjfg
SSは描いた事ないですが参加したいです

750 :738の人:04/05/14 20:36 ID:w0Bdqwto
とりあえず自分入れて三にーん。あと一人か二人いれば普通に出来るね。

751 :Classical名無しさん:04/05/14 20:40 ID:Ur5yrgpw
('A`)ノシ 元気があれば参加したい。元気があれば。

752 :Classical名無しさん:04/05/14 20:57 ID:TShaintE
基礎ストーリー案
1 文化祭
2 修学旅行
3 スキー旅行
4 正月
5 誰かの誕生日
6 遊園地にでも行く
7 天満が死んだら 

753 :Classical名無しさん:04/05/14 22:16 ID:0DbqYm0M
7で。

754 :749 ◆HATA.yI2 :04/05/14 23:01 ID:LGpehjfg
トリップつけてみたり(いらないか)

7はどうかと・・・
文句だけではなんなので案を増やしてみる

8 クラス替えのときからやり直してみる
9 適当

755 :Classical名無しさん:04/05/14 23:46 ID:Ur5yrgpw
んじゃ、俺からも案を

10:同じシュチュエーションやテーマで各自のストーリーを
11:いたって普通な日常生活

10はリレー小説じゃないか。なんか色々ダメぽ('A`)

756 :Classical名無しさん:04/05/14 23:49 ID:bK/6IZUM
まあ、誰かが出だしさえ書けば続くんじゃない?

757 :Classical名無しさん:04/05/15 00:02 ID:TShaintE
埋まった頃、次スレにて開始

758 :Classical名無しさん:04/05/15 00:05 ID:w0Bdqwto
分校のSS保管庫のBBSとかがまったり出来ていいと思うが

759 :浮舟:04/05/15 02:49 ID:BvO7thL6
>>746
SSのヒントに使って下さり、ありがとうございますー。
あの後、天満が本当に亡くなってしまうネタを作っていたのですが〔オイ
やっぱり、このSSのような展開のほうが後味がいいですね。



760 :24号SS後:04/05/15 10:01 ID:6gWpwnUI
おお、浮舟さんからレスが。
ありがとうございます。
お互いに精進していきましょう。

761 :Classical名無しさん:04/05/15 10:37 ID:IdY4NXUA
>744
蹴っただけで勝利条件を満たしていない=暴力行為 と感じたのは私だけ?
上の子からハチマキを奪うなり天王寺が倒れるなりする描写がないと。

762 :Classical名無しさん:04/05/15 10:42 ID:9U/uI8G.
天王寺は肉団子三兄弟みたいに足元がお留守で潰せそう

763 :埋め:04/05/15 12:14 ID:Fyp5qlNc
最後っぽいので数作だけですが感想を。

>>a chance
時事ネタのSSが多かったので初期の頃のノリのSSで新鮮でいいと思います。
当時の物は天満絡みなしだったので、これも播磨らしさが伝わってGood!!

>>Shopping of a holiday
黒サラというか・・・灰サラですかね(;´Д`)
麻生の尻に敷かれようが上手いです。
いや、自分は白サラ派なんだけどね

>>Le Huitieme Jour
播磨らしさの出ている作品だと思います。
欲をだせば心理描写とかをもうちょっと深く書いて欲しかったり

>>花井とラグーン
バハムートラグーンネタですか・・・。
某嘘つき姫ネタは危険なのでなかなか難しいと思います(乗り切ってしまえば笑えますが)

>>Let's display fireworks
ドッグさんの作品は好きです。途中のレスにもあるように前半がギャグで後半がマジメなのが上手いと思いますが。。。
Meは友人が1日に10回以上止まったという驚異の記録を持ち合わせています(え、そこは突っ込みどころじゃない!?)
修正分は某BBSに再投稿でいいのではないだろうかと思ってみたり。

>>any face girlなどなど
そうですね・・・。作品自体はどれもよくできていると思います。ただ、ここの回転ペースの問題もあるのでできるだけ分けたほうがいいかと。
まぁ あまり叩くのも擁護するのしつこすぎずが一番平和なので次の投稿時に気をつければ水に流れるのではないかと。
しかし、ネタは1/3くらいオーフェンネタかな?鋼の後継とか殺さずとか・・・違うかも。

>>男達の作戦会議
男たちの座談会みたいでいい感じかも。if05のあれを思い出します。正直こういう企画は楽しいですね。
個人的にはこんな大事な行事になぜ西本は参加しなかったのかと小一時間・・・

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